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第五章 世界と国連が行くべき道


一 世界平和へと行く道

 この講演文は、1991年8月28日、韓国ソウルのリトル・エンジェルス芸術会館で開催された「世界平和連合」創設大会の基調演説として語られたみ言です。


1 尊敬する前・現職国家元首の皆様、各国から参加された世界の指導者の皆様。また、敬愛する学者、世界の宗教指導者の皆様。そして紳士、淑女の皆様。

2 きょう私は、「世界平和連合」を創設する歴史的なこの式典に、尊敬する世界の指導者の皆様がこのようにたくさん参席くださいまして、満場の盛況を成してくださったことに対して心からの謝意を表する次第であります。

  ◆ 平和は人類の希望

3 人類歴史が始まって以来、平和を切望しなかった時代がありませんでしたし、平和を望み求めなかった人は一人もいませんでした。しかし、人類歴史は、人類の希望とは正反対に常に絶え間ない戦争と無実の罪のない血でもって染められてきました。これはなぜでしょうか。

4 近代史に至っては、世界は二回にわたって世界大戦を行いました。一九一四年、サラエボでオーストリアの皇太子が暗殺される一発の銃声で点火された第一次世界大戦は、たちまちのうちにヨーロッパ全域を火の海にしましたし、十六カ国が参戦した中で三千万名の死傷者を出す凄惨な戦争でした。

5 このヨーロッパの惨状を見て世界の指導者たちは、いかなる代価を払ってでも、もう再び戦争を引き起こしてはならないと骨身に染みた覚醒から、アメリカのウィルソン大統領の提唱により「国際連盟」(League of Nations)を結成いたしました。

6 しかし、「国際連盟」は四十余種の国際紛糾を処理はしましたが、強大国間の紛糾の処理に失敗し、ウィルソン大統領の偉大なる夢は行く所もなく消え去り、アメリカ上院の批准も得られないまま、「国際連盟」は結局、失敗の幕を下ろしてしまったのです。ここに、戦争を防ごうとする人類の渇望は挫折しました。

7 そして、それから二十年もたたずして、再び世界は第二次大戦の惨禍の中に巻き込まれていきました。第二次世界大戦は大西洋のみならず、太平洋までも火の海にしました。数千万の人類が殺傷され、ついに二発の原子爆弾の投下によって辛うじてその終末を迎えました。

8 世界が再びこのような生き地獄になるのを防ぐために、今度は一九四五年四月二十五日、サンフランシスコで「国際連合」(United Nations)を創設するに至りました。「国際連合」(国連、UN)の歴史は今年で四十六年になります。

9 さあ、それでは、その四十六年間、人類は戦争を知らず平和に生きてきたでしょうか。再び戦争は起こりました。韓国動乱、べトナム戦争、湾岸戦争をはじめとして、実に六十余回の人類相殺の歴史が繰り返されました。

10 なぜ、このように平和が難しいのでしょうか。きょう私たちは、「世界平和連合」を創設するに先立ち、深く深く平和が成されないその理由を究明しなければなりません。そうでなければ、今後も前轍を踏むのは火を見るより明らかだからです。

11 紳士、淑女の皆様。この間、人間は平和を叫んだだけであって、その真の平和の意義を知ることができませんでした。平和の真の哲学をもてなかったのです。ですから、真の平和を成す方法が出てこないのです。

12 貴賓の皆様。その理由は、分かってみると簡単なことなのです。人間は神様を失ってしまい、平和も失ってしまいました。そして人間は神様をほったらかしにしておいて、人間同士で平和を探し求めようとしたのです。根本的な誤りであり、これが真の平和を得られない根本的理由なのです。

  ◆ 神様の創造理想

13 全知全能であられる神様は愛の神様であられ、平和の神様であられます。その神様が互いに争い、殺し合う世界をつくられたはずは万に一つもないのです。

14 神様は、人間を神様の形状どおりに造られ、人間はまさしく神様の聖霊がいらっしゃる家と同じ聖殿として造られたのです。

15 人間一人一人が神様の聖殿として、神様に侍って住む家として完成したならば、どうして人間同士の闘争と殺戮が可能でしょうか。創造本然の世界で人問が争うのは、右腕が左腕と争うのと同じことであり、自分が自分の手で自分の目をくり抜くのと同じことなのです。

