E-listBBSSearchRankingMusicHall-HornGo to Top
南北統一と世界平和への道
(全面表示) 戻る

資 料

「世界平和連合」設立の背景
 本文は、一九九一年八月二十八日に開催された、真の価値体系に基づく恒久的な世界平和建設を目指す「世界平和連合」の創設大会で配布された小冊子の要旨です。

 国際情勢は不確実性の時代

 歴史を通して、国際理解を深めようとする背後には、不安定と闘争が存在し続けてきました。第一次世界大戦終了後には「国際連盟」が、戦争を防ぎ、世界的な緊急事態に対処するために設立されました。第二次世界大戦後には「国際連合」が、戦後に平和をもたらすために設立されました。国連の権威は、主にアメリカ、ソ連、イギリス、フランスの大国に基づいていました。しかし、冷戦が終結して以来国際情勢は方向が定まらず、不確実性の時代へと突入しています。西側諸国に見られる道徳と倫理の混乱、元共産主義世界におけるイデオロギーの喪失という問題は、二十一世紀に突入する世界を理解した上で対処されなければなりません。

 「世界平和連合」は、新しい二十一世紀の政治的、経済的、社会的、文化的構造は現代世界の土台の上に築かれる、という理解のもとに設立されました。「世界平和連合」設立の根拠は、文鮮明師が今まで世界平和のために提唱し、展開してきた多くの運動の中に見いだすことができます。

 文師は、南北両アメリカ大陸の格差を埋めるために、一九八四年にラテンアメリカ統一連合(AULA)を創設しました。文師は、AULAの根本原理を、シモン・ボリバーの理想と、ラテンアメリカ諸国の統一という崇高な目的のために挑戦し続けてきた歴史的人物たちの思想と目的の上に置きました。

 ラテンアメリカを中心としながらも、AULAの活動は、フランス、コロンビア、ウルグアイ、ドミニカ、メキシコ、スペイン、韓国、モスクワで展開され、各国の最高レベルの国家指導者たちが専門的知識や意見を与えてきました。AULAは半球の統一を達成するための問題解決のためにあらゆる責任を担ってきました。AULAは、研究し討議されるべき争点や、ラテンアメリカの最高指導者らによって公式化し、討論し、承認されるべき計画やプログラムを提供して、ラテンアメリカ諸国に平和と調和をもたらし、諸国民を兄弟愛によって一つにするために目覚ましい貢献をしてきました。この努力が「世界平和連合」設立の基盤になっています。

 アメリカにおける「世界平和連合」設立のための先例としては、「アメリカ人指導者会議(一九八六年設立)」、「アメリカ憲法委員会(一九八七年設立)」があります。


 技術力の格差埋める諸組織

 「アメリカ人指導者会議」は、全米五十州から立法議員が集まるほどになり、一九八六年以来、二十二回の会議が開かれ、政府の相対的競争システムと彼らの異なる哲学的理解に焦点を置いてきました。今日(一九九一年)までに三〇〇〇人以上の立法議員をはじめ多くの上下院議員、大学学長、地方官吏らがこの会議に参加しました。この姉妹組織であり、アメリカ合衆国憲法制定二〇〇周年に設立された「アメリカ憲法委員会」もまた、アメリカ歴史における憲法と宗教の役割を強調するための機関として存在し、二十一世紀に向けて継続させていかなければならないものであると考えます。「アメリカ憲法委員会」が先頭に立って、これら二つの組織は一九九〇年に力を結集しました。

 一九九〇年十二月、「アメリカ人指導者会議」と「アメリカ憲法委員会」は、国際協力という共通精神をもって、アメリカをはじめとして中欧・東欧の立法議員やソ連から数百名の議員を招く共同プログラムを開始しました。これら二つの組織は、ソ連の十五共和国の代表と協力して、一九九一年四月三十日から五月二日にかけてワシントンで第一回世界指導者会議を開催し、新しい基準に到達しました。

 文師は、政治分野だけに世界平和を訴えてきたのではありません。知ることが理解のためのかぎの一つであるということから、「科学の統一に関する国際会議(ICUS)」が十八年前(一九七二年)に設立されました。ICUSは、自然科学と社会科学との間の溝を埋め、科学と道徳との関係を明確にするために設立されました。ICUSとその支流組織である「世界平和教授アカデミー(PWPA)」に世界一二〇か国以上から学者が集い、彼らの学術的専門知識を用いて、世界平和と協力に向けて現代可能な手段を討論してきました。

