真の御父母様の生涯路程 6
(全面表示) 戻る INDEXへ
第三次七年路程

第三節 一九七七年 理想家庭による天国実現

一 一九七七年の出発と摂理的意義(一九七七・一・一、ニューヨーク、世界宣教本部)

元旦の祝祷

 愛するお父様! 一九七六年が過ぎ去り、一九七七年を迎える出発のこの朝、新しい歴史的な一九七七年を迎えるこの瞬間であることを考えますとき、天と地と全霊界のすべての霊人たちが注視する中で、今日統一の群れがこの場であなたのみ旨に従い、新しい歴史的な転機となる一つの起源の年を迎えましたことを心から感謝申し上げます。

 お父様の復帰摂理で、個人から、家庭、氏族、民族、国家、世界的な蕩減路程を地上において歩み、天のみ旨に従って勝利の起源を準備し、新たに霊肉を中心として世界的に出発することができる第二イスラエル圏を成立させる、新しい次元の世界へと越えていく一九七七年が来ました。

 お父様! 今までお父様が数多くの蕩減条件を立てられたのですが、恨み多き歴史の解怨成就をなせなかったことを、今、解いてくださいますように。そして、一九七七年をあなたの国とあなたの世界をあなたが自由に主管できる新しい出発の起源とみなしてください。

 これからアメリカにおいては、統一教会が本格的に勝利の横的基盤を完璧に積み上げ、七〇年代を越えて八〇年代には、勝利の天国に進軍するにおいて不足がないように、お父様が役事してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 そのようにして、あなたの願われた地上天国の理念で、全世界万民が国境を超越し、民族を超越して一つの子女の世界を成就してもなお余りあるほど、お父様が役事してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 今までの蕩減路程においては、いつもこれが成し遂げられずに常に同時性の時代をもって蕩減する岩の峠道を歩んできました。しかし、これからは私たちの忠誠と私たちが精誠を尽くした基盤が失われることなく、必ずやお父様の勝利の土台として残されることを、真の父母のみ名によってこのサタン世界に宣言しますので、お父様が直接この宣言を中心として新しい出発を拡大され、世界へと発展することができるように役事してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 そのようにして、一九七七年がお父様の誇りの年となり、統一教会において輝く成果を収めることができる一年となり、この国とこの世界の前に誇らしくあり得ますよう、すべての問題が展開する一年となるよう祝福してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 今までは、天を代表した真の父母の立場で蕩減路程を歩んできましたが、今は子女たちが勝利的な建国の途上に進出しなければなりません。このような新しい年が一九七七年であるということを既に知っておりますので、それを知った心を祝福してくださり、その心をもって行うすべての活動分野で、あなたの格別の祝福の手が永久に臨まれるよう許諾してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 すべてのものがすべての恩賜と愛で、あなたが許されたみ旨の中で成就されますことを切にお願い申し上げながら、真の父母のみ名によって一九七七年元旦のこの朝に祝福いたします。アー


年頭標語:理想家庭による天国実現

 一九七六年と一九七七年は、とりわけ歴史的に摂理が発展する時です。全世界の統一教会の信徒たちが完全に一つとなり、後退することなく前進すれば、民主世界のすべての難しい問題は自動的に解決する道が模索され、いかに共産世界の脅威が大きくても、それもまた自動的に防御できる道が生じると考えるのが摂理的見方です。

 一九七六年までの歴史は蕩減復帰歴史であり、そこでもし失敗すれば岩の峠道を再び戻って、これを縦的に復帰しなければならない道を歩んだことでしょう。しかし、今は横的世界へと展開されたので、私たちが立てた功績をサタンが奪っていくことはできません。横的に連結したので、個人的な努力や個人的な蕩減の路程は過ぎ、皆さんが家庭、氏族、民族、そして天のために忠誠を尽くすすべての実績は、今や天の圏内のものとして残る時代になったということをはっきり知らなければなりません。

 このような時におかれているので、今年の標語を「理想家庭による天国実現」として立てようと思います。今まで、神様の願いとは何だったのでしょうか。堕落した世界において、サタンの讒訴を受けることのない世界的途上に立った一つの家庭を追求してきたのが復帰摂理のみ旨だったということを私たちは知っているのです。