16 このような本然の世界では、戦争はあろうにもあり得ませんし、互いに愛し合い、和睦して生きる世界であり、どのように神様にもっと栄光を捧げるのかという善意の競争だけがある世界です。

17 そこには[藤がありませんし、誤解もありませんし、美しい協調と相互協助でもってただただ和睦団結して、真、善、美を追求する平和の世界のみが永続するのです。その世界は神様に似た世界であり、神様の理想と本質のために生きる世界なのです。

18 我々はこのような世界の基本理念を「神主義」、または「頭翼思想」と称するのです。「ため」にする愛、互いに「ため」に生きるところに平和は当然なのであり、このような世界を宗教的に表現するならば、地上天国であるというのです。少なくとも全知全能であられる神様の作品であるならば、このような平和と幸福の世界をつくれたはずであり、そうでないとするならば、その神様はいらっしゃらないのです。これが創造本然の真の平和の理想だったのです。

  ◆ 創造主を失ってしまった世界

19 ところが、このように美しい神様の理想世界を実践なさろうとする人類歴史の初日、エデンの園で、人類の始祖は神様を失ってしまいました。

20 一言で言うならば、人類の始祖になる一男一女は神様の前に罪を犯し、神様の国から追放されました。そして神様の聖殿になれず、悪魔の巣窟になりました。そして、その悪魔は利己主義の本山なのです。

21 人類始祖からしてこのようになったので、その後孫たち、すなわち今日の人類すべては、神様が我々の父であられることと、我々すべてが真の兄弟姉妹であることを忘れてしまったのです。ですからすべての人間同士が怨讐になってしまいました。本来は他人を殺しても、それがすなわち自分を害することなのに、霊魂が鈍くなった人間は兄弟を殺しても心の痛みを感じられません。

22 そこには、自分だけがいて全体がいないので、利己主義が個人から家庭、社会、国家、世界に広がるようになりました。そうして、自分と利益がぶつかる場合には、互いに争うようになります。戦争を起こします。これが戦争の起きる真の原因なのです。

  ◆ 平和の世界を回復しようとする神様

23 では、創造主であられる神様は、この堕落した世界をどうなさろうとするのでしょうか。神様は厳然として生きていらっしゃいます。神様は、今も全知全能であられます。また、その神様は、愛の神様であると言いました。

24 その神様は真に満ちた平和の世界を再び復帰し、また再創造なさろうとしていらっしゃいます。ここから我々人類は、真の平和に対する希望をもつことができるのです。神様は、人間一人一人から邪心を追い出し、神様の住まわれる聖殿に復帰させようとなさるのです。

25 ですから世界平和は、一個人の完成から始めるのです。一個人が神様の聖殿として完成した人間にならずしては、世界平和は芽を吹きません。世界平和の出発点は、まさしく皆様一人一人なのです。

  ◆ 創造本然の理想世界

26 皆様、我々一人一人の体の中で常に戦争が続いていることを知っていらっしゃるでしょうか。それは、個々人の体の中で熾烈に戦われている心と体の争いです。

27 本来、心と体は切り離そうにも切り離すことのできないものでした。人間の心は神様の心であり、人間の体はその心を入れる器でした。ところが、人間の堕落は人間の体を悪魔にやったのです。その時から人間の体は悪魔の僕になりました。

28 人間の良心は神様を代表する心です。良心は私のために存在しません。天の義のために存在します。良心は常に善に向かって走ろうとします。これに体は反抗をします。体は自分だけ安らかであろうとするし、利己的であり、本能的欲求に従って肉欲を行おうとします。良心はこの体を叱責し、心に順応するようにします。ここに常に血の出るような[藤と闘争が、一つの体の中で起こるようになるのです。

29 ですから昔から歴史を前にして、すべての宗教は自分の体を打つ道を教えてきました。宗教は肉欲を制御し、体を心に屈服させる道場なのです。宗教は人間を創造本然の人間へ引っ張っていく道場です。

30 しかし、誰も神様を自分の内に侍らずしては、自分の体を征服する者はいません。ただただ、神様の真の愛と真理の力を中心として、主体たる心は対象たる体を従わせ、神様と一体理想を成すようになっているのです。これが宗教が語る完成した人間なのです。

