御旨と世界
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勝祝日の制定にあたって

1973年7月1日 アメリカ ニューヨーク・ベルベディア


 皆さんも知っているとおり、きょうは一九七三年七月一日であります。そして、きょうは聖日でもあります。今、私が(韓国語で)捧げた祈祷の意味がたとえ分からないとしても、皆さんたち統一教会の食口にとって、きょうは非常に意義深い日であります。 一九七二、七三、七四年は、第二次七年路程の最後の三年間であります。先生がアメリカにやって来て、皆さんと共に摂理を進めるということは特別な、そして画期的なことなのです。 皆さんと先生は、アメリカで三年路程を出発しました。一九六〇年からの七年間、そして第二次七年路程の最初の四年間を通してつくってきた基盤を、この三年路程をもって全うしたいと考えるのです。統一原理は、歴史は同時性をもって展開すると教えています。二〇〇〇年前に来られたイエス様が使命を全うできなかったがゆえに、歴史は再び同じように繰り返されるのです。私たちはイエス様の使命を全うしなければならない立場に立っています。


 メシヤの来られる国

 皆さんが原理によって知っているように、メシヤは栄光の王としてこの地上に来られるのではないし、一人でやって来られるのでもありません。イエス様御自身におかれましても、ユダヤ人の信仰の基盤の上に、やって来られたのです。しかしユダヤ人たちは、彼を受け入れるのではなく、彼を見捨てたのです。したがってその摂理を復帰するために、我々は再び同じ道を通らなければなりません。神はそれ以来、再びメシヤが来られる備えをし、イエス様の再臨を迎える基台として、同じような困難な道をたどってきた民族と国家を探し求めて来られました。その立場として韓国が選ばれたのです。地理的に見ても、国民性から見ても、イスラエルと韓国の間には多くの同一性があります。 韓国の歴史は、カイン、アベルの闘いを様々な形で繰り返してきました。外敵の攻撃にさらされ、国内においても争いが絶えませんでした。そして日本に三十六年間支配されたのですが、その期間の韓民族の苦難は、ローマ帝国の迫害を受けたクリスチャンの苦難に匹敵するものであります。 御存じのように、日本は女性神を崇拝してきた国であります。そして、日本がこの一〇〇年間に目覚ましい発展を遂げたのは、摂理的観点から見て重要なことであります。日本は一二〇年で第一級国家にのし上がりました。日本がそのような外的発展を遂げたのに対して、韓国は内的、精神的な発展を遂げてきました。それはちょうど、韓国にキリスト教が入り八十年を経過して、四十年の苦難時代を受けたのです。カインとアベルが争って以来、歴史はカインによって支配されてきました。日本はカインの立場であり、韓国はアベルの立場であるといえます。そして、日本の支配が終わり、韓国の新しい歴史が始まったのであります。そして、それからの四十年間は、カインがアベルに屈服しなければならない時代なのです。 一九六〇年がその出発の時でありました。それからの二十年間において、神は摂理を完全に全うしようとなさっているのです。この二十年間はイエス様からの二〇〇〇年を象徴しており、また堕落以後の六〇〇〇年歴史の象徴でもあります。この二十年間が、人類歴史の蘇生、長成、完成の三段階を意味しているのです。六〇〇〇年の縦的歴史がこの二十年間に横的に蕩減復帰されるのであり、この二十年間のすべての内容は、直接、間接的に六〇〇〇年歴史の再現なのであります。したがって、この二十年間は前例のないほど混乱する時代であり、予期できないことが次々と起こるのです。 

 

