南北統一と世界平和への道
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朝日新聞(1991年12月1日付)
 文鮮明氏、北朝鮮入り ―経済協力などを協議か―


 世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教主夫妻が三十日、韓国の世界日報社長や米国の統一教会関係者らとともに朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に入った。世界日報編集局によると、文教主は北朝鮮の金達玄・政務院副総理兼国際貿易促進委員会最高顧問の招請を受けており、五〜六日程度北朝鮮内に滞在し、金日成主席とも会談を行う予定という。

 文教主らの一行は七人。この日北京空港で、北朝鮮のパク・ジョングン金剛山国際貿易開発会社社長を通じて「文牧師(教主)夫妻の出身地(北朝鮮)訪問と経済協力問題を討議するために平壌に来ることを歓迎する」との内容の金副総理の招請状を受け取り、同日午後、朝鮮民航の特別機で北京をたち、平壌入りした。

 統一教会は「反共産主義」の立場で知られている。

 文教主と平壌に同行した朴普煕・世界日報社長は北京で、「先月十六日、北京で北の金副総理と会い、北が本当に平和統一を望むなら保守宗教勢力の統一教会と対話しなければならないと説得した。文牧師招請は、北の急激な思想的変化の兆しと見ることができる」と語った。
 韓国内には、文教主に対する北朝鮮側の招請状が「経済協力問題の討議」に触れている点などから、北朝鮮が統一教会の財力に目をつけて経済援助を見込んでいるとの見方がある。


朝日新聞(1991年12月6日付)
 北朝鮮と共同声明 統一教会・文教祖


 平壌放送によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問中の世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教祖(世界平和連合総裁)は五日、平壌で北朝鮮の尹基福・朝鮮海外同胞援護委員長(祖国平和統一委副委員長)とともに共同声明を発表した。

 共同声明は、数年以内の南北統一の実現を強調するとともに、対話を通じての平和的統一実現で双方の見解が一致したと述べている。さらに南北首相会談の進展と首脳会談の早期実現への期待を表明した。

 また共同声明は、核査察問題の力による解決は中止すべきだとし、朝鮮半島での核兵器の製造や配備に反対すると述べた。

 このほか(1)世界平和連合は北朝鮮の経済事業に投資する用意がある(2)来年中に南北の離散家族のため双方が合意する場所に面会所と書簡交換所を設置する――としている。


朝日新聞(1991年12月7日付)
 経済協力など金主席と合意 文鮮明師


 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問している世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教主は六日、咸鏡南道咸興にある金日成主席の公館で、金主席と約三時間にわたり会談したと、韓国の世界日報が報じた。昼食をはさんでの会談で、双方は南北離散家族の再会を来年から推進し、また「統一グループ」が北朝鮮に経済協力をするなどで合意したという。


読売新聞(1991年12月1日付)
 文鮮明夫妻が北朝鮮入り 金主席と会談へ


 聯合通信によると世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教祖夫妻が三十日午後、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と経済協力問題などを協議するため北京から空路、平壌入りした。五、六日間滞在し、金日成主席ら北朝鮮指導者と会談する予定という。平壌では、統一教会が力を入れている「世界言論人大会」の平壌での開催問題などについても話し合うという。


読売新聞(1991年12月7日付)
 文鮮明師と会談 金日成主席


 七日付の韓国紙「世界日報」(早版)によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成主席は六日、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教祖と会談、両者は統一教会系企業による対北朝鮮支援など四項目で合意した。また、金主席は席上、同国の核開発疑惑について「道理にかなった査察は受け入れる」と述べた。

 合意事項は、(1)来年から南北離散家族捜しを推進する(2)核エネルギーは平和目的にのみ利用する(3)海外同胞を含めたあらゆる対北朝鮮投資を歓迎し、「統一」グループは北朝鮮の平和的事業を支援する(4)南北首脳会談は、統一方式を協議し、決定するためならば実現可能である――の四項目。


毎日新聞(1991年12月6日付)
 文鮮明教祖訪朝で共同声明


 朝鮮中央通信によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の尹基福・朝鮮海外同胞援護委員長(党書記)と世界基督教統一神霊協会の文鮮明教祖は五日、平壌で会談し、一九九二年中に双方が合意する場所に離散家族の面会所と手紙の交換所を設置、さらに来年中、リトルエンゼルス(少年少女の民族芸術団)の平壌招待公演と平壌少年芸術団のソウル招待公演を実現することなどを盛り込んだ十項目にわたる共同声明を発表した。(朝鮮通信)


東京新聞(1991年12月8日付)
 金主席、訪米し、大統領と会談も 文鮮明氏に意向伝達?


