E-listBBSSearchRankingMusicHall-HornGo to Top


御旨と海 誰が海を受け継ぐのか
1983年 7月 3日 グロースター


 先生に初めて会う人は何人いますか。手を挙げなさい。ありがとう。今日先生は船で来ましたが、それはとてもひどい揺れ方でした。その上ひどい霧だったので、先生の目はまだ焦点が合っていないのです。プロビンス・タウンから一時間半かかったんですが、先生はその途中「方向を知るということは何と重要なことだろう」と思わざるを得ませんでした。霧の中で我々が頼れるのは羅針盤だけでしたので、そのただ一つのステアリングの指示に従って、我々は霧の中を進んで来ました。人生もそれと全く同じなのです。

 人類は全世界で、また何世代もの間――全人類歴史を通していろいろな方法でその方向性を探し求めてきました。今まで人類はあらゆることを試み、すべてに失敗して、ほとんど諦めの境地にいます。その探求心を満足させるものは何もありませでした。しかし今日我々はその範囲をより狭めることができ、自分のことがもっと分かるようになりました。我々は方向性を知る前に、まず自分達の到着点と目的を知らなければなりません。方向性について関心を持つ前に、まず自分の目的を知る必要があります。

 どのように生きるのかについて結論を下す前に、まずなぜ生きるのかについての結論を下さなければなりません。この疑問を全人類はその誕生以来ずっと問い続けています。宗教人達は少なくとも神様を受け入れているので、自分達の人生は神様の目的に何らかの形で奉仕することだということができます。しかし神様を信じてさえいない人達がいます。その人達に、人生について本当に教えることができる人は誰もいません。

人生の目的

 この疑問は限りなく問われ続けてきました。偉大な学者達でさえ、それに答えることができないでいます。ここいる皆さんは普通の人間です。そしてそれ以上に普通のムーニーであるに過ぎません。皆さんは答えを知っているのですか。何の目的で生きているのか、皆さんは知っていますか。皆さんは原理をいくらか理解しているので「お父様、創造目的を成就するために我々は生きています」というかも知れません。ではその目的とは一体何ですか。我々の教会では、神様の摂理について考えれば、すぐに四位基台の確立が頭に浮かびます。神様の目的の完成は四位基台の完成です。四位基台とは何ですか、それはどういう意味ですか。

 最初に男と女が完成すれば神様は自分の理想を実現することができます。ではその理想とは何でしょうか。二人が、つまり一人の男と一人の女が完全な愛によって一つになる時、それが神様です。分かりますか。男と女が完全な愛によって一つになる時、そこにあるもの、それが神様です。男と女の愛は何を中心にしているのでしょうか。男? それともアメリカのように女を中心としているのですか。違います。皆さんはそう思わないのですね。ではその愛は誰を中心としているのですか。皆さんは「神様」と呼んでいます。そうです、その通りです。男と女の愛、二人の間の愛は神様を中心にしています。

 まあ、とにかく男と女が一体化したとします。では愛はどこから来るのですか。それは最初、男から来るのですか、それとも女からですか。どちらでもありません。ではその愛は誰に属していますか。これも皆さんの答えは正しいですね。そうです「神様」です。だからその愛に触れる場合、自分の好き勝手に扱うことは許されません。それは第一に皆さんのものではないのですから、大切にまたは尊敬しなければなりません。それは皆さん以外の所からやって来ます。では愛はどういう経路で皆さんの所に達するのでしょうか。それは皆さんの所へ直接来るのですか。神様から直接来るのですか。どのようにして愛は皆さんの所にやって来ますか。人はたくさんの愛を持っているかも知れません。しかしそれは神様から自分の配偶者を通してやって来ます。簡単です。ここに一人の人間がいるとします。彼にはすべてが備わっているとします。しかし自分一人では満足できません。愛を得るためには他の人を必要とします。それが愛というものの性質です。皆さんは愛について考える時、それが皆さんからではなく、皆さんの配偶者から来るものであるということを認識しなければなりません。それは男でも女でも同じです。まず授受作用がなければなりません。次に統一があって、それから愛が生まれます。皆さんは愛がある場合、それはいつまでの他の人のおかげなのです。そのことを皆さんは心に留めておかなければなりません。

 愛がある所には必ず押す力と引く力があります。ここに初恋をしている一人の男と一人の女がいるとします。男は女にすべてを与えます。女もまた男にすべてを与えます。彼らは相手のために自らを犠牲にします。それでは神様はどこにいるのですか。その中心です。神様は男と女を一つにする力があり、相手のために自らを与えようとさせる力でもあります。

 中心にいて、神様はすべてのものを満たします。男と女のうちでどちらがより偉いのか、男と女は平等か、それとも平等でないかというような論議をする必要はありません。男と女もその中心にいる神様に到達します。しかし全く反対方向から到達します。どういう運動をするにしても、皆さんは中心と軸を持っていなければなりません。それが神様です。男と女の軸、宇宙の軸が神様です。男も女も皆、神様を中心としていなければなりません。すべての家庭、氏族、民族、文化が神様を中心としていなければなりません。すべての国家、世界、そして宇宙さえも神様を中心としていなければなりません。

 では中心が神様ならば、その中心はさらに何を中心としていなければならないでしょうか。中心は何ですか。力ですか。お金ですか。すべての人を、また過去の人達から未来の人達に至るすべての人々さえもつなぎ合わせるものは何ですか。まあ、生命はどうやって始まりましたか。まず第一に、それがどうやって始まったのですか。最初の我々はどうやって存在するようになったのですか。愛からです。一人一人はどこからやって来たのですか。皆さんは皆さんの両親からやった来ました。皆さんは両親の命から来たのですか、それとも両親の愛から来たのですか。命ですか、それとも愛ですか。では皆さんは何ですか。皆さんは両親の愛の参与者なのです。だから皆さんは両親から絶対に離れることができません。親が子供達のために喜んで命を捧げるというのが自然の法則です。動物の世界にはそういうことはたくさんあります。母親とか、父親は子供を守るために命をかけて闘います。

 地上の最も偉大な存在である人間はとうですか。その面において、人間はいずれ全被造物の尊敬を獲得しなければなりません。子供達は最初、両親を持たなければ存在できません。彼らの命は両親から来ます。もし両親が完全な愛で一つになっているならば、彼らの間に分裂は決して生じませんでした。父親の愛と母親の愛が共に神様の愛をかたどることになります。これが存在を説明します。もし両親、ならびに子供達がこれを理解するならば、彼らの間に分裂は決して生じません。彼らは共に生き、共に死にます。神様の愛から離れているものはどういうものでも、本当に存在しているとは言えません。単純なことですが、こういうことを今まで明確に知っている人は誰もいませんでした。