 新しい希望

 三段階に分かれた時代のうち、旧約時代は万物の献祭を通して、新約時代は神の子女が犠牲になり、成約時代は父母が蕩減の道を歩むのです。したがって、縦的な歴史が、この二十年間において横的に一時に蕩減復帰されるのであります。 復帰の摂理にあって、初めの段階において万物を否定(献祭)したゆえに、統一教会の歴史におきましても、物質の否定を強調した時代があり、次の段階においては子女が犠牲になったがゆえに、皆さんたちが犠牲の道を歩む時代に入るのです。そして最後の段階においては、真の父母が誰にも言えない困難な道を歩むようになるのです。したがって、復帰の歴史は、父母が蕩減の道を歩むことによって全うされるというのです。先生はすべてを否定される道を通ってきました。先生がプラスの立場に立ち、先生の家族はマイナスの立場に立たねばなりませんでした。その中で先生の家族は苦難の道を通ってきました。メシヤの来られる国自体も苦難の道を通ってきました。その国は絶望の底を歩み、国民も家庭もそのような立場に立つのです。その中に新しい希望が生まれ、新しい真理、新しい生命、新しい歴史が出発するのです。 一九四五年の解放という希望がこの国に訪れたのです。ここに新しい希望の民族と、希望の国家が生まれることになったのです。これはイエス様の時代に復帰された時点であり、ここにおいて、失われた家庭、氏族、民族、国家を神が復帰する環境圏が整えられたのであります。イエス様が、ここに、失った希望を取り戻し、新しい国を建設することができる状況をつくり上げたのであります。イエス様の時代は、イスラエル民族が神に対する信仰をもっていなかったがゆえに失敗しました。したがって、それを復帰するには、失われた信仰を再び来られたメシヤに対してもつことなのであります。キリスト教が再臨主を受け入れなければならなかったのです。 

 

 韓国の分裂

 韓国の新しい歴史が始まって、キリスト教は、大国(英米等)によって保護されました。先生はそのために、当時公的な伝道を開始し、それらの高官たちにみ言を伝えようとしたのです。その人々の中に、数人のクリスチャンがおりましたが、聞こうとはしませんでした。先生は、今まで皆さんに語ったことのない内容をお話ししているのです。 当時、そのクリスチャンたちは、韓国のクリスチャンの中に非常に大きな影響力をもっておりました。復帰のための準備が三年間費やされました。一九四八年までであります。そのころ、一人の人の背後にある、膨大な歴史の意味を知る者は一人としてありませんでした。先生は、イエス様がなぜ失敗したかを知っていたので、それを防ぐため本当に様々な闘いをなしてきたのです。同時に、神は先生の使命が容易なものではないということを知っておられたので、多くの霊的集団を備えられました。それらによって他に影響を与えようとされ、神はそれほどまでに再臨主に対して準備されたのでありますが、当時のクリスチャンたちは、イエス様の時と全く同じく、政府と一つになって再臨主の行く道をはばんだのであります。 不幸にも最初の路程は失敗してしまったのです。イエス様当時におきましても、イスラエルの全民衆と、政権の座にあった人々が一つになって十字架につけてしまったのでありますが、韓国におきましても、韓国のクリスチャンたちも政府と一つになって、再臨主の使命と生涯を破壊しようとしました。そのことのゆえに韓国は不幸にも二つに分裂してしまったのです。一九四八年には北韓が独立したのであります。そして今や、二つの国ができ、内的にはキリスト教徒からの迫害、外的には共産主義政権の迫害にさらされるようになったのであります。ここに共産主義の侵入は不可避なものとなったのであります。 第二次大戦の時、イスラエルの民がヒットラーによって大量に殺されたごとく、不信仰した韓民族は驚くほどの苦難を受けるようになるのであります。既成教会はそれゆえに力を失い、共産主義勢力が拡大の道をたどってくるのです。共産主義が全世界と既成教会を攻撃する中にあって、私たち統一教会は共産主義に対抗し、道を切り開いてきたのであります。私たちは、既成教会を復帰するとともに、共産主義に対抗する力を備えなければなりません。 先生が公的伝道を開始して、一九六〇年には聖婚式が行われました。最初の神の家庭がこの地上に現れたのであります。それは、イエス様が十字架につけられる瞬間と同じ時であったので、既成教会と国家が一つになって、この聖婚式を破壊しようとしてきたのです。イエス様の十二弟子に当たる者たちが、先生と統一教会を破壊しようとしました。先生の周囲には敵しかおりませんでした。既成教会と国家が先生を迫害し、その最も厳しかった時が六〇年の四月であり、先生の踏む一歩一歩は、正に生か死の道であったのです。そのような迫害の中で、先生は神の第一歩の勝利を収めることができました。したがってこの日(旧暦三月十六日)は、神が最も祝すべき日になったのであります。イエス様は花嫁をもつ前に十字架にかかりましたが、この日に、初めて神の家庭が地上に復帰されたのであります。イエス様は十字架より四十日後に霊的に復活しましたが、先生は霊的のみならず肉的にも復活し、最初の二十年間にそれを全うしようとしています。その日より、地上に新しい基台がつくられるようになったのであります。神は自らの子女を自分の懐に招き入れることができるようになったのであります。そこから伝道の蘇生期が出発しました。完成期まではサタンの主管下にあるので、そこを行く皆さんも闘いの覚悟を決めなければなりません。 モーセの時は、神が直接人間の行動に干渉しました。これは創造原理に矛盾すると思われるかもしれませんが、蘇生期の旧約時代は、神が直接に責任をもったのであります。なぜ神がそうしなければならなかったかといえば、それはモーセを通して、イエス様の典型路程を示さなければならなかったからであります。そして、イエス様の路程は皆さんの歩む路程になるのです。 