 これからは統一教会を中心として、神様の直接的な愛を受けられる家庭圏内に入っていくのです。ですから、いくらサタンが反対しても、反対すればするほど、むしろ天に利益をもたらし、天へと復帰される反作用的な作用をする時代に入っていくのです。

 さあ、きょうは何の日ですか。キリスト教の霊的基盤の上に実体的、肉的基盤を備え、初めて養子的基準の基盤を世界的に備えた日です。それと同時に、今後は統一教会を滅ぼす人がいません。もう抜け出たのです。そして民主世界の生死を懸けた決戦が、我々の手にかかっていることを知らなければなりません。私たちが今そのような環境に立っているので、互いに一つとなり、神様と一つになって実践しようというのです。

 正面からぶつからなければなりません。きょうからそのような時です。そのような意味で、きょう、十回目を迎える「神の日」に、このような話をするのです。ですから、皆さんが新たな決意をして、反対党を一掃してしまわなければなりません。私たちは神様の砲弾にならなければなりません。それで神様が大砲となって撃てば私たちが飛んでいくのです。飛んでいって爆破してこなごなに砕け散ってしまう、そのような覚悟をしなければなりません。


二 アメリカの実情と年始めの四十日動員活動

アメリカ行政府と今後の進路

 見ていなさい。アメリカ政府は相当に混乱していきます。今後二年間、カーター政権を中心として、きちんとやればうまくいきますが、駄目な場合はとても難しい時代に入っていきます。米大統領が三十九代から四十代へと移っていくからです。歴史的に見て、四十数が問題であったことを皆さんは知らなければなりません。カーターが大統領になることを共産党が願っていたということを皆さんは知っていますか。そのことを考えなければなりません。アメリカが危機に遭遇することを知らなければなりません。今後、すべての閣僚の背後や顧問団を冷静に批判し、アメリカの国民が覚醒しなければならない時代に入っていくだろうと考えています。これからのことを先生はとても心配しています。アメリカ人の誰よりも心配しているのです。

 カーター政権は、現在韓国に派兵した米軍をすべて撤収しようとしています。これは何を意味するのかというと、ルーズベルト大統領の時から今日に至るまでの歴代大統領が、みな自由世界において、反共路線を強化するために世界に派兵し、援助し、後援してきたすべてのものを欺瞞政策で終結させようという結論になるのです。それゆえ、アメリカが自由世界の国々に対する信望を失い、期待に背いた決定的危機の立場に立っているということを知らなければなりません。

 アメリカが考えるべきことは、アジアから後退するのと、欧州から手を引くのと、どちらがより危険かということです。欧州は遠いのです。はるかに遠いのです。そこにはアメリカと関係のある根拠地が何もありません。しかしアジアは、アラスカとソ連に通じ、日本とも通じます。ですから韓国を手に入れて、日帝迫害三十六年の怨讐に対して復讐できるように刺激する良い足場になっているのです。このような状況なのに、もし韓国から軍隊を撤収して韓国が赤化されれば、日本が赤化されるだろうし、日本が赤化されれば五年以内で太平洋圏が赤化されるのです。アラスカが国境ではありません。それ以上のことが起きるということを知らなければなりません。

 見てみなさい。今カナダは、イギリス系とフランス系の二派に分かれて、トロントとモントリオールの二つの地域を中心として、二つの国に分かれようとしています。そのようになった場合は、アメリカも同じような道をたどるのです。ユダヤ系や、アングロ・サクソン民族などを中心として、それぞれの版図を広げているということを知らなければなりません。共産党がそのようにさせているということを知らなければなりません。

 このような立場から見るとき、現在のアメリカが行くべき道は、神様のみ旨を中心として、神様がアジアを、そして世界をどのようにされようとしているのかを知り、アメリカ国民を教育して団結させることです。それがレバレンド・ムーンの主張です。キリスト教を再整備し、それをアメリカの思想としてより高い次元に引き上げると同時に、世界的な主導国家としてなすべき責任感をアメリカの国会から若い人々までがもつようにするのです。それを先生は望んでいます。


