E-listBBSSearchRankingMusicHall-HornGo to Top


五 真の父母と成約時代


 この講演文は1993年5月から国連の総会議場、アメリカ議会、韓国の40大学を含む43カ国、115都市、また1994年3月、アメリカの九大学などで文鮮明先生御夫妻によって宣布されたみ言です。


1 尊敬する来賓、そして愛する大学生の皆さん! 最初に、この場に招いてくださった主催者側と、ここまで来てくださった皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。本人も、皆さんのような愛らしい子女を育てている母として、清い夢と高い理想をもって未来の歴史を創造しようと努力する皆さんの姿の前に、感動を受け、心から祝福を捧げたいと思います。

  ◆ 神様が被造世界を創造された目的

2 この世のすべての父母が子女に望むものがあるとすれば、それは子女が無事に育ち、幸福なほほえみの中で楽しく美しく生活することです。しかし、胸の痛いことに、今日私たちが暮らしているこの世界は、平和で幸福というよりも、[藤と罪悪で満ちています。社会は、倫理道徳の退廃と家庭破綻から派生した数多くの問題に直面しています。それで、このような問題を解決するために多くの人々が努力してきましたが、いまだその解決方法を見つけることができないでいます。なぜでしょうか。

3 その理由は、私たちが苦痛と不幸の病状だけを見ているだけで、その根を見つけられずにいるからであり、さらには宇宙の根本であられる神様を知らなかったからです。

4 ゆえに、この根を探し出すためには、まず神様の創造目的を知らなければなりません。そして、今日私たちが生きているこの時代が神様の摂理歴史上、とても重要な転換期にあるということを理解しなければなりません。

5 神様が人類の最初の先祖となるアダムとエバを創造された理想とは、彼らがみ言に従って完成し、真の愛、真の生命、真の血統を備えた善の家庭を立てるところにありました。そのような理想的な善なる家庭は、家庭全体が神様の前に心情的に一つとなった土台の上においてのみ現れるのです。

6 知ってみれば、神様が被造世界を創造された目的は、愛の相対を探し立てることでした。父母と子供、夫と妻、そして世の中のあらゆる万象をすべてペアとして造られた目的は、真の愛を実現しようとするところにあったのです。ゆえに、父母は子供のために生きるようになっていて、その子供は父母のために生きるようになっているのです。また、夫は妻のために、そして妻は夫のために生きなければならないのです。

7 このようにすべての被造万物は互いのために生きなければならないのであり、相手に与えながら生きるように創造されました。

8 このように創造されたアダム家庭で、神様を中心とした真の愛の理想が成し遂げられていたならば、正にその家庭が天国の始発点となり、そのような天国家庭が歴史的な発展を経て、氏族、民族、国家、世界的に拡大されていたことでしょう。さらに、地上だけでなく霊界においてもそのような天国理想が成し遂げられていたことでしょう。このように、神様の愛の理想が完成していたならば、メシヤはもちろん、神様の救援摂理も必要はなかったはずです。そして、アダム家庭は一つの家庭にすぎませんが、その家庭がすなわち氏族、民族、国家、世界の中心になっていたことでしょう。

9 アダム家庭は、正に未来に生まれるすべての家庭と、神様の理想世界を実現するモデルでした。

10 ところが、神様がアダム家庭を中心として成し遂げようとされた真の家庭の理想と天国は、アダムとエバが堕落して原罪を犯し、神様から離れていくことによって成し遂げられなかったのです。

  ◆ 神様の救援摂理の目的

11 人類の先祖が堕落することによって、神様の救援摂理が始まりました。救援摂理歴史は、旧約時代、新約時代、そして今日の成約時代に至るまで、複雑で悲しい路程を経ながら、延長に延長を重ねながら流れてきました。堕落のゆえに、今日の世界も、神様が理想とされた善の世界とはあまりにも掛け離れた、罪悪と偽りに満ちあふれた利己的な愛のみが氾濫する世界となってしまいました。

12 これは、アダムとエバが、サタンを中心として利己的で偽りの愛を土台とした偽りの父母となったからです。彼らは悪を繁殖させ、偽りの家庭を成し、子孫に偽りの生命と偽りの血統を授けたのです。