 

 七年路程の出発

 第一次七年路程は旧約時代に相当し、神が直接導いたのと同じく、真の御父母様自ら模範を示し、皆さんがそれについてきたのであります。第一次七年路程において、先生はあらゆるサタンの迫害を退けてきました。もちろん、皆さんは最初のこの神の家庭の隠された深い内容については知りませんが、深い心情の世界はやがて全世界を覆い尽くすでありましょう。世界の中にこのきずなを結ぶため、それ以降、祝福が行われてきました。そこで私たちは、国家、民族、人種などを超えて、神の子女として結ばれるのであります。七七七双の祝福では、国家を超えて全世界的な祝福が行われました。この祝福にすべての民族を含むことによって、すべての民族が勝利できる基盤がつくられたのであります。 第二次七年路程は、祝福家庭が行かなければならない路程であります。イエス様は自分の家族や氏族を復帰できませんでしたが、皆さんの家庭や氏族を復帰しなければなりません。イエス様は自分の氏族をもつことができませんでしたが、皆さんは祝福された氏族をもっています。 公生涯に立つため、イエス様は家庭を捨てなければなりませんでしたが、その立場を復帰するために先生も、第一次七年路程において自分の親族に手を差し伸べることができなかったのであります。したがって、第一次七年路程では、先生と共にみ旨をなす親族は一人もいませんでした。皆さんは今、自分の親族に手を差し伸べることのできる例えようもない恵まれた立場にあるのです。復帰摂理の目的は、神の家庭を復帰することであります。その神の目的を成就するためには、自分に一番近い親族を伝道しなければなりません。 先生はかつて、家庭を捨てて北へ行かねばなりませんでした。そこには厳しい拷問が待ち構えておりました。先生はそれを一人で受け、死力を尽くして闘ったのであります。 北韓の獄中から解放された時、一時間も行けば家族に会えるそのような立場にありましたが、会うことはしませんでした。それ以来、先生は、先生を深く愛していた母親、そして兄に会うことはできなくなってしまいました。共産主義者の犠牲になってしまったのです。先生は自分の親や兄弟を捨てて、見知らぬ人々を集めてやって来たのです。こうしてそれゆえに、皆さんがここに来るようになったのであります。先生は皆さんと会うためにこうしてやって来たのです。これが統一教会の歴史であります。 

 