 夫は妻を、ちょうど神様を愛するように愛します。妻は夫を、ちょうど神様を愛するように愛します。それから彼らは子供達を愛し、子供達も両親を愛します。そしてこれがすべて神様の愛の中で行われます。これが四位基台、神様の愛の完成なのです。それが我々の人生の目的なのです。男と女がいったんこういう愛で一つになれば、彼らは互いに離れられなくなるでしょう。またそういう愛によって子供達を持てば、子供達と両親を切り離すことができなくなります。

 こういうことを知って今日の世界を見るならば、そこには、本当に深刻で重大な問題が存在していることが分かります。それは実に悲劇です。アメリカの家庭の半分が分裂の苦しみを味わっています。すべての子供達が両親の愛の下に永遠に生きたいと望んでいますが、単純で基本的なこういうことが彼らには否定されています。これ以上の犯罪はありません。どうして夫と妻が分れることができるのでしょうか。彼らは神様の愛を破壊し、子供達は迷子になっています。この悲劇に名前があるとすれば、それはサタンでしかありません。ではサタンとは何ですか。彼は近づいて来て、神様の愛を破壊します。それ以外の何ものでもありません。我々はそれと正反対の基準を確立しなければなりません。皆さんと皆さんの配偶者の間に愛が芽生え出したら、皆さんはその愛を育て保存しなければなりません。どうして愛はそれほどまでに高く評価されなければならないのですか。どうしてそれほど大切なものなのですか。一つだけ言えることは、愛が、愛だけが生命の原動力となることができるということです。愛以上にそれをできるものは他に何もありません。愛が皆さんを目覚めさせる時、皆さんの目と耳、そしてすべての感覚が一点に集まります。皆さんは二つか、三つのものを同時に見ているのではありません。ただ愛だけを見つめています。それを皆さんに説明する必要はありませんね。皆さんは既にそれを知っています。愛が皆さんを目覚めさせる時、心と体を一つになります。愛の力が皆さんの魂と体を一つにすることができます。愛がなければ、心と体は完全に一つになることはできません。愛がなければ、霊界と物質世界が一つになることはできません。なぜ神様が人間を創造したか、これによって説明できます。神様が愛の刺激を受けるためには人間を必要としました。もし目的なしに人間を創造したとすれば、そういう神様は何の価値も持たない、いたずら好きの存在でしかないでしょう。神様は創造したすべてのものについて、目標と目的がなければなりませんでした。

 男として、皆さんはどの方向に行きますか。皆さんは女性に会う方向に行きます。どうして皆さんは周りを見回さないのですか。素晴らしい男や素晴らしい女がたくさんいます。どうして、男達は別の偉大な男を探して、彼と一緒に住まないのですか。どうして、女達は他の偉大な女を飾して一緒に住まないのですか。皆さんは顔をしかめていますが、どうしてですか。皆さんはその理由を知っているのですから、宇宙の公式を理解していることになります。その公式を無視するものはすべての命を無視するもので、ついには滅びます。

 愛は神様からやって来ます。命も同じく神様から来ます。愛と命は同じなのです。戦の質は命の質でもあります。自然の法則と共に進むならば、我々は宇宙の一部となり、またそれに貢献することになります。そしてそこから次第に発展して行きます。しかし、その法則に反する生活をする者達は段々小さくなり、ついにはその存在すらなくなってしまいます。

 では、その目的とは何ですか。それは愛の基台、つまり四位基台を造ることです。そこで神様、男、女、子供達すべての点が交わります。それ以外に皆さんは何を欲しいのですか。そこには別々の銀行口座もなければ、別々の所有権もありません。父親が母親に属し、母親は父親に属しています。そして二人は共に神に属しています。そして子供達は両親に、そして神様に属しています。とても簡単な理屈で合っています。

 皆さんはどうして朝、顔を洗うのですか。皆さんは自分の顔を見て、その質問をしてみるべきです。皆さんの顔は「私の真の愛に酔いしれたい」と答えています。皆さんの目と耳は、愛の興奮を味わいたいと思っています。一旦愛が働き始めれば、皆さんは何も気にならなくなります。男は、女が変な臭いを発散しても気にならなくなるし、女も、男が死んだ魚のような臭いをしていても気になりません。これは人生の中で最も重要なことなのです。女達をからかったり、自分の妻以外の女を見つめる男には、サタンが侵入したいと思います。一方自分の妻だけを見つめ、彼女の中に全宇宙を見ることのできる男には、神様が住みたいと思います。男の価値は何ですか。女の価値は何ですか。それは互いに捧げる真の愛です。完成した男、あるいは完成した女とは何ですか。それは心と体を完全に統一した人のことです。

海と未来

 人間の価値とは何ですか。先生はどうですか。先生の価値は何ですか。先生は宗教指導者です。多くの人達が先生。腹を立て「どうしてこの男は教会に留まっていないのか。どうして漁にやって来るのか。どうして彼は他にもたくさんのことをやっているのか」と言います。先生もそれについて時々考えます。先生は式服を着て、一日中教会に留まっていることもできます。そうすることは容易なことです。自分で始めたいろいろな企画に気を使わなくてもすみます。既にたくさんの企画が行われていますが、さらにその数は増えるでしょう。もしキリスト教がその目標と理想をすべて達成していたならば、先生はこんなにいろいろやる必要がなかったのですが、現実はそうではありませでした。反対に、キリスト教徒達は先生がやっていることを真剣に考えもせず、猛烈に反対して来ます。先生を支持した人が今まで誰かいましたか。

 たとえ、統一教会のメンバー達が先生を支持するとしても、まず企画を始め、その企画についていろいろ説明するのは先生です。先生の家族でさえ、先生のことをすぐには理解できませんでした。この世界が先生を受け入れるということが、どうしてこれほど難しいのですか。それは、先生を受け入れるためには多くの宗教指導者達が自分の考えを変えなければならないのですが、それを彼らはやりたくないからなのです。ある人達は先生を称賛し先生を助けたいと思っているのですが、それと同時に、先生の鋭い洞察力を恐れています。