13 ゆえに、神様の救援摂理の最も重要な目的は、神様の真の愛を中心として復帰されたアダムとエバを代表する一人の男性と一人の女性、すなわち真の父母を探し立てることであり、彼らを中心として真の家庭を成すことです。そのようになれば、その家庭を始発点として、真の氏族、真の国家、真の世界が広がっていくのです。言い換えれば、神様の真の愛、真の生命、真の血統として育つことができる種が創造されなければならないということです。

14 聖書を注意深く読んでみると、人間の堕落とは、アダム家庭全体を失ってしまう結果を招来したものだということを知ることができます。第一に、アダムとエバが堕落することによって理想的な父母の位置を失ってしまい、第二に、カインがアベルを殺害することによって理想的な子女の位置を喪失してしまいました。理想家庭を通じて完成した世界を成し遂げようとされた神様の計画が、崩れた結果となったのです。

15 したがって神様は、根本家庭を復帰するためにカインとアベルの位置を復帰し、真の母と真の父の位置を探し立てなければならないのです。また、これは、堕落の反対の経路を通じて摂理しなければなりません。

16 カインとアベルを和解させて一つにする類型こそ、真の父母を復帰する基台となっていて、これは、復帰摂理歴史を通じて一つの公式となっているのです。

17 ユダヤ教、キリスト教の歴史を詳しく調べてみれば、堕落した人類は、カインとアベルのような対立関係の分立歴史を繰り返してきています。神様は、堕落した人類を、サタンを象徴するカイン側と神様を象徴するアベル側に分立させ、その次にこれらを正しい位置で和合させることをもって堕落によって生じた憎悪を除去してこられました。

18 神様は、常にアベル側が先に打たれて犠牲となる作戦を使ってこられました。その結果として、アベル側は、自らが犠牲となったその基台の上でカイン側を包容し、長子に与えられた祝福まで復帰するようになるのです。

19 なぜなら神様の戦略戦術は、先に打たれ、あとから勝利することによって損害賠償まで受けるものであり、サタンの戦略戦術は先に打つのですが、最後には滅びるものだからです。

20 迫害というものは、敵の所有権を相続する神様のもう一つの戦略です。第一次、第二次世界大戦や思想戦を含んだ第三次大戦も、先に打ったほうが滅びました。統一教会は、このような神様の戦略戦術によって発展してきました。

21 救援の目的を中心に一番先を走る宗教は、常にサタンから激しい迫害を受けました。しかし、真の宗教は、そのような反対をものともせず、罪悪の世界を救援するために、絶え間ない犠牲の努力を尽くしながら、善の版図を広げてきました。

22 神様は、分立された二つの側が互いに争い、一方が勝利してもう一方が征服されることなく、和合することによって一つとなることを常に望まれています。そのように二つの側に分けられた例を挙げるなら、十字架上のイエス様を中心として、アベルの立場になった右側の強盗、カインの立場になった左側の強盗を挙げることができます。世界的に右翼(自由世界)と左翼(共産世界)を代表して最後の闘争を繰り広げている韓国と北朝鮮の対決がそれであり、さらには中東でのキリスト教とイスラム教の対決も挙げることができます。

23 したがって、神様の復帰歴史の中で最も問題となるのは、このように分けられた二つの側を、神様の理想を中心としていかにして再び一つに統一させ、真の母と真の父を探し立てることができるかということです。
 神様の復帰歴史は個人から始まる
24 大学生の皆さん! もし家庭が神様の真の愛の理想を中心として立っていなければ、家庭間に衝突が生じるようになります。神様の愛を絶対的に中心としなければ、結局その家庭は崩壊してしまうのです。さらには、そのような家庭が集まってできた国も、衰亡の道を歩むようになります。最初のアダム家庭が不倫をして利己的な愛の奴隷になったので、利己心と欲望は、個人、家庭、社会、国家、世界的な次元で人類歴史を常に汚してきたのです。

25 正にそのような理由から、神様の復帰歴史は個人から始まったのです。ところで、サタンもそれを知っているので、人間個々人の次元から集中攻撃をするのです。末世に処している今日、利己的な個人主義が普遍的生活様式になってしまっているのも、決して偶然ではありません。人々は日を増すごとに周囲から次第に疎外感を感じるようになり、彼らの属している国家、社会、そして甚だしくは自らの家庭に対しても責任感を感じなくなっています。離婚率が日に日に増加しているという事実は、夫婦が互いに結婚に対する責任感を感じていないという証拠であり、父母は、子供に責任をもとうとせず、個人は、自らに対する責任さえももとうとしないのです。