 アメリカの復帰

 韓国には数多くの既成教会がありますが、本当に生きているのは統一教会だけなのです。イエス様当時は、ユダヤ教が反対し、イエス様を十字架につけたのですが、今や既成教会は統一教会に屈服するようになってきました。 先生はアメリカにやって来るまで果たすべき責任をすべて果たしてやって来ました。韓国、日本、台湾に対して、先生の果たすべきすべての責任を果たしました。それゆえにアメリカに来ることができたのであります。もちろん、台湾は天の願いを受け入れなかったので使命を全うできませんでしたが、それは先生の責任ではなく、忠告を受け入れなかった台湾自体の責任であります。台湾は、蘇生期的天使長の立場でありますが、アメリカは長成期的天使長の立場であります。したがって先生は、最終的決戦場としてアメリカを選んだのであります。 アメリカにおいて、神側の天使長とサタン側の天使長、共産主義が闘うようになるのです。現在、サタン側の天使長は、あらゆる面において優勢であります。先生は一九七二年、サタン側の天使長に対する闘いの準備のために、アメリカにやって来なければなりませんでした。 イエス様は、三年の公生涯路程において最終的なサタンとの決戦がありました。先生におきましても、韓国での三年間があり、アメリカにおいても、七二年からの三年間があるのです。その三年のうちでも、二年目が最も重要な年であります。それが今年なのです。この年が勝利か敗北かの決定をなしてしまうのです。 先生が司令官としてアメリカに上陸する時には、その司令官を助ける部下と軍隊が用意されていなければなりませんでした。しかし、そこには指導者がいなかったのです。七二年はそれゆえに、外に対する闘いよりも原理に従って、内部の再編成をしなければなりませんでした。それゆえに、各州に教会をもち、十字軍をもつようにしてきたのです。各州の教会が内的な位置を占め、十字軍が外的な位置を占めるのです。これは天宙史の観点から見て非常に重要なことであります。これを七月の終わりまでに全うしなければなりません。そこにアメリカの運命と世界の運命がかかっております。 地区長はユダヤ教を代表し、団長はイスラエル国家を代表しています。イエス様とユダヤ教とイスラエルが一つになることが勝敗の鍵になっています。もし三者が一つになったならば、その軍隊はローマに進軍して勝利を収め、ローマを復帰できたはずであります。これから皆さんは先生と完全に一つになって行かなければなりません。このようなことを皆さんに宣言するのは非常に重要な内容であることを知らなければなりません。もし皆さんがそれを果たせば、二〇〇〇年前にイスラエルの人々が失敗した内容を蕩減復帰できることになります。 今ここに十カ国の食口が集まっております。皆さんは今、新しい歴史をつくり出そうとしているのです。皆さんはここで、十カ国が一つになってみ旨を果たしていく、という固い決意を固めなければなりません。 この三年路程において、あと一年半しか残されておりません。昨年は七つの市で初めて講演会が開かれ、今年は二十一市を計画しています。来年は五十の市になるはずであります。 この三年間で、すべてのアメリカ人に統一原理を伝えなければなりません。皆さんが、アメリカを救わなければなりません。共産主義者の攻撃目標はアメリカであります。この三年間において先生はアメリカの良識ある人々の関心を得なければなりません。 これからは、アメリカの既成教会が皆さんに反対してくるかもしれません。しかし我々は行かなければならないのです。アメリカでの講演は、先生の生涯において初めての公的宣言であります。メシヤは一つの地域に宣言されてやって来るのではありません。メシヤは世界的規模で来られるのでありますから、公的な宣言は世界的な規模でなされるのです。この三年間は歴史に記憶されるでありましょう。人類の歴史に対して最も強固な衝撃となるに違いありません。 世界十カ国の食口が一つになって進まなければなりません。そして十字軍の背後にある深い内容を知らなければなりません。十字軍は祈りから出発しなければなりません。皆さん一人一人が、勝利できるという確信をもたなければなりません。全霊界が皆さんを協助しているのです。アメリカが統一教会に関心をもてば、世界が関心をもつようになるのであります。 先生が今回アメリカにやって来て七カ月間、様々な意義深いことが起こりました。既成教会は力を失い、民主主義も力を失いつつあります。そんな中で私たちは力を得てきました。 

 

 ゴリアテに立ち向かうダビデ

 数においては小さな我々ですが、負けることはできません。共産主義との闘いはダビデとゴリアテの闘いに例えることができます。 先生は砂漠の中の羊飼いであり、アメリカを導かなければなりません。しかし、アメリカの中には、それを自分自身の責任として、共産主義から国を守ろうとする者はいないのです。どこにゴリアテに立ち向かうアメリカのダビデがいるでしょうか? ダビデは武器を持っておりませんでした。みすぼらしい格好をしていました。しかし、敢然と立ち向かったのです。アメリカのダビデは――ここにいる皆様です。アメリカの統一教会です。たとえダビデは小さくとも、神が共にいてくださることを信じていました。 しかし皆さんは、ダビデより優位な立場に立っています。ダビデは自分の国をもっていました。しかし、私たちは自分の国をもっておりません。何もないところからここまで上がってきたのです。私たちの闘いは、ダビデよりももっと劇的であります。 ダビデにゴリアテを撃て、という命令が下った時が七月一日のきょうであります。 先生は皆さんが信仰においても、決意においても、体力においても、その備えができていることを信じています。これからいかなることが起こるかを皆さんはよく知らなければなりません。もし失敗したならば、口では表現できないほどの苦難がアメリカと全世界に振りかかってくることを知らなければなりません。私たちは犠牲の血と信仰以外に、今、捧げるものがありません。 統一教会は一九六〇年から二十年間を目指しているのです。そして、この三年間、先生と一つになって行かなければなりません。先生はこの時を待ってきました。六〇〇〇年の歴史は、この時を待ち焦がれてきました。世界はこの時を待ち続けてきました。残された一年半で、私たちは死力を尽くさねばなりません。私たちの行く道は生か死かの二つに一つしかありません。進軍するか、それともここで滅びてしまうかの二つに一つしかないのです。 さあ、進軍していきましょう!















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