 共産主義はその背後に思想体系を持っています。共産主義者を導く思想です。しかし、民主主義社会はそういう統一した思想というものを持っていません。しかし、レバレンド・ムーンの思想は共産主義の思想を凌駕しています。そして彼らはそれをはっきり知っています。彼らはアメリカ合衆国の軍隊のような物質的な力は恐れません。その面での競争は既に終わっています。彼らの方が勝利者です。しかし、統一哲学は彼らにとってもっと大きな問題です。彼らはそれを遥かに恐れています。

 先生は思想及び哲学から初めて、あらゆる分野で新しい道を開拓しました。そしてたらに、韓国やドイツの工場のように、経済企画、ビジネス、技術企画をどのように始めるべきかについても示して来ました。それなのに、どうして先生はオーシャン・チャーチを始めたのでしょうか。どうして先生はそれをそんなに重要視するのですか。皆さんも知っている通り、先生は明けても暮れても海の上で働いています。どうしてそういうことをやっているのですか。皆さんは、先生が以前この問題について語ったのを聞いたことがあると思います。

 海は孤児なのです。海を愛し、海の面倒を見る主人とか真の所有者という者が一人もいません。水産業は衰退し、身動きが全く知れない状態にあります。数年も経てば、人類は陸地だけで生活することが困難になるでしょう。人口は今四十億に近いのです。そして十倍の速さで増大しています。一体どうなるのですか。陸地は混雑して来ます。農耕面積が少なくなり、その上人口が増えます。人口問題は、とても深刻な二つの問題のうちの一つなのです。もう一つは汚染問題です。これらの問題を新しい観点から見ることができない所に問題があると先生は思います。汚染の中で最悪のものが空気汚染、つまり車や工場などから出る排気ガスによる汚染です。将来、排気ガスを出すものには何でも制限が敷かれることになるでしょう。料理でさえ制限の対象になるでしょう。余計な煙とか排気ガスはどういう種類のものであれ、大目に見られるということはなくなるでしょう。

 このことは、余り料理していない食べ物を食べる、つまり生の食べ物、生野菜、生魚をもって食べるようになるということを意味しています。いずれにせよ、生ものは健康に良いので、人々はそれに目を向けるようになるでしょう。しばらくの間、人類は宇宙空間に逃避し、そこで生活をしようとするかも知れません。しかし難しい問題が多く出費が重なるので、やがて地球に戻って来るようになります。従って海の将来は極めて重要となります。魚は良い食べ物ですか。十年か二十年前、アメリカ人達はよもや生ものを食べるなどとは思いもしませんでした。まして生魚を食べるなどとは夢想だにしませんでした。しかし今、彼らは日本レストランへ行って寿司とか刺し身を試食しています。

 もし魚が人間の主食になるとすれば、どういう魚が最も適しているでしょうか。我々は大きな魚を生産し、その特性を全部利用しなければなりません。どういう魚を用いるべきですか。鯨? マグロ? 他には? 鮫! 実際問題として、多くの人々の口を満たすものとしては、鯨は余り良いものとは言えません。大き過ぎるし、一頭の親からは一頭の子供しか生まれて来ません。また妊娠期間が長すぎます。

 ではマグロと鮫はどうでしょうか。その肉は最高の味を持っています。本当なのです。皆さんはそれを味わったことがないかも知れませんが、先生はいろいろな種類の鮫をいろいろな方法で味見した経験があります。鮫は乾燥肉として良いのです。だからこの二種類の魚は、多種多様の魚の味を提供する上で最高です。

 日本の人々は今、マグロの養殖方法が研究しています。これは彼らにとっては極めて真剣な産業であり、我々が思い描く将来にとっても重大な意味を持っています。ここで次のことを考えてみましょう。一本の雌のマグロは、一回の産卵で五十万個から三百万個の卵を産みます。さて、自然条件の下ではそれらの卵のうち、ほんの数個が生き残って幼魚となります。ほとんどの卵は食べられてしまいます。それから、最初の数年間生き残るのもほぼそれと同じ位難しいので、成熟するマグロはほとんどいないことになります。

 大例の危険を免れることができる大きさまで達するのに、約二年かかります。十分成長したマグロは、七十五ノットから百ノットの速さで進むことができます。それは「逃げる」時の速さです。しかし普通の速さで泳いでいる時は二十ノットから三十五ノットで進みます。それでもたいしたものです。マグロの体の構造を研究すれば分かるのですか、この魚は早く泳ぐように創られています。鮫も速いけれどもマグロにはかないません。マグロは全部のひれを体に付け、魚雷のような形になります。またマグロは速い速度で泳ぐだけでなく、長距離の旅をします。世界中を駆け巡るのです。

 成熟したマグロは、しばしば七百ポンドから八百ポンドに達します。一本のマグロを捕まえると、調理できる肉の部分が八十パーセント位ですから、約五百五十ポンドから七百五十ポンドの肉を使用することができます。それほど多くの肉を人々に提供します。大低の人間は毎日二、三ポンドの肉を食べるのですが、一または二ポンドに減らしたほうが良いでしょう。もしそうなれば、一本のマグロで五百人から六百人を満足させることができます。百本のマグロを釣ればその百倍の人々を賄えます。

 魚は、余す所なく何らかの目的に用いることができます。鮫の皮はジャケットとか靴に用いられます。それは極めて長持ちし、しかもでこぼこしています。その歯からは宝石細工ができます。できるんです。ある時、大貫が鮫の肉を乾燥し、それをくん製にしてはどうかという素晴らしいアイデアを思い付きました。後になって彼は諦めたのですが、それは正しい考えでした。魚はどんな部分でも使えます。残りの部分を砕いて、それを魚粉にすることもできます。またそれを使ってパンを作り、人々の口を満たすこともできます。それは人々の腹を満たすだけでなく、共に蛋白質も提供します。これがアフリカではどういう意味を持つか考えてみるのです。魚に関する限り、無駄な部分というものはありません。

 では、何百本あるいは何千本というマグロを捕るとして、我々はそれをどもで養殖できるでしょうか。囲いをして、その中に入れるというようなことはできません。しかし海全体をマグロで一杯にすることはできます。だから、漁師達はその水揚げ方法を開発しなければならなくなるでしょう。マグロの寿司とか刺し身の人気が高まり始めています。誰がこういう調理法を見つけたのですか。白人がマグロの寿司を最初に見つけていたとしたら、将来世界の人々はマグロを食べることができなくなっていただろうということを、先生は考えたことがあります。もう既にすべてのマグロが捕りつくされていたことでしょう。