26 このような現象は、アメリカにおいて一九六〇年代の青年運動とともに現れ、次第に世界へと広がっていきました。理想を追い求める若者たちは、愛と平和を追求するからといって物質主義を排斥して立ちはしましたが、その過程で彼らは、物質だけでなく人間の道徳性や責任感までも捨ててしまいました。そして、自分たちの追求してきた愛と希望を見つけることができなくなるや、多くの若者たちは、自殺、麻薬中毒、フリーセックスへと陥ってしまいました。このような現象の中でも、神様の胸を最も痛めているのがフリーセックスです。

27 愛というものは、純粋な情緒の刺激から誘発されるべきものですが、フリーセックスは、純潔や真の愛の秩序とは全く関係のないものです。

28 ところで、神様のみ旨を成すために活動している人々は、これとは正反対の、一八〇度異なった人生を生きています。歴史を調べてみれば、自らの犠牲を甘受しながら霊的な価値を追求する道を歩んできた人々は、周囲から言葉に表せないほどの反対と迫害を受けてきました。

29 神様の愛と祝福が共になかったならば、統一教会も、世界的な反対の中で、今日のような発展を遂げることはできなかったはずです。統一教会が戦争の灰の山と化したこの地から無名の教会として出発し、たった三十八年間で今日世界的な宗教として登場したという事実、それ自体のみ見ても神様の絶え間ない導きと御加護があったことを知ることができます。

  ◆ 蕩減条件は必ず反対の経路を通じて立てるようになる

30 大学生の皆さん! 聖書を見れば、エバが最初に神様の命令に背き、サタンと関係を結んだとなっています。堕落によってエバはもちろん、アダムと彼の息子、カインとアベルまでも利己心と偽りの愛を中心としたサタンの血統を受け継ぐようになりました。このようにサタンによって本来の軌道から離脱した先祖、アダムとエバの後裔である私たち人類は、誰彼を問わずサタンの血統を受けて生まれました。ヨハネによる福音書第八章四十四節で、イエス様が「悪魔から出てきた者」としかられたのは、すなわちこのような理由によるのです。

31 旧約では、救援摂理歴史が「目には目を、歯には歯を」という公式に従って展開してきたものとして説明されています。「統一原理」では、このような過ちに対する償いを「蕩減条件を立てる」と表現しています。そして、蕩減条件は、必ず反対の経路を通じて立てるようになっています。

32 エバは、自らの堕落行為を反対の経路を経て再び正し、堕落のすべての段階段階を霊肉両面で復帰しなければなりません。それをするためには、エバは、次子アベルをして神様のみ旨に従うように協助しなければなりません。

  ◆ エサウとヤコブを通じた長子復帰摂理

33 私たちが創世記を読んでみると分かるように、神様は、アベルの捧げた祭物のみを受け取られ、カインの祭物は受け取られませんでした。これは、アベルがそのように期待してなったことではありませんでした。天のみ旨は、カインが、アベルを神様が選ばれた者として認め、彼と愛で一つになるところにありました。もし、この時にカインとアベルが一つとなっていたならば、堕落によって引き起こされた二つの問題のうち、後者は、その時に解決されていたはずですし、神様は、アダムとエバの問題だけを中心に役事することができたのです。

34 エバは、カインとアベルを一つにして、真の父母のための基台を造成しなければなりませんでしたが、生前にその使命を果たすことができませんでした。したがって神様は、復帰歴史を通じて、誰かほかの女性が現れて堕落したエバの代わりに蕩減を払うようになることを待ちました。

35 聖書は、イサクの夫人リベカを、神様の仕事をした偉大な女性のうちの一人として描写しています。リベカはエサウとヤコブの母として、イサク家庭でアダム家庭のエバと全く同じ立場に立っていました。しかし、リベカはエバとは反対に、神様の摂理を理解し、アベルの立場に立っている次子ヤコブを助け、本来は長子であるエサウに行くようになっていた祝福をヤコブが受けられるようにしたのです。当然自分に来るべき祝福が弟であるヤコブに行くや、エサウは、カインがアベルを殺害したようにヤコブを殺そうとしました。

36 しかし、この二人の兄弟は、母リベカの助けによって血を流すのではなく、反対に温かい兄弟愛をもって和解をしたのです。神様から見るとき、この劇的な和解こそ重要な勝利でした。しかし、それは完全な勝利とはなり得ませんでした。