アメリカのキリスト教内での共産党の活動

 先日、共産党の一人の青年が先生に秘密裏に手紙を送ってきました。その内容は、現在の共産党の活動基盤に関すること、またキリスト教がいかに脅威を受けているかについてのことでした。彼らの責任者が教会献金を渡しながら「教会に行きなさい」と言うのです。「教会で基盤を築きなさい」と言って莫大な資金を調達しているというのです。そのような内容の手紙を私が直接受け取りました。これは世界的に暴露しなければなりません。

 既成教会の牧師が共産党の党員になって踊っているという事実を皆さんは知らなければなりません。アメリカで地下活動をしている共産党が、「教会に行け」と言っている事実を知らなければなりません。

 そして教会組織を利用して、反政府運動、そして反韓国運動を全世界的に展開しているのが共産党の活動だということを皆さんは知らなければなりません。既成教会の牧師たちは、自分でも気づかないうちに背後から操られているのです。侵略的な三段階計画によって背後で動いている人がいるということを私たちは知らなければなりません。

 現在のこのようなアメリカの実情の中で、皆さんはこのアメリカをどのようにするつもりですか。将来遠からずして、共産党員たちは、ユダヤ教とキリスト教が闘うように仕向けることでしょう。今は、ユダヤ教と既成教会が共同して統一教会と闘うように仕向けていますが、それが終われば、その次はユダヤ教とキリスト教とを闘わせるのです。お互いに闘うだけの内容が十分にあるのです。

 ユダヤ人たちは、レバレンド・ムーンに向かって「反ユダヤ的だ」などと言っていますが、キリスト教との闘いが起こればもっと恐ろしい闘いになるということを知るべきです。私たちはそれを知っているので黙っているのです。

 このように、現在のアメリカ政府や全体の状況を見るとき、一九七七年、七八年の二年間で、これらすべてのものを防御できる統一教会の基盤を築かなければ、アメリカには行く所がありません。アメリカは滅びるということを知らなければなりません。アメリカには生きる道がないと考えるのです。


アメリカの青少年問題の深刻性

 アメリカの青年たちは滅びていくのです。一年で八百万人もの性病患者が増加しているのです。誰が国のことを思っていますか。父母のことを思っていますか。家庭のことを思っていますか。妻子のことを思っていますか。教会のことを思っていますか。「私とは全く関係ない」という自由主義は滅びるのです。間違いなく滅びます。

 これはアメリカの宗教指導者たちはもちろんのこと、為政者、学者、知識層の人たちがみな言っていることです。これは共通の結論です。この病気を誰が治しますか。アメリカの軍事力をもっても治せません。アメリカの経済力、政治力、その他すべての科学的な力をもってしても治せません。彼らは月の世界へ行くといって自慢していますが、この病気を治すことができるのかというのです。誰もできません。二億四千万人全体を動員しても不可能な段階に入ってきているのです。

 このアメリカを救える人はレバレンド・ムーンだけです。皆さんだけがこの事実を知っています。皆さんを土台にして、皆さんを通じてアメリカを手術しなければ生きる道がありません。皆さんによって自由世界とその若者を救うことのできる道があると考えるのです。ゆえに神様は、そのような考えをもつレバレンド・ムーンを立ててアメリカに送らざるを得ないのです。


新しい時と霊界の役事

 もしワシントン大会がなければ、霊界と肉界はふさがれていました。そのようになれば、霊界が肉界に降りてくることができる道がありません。それを知らなければなりません。そのようになれば、人間世界に来ても定着して仕事をすることはできません。少し協助したかと思えばすぐに行かなければならないのです。行ったり来たりしなければならなかったのです。しかし、霊界と肉界が通じることにより、数多くの善言が自分の後孫の家庭や個人まで訪ねていくことができる圏が開かれたのです。それぞれの程度に従って訪ねてくることができるのです。