 より良い理解を求めることは、「世界言論人会議(WMA)」の目標でもあります。一九七八年に設立された「世界言論人会議」の目的は、世界中のジャーナリスト、学者、政治家が一堂に会し、メディアの役割と責任について論じる場を提供することです。さまざまに異なった見解や世界情勢に関する報道の影響に対して見識を深めるため、「世界言論人会議」は世界中で会議を開き、中米や北東・東南アジアの混乱した国々を実情調査するためのツアーを主催しました。

 これらの団体その他の努力によって、もう一つの重要な段階が生まれました。それが一九八七年に発足した「世界平和頂上会議」です。この会議は、世界の共通善のために世界中の元元首や首相たちが専門知識と英知と外交手腕を活用するために、文師によって設立されました。同会議は、参加者に世界平和と発展について地球規模的に論じ遂行するための討論の場を提供し、創造的なエネルギーを投入する機会を提供しています。第一回世界平和頂上会議で配られた創設者の挨拶文からも分かるように、この会議は今までに類を見ない会議なのです。

 「世界の先進国家は他の国々を援助するために、神によって祝福されたのだと考えるべきです。彼らは世界の発展途上国のために進んで犠牲になっていかなければなりません」。 「一体となってこそ、先進諸国は人類の三大天罰である飢餓、病気、無知の克服のために途方もなく大きな改革運動を開始することができるのです」。

 第一回頂上会議の結果、ソウル平和宣言が満場一致で採択されました。ソウル平和宣言では、「より高度な新しい価値観に目覚めるための運動が必要であり、このような努力によって人類の善意を活用できるだろう」と呼びかけています。この重要な声明は、頂上会議で討論された政策を具現化するための組織を発展させることを述べています。


 神中心の世界観を強調

 人道主義的目的や目標に貢献するこの宣言が、「世界平和連合」設立の発端となりました。第四回世界平和頂上会議と第九回AULA国際会議がモスクワで、「世界言論人会議」とノーボスチ通信社の共催で「グラスノスチとペレストロイカの地球規模的意味:新しい思考」のテーマで開催されました。その言葉自体はソ連で生まれたものですが、グラスノスチもペレストロイカもそれまで敵対してきた超大国が、今や人類の抱える諸問題に共に取り組むことができる新しい時代を迎えるきっかけとなったものです。

 一九九〇年四月、文鮮明師は、二十八人の元国家元首たちと共にゴルバチョフ大統領と
会談しました。この後、文師とゴルバチョフ大統領は単独に会談を行い、政治的、経済的対談をよそに、もう一つの次元である道徳と霊性について話し合いました。文師はゴルバチョフ大統領に、自由市場型民主主義と社会主義双方の資力を一体化するために、新しい価値体系が必要であると語りました。文師はまた、個人の要求と組織の要求を調和させるためには、神中心の世界観が必要であると強調しました。神中心の世界観は個人主義と集産主義の架け橋となるでしょう。

 ゴルバチョフ大統領は、文師の言葉に積極的な姿勢を示しました。彼らは、新しい世界秩序の土台は地球規模の協力と開放の中から生まれるという点に同意しました。文師はこのことを創設者の挨拶の中で、モスクワ会議の一〇〇〇人の参加者に語られました。

 「私は、ソ連が、真の平和が永続する世界を建設するという神の摂理において重要な役割を果たすであろうと信じております。私の祖国である韓国と国境をなし、極東からヨーロッパの中心部にまで伸びるこの大きな連邦国家は、ヨーロッパとアジアの架け橋となるように運命づけられています。私たちは、地球という一つの大きな家庭に住む一つの地球家族だと見るべきです」。

 文師はゴルバチョフ大統領と会談して、平和と統一の時期が冷戦の終結によってもたらされたことについて話し合いました。そして、すべての国々が改革の必要性に対処するために新しい世界的な組織の設立を益々必要とするようになりました。

 ゴルバチョフ大統領とブッシュ大統領の米ソ首脳会談中の一九九〇年六月二日に、文師は、ソ連大統領諮問委員会のメンバーであるユリ・オピシャン博士をワシントン郊外の教会施設に招きました。文師は政治的な意味だけではなく、経済、技術レベルにおいても、両大国間に芽生えた友好をいかに用いるかについて話し合いました。文師はマルチレベルの戦略をもって、この目標に向かって働きかけていくことが重要であると語りました。文師は今までアメリカ、南米、中東で設立した新聞を利用して、民主主義の理想と価値観を促進するよう働きかけました。また文師は、東欧諸国と新生民主国家を援助するため、善の目的を持った政府方針と実際的な方法の架け橋となる、より直接的な道を探していると語りました。