31 このように神様を中心として体を屈服させ完成した男と女、すなわち、善男善女が神様の祝福を受け、夫婦として結ばれる時、地上に天が計画なさった理想的一つの家庭が出発します。そしてその理想家庭は理想的社会、国家、世界の基礎になるのです。

32 「家和して万事が成る」という言葉があります。一つの家庭が平和に満ちているならば、万事がみなよく成されるというのです。完成した家庭は平和の家庭であり、これは天国の基礎です。家庭の原動力は真の愛です。自分よりも神様を、そして対象を生命のように愛する、純粋で美しい犠牲的愛、これが真の愛なのです。この宇宙に、神様は真の愛の力より大きい力は創造されませんでした。真の愛は神様の愛なのです。

33 神様は万物と人間の創造のために、すべての力を投入なさいました。全部を投入し、また投入なさいました。他のものは投入すれば、全部消耗されますが、真の愛のみは投入すれば投入するほど、もっと盛んになり生産します。真の愛は百を投入するならば、百二十が戻ってきます。ですから真の愛を実践する者は滅びるように見えても、滅びることなく永遠に栄え、永生するのです。

34 このように真の愛でもって成された家庭が基礎になって社会が成され、国家が成され、世界が成されます。このような社会、国家、世界は真の愛が原動力になる相互奉仕の社会であり、国家であり、世界であり、そこには[藤の代わりに和睦があるし、誤解の代わりに理解があるし、分裂の代わりに団結があるし、自分の利益の追求の代わりに全体の利益の追求があるし、犠牲と奉仕が美徳になる社会、国家、世界であるのです。このような神様の理想実現が、すなわち真の世界平和の理想なのです。

  ◆ 真の世界平和は、真の父母の理想で

35 聖書の「神様のかたちに似せて人間を造られた」というみ言は、見ることのできない無形の神様が人間として実体化なさったことをいいます。人間の始祖アダムとエバが神様の理想を実践していたならば、彼らが歴史で最初の家庭を成したのであり、そこから繁殖される完成した子孫たちが、まさしく理想社会、国家、世界を成したのです。

36 それゆえに無形の神様は、真の愛を中心としての縦的な真の父母であられ、人問始祖アダムとエバは真の愛を中心とした横的な真の父母として、永遠に人間歴史の上に君臨したのです。

37 完成したアダムとエバは人類の真の父母であり、人類はこの真の父母を中心として人類大家族、四海同胞、兄弟主義を成したのです。ところが人類はこの真の父母を失うことによって孤児になってしまい、兄弟がすなわち怨讐になり、国々は反目し、敵対視する関係になってしまいました。

38 それゆえに人類歴史の新しい出発に先立ち、神様が必ず成し遂げられなければならないことは、失ってしまった人類の真の父母を探し求めて立てられ、人間たちを孤児の状態から解放なさることです。それゆえに人類の真の父母の顕現は、神様の摂理の中心役事なのです。

39 皆様。今、創設される「世界平和連合」は、過去の「国際連盟」や「国際連合」と違って、真に満ちた本然の平和理想と真の父母の理想をもち、最後に世界平和を成そうとする雄大な新しい出発です。人間同士で平和を謳歌せず、神様の内に、神様と共に平和を謳歌しなければならないという生な覚醒がなければなりません。世界平和の中心は神様であられます。その原動力は真の愛なのです。

  ◆ 理念の障壁を越え東西指導者たちがすべて同席

40 世界平和を熱望する貴賓の皆様。きょうこの殿堂には世界各国の政界、学界、各宗教代表者たちが一つの屋根の下に集まりました。そして特に最近まで東西に分かれて冷戦を続けていたその両陣営の代表者たちが、東西という障壁の意識なしに、ただただ和解と協調の精神でもって参席しました。

41 一九八九年十一月九日、ベルリンの障壁が崩れた時から、世界は正に改革と変遷、和解と親善へ駆け上がっています。世界平和のムードは、今や開花しました。

42 今、私たちは、きょう宣布されます平和総集の大原則に立脚して、真に満ちた平和を成す時です。北は南側の貧困を解放し、強大国は、発展途上にある新しい民主主義国家を犠牲的に手助けしなければなりません。各国家政策が利己主義を離脱する、それ自体が大革命です。その方法は、私たちすべてが父母の位置に上がっていって見下ろすことです。