  ◆ ペレヅとゼラを通じた血統転換

37 なぜならば、彼らの和解は血統転換の立場から見れば、どこまでも象徴的なものにしかなり得なかったからです。実体的な血統転換は、母のおなかの中から完成しなければなりません。正にここに、タマルを中心とした逆説的な事件が起きた理由があるのです。

38 リベカのように、タマルも堕落したエバの立場におかれていました。この点を理解すれば、イエス様がなぜ、タマルの血統を受け継いだユダの支派から生まれるようになったのかを理解することができます。

39 皆さんも、タマルの双子の息子にまつわる話を聖書で読んだことがあると思いますが、彼女は 舅 であるユダと同衾して双子の息子ペレヅとゼラを身ごもりました。聖書によれば、この二人の息子は、母の胎内から長子権をめぐって争ったと記録されています。

40 タマルの出産過程をよく見てみると、ゼラの手が先に出てきたので産婆がその手首に赤いひもを結んであげるや、再び母のおなかの中に入っていき、手首に赤いひもを結んでいないペレヅが先に生まれ、結果的に次子となるべきであったペレヅが長子の位置を占めるようになりました。このようにして、出生前の母胎からカインとアベルの位置が替わる摂理が成し遂げられたのです。

41 そして、正にその時に立てられた条件のゆえに、イスラエル民族がメシヤを迎えることができる選民国となったのです。

42 伝統的な道徳観から見れば、リベカとタマルにまつわる話は、多くの疑問を内包しています。そして、なぜ神様がそのような女性たちを祝福してくださったのかということは、今日までの神学界の謎となっています。

43 既に私たちが理解したように、神様はイエス様をこの地上に送られるために、その失われた血統をサタンから再び取り戻す準備作業が必要でした。そして、正にこの二人の女性の勝利こそ血統転換の勝利を意味し、イスラエルの勝利を意味しているのです。そして、このように探し立てられた真の愛の血統基盤の上にイスラエルの国が大きくなっていくのです。


 神様の完全なる直系の血統から生まれたイエス様
44 それからユダの血統は、子々孫々発展を重ねながら、氏族、民族、国家基準へと拡大していき、正にこの血統の中で二千年後、イスラエルに聖母マリヤが生まれました。マリヤは、家庭、氏族、国家基準までみ旨に合った蕩減条件を立て、長子権を復帰するためにカインとアベルを一つにつなぐ責任を負わなければなりませんでした。マリヤは神様の命令に従ってイエス様を懐妊しましたが、ほかの人の目から見るとき、彼女は父母と約婚者ヨセフを裏切った立場でした。

45 その当時は、女性であれば誰でも、もしほかの男性との間に子供を身ごもるようになれば、石で打ち殺すことがしきたりになっていました。しかし、アダムの立場にあったヨセフは、彼の約婚者であるマリヤを拒絶することなく、むしろ保護し、守ってあげました。

46 マリヤの信仰とリベカとタマルの貢献で、サタンは、マリヤの胎内に入っているイエス様に対する所有権を主張することができなくなりました。

47 イエス様は、神様の完全な直系の血統から生まれました。イエス様は、堕落した血統を善の血統へと転換させたのちに生まれた神様の最初の息子です。正にこのような理由により、神のひとり子として生まれたイエス様は、すべての聖人の中の聖人であり、真なる血統の先祖となります。

48 マリヤは、堕落したエバを復帰する位置にまで行かなければならない立場から、アベルの位置に立っていたイエス様と、カインの位置に立っていたイエス様のいとこ洗礼ヨハネを一つにしなければなりませんでした。この二人が一つになることは、イスラエルの国民たちとユダヤ教がイエス様をメシヤとして受け入れるための決定的な鍵でした。

  ◆ 洗礼ヨハネの使命

49 イエス様が弟子たちに言ったように、洗礼ヨハネの使命は「来られる主の道をまっすぐにするためにエリヤが先に来る」という旧約聖書の預言を成すことでした。ルカによる福音書にも、洗礼ヨハネはエリヤの権勢と使命をもってきたと書かれています。

50 しかし、洗礼ヨハネは、自分がエリヤであることを否認し、ヨルダン川でイエス様に洗礼を授けるとき、神様からはっきりと啓示を受けたにもかかわらず、イエス様がメシヤであることを疑いました。