 世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教祖は七日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問を終え、平壌から北京に到着した。

 空港で文教祖は声明を発表、「北朝鮮はイラクではない」と強調、北朝鮮の核問題は武力ではなく、平和的に解決できると訴えた。
 また、教会関係者が配布した発表文によると、北朝鮮の金日成主席は文教祖に対し、招待されれば米国を訪問し、ブッシュ大統領と会談する用意があるとの意向を伝えたという。


日本経済新聞(1991年12月8日付)
 文鮮明氏、北朝鮮訪問終える


 七日の平壌放送によると、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の文鮮明教主(世界平和連合総裁)は同日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問を終えて、空路平壌を出発した。


中和新聞(1992年1月1日付)
 九二年国際情勢徹底分析
 摂理的使命果たした文鮮明先生の北訪問   外交評論家 井上茂信


 一九九二年の国際情勢はどのような年になるだろうか。結論からいえば分裂から統合へと向かう年だといえよう。その最も劇的なのが韓半島情勢である。世界的な宗教指導者であり、勝共運動を展開してきた世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者の文鮮明師が昨年十一月三十日から八日間にわたって北朝鮮を訪問し、金日成主席と歴史的な会談を行った。この劇的な会談を契機に韓半島は統一に向けて大きく動き出した。数年内の統一も可能であろう。今年はまさに世界的な分裂から統合への年であり、それが韓半島に集約的に具現する年なのである。

 「虫の目」から「鳥の目」への転換を

 国際情勢を見る上で最も大切なのは、「虫の目」から「鳥の目」視点への転換である。「虫の目」とは虫が地面をはいずり回るように局部しか見ない視点である。「鳥の目」は鳥が大空から大地を俯瞰するような大局的な視点である。「虫の目」視点の欠点は細部にとらわれて、全体像が見えないこと、すなわち「木を見て森を見ない」ことである。これでは世界は読めない。

 「虫の目」視点から見ると、現在の国際情勢はあまりにも複雑で全体像が捕らえられない。ソ連・東欧の激変、欧州や北米での経済統合の動き、日米経済摩擦、韓半島情勢の流動化など、国際情勢は変化が激しく多様であるからだ。このため、個々の地域の分析に手いっぱいで、国際情勢の全般を綜合的に、また人類史の流れの中で把握することは困難である。

 これに対し、「鳥の目」は国際情勢を大局的に、歴史の展開の中で捕らえる視点である。その点で、一九九二年の国際情勢を理解する上で最も大切なのは、一九九〇年から人類は既存のパラダイム(思考のワク組み)の大転換期に入ったという視点である。すなわち、一〇〇年単位で人類史を見るとき、各世紀末の十年には必ず大混乱が起こっている。既存のパラダイムが崩壊するためである。十九世紀末はフランスのデカダン(退廃文学)に象徴される思想の混乱期だった。同様に二十世紀末の一九九〇年から一九九九年は大変革期に当たっている。

 「全方位混乱」で共産主義は崩壊

 二十世紀を支配したパラダイムは政治イデオロギーでは共産主義とこれと対立する自由・民主主義、そして、両者に共通する「科学万能の考え方」であった。だが一九九〇年はまさに「全方位混乱」の年であった。すなわち、政治を中心とする東西軸では共産主義の崩壊と自由・民主主義の行き詰まりが起こった。

 まず、東の共産主義はモノ不足によって、ソ連・東欧圏諸国の共産政治の崩壊が九〇年に本格化した。共産主義崩壊の根本原因は、(1)「人間は平等」というマルクスの錯覚に基づいて、天与の能力差をも認めず、このため能力のあるものはやる気をなくしたこと、(2)「労働価値説」に立脚し「知識や創意が力であること」を認識せず、情報化時代に遅れたこと、(3)「階級なき社会」を目指し、それを実現するためのノーメンクラツーラという「新しい階級」をつくり出すという矛盾を犯したこと、(4)唯物論に立って、人間を「動く機械」と見なし、共産主義にプラスになるものが「善」、マイナスになるものが「悪」という価値基準を打ち出し、同胞をも含めて大量虐殺を行ったこと、(5)人間疎外の原因になるとして、私有財産を否定したこと――などである。

 共産主義思想は、ユダヤ教のラビの家庭に生まれ、プロシア社会からユダヤ人という理由で差別され、他方キリスト教に改宗したため、ユダヤ教徒から背教徒として蔑視されたマルクスの幼年期の心理的H藤から生まれた怨恨と闘争の哲学である。そして、暴力革命を合理化するために、無神論とヘーゲルの弁証法を無理にくっつけたものであった。

