神様の摂理から見た
  南北統一

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三.国家存立に対する宿命的な責任を負った我々

 北韓が総選挙を通じた南北統一論をもち出してくれば、韓国はどうしますか。韓国はこの間平和統一を自国の統一案として標榜してきましたが、平和統一というのは詰まるところ総選挙を行おうということなのです。ところで南韓には総選挙に備えた準備が全くなされていません。国民に対してイデオロギー教育も行われておらず、組織も完全なものになっていません。また地域発展の不均衡や深刻な格差によって感情的な問題にまで発展しています。これまで独裁ないしは軍事政権によって、数多くの人々が政治的な理由のために監獄に入り、そのことによって大学街の左傾勢力が大きな勢力を振るっています。また経済発展優先政策によって労働者を中心に大衆が相対的貧困の中で、現政府体制に反対する機運が大きく伸張しつつあるのです。

 先に取り上げた問題は現在韓国が抱えている重大な問題です。このような問題を解決することなくそのまま南北総選挙に突入すれば、その結果を予測するのが難しく、結果によっては南韓の敗北に終わるかもしれません。先生は早くからこのような問題が発生することを予想して、勝共連合と大学街を中心に準備を行ってきたのです。

 現在韓国の大統領を中心としてあらゆる為政者たち、各界の指導者たちは一大覚醒をしなければならない時です。韓国の指導層は安逸さから抜け出て祖国統一を目指しながら、心機一転して長期的な視野をもって対策を立てていかなければなりません。一九八八年を迎え、オリンピックを立派に催さなくてはならず、また、以後押し寄せるであろう南北統一運動に対して深い関心をもって総前進しなければなりません。

 共産党を見くびってはなりません。彼らの動物的な残忍性と破壊性を忘れるならば、大きな被害を受けるおそれがあります。

 先生くらい共産党の実態をよく知っている人は多くないでしょう。彼らは徹底した教育を受け、また結果に相応する代価が与えられると考えるので、何事も躊躇なく行うのです。自分の正体が暴露されれば自分の歯で舌をかみ切ることもためらいません。彼らは目的達成のために最も悲惨な僕の暮らしもいとわないばかりか、情報を抜き取るためには偽装結婚も行います。またわざと監獄に入るようなこともするのです。

 先回南北調整委員として参加した人の中には二十年以上共産党のために監獄暮らしをした人もいました。このような彼らですから、いかに透徹した思想によって武装されているのか推察することができます。我々は俗に国民所得五千ドル時代が来れば北韓共産党と戦っても怖れることはないと言います。しかしながらそれは大きな誤りです。たとえ個人所得が五千ドルではなく一万ドルになったとしても共産党を防ぐことはできません。経済力では思想を防ぐことはできないのです。

 アメリカをご覧なさい。アメリカは国民の個人所得が一万ドルを超えた世界最大の経済大国ですが、共産党に歯が立たずにあえいでいます。日本にも共産党が相当な勢力を形成しています。このように共産党の連中は経済力に関係なく世界を赤化させつつあるのです。もちろん、経済力が脆弱な国家であればあるほど、共産党の宣伝や挑戦の前に弱いというのは事実ですが、経済力だけでは共産党に絶対に勝つことができないということも事実なのです。

 韓国はこのように悪辣な共産党と戦わなければならない宿命的な道におかれているのです。我々は、我々に与えられた運命の道は開拓することができますが、宿命の道は開拓したからといって変わるものではないことを知らなければなりません。我々がどこの誰それの息子として生まれたことはどうしようもない宿命なのです。そのように国家も宿命の道を歩まなければなりません。国を守る国民たちは国家の存立に対して宿命的な責任を負わなければならないのです。(一九八八・一・一)

 金日成が北韓の二千万同胞たちを完全に教育した暁には、南北総選挙を通じて南北統一を行おうと提案してくることでしょう。特に今年開催されるソウル・オリンピック大会が終われば統一のための環境が熟し、どのような形にしろ韓国の統一が世界的な関心を呼び起こすようになっています。

 オリンピックの期間中にソウルには百六十余国の選手と代表、そして民間人たちが集まってきます。特に共産圏の大多数の国家がソウル・オリンピックに参加することによって、今まで金日成の一方的な言葉にだまされていたということを、彼らも悟ることになるでしょう。韓国の政治、経済、文化、スポーツ等をはじめとして全般にわたる発展像を見ることになり、このことはすなわち北韓との比較を通して、韓国に対する認識を新たにするという結果をもたらすでしょう。

 韓国は平和と繁栄を追求する文化民族であることを世界が知ることとなり、今まで北韓の宣伝によってひょっとしたらと思っていた疑いは消え、国際社会においてあらゆる国家が韓国と関係を結ぼうとするのです。そのことはすなわち北韓の孤立を意味し、世界の国々から北韓が疎外される局面を迎えるようになるということを示すのです。そのような結果を誰よりもよく知っている北韓の金日成は、いかなる手段を使ってでも韓国でオリンピックを開催することができないようにするために、妨害工作を展開してきたのです。しかし今やたとえ韓国でオリンピックが開けないというような不幸な事態が発生したとしても、今回のオリンピックは他の国では開催されないままで終わることになるでしょう。

 北韓の挑発行為によってオリンピックを開催することができないようになれば、世界の世論は北韓を容赦せず、中共や東欧圏はもちろん、ソ連までも北韓の肩をもつことができなくなります。その結果は北韓の滅亡を意味するために、今や北韓が独自的に火遊びができなくなる時点に入ってきたのです。

 韓国の南北統一は、オリンピックが終わるとともに本格的に問題が提起され、金日成も四面楚歌の状態になって、交渉のテーブルに着かざるを得なくなるのです。その時になって金日成が提案するいくつかの統一方案の中の一つが、南北総選挙による南北統一論というものなのです。それに沿って彼らが、これまでに北韓の二千万同胞たちに対して完全な教育と組織づくりを完了させたからです。(一九八八・一・一)




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