51 その当時の人々の目に、洗礼ヨハネは宗教指導者として大きな尊敬を受ける人物である反面、イエス様は貧しい大工の家に生まれた私生児として映りました。今日でもイスラエルにはキリスト教徒が二・八パーセントにしかならないのに、その当時のユダヤ人たちが洗礼ヨハネの助けなくしてイエス様を信じて従うことは不可能なことでした。

52 したがってイエス様は、洗礼ヨハネが不信した状況で、自分がメシヤであることを自ら宣布していかなければならない難しい道を選択せざるを得ませんでした。洗礼ヨハネはイエス様を助けて、彼がイスラエルの宗教指導者として登場できるようにしてあげなければなりませんでした。

53 もし、その当時、洗礼ヨハネが使命を完遂していたならば、アベルの立場にあるユダヤ教とカインの立場にあるイスラエルがイエス様を中心として一つとなることができていたはずです。そして、そのようにさえなっていれば、その時に小羊の婚宴の基台ができ、イエス様は人類の真の父となり、新婦は人類の真の母となっていたことでしょう。

54 イエス様の祝福は七年以内、すなわち彼が四十歳になる前に世界的に急速に伝播され、アジアとローマまでも探し立てることができるようになっていたことでしょう。そして、究極的にはイエス様は彼の新婦と共に、個人天国、家庭天国、氏族天国、国家天国を成し遂げていたはずです。

55 しかし、このような栄華の夢は実現されずに終わってしまいました。宗教人と自任するユダヤ人と祭司長たちは、イエス様のみ言を拒否し、あげくの果てには十字架に追い込んでしまいました。イスラエルの不信に直面したイエス様は、人類のための霊的救援の道だけでも開いてあげるために十字架上に命を投げ出しました。しかし、霊肉両面の救援をすべて成し遂げるためには、イエス様は再び来られなければなりません。このような理由から、人間の心はイエス様を通じて神様のそばに行くことはできても、体はいまだ悪の誘惑圏内に属しているのです。

56 使徒パウロのような方も、肉身の欲望と心の欲望が互いに矛盾の中で[藤を感じている点をおいて苦悩しました。成約時代の始まりとともに何よりも重要な問題は、私たちすべてが霊肉共に救援を受けなければならないということです。

  ◆ 第二次世界大戦と再臨主の顕現

57 イエス様が十字架上で亡くなられることによって左翼と右翼の闘争が始まりました。これはアダム家庭の堕落によってカインとアベルに分立しなければならなかったことと同じです。また、キリスト教とイスラム教が出現して争いを起こしたりもしました。イエス様が十字架上で亡くなられることによって引き起こされたこのような分立闘争は、イエス様が再臨されればすべて統一されることでしょう。

58 神様は、このようなイエス様の再臨を準備するところで、世界的なカインとアベルの成功的な和解を必要としました。第二次世界大戦の時に起きた一連の事件を中心として、このような摂理が展開されました。キリスト教圏を代表した英国・米国・フランスの連合国はアベルの位置に立ち、枢軸国であるドイツ・日本・イタリアは軍国主義の影響を受けてカインの位置に立っていました。

59 この戦争は、このようにカインとアベルの対決が世界的に拡大したことを意味しています。連合国が勝利したのち、キリスト教を中心として世界平和を具現するための大々的な努力がありました。

60 当時イギリスは世界的なエバ国の位置にあり、フランスとアメリカはそれぞれカイン国とアベル国の位置で、共に再臨主を迎えることができる準備を完了した状態にありました。

61 しかし、そのような準備にもかかわらず、神様の摂理はその当時に成し遂げることができませんでした。天を身代わりして神様のみ言をもってきた一人のお方がいたのですが、その方は言い表せないほどの迫害と世界的な無理解を受けてしまったのです。二千年前にイエス様が受けられた立場と全く同じでした。

62 イエス様の当時、イスラエル民族が天から火の車に乗って再臨するエリヤを待っていたように、キリスト教徒たちは再臨の主の顕現も、御自身が直接天から雲に乗って降臨されるものとして信じていたのです。

63 しかし、ヨハネの黙示録を見れば、イエス様は弟子のヨハネに御自身が「新しい名前をもってくる」とおっしゃられた一節があります。これはすなわち、エリヤが洗礼ヨハネとして顕現したように、イエス様も再臨する時には、ほかの人の姿をもって来られるということを意味するものでした。