 我々はあらゆる種類の食べ物を海底に植えることができます。それについて研究しなければなりません。しかしその可能性は、我々の所で立ち消えになってしまう可能性を持っています。海はとても広いのです。しかし我々の心はそれに比べて、まだ余りにも小さ過ぎます。急には莫大な可能性が秘められています。しかし、皮肉にもアメリカの若者達は漁をする生活様式から離れつつあります。グロースターが良い例です。以前そこには漁業面における世界の中心だったにもかかわらず、今ではもうさびれかかっています。魚がいなくなったからではなく、若者達がいなくなったからです。そういうことが起きつつあります。

 多くの漁師達が何日も何週間も続けて漁をします。それでもたいしたお金にはならない、だから夫と妻はしばしば喧嘩をします。そして彼はまた海に出ます。ところが、帰ってみると妻は家を出てしまっています。そのように、若者や漁師の妻達は漁生活に見切りを付けてしまっています。ということは、遂には漁師自身もどこかに行ってしまうということを意味しています。

 真剣な男は、妻を失っても再婚をしようという気持ちは起こさないものですが、漁を続ける理由がなくなった場合にも同じようなことが起きます。真剣な漁師は、そういう場合漁を完全に止めてしまいます。かつて繁栄した漁師に不利になる値段を付けたり、漁師をだましたりするバイヤー達もいます。またどの港でも麻薬の密輸が問題になっています。

アメリカの水産業の士気を高める

 アメリカ年の貿易の伝統は大まかに言って、商船の伝統に基づいています。アメリカとメキシコは、海とそしてまたお互い同士切り離すことのできないきずなで結ばれているべきです。これは何も新しい考え方ではありません。我々はこのことを良く知っておくべきでした。皆さんの祖先は、皆さんが考えているよりも遥かに真剣でした。彼らは宗教迫害に苦しみ、それゆえに命をかけてここにやって来ました。生きてここにたどり着くという保障はありませんでした。いわんや、ここで生き残る保障は更々ありませんでした。

 証拠はどこにでもあります。経済の中心の最大のものは、アメリカの中央つまりシカゴにあるのではなく、海岸線上にあります。例えば、ハドソン川とハドソン湾のあるニューヨーク、そしてサンフランシスコとロサンゼルスです。この国の経済にとって、海が極めて重要なのは明白なことです。

 もしジェット機の出現がなかったならば、我々の海への依存は今よりももっと大きかったでしょう。一体、海をないがしろにしても良いのでしょうか。造船業はどうかというと、全部安い労働力を求め、アラバマか、あるいはその辺りに移動したのですが、今ではほとんど全部の会社が閉鎖してしまいました。現在我々の運動がそこに会社を作っています。どうしてですか。海の再開発がまもなく訪れようとしているからであり、そのための準備をしなければならないからです。アメリカだけでなく、他の諸国についても同様です。我々はブラジルで漁をするための船とマグロの延縄漁用の船を開発しつつあります。今、他の人が皆、造船業から手を引こうとしているけれども、成功の秘訣を持っているのはレベレンド・ムーンだけだということが、まもなく誰にも分かるようになります。だから今我々は基盤を築かなければなりません。そうすれば、ある日人々が目覚めてみると、我々がずっと先頭に進んでいたということになるでしょう。今日の世界では、ある産業がすたれれば、その時には人々はそこから手を引き、去って行きます。しかし我々はそうではありません。そういう時こそ、我々は本腰を入れて投資を始めます。世界には四大漁場というものがあり、そのうち三つまでがアメリカ近海にあります。人々は漁をするのに世界のいろいろな所に行くのですが、アメリカの漁師達は最高の場所に労なくして行くことができるので、彼らにとってそういう苦労はありません。日本、ドイツそしてソ連までも、自分達の市場用に何とか魚を捕りたいと必死になっています。しかしアメリカは、他の国の漁師達が容易に入って来られないように工作します。ところが、アメリカの魚市場は他の諸国に比べて遥かに小さいのです。これでは納得がいきません。

 最善策は日本、ドイツ、アメリカの三か国の間で、漁場権利と市場戦術を併用することでしょう。もしこれらの三か国の間で、今日の水産業の面で責任ある合意に達することができれば、残りの国々はそれを中心にして活動することができます。いずれにせよ、これらの国は漁をするためにやって来つつあり、そのためにアメリカ政府は難しい立場に追い込まれています。彼らは他の人々に入って来てもらいたくないのですが一方自分達の漁船の数は極めて少ないのです。アメリカはこれらの大漁場をうまく活用していません。だから水産業に大量投資している諸国が、いずれにこれらの海域にやって来るようになります。アメリカは自分の漁場を守るためのジレンマに陥っています。誰がこういう状態からアメリカを求めるのですか。レバレンド・ムーンにはできます。彼は若者達を組織化し、アメリカの水産業を発展させるために彼らを送り出します。これが先生のビジョンです。

 ムーニーは、水産業の面でいずれ強力で積極的な勢力となります。破壊するのではなく、それを国際基準にまで引き上げます。だから、アメリカ政府はムーニー達が漁をして成功するのを望まない半面、こういう理由があるので、我々のやることをいずれ奨励するようになります。今、グルースターはレバレンド・ムーンに立ち去って欲しいと思っているのですが、それと同時に、マグロの値段の基準を今まで通り維持したいと思っています。

 韓国人達は釣り用の備品や釣り道具の製作に関しては最も優れています。日本の漁師達は、韓国人達がとても頑強で勇気があるので、最も優れた漁師は韓国人だと言っています。漁をする時、韓国人の肝は座るのです。彼らは大漁を求めて網を一杯に張ります。たとえ網代として百万ドルを失うようなことがあったとしてもそうします。失敗すれば厳しいのですが、成功すればとてつもない成功になります。日本人はそういうことはしません。彼らはとても注意深く計算します。だからチャンスを見逃す場合もあります。