 では降りてきて何をするのでしょうか。霊界と天国が拡大するのです。霊界から地上に頻繁に来れば、サタンと霊的に闘わなければならないので、霊的な境界線が生じ始めるのです。そのような時代になるので、世界が二つに割れる現象が起こるのです。キリスト教が分かれ、共産主義も分かれ、家庭も分かれ、すべてが分かれるのです。

 では、昔はどうだったのでしょうか。一九七六年以前は、闘えばどちらが勝ちましたか。悪側が勝ちました。悪側が優勢でした。なぜでしょうか。すべてがサタン圏内にあったからです。しかし、これからはどのようになりますか。今は道が開いて、霊人たちが無制限に協助するので、闘えば闘うほどアベル側が勝利する時代になったのです。ですから今年皆さんは、強く雄々しくありなさい! 強く雄々しくありなさい! 前進と跳躍をするのです。

 このような時代になったので、サタン世界では霊的現象がしばしば起こるようになります。今年の初め、機動隊の公演チームをワシントンD・Cに送ったところ、リンカーン大統領などの有名な人物が現れて「アメリカを生かさなければならない。君たちが動かなくてはならない」と言いながら、「博物館や官公署など、特別な場所をすべて聖塩で聖別してほしい」と言ったそうです。それで三十六箇所を聖別しました。そのようなことが起こるのです。

 皆さんの先祖の中で善なる先祖たちは、一時キリスト教を中心として神様の役事に従ってきましたが、今皆さんが横的に統一教会のみ旨を信奉すれば、皆さんには、先祖たちがすべて復活します。なぜそのようになるのでしょうか。すべての先祖はアダムの子孫です。神様のみ業はユダヤ教を中心としてキリスト教に連結されましたが、今は地上で統一教会を中心に横的に展開されているのです。ですから、統一教会を信じる人々はキリスト教を数千年信じた人のように、善なる先祖と連結されるのです。そのようにして、善なる先祖たちが地上で働くことができる基盤が築かれているのです。

 アベルがカインを救わなければなりません。霊界と肉界が開かれることにより、地上のアベル圏にいる人たちは、天上のアベル圏にいるカイン型の人をすべて復帰できるのです。ですから今は、復帰された霊人たちが「統一教会に行きなさい」と言って伝道するのです。今年になって、ニューヨーク・タイムズは、「新しい宗教運動が起きている」というカバー・ストーリー(表紙記事)を出して騒いでいるでしょう? 新たなブームが起きるのです。


四十日全体動員活動(一九七七・万一。〜二・一八)

 これからは、動かずに仕事をしなければ恐怖の時代が来ます。ですから、出ていってむちで打たれでもしなければなりません。蕩減を受けなければならないのです。蕩減が現実的に来ます。歴史的に来るのではなく、現実的に来るのです。ですから、霊界にいる天使たち以上に一生懸命しなければならない時だということを知らなければなりません。そのようにして、体を前に押し出しさえすれば背後から応援してくれるのです、そうでなければ応援してくれません。天使が皆さんの背後にいれば、サタンは侵犯できません。タッチすることができないのです。天使が背後に立って応援し、保護してくれるので、サタンが侵犯できないのです。

 それで今年、一月十日から四十日間の特別期間を定めて全体動員をするのです。四十日間、昼夜の別なく活動しなさい。この期間、四千年歴史でいかに大変な苦労をした人でもこれ以上はできなかったという境地に至るまでするのです。振り返ってみて、歴史上のどこの誰と比較しても比較することができないというぐらいにしてみな矢竹

 境界線を越えなければなりません。この四十日間、あらん限りの精誠を尽くし、先生が涙を流し汗を流したその道を、皆さんが正しく蕩減条件を立てて越えていかなければなりません。のどがかれるほど一度叫んでみなさい。道を歩きながら居眠りするほどに、ひたすら夜を明かしてやってみなさい。近ごろは寒いので、顔が凍るほどやってみなさいというのです。そして祈祷するのです。み旨のために氷のくぼみで死んでいった人を私を通じて蕩減しよう! 眠ることができずに、み旨のために死んでいった人を私を通じて蕩減しよう! 今年はそのような時です。今や言論界に対して私たちは攻勢をかけるのです。