43 そうすれば、すべての国家が兄弟に見えざるを得ません。一人の父母のもとに一つの兄弟、国家、社会を成すことのできる歴史的な機会に直面しています。

44 来たる九月の国連総会に南・北韓が共同で加入するようになります。これは、私たちが平和世界を指向するまた一つの画期的発展です。そうなれば、「国際連合」の総加入国は、今や百六十三カ国になります。では、今百六十三カ国が成すべきことは何でしょうか。

45 無慈悲な植民地政策によって、弱小国を搾取していた時代は過ぎ去りました。今や弱肉強食は旧時代の残骸になりました。超強大国が武力競争でもって、世界を恐怖の中に追い込んだ時代も過ぎ去りました。

46 人類は、今、核兵器の恐怖から解放されなければなりません。今は正に聖書にあるように、「槍と剣を溶かして、すきの先をつくる」時です。

47 相互信頼と道義の時代が明けてきています。すべての「国際連合」加盟国家は、今、相互尊敬と愛をもって、我々人類の共同の敵に宣戦布告をしなければなりません。我々人類の共同の敵は貧困と無知と疾病と罪悪です。

48 今や人類は、貧困と無知と疾病と罪悪から解放されなければなりません。これからは「私の国」という定義が発展的でなければなりません。もちろん私が生まれて育った国が、まず「私の国」であることに間違いありませんが、より大きい見地から見たならば、私の父であられる神様がつくられた世界が、すべて「私の国」なのです。

49 このように見た時、先進国家が先端技術を独占し、発展途上国家に先端技術を分け与えないことは、大きな罪なのです。国家間に良いことがあるならば、早く分け合ってもたなければなりません。新しいことを発見するならば、直ちにその恵沢を互いに分け合わなければなりません。人類に手助けになることであるならば、ためらわずに国境を越え、これを実践しなければなりません。私はそれゆえに世界の技術の平準化のために、長い間全力投球してきたのです。

  ◆ 世界平和定着のために前進しよう

50 皆様。皆様は、神様が平和の役事として選ばれ、この場に送られた方々です。

51 今後、九年で紀元二〇〇〇年が訪れます。二〇〇〇年というこの峠が、我々の生前中に偶然に来るのではありません。これは、歴史の新しい転換点です。新しい歴史が胎動しているのです。平和の二十一世紀が近づいてきています。しかしその平和はただで来るのではなく、神様と人間が協調して与えられた責任分担を果たす時にのみ可能なのです。そうであるならば、私たちは残り九年間に、平和を阻害するすべての要素を除去する作業を成し終えなければなりません。

52 新しい時代、二十一世紀は共義の時代です。新しい時代、二十一世紀は物質が牛耳らない、精神と霊の時代です。新しい時代、二十一世紀は、神人一体になって生きる時代です。新しい時代、二十一世紀は、他のために生きることが自分のために生きるより、もっと永遠な価値があることを悟って生きる時代です。利己主義は退色し、共生共栄共義の利他主義がついに凱歌をあげる時代、それがまさしく明けてくる二十一世紀なのです。

53 これは平和の時代です。これが正に天国なのです。このような希望を光明の二十一世紀は、私たちがきょう創設する「世界平和連合」がその理念を提供し、世界人類を教育し、摂理に従って今後来たる世界平和の牽引車の役割をしなければなりません。同連合は、また世界の道徳性を明るくする灯台にならなければなりません。

54 平和の使徒、貴賓の皆様。光明なる新しい日が私たちを待っています。私たちは、きょうすべて使命感に燃えなければなりません。今、私たちの最後の一滴の汗と涙と血を注いで成さなければならない歴史的使命が、私たちを呼んでいます。その最初の仕事が神様を我々個人、家庭、社会、国家、世界に招いてさしあげることです。天が共になさるとき、これに敵対する者がいるでしょうか。

55 尊敬する同志であり、兄弟であられる皆様。人類の前に置かれた最後の崇高なる課業、恒久的「世界平和」定着の召命の前にすべて立ち上がり、光明なる世界に向かって共に前進いたしましょう。神様に侍り、世界の真の平和を成し遂げましょう。ありがとうございました。






















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