64 神様は私の夫を選ばれ、韓国のキリスト教徒たちに新しい真理のみ言を伝えるようにされました。しかし、キリスト教界の指導者たちは、当時単なるみすぼらしい青年にすぎなかった私の夫がそのような新しい真理を伝えるために選ばれているかもしれないというその可能性を黙殺してしまいました。

65 新約時代は旧約時代の延長であるために、当時のユダヤ人たちがイエス様の権限を信じることができなかったように、韓国のキリスト教指導者たちも再臨主が人間の姿をもって地上に生まれるという事実を信じることができなかったのです。

66 もし、その当時のキリスト教と私の夫が一つになっていたならば、地上世界はもちろん、天上世界においてまでも天国が成し遂げられていたことでしょう。新約時代が終わった一九四五年から一九五二年までの七年間で、全世界が神様の摂理によって一つに統一されていたはずです。

67 しかし、その当時の宗教指導者たちは、私の夫と一つになるどころか、私の夫の教えを調べることもせず、盲目的に嫉妬し反対しました。それだけでなく、私の夫に対する淫乱と貪欲のルーマー(流言)まで捏造して広めたのです。

68 神様は、キリスト教を育てて発展させ、再臨主のための道を築かせるために、アメリカのようなキリスト教絶対圏の国家を育成しました。たとえ彼らが悟ることができなかったとしても、その当時、韓国の牧師たちは全世界のキリスト教を代表した位置に立っていました。

69 第二次大戦後、アメリカと世界のキリスト教が私の夫と一つとなることができなかったために、アメリカとキリスト教は、その時から斜陽の道をたどり始め、道徳的権威も失墜し始めたのです。

70 第二次大戦後、アメリカとキリスト教は、カインとアベルが一つとなった勝利的基台の上に立っていました。ゆえに、再臨主を迎える時が熟していたのです。しかし、彼らは再臨主を迎えるのに失敗し、つられて世界が私の夫の活動を反対しました。それにより私の夫は荒野へと追い出され、どん底まで落とされたのですが、再び上がってくるようになりました。

  ◆ 韓国動乱と冷戦の始まり

71 そして、韓国動乱と、併せて冷戦が始まりました。第二次世界大戦の時と同じように、再びカイン圏とアベル圏に分けられました。十字架上でイエス様を不信した左側の強盗のように神様を拒否する共産主義がカイン型の世界を代表して現れました。一方、神様の実存を信じる基盤の上に立てられたキリスト教民主主義は、イエス様の右側の強盗のようにアベル型の世界を代表するものです。再び来られる主は、神様のみ旨に従ってこの敵対関係にある二つの世界を一つにしなければなりません。その中心地が南北に分断された韓半島です。

72 ここでは蕩減原則に従って二人の父が対決しています。北側のカイン側の父(金日成主席)と南側のアベル側の父(文鮮明先生)が一つとなって神様を中心として世界平和の基地をつくらなければなりません。二人の父の統一は、共産と民主の統一だけでなく全世界の統一に関連しているのです。

73 国連十六カ国の参戦も、人類の祖国を統一するために成されたことです。第二次世界大戦の時には、キリスト教を中心とした英国・米国・フランスが中心でしたが、その失敗を復帰するために今度は統一教会の統一運動によって、民主世界を代表して再び選ばれたエバ国家・日本と、アベル国家・米国と、カイン国家・ドイツと、自由世界とが一体となって世界的なアダム国家である韓半島の統一を成し遂げなければなりません。

74 そして、人類始祖の堕落を蕩減するために、母であるエバは兄弟であるカインとアベルを再び生んであげなければなりません。それゆえに、日本が戦後五十年間、民団と朝総連をもっているのです。そのようなエバ国家・日本と、アベル国家・アメリカと、カイン国家・ドイツを中心として、この兄弟たちを一つにしなければなりません。さらにはアダム国家までも統一してアダムとエバ、カインとアベルの基準を国家的に蕩減して東洋文明圏と西洋文明圏を包容して世界平和を指向する太平洋文明圏を建設しなければなりません。

  ◆ 冷戦時代を終結するための真の父母の道

75 それで、韓国で生まれた私の夫は、統一教会を動員して、自由世界を象徴する右翼と共産世界を象徴する左翼との対決を終結させるために最善を尽くしてきました。また私たちは、ユダヤ教とキリスト教を身代わりした立場で、イスラム教徒との和解を促進することもしてきています。