 先生はそういう背景を持った韓国からやって来たので、アメリカの釣り道具会社に注目してみました。そして、どうやったらもっと良いものが作れるだろうか考えざるを得ませんでした。ニューヨークの近辺には船がたくさんあるにもかかわらず、ニューヨーク市にある釣具店の数はとても少ないのです。だからアメリカで釣り道具を売るのは極めて容易でしょう。最終的には、釣り用品ビジネスを中心にニューヨークに高層ビルを建築することもできます。水産業はあらゆる面で改善が要求されています。そして海の産業は我々に開かれています。今基盤を築いておいくならば、将来我々に追いつこうと考えることのできる者は一人もいないことになるでしょう。時が経つにつれて「ムーニー達と競争できる者は誰もいません」と人々が言うようになるでしょう。例えば、マグロ漁の現状を見てみましょう。人々は、以前は六時か七時頃起きて海に出かけて行きました。 ところが我々は三時あるいは二時にすら起きています。人々は我々の重労働を見たら「オーシャン・ビジネスはムーニー達のものです。どうやっても彼らにはかないません」と言わざるを得なくなります。先生が八年前、ここに来たばかりの頃、値段は一ポンドにつき五セントから十セントでした。ところが今では、それが一ポンドにつき二ドルへと上昇しました。我々は大量のマグロを買い、その値段を高める働きをしたので、他のバイヤー達は皆それに従わざるを得ませんでした。これが真相なのです。ビジネスマンの観点からすれば、レバレンド・ムーンは悪い人間なのですが、彼らは漁師のことは何も考えていません。漁師の観点から見ればそうではなくなります。

 マグロの値段は、一ポンドにつき、五ドルあるいはそれ以上にまで上がるべきです。これは水産業全体にとって重要なことであり、マグロの値が上がれば、他の魚の値段も上がらざるを得なくなります。そして他の分野の漁師達にも金儲けのチャンスが訪れます。現在、漁師達は何トンもの魚を捕るけれども、それは一ポンドにつき三十セントから四十セントにしかなりません。一方我々はどうかと言うと、高い値段でマグロを買っています。だから自分でマグロを捕っているにもかかわらず、金儲けになりません。どうしてそういうことをやるべきなのですか。それについては次のように考えてみます。千ポンド近くのマグロ(そしてマグロ一ポンドにつき五ドル)は五千ドルにもなります。このため、多くの若いアメリカ人が魅了されて、ここに漁にやって来ます。そうは思いませんか。既に皆さんは経験を積んでいるので、彼らに教えてやることができます。アメリカの海岸線にある町々が、我々の仕事ゆえにどれだけ潤うかということを考えてみなければなりません。

 先生ははっきりした考えを持っているのですが、大抵のアメリカ人は先生のことが分かっていません。先生は言葉だけで皆さんに何かをやらせるというようなことはできません。だから先生は自分を犠牲にして来ました。どうやったら良いか、皆さんに示すために先生は昼夜なく働きました。そういう必要がありました。人々はそれが分かりました。けれども、彼らはその必要なこともやろうとしません。先生も皆さんにそれを示す必要があったので、皆さんもそれを彼らに示してあげなければなりません。

 先生は人々にやる気を起こさせる方法を知っています。「お父様、私にはできません」などと言ってはいけません。先生はどうやるべきかを皆さんに示しました。人々は先生のぺースについて行こうとするのですが、二十代、三十代の者達にさえそれができません。「お父様、どうやったらそれができるのですか?」と先生に尋ねます。先生はいつも「私はこれを次の世代の者達のためにやっている。そしてこの伝統は何千年もの間持続され、何百万人という人達がその伝統に基づいて生きることができる」と考えています。だからペースがどんなに速くても先生は気にならないのです。

 先生はアメリカでは女性の船長を訓練したいと考えているのですが、もし女性達が一カ月海に行き、それでも夫が逃げ出さない場合、どういうことになるでしょうか。その夫は、妻が帰って来るのを首を長くして持つでしょう。彼は三日経っても逃げ出さず、妻の帰りを待つでしょう。そして喜びを持って彼女を迎えます。先生はアメリカにやって来た時、原理を教える最も良い方法はそれを人々に実際に示すことであり、そしてもしこの伝統を受け継ぐ人が一人でもいれば、すべての人々が先生の教えを理解するようになるだろうということに気が付きました。そういう夫を持った女性は幸福だし、そういう妻を持った男性もやはり幸福なのです。それだけの力を原理は持っています。男性が幸福な時には、女性の心も躍っています。それは悪いことですか。悪いことだ! そうじゃないのですか。皆さんは先生に向かって「良いことです」と叫ぶのですね。皆さんは真実を語っているのだから、皆さんの勝ちです。皆さんはそういうことが好きですか。ではそれを先生が好まないとしたらどうしますか。今度は皆さんは前よりも大きな声で叫んでいます。そうすると皆さんは知っているのですね。皆さんは真理を知っでいます。皆さんは先生が正真正銘、頭の良い男だと思っています。では皆さんはどうなのですか。。もし皆さんの頭が良くなければ、先生に従って来なかったでしょう。しかし、我々の運動は毎年何百万ドルというお金を使っています。我々は船や水産業のことを研究したり若者を教育したり、あるいは水産業を発展させたりしながら、アメリカで金を使いそして投資しているのです。

海への真の愛

 真のムーニーは海を愛します。どうしてですか。それは統一運動の指導者が海を愛すからです。レバレンド・ムーンは海を愛しています。だから皆さんがムーニーならば、みなさんも同様にそうならなければなりません。女性達、皆さんはどうなのですか。皆さんは本当のムーニーですか、それともそういう振りをしているだけですか。男性達、皆さんはどうですか。

 子供は親からいろいろなものを受け継ぎます。皆さんはどうですか。先生から何か受け継いだのですか。先生が皆さんの先頭になって、皆さんよりも何日も何カ月も、何年も先駆けて漁をしていたということを皆さんは知りませんでした。もし皆さんが先生よりももっと一生懸命働いているならば、先生の良心は苦しむでしょう。先生は皆さんに対して厳しいです。皆さんを急き立てます。しかしそれでも皆さんは先生から愛を感じます。それは先生が既に皆さんのレベルを越えた所で働いているからです。

 先生が皆さんをひどく急き立てる時でさえ、先生から愛を感じる若者達、手を挙げて。どうして皆さんは手を挙げたのですか。皆さんは気狂いですか。皆さんのような人達を見る時に、先生は救われたような気持ちになります。全部総合して見たならば、ここにいることは幸運なことだと皆さんは思いますか。皆さんはここに来たばかりの頃、秘かに苦しみの顔をしていることを表に現さないのだろうかと不思議がっていたかも知りません。