 十二名を伝道しなさい。一日も休むことなく、お兄さん、お姉さん、遠い姻戚まで、可能な限りすべて伝道しなさい。して歩き回っている人は、カードや絵葉書のようなものに数行だけ書いて送ればよいのです。このようにすれば三年もかかりません。一年以内で十二名すべてできるのです。自分が中心となるためには十二名が必要なのです。東西南北、四季を考えれば、三ヵ月ずつにして、四・三=十二(四×三=十二)で十二ヵ月になるのです。霊界には十二の真珠門があるので、十二の真珠門を通過しようとすれば、その門を守ることができる代表的な十二名を伝道しなければなりません。

 時が変わったことを知らなければなりません。これからは、誇りをもって話をしなさい。「ムーニーは本当に良い。どこの国の王子よりも、どこの国の大統領の息子よりも良い」と誇りなさい。今から三年間をこのように準備すれば、世界に対して誇るのです。そのように理解し、この四十日期間をしっかり越えてくれることを願います。


三 新時代の宣布と真の御父母様の世界的解放

「天地勝利の日」および天紀元年宣布
(一九七七・二・二三〔陰暦一・六〕真の御父母様の御聖誕日、アメリカ)


 真の御父母様は、七七年二月二十三日(陰暦一月六日)の御聖誕日を期して、「天地勝利の日」と天紀元年を宣布された。真の御父母様は、七三年四月から七六年九月までの三年半の闘争期間を通じて勝利の立て札を打ち立てることにより、七六年十月四日の「天勝日」に引き続き、この日「天地勝利の日」を宣布されると同時一に、この日から歴史的な新時代が始まると宣言された。

 アメリカはキリスト教を代表した世界的版図です。アメリカは全世界のキリスト教の結実国家なのです。そこで三年半の間、すなわち一九七三年四月から一九七六年九月までの三年半の闘争期間を通じて勝利の立て札を立てることにより、統一教会において、霊肉を中心として世界史的な勝利基盤を成就するようになりました。このようにしてその期間を越え、一九七七年二月二十三日、新しい時代に越えていくという宣布をしました。

 世界のために自分を捨て、夫を捨て、子供を捨て、国を捨てるのです。世界のためにすべてのことを捨ててなさなければなりません。そのようにすればサタンは讒訴できません。「お前はいつ個人蕩減、家庭蕩減、氏族蕩減、民族蕩減、国家蕩減、世界蕩減をしたのか」という讒訴条件をサタンは提示できないのです。そのようになれば、統一家はサタンが讒訴できる圏内を抜け出るので、地上天国になるというのです。

 この最高の決定が一九七六年です。一九七六年を中心として、「やーい、ムーニー、ムーニー、ムーニーが来た」とやじられたのです。このようにしながらその峠を越えました。それが世界史的な先生の三年路程です。一九七三年四月三十日から三年六ヵ月です。そのように家庭まで動員して世界史的な蕩減を払ったので、統一教会は国家的闘い、すなわちアメリカ国家とアメリカ政府との闘いをすべて勝利で終えたのです。

 先生が今死んでもみ旨はすべて成されます。それで、そのような勝利の基盤によって一九七六年十月四目、「天勝日」を宣布しました。天が勝ったという勝利の一日を設定したのです。その日は天の喜び、地の喜びにならなければなりません。また先生の喜び、統一教会の家庭の喜び、皆さんの喜びにならなければなりません。

 それで二月二十日(陰暦の正月三日)に、陽暦でも陰暦でも一九七六年が過ぎたのち、三日目に何をしましたか。祝福家庭の七百七十七家庭や千八百家庭などで片方だけになった人は喜ぼうとしても喜べません。それで、今回特別に許したこととは何でしょうか。統一教会の祝福家庭が喜べる道を開いてあげるため、七十四組の結婚式をしてあげたのです。

 それで天が喜び、地が喜び、統一教会の先生も喜び、祝福家庭も喜び、皆さんも喜ぶ、そのことを終えた三日後がきょう、二月二十三日です。おもしろいことに、お母様においては三十三歳を越えて三十四歳を迎える最初の誕生日です。イエス様が願ったものとは何でしょうか。三十四歳の誕生日を天と共に喜びをもって迎えたかったのがイエス様の願いではなかったでしょうか。そのようなことを地上で、お母様を通じて蕩減できる条件にもなる日なのです。(拍手)