 一方、九〇年には西の自由・民主主義はココロの面で行き詰まった。それを象徴するのは、米国でエイズの死者が十万人台を超えたことや、麻薬の青少年層への広がりと、凶悪犯罪の横行である。日本でもカネのためなら妻をも殺すという保険金殺人事件や銀行の不正貸付けに象徴される社会道徳の退廃が起こりつつある。

 自由・民主主義の行き詰まりの原因として、神を中心とする正しい価値の中心点を失ったことがあげられる。すなわち、(1)正しい善・悪の価値基準なき民主主義(デモクラシー)は、みんなで悪をなすという集団狂気(デモクレイジー)になる、(2)「自由イコール善」との錯覚がまかり通り、正しい価値基準なき自由は放縦に流れた、(3)「人は教育を通じて人格」となるといわれる。やってはならないこと、すなわち戒律を「教え」、他人の痛みがわかるやさしい心情を「育てる」という「教育」の原点が忘れ去られたこと――などである。

 さらに、一九九〇年は経済を中心とする南北軸では、富める北の国々と貧しい南の国々との経済格差の拡大という南北対立激化の年となった。また、「科学万能の考え方」は世界的な脳死体験の研究の広がりで、肉体一元論の唯物科学が行き詰まりつつある。

 思想・価値の空白に民族エゴが衝突

 次の九一年は「全方位混乱」がさらに広がって「ダブル全方位混乱」となり、九二年の統合への陣痛期の年であった。すなわち「東対東」「西対西」「北対北」「南対南」の内部対立と闘争激化の年であった。「東対東」はユーゴスラビアの内戦、ソ連の各共和国の独立と相互対立の激化である。「西対西」は「パールハーバー攻撃五十周年」を迎えた日米の政治対立やポスト冷戦の米欧対立である。「北対北」はウルグアイ・ラウンド交渉をめぐる米国対EC(欧州共同体)の対立、コメの自由化をめぐる日米摩擦の激化である。「南対南」は貧しいが軍事力の突出したイラクによるクウェート武力侵略とこれに対する国連軍の軍事介入が起こった。

 どうして「ダブル全方位混乱」が起こったのだろうか。原因として、(1)共産主義も自由・民主主義も行き詰まった思想の空白に乗じて民族エゴが高まった。(2)多民族・多宗教国家であるソ連の各共和国を結びつけていた接着剤は共産主義イデオロギーと「米帝国主義の脅威」であったが、共産主義が崩壊し、冷戦終結で「米帝国主義の脅威」もウソと分かり、すべての接着剤がなくなり、抑えつけられていた民族対立、宗教対立が噴出した。(非同盟中立のユーゴスラビアの場合、「ソ連帝国主義」と「米帝国主義」の脅威がともになくなり、クロアチア人とセルビア人の対立が表面化し、内戦となった)(3)日米、米欧対立は共通の巨大な敵であったソ連の崩壊で、これまで抑えられていた政治、経済エゴの衝突となった。(4)イラクのクウェート侵略は、対米包囲網の一環としてイラク、北朝鮮、キューバなど第三世界の国々と同盟条約を結んでいたソ連が、冷戦終結でこれら同盟諸国への援助をやめたことが原因の一つである。カネの切れ目が縁の切れ目となって、経済的に困ったイラクが独走してクウェートを侵略した。

 九二年の国際情勢は九一年の延長線上にある。すなわち九一年の民族主義の高まりによる各国の遠心力的動きが、隣国との共存共栄を目指す求心力的動きへと収拾していく年になると予想される。

 まず民族主義の位置づけである。自分の生まれた土地、そして家族やその延長線上にある同族のものを愛するのは、生きとし生けるものの本能のようなものであり、善悪の次元を超えたものである。思想や国境線で人為的に南北に分断された韓民族が離散家族の再会、そして祖国の統一を願うのも自然な人間の心である。だが、自民族のみを正しいと信じ、自民族の利益を他民族の犠牲で追及しようとするのは「民族エゴ」であり、国際紛争の原因となる。

 そこで九二年は民族エゴの克服による分裂から統合への動きが最大の課題となる年となると思われる。このことは、二十一世紀の新しいパラダイムである民族エゴや一国主義を超えた「地球村」構想、そして共産主義と自由・民主主義を超えた神主義(頭翼思想)へ向けての大きな第一歩が踏み出されることを意味する。