 あらゆる魚の中で我々はどうしてマグロを選んだのでしょうか。それは一度マグロを釣ったらそれが忘れられないということを先生が知ったからなのです。他のいろいろな魚の場合には忘れてしまうのですが、マグロの場合にはそういうことは絶対にありません。だから若者を引き付けるにはこれが最上の方法だということになります。皆さんはアメリカ人だからここに留まるのです。たくさんの来客があるのですが、いずれ彼らは行かなければなりません。彼らはいろいろな国からやって来るかも知れません。しかし皆さん、アメリカ人が自分の未来を受け継がなければなりません。残りの半生、これが皆さんの責任となります。これが本当に大きな責任分担ですね。

 一度マグロを釣り上げると、皆さんはそれを絶対に忘れることはできません。その瞬間を思い出す時には、必ずそれにまつわるすべてのことを思い出します。だから海と関連させておけば、それらを決して忘れることはありません。我々が海に行く時に、皆が我々を見て「ムーニー、ムーニー」と叫びます。しかし我々がマグロを釣って、他の人が誰も釣れなかった場合、彼らはもう一度我々を見て考えを改めるようになります。ラインにマグロを付けて帰って来た時、我々は「道を開けろ」と怒鳴り付けなければなりません。その瞬間は彼らもそれに従わなければなりません。

 その後、彼らはおとなしくなります。小さなワン・ホープ号がマグロを釣り、大きなヨットに向かって突進している場合、皆さんは「そこをどけ」と叫びます。そうすると彼らもアンカーを上げて、それに従わなければならなくなります。その瞬間、我々は誇りを感じることができます。我々は道を開けてもらい、その上、彼らの尊敬を勝ち取ることになります。

 仮に、マグロがひっ掛かけれどそれを逃がしたとします。家に帰って、他の誰かがマグロを釣って来ているのを知っても、皆さんはそれを見たとすら思いません。そういう経験はとても貴重なのです。皆さんはマグロを釣りたいという思いで一杯になります。マグロのことを考えることなしに、他のことは考えられなくなります。「明日こそ、明日こそ」と言って、皆さんは翌日マグロを釣ることばかり考えます。皆さんは明日のために生き、祈り、汗を流す方的を学ばなければなりません。またマグロのために祈らなければなりません。

 マグロも精神を持っています。もし海を愛しマグロを愛するならば、皆さんは自分の所に彼らが引きつけることができなければなりません。このようにすればできます。チャム用の魚を刻んでいる場合、ただ刻むだけではいけません。彼らのことを考え、彼らに向かって「君達が小魚なので、私は君達が細かく切って大きな魚に与えるのです。私は人類のために漁をしているのであって、自分でそこに降りて行きたいのですが、君達が私の代わりになってそれをやってくれます。だからとても皆さんには感謝しています」と話しかけます。

 このように祈り、このように考えるならば事態は変わって来ます。毎日すべての行動が特別なものになります。「マグロを釣って申し訳ないと思います。しかし私はこれを人類のためにやっているのです」と皆さんはいうべきなのです。皆さんは他の人達がやっていることと同じことをやっているかも知れません。しかし皆さんの心情は異なっています。先生がマグロを釣り、もりを打ち込み、陸地に引き上げるのを見る時、皆さんは「なぜ、宗教指導者がマグロにこういうことをするのだろう」と不思議に思うかも知れません。しかし、先生は捧げ物としてそれを行っています。摂理を助け、我々がこれ以上苦しむことから免れさせてくれます。我々には冗談を言い合ったり、船の上で寝たりすることは許されません。我々の仕事は他の漁師達の仕事よりももっと真剣なものなのです。

 先生がニュー・ホープ号で休んだのは二回しかありません。一度はひどい頭痛がしたので、そうせざるを得ませんでした。しかしその時でさえ、先生は誠実な心でもって祈り、そして許しを乞いました。一度、アラン・ホーカンソンはとても疲れて、運転しながらうつらうつらしていたことがありました。先生が代わりに責任を取り、アランは休みを取ることができました。我々の仕事はそれほど真剣なものであり、皆さんもそのことを知っておかなければなりません。

特別なワン・ホープ号

 マグロを捕るために、先生はマグロと伝達方法を開発しなければなりませんでした。時々「スモール・クラフト・アドバイサリー(強風波浪注意報・小型船は外海へ出てはいけない)」というものが出るのですが、それでも先生は漁に出かけます。どうしてですか、。それはメンバー達が天候が悪いのを見て、漁に行くのを恐れるようになって欲しくないからです。皆さんはもちろん安全に気を配らなければなりません。天候が良いからという理由だけで漁に出ることはできません。目標は到達困難なものであり、とても高い所にあります。それを得るためには、我々は相当の訓練を受けなければなりません。船は訓練方法の一つなのです。ワン・ホープ号はとても頑丈にできています。決して沈みません。先生はそういう船が欲しかったのです。二十人が乗ることができ、大波が襲って来ても、船首の部分は水の上に浮かんでいることができます。救命具を付けて船にしがみついていれば大丈夫なのです。数人乗っていたワン・ホープ号で既にそういうことが確かめられているので、我々はこの船がとても安全で強靱な船だということを確信しています。我々がそのように造りました。誰かに、あるいは何かにぶつかったとしても、この船は壊れません。この船のデザインは先生がやったのですが、その背後には霊感が働いています。またこの船は多目的船であって、トレーラーで簡単に引くこともできます。それは快速モーター・ボートにもなるし、観光用の船やマグロ用の船、漁船、教育用の船などあらゆる種類の船として用いることができます。あらゆるプログラムに使えるし、どんな所でも行けます。これらの船の用途には制限とか、特別の使い方というものがありません。

 ニュー・ホープ号はマグロ用漁船としては、あまり適していません。大き過ぎるし、仕事を複雑にするきらいがあります。しかしワン・ホープ号は丁度良い大きさだし、ラインをそのままにしておくだけで、マグロは船を引っぱるのに疲れてしまいます。先生はこの船のデザインをする前に日本、アラスカ、ドイツなどがあらゆる所を調査しました。

 我々は特定のことを念頭に置いてこの船を造ったけれども、ワン・ホープ号は波を切って進むことができなければならないということがその一つです。それから快速でなければならないし、快速で進む時、船が揺れてはなりません。ある船はそういう問題点を持っているので、先生はそういうことが起きないようにしたいと思いました。これらの理由やその他の理由によって、先生はワン・ホープ号のデザインだけで二年間調査にかけたことになります。