 一九七五年に宣教師を送るとき、ドイツ人、日本人、アメリカ人の三名を一つの組にして送り出したのは、一つになりなさいということです。その伝統を立てるのです。先生に侍っていこうとすれば、韓国も合わせて四ヵ国が一つになる伝統を見せてあげなければなりません。世界各国にその伝統を立てなければなりません。長子を愛し、サタン世界のいかなる国も愛したという条件を立てなければなりません。反対されるところで伝統を立てたという基準を立てなければなりません。カインを愛してから伝統を立てたという条件さえ立てるならば、天国は訪れてくるようになっているのです。

 そのような意味で、一九七七年二月二十三日を中心として、三年目にして新時代を発表したのです。神様の愛の伝統を中心として、全世界的に長子を愛したという条件を立てた基準で越えてきます。そのように歴史は発展してくるのです。原理によって克服してくるのです。それで統一教会は、怨讐の国に天の国の伝統を植えつけてあげようというのです。それをなそうとすれば、それがいかに難しいことであるかという事実を知らなければなりません。その伝統も真の愛の伝統なのです。

 それによって私たちは、天紀一年という新しい年を定めることができるのです。新時代の一年を策定することができるのです。ですから権威をもって、サタンに対して守勢から攻勢に変わらなければなりません。


真の御父母様の世界的解放の宣布
(一九七七・五・三〔陰暦三・一六〕真の御父母様の聖婚十七周年記念日、アメリカ)


 さあ、お母様、立って、これまで心に感じたことを話してください。きょうは、真の御父母様の聖婚式の満十七年を越え、満十八年目が始まる日です。「統一教会に従ってくることがどれほど大変か」とか、「多くの人々から注目されることがどうだ」とか、これまで大変だったことなど、話すことがたくさんあるでしょう。(以後、真のお母様が少しの間語られる)

 お母様やハルモニ(洪順愛=大母様)が一番低い位置から出発しました。統一教会で一番低い位置、誰もそこまでの扱いは受けることがないという一番低い位置から出発しました。このような低い位置から最高の栄光の玉座を占める祝福を受け継いでこそ、その祝福が永遠に続くのです。私自身がそのように歩んできましたし、お母様にもそのように対してきましたし、子供たちもそのように歩んできたのです。この原則は無視するわけにはいきません。これが無視できるものであれば、お母様にそのようなことはさせませんし、また私の家庭もそのようにはなりませんでした。

 ところで、皆さんは不平を言うことができますか。お母様が不平を言えばすべて駄目になってしまうのです。すべて崩壊するのです。見てごらんなさい。自分を中心として不平を言った人たちはみな離れていってしまいました。白分を中心とした考えをしていると、すべて砕け散ってしまうのです。原理がそのようになっているのです。

 きょうの朝、皆さんはお母様のみ言を聞き、先生のみ言を聞いて、先生の家庭の背後にそのような曲折があるということを初めて知ったことでしょう。そのようなことを見れば、先生は、許しがない先生であることを知らなければなりません。許すことを知らない先生だということを知らなければなりません。それを聞いてみて、先生が原理どおりに生きてこなかったように思われますか。(原理のとおりに生きられました)。ゆえに、天と地の前に自信をもって言うことができるのです。それで一九七六年を越えて、お母様も今や完全に解放されました。先生もそうです。先生とお母様が完全に解放された時が一九七六年だということを知らなければなりません。

 そのような意味で、一九七七年二月二十三日、先生の誕生日を期して、新しい次元の時代が聞かれました。それは統一教会において開かれるのではありません。先生が行く道において聞かれるのです。先生とお母様が行く道において宣布するのです。

 今までは、お母様が十ドルのお金を使うときでも先生に報告したのです。勝手に使うことを私は許しませんでした。しかし、これからはそれに対する自由も与えようと思います。また、私が全体の主体的な立場ですが、これからはお母様に家計のことなど、多くのことを任せようと思っています。