 ECと北米で市場統合が加速される

 九二年に統合が大きく前進するのが西欧諸国である。オランダのマーストリヒトで昨年十二月九、十の両日開かれた欧州共同体(EC)首脳会議で、ローマ条約(ECの役割を規定する基本条約、ローマ憲法とも呼ばれる)の改正を審議し、その結果統合EC(欧州連合)創設への道筋について合意を見た。

 すなわち、(1)九九年までにEC主要国で欧州中央銀行(ECB)を設立して、共通通貨ECU(エキュー)を採用する(ただし、ECU採用に反対する英国に対しては「免除」条項を設ける)。(2)政治面では共通外交・安全保障政策を導入し、国際政治に対し「共同行動」をとる。(3)軍事面ではEC主要国で構成する西欧同盟(WEU)を基盤とするが、安保政策は米国主導の北大西洋条約機構(NATO)と両立させる。(4)ECの将来像については英国の主張を入れて「連邦化」の字句を削除するが、EC議会の権限、EC共通市民権を導入する――などが決まった。

 ECは今年中にヒト・モノ・カネの域内移動を自由化する市場統合の準備作用を終える。合わせて人は三億四〇〇〇万人、国内総生産(GDP)五兆ドルという欧州の十二か国が国家を超えた「ヨーロッパ合衆国」へと進むのである。

 一方、北米では北米自由貿易協定(NAFTA)が動き出している。米国、カナダ、メキシコ、三国間で九一年二月に締結されたもので、三億六〇〇〇万人、経済規模六兆ドルの市場統合の実現へ向けて動き出す。

 旧ソ連邦と韓半島の将来

 これらの統合の動きを求心力的動きとすれば、民族独立追求の動きは遠心力的動きである。ソ連邦の解体は遠心力的動きであったが、その後の「独立国家共同体」の結成は求心力的動きである。ロシア、ウクライナ、ベラルーシ(白ロシア)のスラブ系三共和国が締結した「独立国家共同体」へ、カザフ共和国などソ連・中央アジア地方の各共和国も加盟した。ソ連邦は解体し、各共和国は独立した。「独立国家共同体」は同じ「共同体」の名をもつ欧州共同体(EC)のような独立国家の同盟関係の組織であり、当面は民族主権の土台で連合しようとするものである。

 ゴルバチョフ・ソ連大統領は「新連邦条約」で各共和国の上に立つ連邦を残そうとしたが、「独立国家共同体」は国家の上に中央国家を設けることを否定するものである。多民族国家を結びつけていた共産党が解体した以上、イデオロギーにより人工的に作られた連邦が解体するのは当然の帰結だった。ソ連の場合、まず遠心力が働いて各共和国の独立による連邦解体となったが、今度は求心力が働いて「独立国家共同体」が結成された。政治・経済が安定すれば、次はEC型の連合に向かう可能性もあろう。
 次は韓半島である。韓国と北朝鮮は昨年十二月十三日ソウルでの第五回首脳会談で「南北間の和解と不可侵および交流に関する合意書」に署名した。内容は、和解と不可侵を定めたほか、物資、科学・技術、教育、文化・芸術、報道、出版その他多くの分野での交流や離散家族の相互訪問を決めたもの。分断から実に四十六年間ぶりに南北が署名した最初の公式文書であり、ついに統合への求心力が韓半島でも動き始めたことを意味する。今年は南北統一への大躍進の年となろう。

 北朝鮮をして、対決から民族和解へと大転換させるための大きな契機を与えたのは、文鮮明師の北朝鮮訪問であった。北で文師は宗教指導者として演説した。そして朝鮮労働党機関紙「労働新聞」にその内容が掲載され、「神主義」が北の人にも伝えられた。

 文師は勝共運動の創始者であるが、「私の勝共思想は共産主義者を殺す思想でなく、彼らを生かす思想、すなわち人類救済の思想です」と語っている。また文師は韓半島について「世界史の総合的な遺産と呼ぶことのできる東と西、南と北の出合い、精神と物質、有神論と無神論の対決と混沌が集約された地」と語り、「韓民族の試練は人類の摂理的なものであり、神は韓民族がこれを克服することを待ち焦がれている」と強調している。

 南北統一への突破口を切り開いた文師は、北訪問によって、分裂から統合へ、そして「地球村」へと向かいつつある人類の摂理史のなかで、神を中心とする正しい心が主体となって肉体を正しく導くという頭翼思想(神主義)によって韓半島の統一を始動させるという神から与えられた使命を達成されたのである。

















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