 今、先生はその船を眺めて、とても幸福感を感じます。快速で進んでいる時に急にカーブしても、たいした衝撃を感じません。人間を投げ出してしまうような船もあるのですが、ワン・ホープ号はうまく平衡を保つことができます。何千という細かい点が、この船を他の船とは極めて違ったものにしています。しかし先生がこの考えを最初に持ち出した時、アメリカ人達は「お父様、こういう船のデザインをするためには専門家が必要です」などと言いました。

 最初の船は造船について何の知識を持たないメンバー達によって造られたけれども、他の人達にはそういう真似はできません。我々はますます多くの船を造っている現在、ファイバー・グラスを用いたこのサイズの船を造るに当たって、メンバー達は新しく大胆な伝統が次第に打ち立てられつつあることに気付き始めています。我々は最高品質の部品を用いるので、船の値段は極めて高いのです。このことを皆さんは真剣に考えなければなりません。それは高価なだけでなく、メンバー達の犠牲と重労働の下に造られたものです。ま、先生自らの汗と涙を流してこの船をデザインし、造ったものであることも皆さんは知っておく必要があります。ただ船に乗って出発するだけではいけません。それは間違った態度なのです。今後何年か経てば、これらの船はとても有名になるでしょう。皆さんには今それが分からないのですが、本当にそうなります。皆さんは自分達の船を真剣な態度で扱わなければならないし、その船に大きな誇りを持っていなければなりません。将来、皆さんの船の記録が研究されることになるでしよう。「このワン・ホープ号は何本のマグロを捕ったか」と人々が聞くようになります。そうしてそれらの船の中の一隻がその大半を捕り、非常に有名になることでしょう。どの船がそうなるでしょうか。皆さんは未来のことを考えながら、物事を行わなければなりません。

世界が必要とする指導者とは

 我々は遊んでいるのではありません。とても真剣です。誰も先生を知りません。先生がどれだけ真剣か、皆さんは知りません。先生は最初に条件を立て、十日間以上もマグロを求めて漁をしました。マグロを釣らなければならない理由がありました。来る日も来る日も先生は漁に出かけました。その時先生がどれほど真剣だったか、皆さんは知りません。遂に我々がマグロを釣り「万歳」を叫んだ時の感動を皆さんは知りません。

 今、ムーニー・メンバー達は船を出してマグロを捕っています。皆さんは笑ったり、微笑んだりしているに過ぎません。その意味を皆さんは知りません。先生は強くて、マグロの釣り方をひたすら研究するメンバーを探しています。また先生は現代文明について真剣に考えてみました。文明がよって立つ基台を造るのはどういう指導者ですか。先生はそういう目的を持って、皆さんにマグロの釣方を教えています。皆さんは潔白で、しかも純粋でなければなりません。先生は皆さんを純粋にしなければなりません。皆さんはただ周りを見回して他の船を眺めていますが、なぜ自分がそこにいるのか分かっていません。皆さんは自分の心情を捧げなければなりません。さもなければ何の意味もありません。

 また皆さんは困難を耐えなければなりません。真剣なことです。先生は生涯ずっと真剣に考えて来ました。マグロを捕ることは簡単ではありません。もしマグロを捕ることが皆さんにとって簡単なことならば、それはたいした意味を持たないことになるでしょう。先生はマグロ捕りの意味が理解できるメンバー達を見つけたいのです。いつでもすべてのことを説明している時間が先生にはありません。もし皆さんがこのシーズンに先生の心情を受け継ぎ、それを勝利のシーズンとするならば、皆さんは来年も戻って来たいと思うでしょう。次のシーズンまでの間、他の場所に行き、そこで漁師達にマグロ釣について話さなければなりません。海へ行く時、皆さんは重要なことをたくさん考えなければなりません。生計を立てることも考えなければなりません。

 十本のマグロを釣れば、一年分の収入を得たことになります。一シーズンの働きで皆さんの家庭を養うことができます。十本のマグロを釣るのは何ら問題ではありません。もし技能を発達させれば、三十本ですら夢ではありません。そういう能力は貴重です。それは皆さんにとっても偉大な能力だし、オーシャン・チャーチにとっても偉大なことです。皆さんは労働する時、自分の背後に何があるのかを知っておかなければならません。ただ外的にだけ働くのでは駄目です。皆さんは船を持っており、毎日海へ出かけますが、魚を捕る毎に、自分が今何をやっているのかを真剣に考えなければなりません。皆さんはこれを人類の未来のためにやっているのです。皆さんにはワン・ホープ号があります。マグロの後、あと三種類か四種類の魚の捕り方を先生は開発したいと思っています。そうすれば、皆さんは年中漁を続けることができます。ここが寒くなればもっと南へ行けば良いのです。先生はマグロ漁の基本について皆さんに教えましたが、次に第二の魚の捕り方を我々は研究しなければなりません。五年前から先生は、どの魚を調査し漁をすべきかについて考えて来ました。マグロ、ストライプバス、平目、カレイ、鮭、マス、フェダイそのほか二、三考えられます。皆さんは自分の家族をどうやって養い、子供達の面倒をどうやって見るかということを考えなければなりません。皆さんは船を用いて、海岸線のどの海域でも漁をすることができます。また、一年中漁ができます。もし陸の上で働くのと同じ労力を用いれば、二倍の金を稼ぐことになるでしょう。実際にやってみれば、皆さんにもこういうことが分かるようになります。皆さんは自らそれを発見し、発見したものを調査してみなければなりません。この生活方法に先生は強い確信を持っています。そしてそれは皆さんの将来のためのものです。

 将来、アメリカの漁船はファイバー・グラスでできた船で置き換えられることでしょう。きっとそうなるでしょう。将来、それが八十フィートまでの船の基準となるでしょう。その船にたとえ穴が開いたり破損が生じたとしても、鉄製の船よりも簡単に修理できます。先生は今、アラスカの水産業の将来について考えているのですが、そこで漁をするのに最適の船を開発しようと先生は決意しました。

 先生はこの摂理にとても真剣です。もし西洋のメンバー達がそれを受け継がなければ、先生は日本人にそれをやらせます。もし日本人がそれを断れば、先生はそれを韓国人にやらせます。もし彼らがその機会を逸することがあれば、先生はそれを祝福家庭の子供達に与えます。もし彼らが失敗すれば、その時には先生の子供達がそれを確立するようになります。どうしてですか。人類がこの伝統を受け継がなければならないからです。それは人類の未来のためです。