76 この冷戦期間中、私の夫は、メシヤを迎えるための失われた基盤を探し立てるために、個人から家庭、氏族、国家、世界、そして天宙的次元まで、壁を突き崩すための闘いをしました。これをするためには、少なくとも四十年の歳月を必要としました。この四十年間で、私の夫は、イエス様誕生までの四千年歴史と、創世からの聖書歴史六千年を蕩減復帰したのです。

77 このような蕩減を払ったのちに、初めてカイン型国家とアベル型国家の和解を迎えるようになり、最終的に冷戦の終結をもたらすようになったのです。この課業は、ついに一九八八年、世界百六十カ国が参加したソウル・オリンピックと時を同じくし、韓国と統一教会により摂理的に完了しました。

78 振り返ってみれば、このことが北朝鮮と韓国が百六十番目と百六十一番目に国連に加入することができる条件となりました。

79 過去数十年の間、私の夫は言葉で表現できないほどの無理解の中で生きてきました。北朝鮮共産主義の治下で強制収容所に引っ張られていき、三年間も獄中の苦労をし、神様の仕事をしている中で無実の罪で六回も監獄生活をしました。その上、言論は、私の夫が「個人の利益のために若者たちを洗脳する悪魔のような者」であると悪評をまき散らしました。

80 「文鮮明牧師こそ、全世界的に最も多く迫害を受けた宗教指導者である」と言えば、皆さんの中で異議を唱える人はいますか。私の夫がいかに苦痛を受けてきたかを思うと、私の胸は張り裂けそうになります。しかし、私の夫は、「神様の摂理を遂行してきた方たちが受けた迫害に対して、神様がより深く理解されるならば」と言って、むしろ私を慰めてくれます。

81 旧約時代と新約時代を含めて、過去歴史上のすべての失敗を正すために、私の夫と私は、蕩減の道を歩んできました。

82 キリスト教文化を根として立てられたアメリカを新約時代に比喩するならば、韓国は旧約時代に比喩されます。それで最初の二十年間、私の夫は韓国で、イスラエルの国のような立場にある韓国と、ユダヤ教のような立場にある統一教会を中心として、旧約時代を蕩減する路程を歩みました。この基台の上で、私たちは一九六〇年、国家的な次元で真の父母の聖婚式を成しました。

83 その後一九七一年、私は夫と共にアメリカに渡りました。そしてその後二十年間、私たちはアメリカで新約時代を完成し、成約時代を出発するための蕩減路程を歩みました。その結果、私たちは神様を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源となる真の父母の家庭を探し立てることができました。

84 大学生の皆さん! 今日、復帰摂理歴史の転換点で、真の母の位置にいる女性は、真の父を迎えることができる基盤を造成しなければなりません。キリスト教が新郎を迎えるのに最初に失敗したのち、神様の摂理は四十年延長し、一九九二年まで来ました。この期間、私は失われた世界的新約時代を探し立てるために、韓国、イギリス、アメリカ、フランス、日本、ドイツ、イタリアを一つにしようと祈祷しながら努力してきました。

85 そのようにして一九九二年四月、私の夫と「世界平和女性連合」を創設し、世界的に女性時代の到来を宣布しました。

86 その土台の上で、昨年(一九九二年)一年間、私は真の母の心情をもって、先に列挙した七カ国はもちろん、ロシアと中国、オセアニアまで訪ねていき、現地の女性たちを動員して「世界平和女性連合」の支部を創設しました。

87 このようなことを中心として、第二次世界大戦の時からカインとアベルの関係に分立されていた国々が真の母を迎え、戦後失われていた新婦の基台を復帰して真の父を迎えることができる基盤ができあがりました。このように勝利した世界的な基盤の上で、最初の真の父母となったことを宣布します。今、世界は成約時代へと入り、私たちは再び神様をお迎えして生きることができるようになりました。

88 このように歴史的な転換点に立っている私たちは、神様を中心として個人の心と体が統一されなければならない原理を世界的な次元で実践しなければなりません。このような目的を達成するために、私たちは世界平和を具現する二つの機構を創設しました。

89 その一つである「世界平和宗教連合」は、心の世界を代表する機構です。神様の愛を土台として、世界宗教を一つにつなぐという内的な使命を帯びている組織です。もう一つの「世界平和連合」は、体の世界を代表する機構であり、世界的な政治、経済、言論、学術、科学分野の指導者たちと共に、理想社会を建設する外的な使命を帯びています。この二つの世界的機構の結実は、完成のために本源的出発地である真の愛の家庭を訪ね求めていかなければなりません。