 オピシャン博士は、一つの組織を通じて理念と資源、資力を世界平和のために用いていくという考えに大いに心引かれ、「世界平和連合」設立の呼びかけに最初に署名したのです。そして、ミズリー州選出の前下院議員リチャード・アイコード氏が二人目の署名をしました。その後、この連合は、数千名に上る連邦政府官吏、州知事、州議員、市長、軍部官吏、企業指導者、報道陣代表、聖職者そして学者たちの支持を急速に獲得していきました。最終的に「世界平和連合」は、アメリカで十万名、ヨーロッパとアジアで四万名以上の署名を獲得しました。

 「私たちは、恒久平和という素晴らしい祝福を後世に保証するため、国境や信条および人種を超えた世界組織として『世界平和連合』の設立を推奨したします」。


 政府と国民の相互協力生む

 「世界平和連合」は、二十一世紀のための国際組織として提唱され、そこで話し合われることは未来に直接関係することです。この組織は、政府と国民の相互協力を生むための機関です。また同連合は、絶対価値の理念に基づいた国際秩序を主張し支持することにより、学者、企業家、事業家を一体化するために機能するでしょう。この考えを促進することによって、「世界平和連合」は貧困、搾取、帝国主義、飢餓、発展途上経済、人種差別、文化的対立という問題に対する解決策を呼び求めることができるのです。これらの問題は、各国の安寧を保証することによって乗り越えることができます。その国際協力を通して、同連合はすべての民族と国家に経済的自立の機会を与えながら、技術の平準化を呼びかけます。またこの連合は、全人類に等しく与えられた環境の保護と、思慮深い利用を呼びかけています。

 「自由は平和の中にこそ存在します。私たちはここに思想と表現の自由、特に信仰の自由を支持することを宣言いたします」。

 価値観の基盤であり、それゆえに文化の土台となる宗教は、人類の心霊の行くべき方向を示し、世界を平和へと導くために統一されなければなりません。この「世界平和連合」は、宗教がこの使命を果たすことができるよう世俗社会に焦点を置いているために、文師は、一九九〇年八月、サンフランシスコでの第二回世界宗教議会において「世界平和宗教連合」を提唱されました。この「世界平和宗教連合」は、「世界平和連合」の目的にバランスを与えるために創設されたのです。

 「世界平和宗教連合」は、一つの共同体としての宗教、信者および超教的機関を、新世紀へ突入しつつある世界が直面している道徳的挑戦に向けさせるための組織です。同連合の信条は、全人類が世界平和と正義のために協力していくことです。これは、宗教の真の役割が人類を真の愛へと人類を導くことにある、という文師の宣言を支持しています。

 「今まで多くの人々が真の統一世界建設を追求してきましたが、真の平和はいまだ訪れていません。だれもが平和を願いますが、私たちはまず平和を築くためには何が必要かを知らなければなりません。平和実現のかぎは、夫にあり、妻にあり、息子にあり、娘にあり、隣人にあり、国家・世界にあり、正に自分自身の中にあります。一人ひとりの人間が調和のとれた存在であるかどうか、本心を中心として心と体が調和し、一体化しているかどうかによって決まるのです。人間が神と真の父母の心情と一つになったとき、完全に他のために生き、真の愛を中心として真の平和を達成することができるのです」。

 「世界平和宗教連合」は、サンフランシスコでの設立宣言以来、活発に発足のための準備を進め、一九九一年八月二十七日、韓国ソウルで正式に発足しました。「世界平和連合」と「世界平和宗教連合」は、[神]あるいは[絶対価値]を中心とする新しい理念の両側面です。これは、文師が「神主義」と名づけた哲学です。

 いろいろな理念や文化、伝統、言語を超えることにより、「世界平和宗教連合」は人類の心霊を導き、「世界平和連合」は政治や経済および文化的秩序の維持に努めていきます。二つの組織は、宗教および非宗教分野における善意を活用するために、兄弟組織として取り組んでいきます。これら両連合の設立は、人類に今までなかった全く新しい一ページを開いたのです。
 (英文より翻訳)
注(1) ベネズエラ出身のラテンアメリカ独立運動指導者(一七八三〜一八三〇)。ラテンアメリカの統一を目指すが失敗に終わった。



















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送