海を通して未来を受け継ぐ

 皆さんが今日全部を理解できなくても、先生は皆さんを責めたりはしません。十年経てば、先生が話していることを皆さんも理解できるようになります。だから皆さんには最善を尽くして欲しいのです。そして、海で先生がやっていることを受け継いで欲しいのです。それは皆さんにとって重要だし、人類の未来にとっても極めて重要なことです。たとえばタイラー・ヘンドリックスを見てみましょう。彼は博士号を取った最初の男です。彼は卒業と同時にオーシャン・チャーチに来るように言われました。彼は自分の耳を疑いました。先生は最高の漁師になるのに七年か八年働いたのですが、タイラーはそれを一シーズンで受け継がなければなりませんでした。どんなに難しくとも、彼はそれをやらなければなりませんでした。それは実際には不可能なことですか、とにかくそれがどういうものであるかを彼はみいださなければなりませんでした。

 先生は今十年漁をやっています。しかし、もうこれ以上やれません。漁の目的は皆さんにあります。皆さんは先生がここでやったことを研究しその段階から先に進まなければなりません。まず第一に皆さんがやるべきことは、すべての情報を集めることです。魚のことについて、またそれがどのように泳ぐかについて知ること。それから海流について、漁をする場所の海底の形について知るのです。マグロ漁についてそういうことを知れば、他のどういう漁に関してもそのノウ・ハウが分かるようになります。また先生が言ったこと、他の人が言ったことを鵜呑みにしてはいけません。自分で発見しなければなりません。魚がどのように泳ぐか、海は一体どういうものなのか、他の人達が言うのを信してはいけません。まず自分でそれを発見しなければなりません。皆さんそのように考え、疑問を持ち、研究することができるように自分の心を訓練しなければなりません。皆さんが先生から受け継がなければならないものがそれなのです。

 グロースター近辺にいる者達が、マグロの捕り方を研究しなければなりません。朝、マグロを捕ったならば、昼からは他のことをすることができるので、他の漁の捕り方を研究します。また海に出て、ストライプバス、平目、あるいはその他の魚を捕ります。昨日先生は二百ポンド近くの平目を釣りました。先生のやっていることを観察すれば、先生が皆さんに教えていることを皆さんは理解するようになるでしょう。今先生は既にずっと先のことを考え、生きたままの漁を売る方法を研究しています。その魚は最高の値段で直接レストランに売ることができます。多くのレストランが水槽を備えるようになります。そしてその中から、お客がその夜の食事として欲しいと思う魚を選ぶことができます。最高のシーフード・レストランがこのやり方を開発するようになります。このシステムは日本では別に目新しいことではないけれども、アメリカでは初めてでしょう。

 将来、最高のレストランが「生鮮魚」の広告を出す時がやって来ます。アメリカ合衆国の大統領さえもが、そういう魚が好きだと言うようになります。また我々は生きた餌についても研究しなければならないし、生きた餌の店も開発しなければなりません。これだけでも莫大なビジネスになります。魚を活かしておくことはとても難しい仕事なのです。だから我々はロブスターからそれを始めました。ロブスターは活かしておくのが最も難しいのです。ロブスターを活かしておく最善の方法が見つかれば、他の魚を活かしておく方法を開発するのは何ら問題ではありません。先生は今、アメリカの市場をどうやったら復活できるかについて考えています。アメリカの市場には新しい発展が要求されています。我々は魚を海水に入れておいて、それを日本へ送ることから始めることができます。そうすることによって資金が得られるだけでなく、我々自身も市場になじむことがてきます。それからここアメリカの売場を開発することができます。それから、ここアメリカの市場を開発することができます。優秀なシーフード・レストランならば、水槽を設置し、それに生きた魚を入れておくという考えが素晴らしいものであることはすぐに見抜くでしょう。そのようにして我々はアメリカの市場を急速に発展させることができます。

 皆さんは「お父様、私はやりたくありません」と考えているかも知れませんが、これが成功しないとどうして言えるのですか。先生はいつも他の人が考えもしないことを考えています。ワシントン・タイムズがそうです。それが三年間で軌道に乗ると考えた人は一人もいませんでした。ところが一年も経たないうちに、我々素晴らしい成功を収めました。そして皆がそれを称賛しています。

 将来オーシャン・チャーチのメンバーが事務所に来ることすら、先生は許さないつもりでいます。机にしがみついていてはいけません。先生の考えを実践しなければなりません。そうすれば、先生が話しているような成功を皆さんも見いだすとことになります。将来、統一教会の唯一の希望となるのがオーシャン・チャーチです。皆さんの立場がどれほど重大なものかが分かるでしょう。将来、何が海へ行く人の限界となるでしょうか。「限界はない」と、先生は絶対的確信を持って言うことができます。今、ロシア、日本、南アメリカ、北アメリカが競争しているけれども限界は全くありません。我々は実際、海を通じて未来を受け継ぐことができます。我々は未来のための人間なのです。我々はいつも未来のことを考えています。だから未来は我々のものです。アメリカでは六十五歳で引退するけれども、先生は六十歳で始めました。皆さんは先生について来られますか。皆さんは先生よりもずっと若いのに、どうして先生について来られないのですか。皆さんの言い訳は通用しません。難しい問題にぶつかったら、何もない所からオーシャン・チャーチを始めた先生のことを考えなさい。何の知識も持たずに漁に出かけ、その後マグロを釣る方法をあみ出した先生のことを考えなさい。皆さんはさらにそれ以上のことをやらなければなりません。

 これを成就させなければなりません。将来のために、誰かがそれを行わなければなりません。皆さんは先生の希望なのです。それが分からなければ、皆さんは自分が一体何者かということさえ分からないことになります。先生に近い者とは、海で成功しようと決意する者のことです。これを語った後でも、先生はここに留まっているべきでしょうか、それとも他の所へ行って何かをやるべきでしょうか。オーシャン・チャーチのメンバー、皆さんは先生がどこにいるのだろうかと心配すべきではありません。皆さんが先生と同じ考え、同じ望みを持っている限り、オーシャン・チャーチは成功します。皆さんがすべての希望を失ったら、先生の心はいつも皆さんと共にあるということを思い出しなさい。先生はオーシャン・チャーチを決して忘れません。



























SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送