  ◆ 歴史的最初の真の家庭完成の宣布

90 神様の前で、縦的な観点から愛を説明するならば、アダムとエバは自分たちの内において子女の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、父母の愛、このような四大愛を成熟させ、神様と直接関係を結んで生きるようになっていました。したがってアダムとエバは、本来神様の真の愛を中心として、四大心情圏、すなわち完成した子女、完成した兄弟、完成した夫婦、そして完成した父母の心情圏を経て完成した家庭を成さなければならなかったのです。

91 アダムとエバは家庭において標本とならなければなりません。子女たちは、父母となった彼らを理想的なモデルとして侍って生きなければなりません。子女たちは、父母が互いに愛し合って生きるのを手本として、兄弟姉妹間の友愛を学ぶであろうし、結婚した夫婦になっても、父母の愛を手本として理想的な夫婦間の愛を学んだはずです。最終的には彼らも子供を生み、彼らの父母が見せてくれた先例に従って、父母と子女が、兄弟と兄弟が、そして夫と妻が縦的、横的に一つとなった理想的な家庭を成し、地上はもちろん、天上においても天国を建設することができる基台を造成したことでしょう。

92 そのようにして神様を中心として、一つの先祖から生まれた世界のすべての家庭は、アダムとエバと全く同じ神聖なる価値をもつようになるのです。

93 主義と真理を追求する大学生の皆さん! 成約時代の開幕とともに、全世界的に、救援歴史を完成するメシヤの分身となる氏族的メシヤの時が来ました。皆さんの家庭を復帰し、さらには皆さんの氏族、地域社会、そして国家を復帰しなければなりません。このような使命を帯びた人々を「氏族的メシヤ」と呼びます。既に私たちは、数万組の氏族的メシヤ宣教師を全世界に派遣しました。遠からず、世界的な次元で理想的な家庭が立てられることでしょう。

94 成約時代は、母の役割が大変重要です。堕落した時とは正反対に、母と子供たちが一つとなって、夫を復帰し、真の父母の祝福を受けて神様の前に戻っていかなければなりません。

95 完成した家庭において、祖父母は、神様の善なる先祖を代表して王と女王の位置に立つようになり、父母は、現在の人類を代表して王と女王の位置に立つようになります。そして、子女は、未来の子孫を代表する位置で王子と王女の位置に立つようになります。

96 三代が一つとなるとき、過去・現在・未来が共に仲むつまじく暮らすようになり、過去から新しい歴史的伝統が出発するようになります。
 成約時代の開幕
97 大学生の皆さん! 私は、歴史的最初の真の家庭の完成を皆さんの前で宣布することができ、本当に誇らしく思います。本人と私の夫は、十三名の子女と、そして二十名の孫たちと共に、神様と人類のために絶対的な信念をもって献身しています。三代が一つの家庭で共に暮らしながら、私たちは、家庭的次元で聖書に言及されている命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立しました。

98 皆さんも、この命の木に接ぎ木され、共に理想国家と理想世界を建設するところで先頭に立って進んでいきましょう。これが正に成約時代の開幕を意味するものです。

99 成約時代は神様をお迎えして共に生きる時代です。これを悟った私たちは、心と体、父母と子女、そして夫と妻が一つとならなければなりません。そのようにしてこそ、私たちは神様の愛を中心とした理想家庭を成すことができます。

100 神様は生きて役事されていらっしゃいます。神様の人類に対する根本理想は、絶対的であり、不変です。このような神様の理想を実現し、神様の恨を解いてさしあげることが私たちの宿命です。

101 民族と世界の希望である大学生の皆さん! 分断された祖国を再び一つにし、自由と平和の統一祖国と希望にあふれた平和世界を創建するために、神様の真の愛を中心として進んでいきましょう。愛と理想があふれる二十一世紀、新世界に向かって真の父母の基盤に乗り、人類を救援する真の愛の先駆者となりましょう。

102 若さと知性と良心を所有した大学生の皆さんが心の扉を開いて、深い心情からこの真のメッセージを受け入れてくれることを願いつつ、皆さんすべてがこの神聖なみ旨を奉じ、さらには神様の祝福を受ける子女たちとなりましょう。

103 神様の大いなる祝福が皆さんと皆さんの家庭、そして皆さんの大学と我が国に共にあるよう祈ります。大変ありがとうございました。

















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送