 お母様の特別なところは何かというと、霊感が鋭いことです。人に対してぱっと「良い」と思えば、その人は良い人なのです。それを鑑別できる天性的な素質をもっています。そして先生が「しなさい」と言うことは何でも「する」と決意し、また、その決意したことをいつまでも失わずにいるので、あれほどの受難の道も克服できたのです。それは、目的を中心とした忍耐心に当たるものです。

 また、私がお母様に有り難く思うことは、自分の貴いものを自分の息子、娘ではなく、ためらうことなく皆さんに一〇〇パーセント与えようという性格をもっていることです。その性格は神様が贈り物として下さった性格だと思っています。西洋の人々は、「あー、レバレンド・ムーンの夫人は服もたくさんあるだろうし、宝物もとてもたくさんあることだろう」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。お母様は自分の気に入ったものがあれば、それを食口たちに全部分けてあげようとするのです。実は数日前にも、出掛けなければならないのに着るものがなかったのです。そのような時がよくあるのです。自分を中心として、自分だけが良いというのではいけないのです。

 ですから、第一に霊感が鋭いということに対して天に感謝し、二番目にみ旨に対して絶対従順であろうとすることに感謝し、三番目には自分のものを自分のものとしてではでなく、世界のものとしてそのままためらわずに与えることに感謝します。神様が心配される必要のないお母様、与えすぎてかえって神様のほうが心配されるぐらいに天性的に生まれついているということは、母としての性格を備えているのです。それで、考えてみれば、今まで私の家庭にたくさんの子供を下さったことは、すべて神様が私の家庭を祝福したものだというふうに思うのです。

 それで今は、国家対国家の問題になりました。今や、レバレンド・ムーンは、二国家の責任者の基準を越えたのです。これからは、皆さんには想像もできないことが起こるだろうと先生は思っています。

 ゆえに、皆さんは自分を中心とした考えをしてはいけません。お母様も、自分を中心とした考えをしていたら、統一教会を信じることができなかったはずです。既にふろしきをまとめて去っていたことでしょう。責任者たちも自己中心的な人は、荷物をまとめて退くようになっているのです。先生はそのように考えます。また、そのように指導しています。そのような面で、責任者の誰々はどうで、誰々はどうだと、すべて細かく見ているのです。そのような人には支障があります。先生の人事措置は、そのような原則によってしているのです。

 ゆえに、皆さんはそのことを知って、「ああ、私たちはそのように生きていかなければならない」ということが、きょうはっきりしたことでしょう。結局お母様を、母として成功した女性であるとみなすのです。また、そのような女性に育て上げた先生も成功した男性だというのです。(拍手)


四 アメリカ全域.0霊人解怨とサンフランシスコ裁判事件

一九七七年の復活節(一九七七・四・一七)

 これから、復活はどのようになるのでしょうか。今日、世界的な基準を中心として、地上で愛の圏を中心として、イエス様が探し求められた世界を抱くことのできる救援圏をつくる日になったので、イエス様の復活時代が来たのです。ですから、人類にとって幸福な解放の時が来たという結論が出てくるのです。霊的、肉的に分離してしまったイエス様を復活させなければなりません。そのようにすれば霊界にいるイエス様の使命は終わり、地上における解放圏が霊界でも成就するのです。

 そうすると、どうなるのでしょうか。今まではキリスト教徒たちが思いのままに反対したのですが、イエス様が地上に降りて来られ、彼らに対して「お前たち、反対するつもりか」と言って、こぶしを振り上げる時が来るのです。霊人たちが、イエス様と一緒に降りてきて世界を糾合するために生きなければならない時が来たのです。昔はそのようにできなかったのですが、今はそのような時になりました。

 それで地上でそのように生きたという条件を立てるために、霊人たちはキリスト教徒を訪ね歩きながら、自分と一つになったという条件を立てなければなりません。そのようにして初めて解放の役事が起きるのです。ゆえに、全世界のキリスト教から統合運動が起こり始めるのです。

 霊界にいる霊人たちも結婚したいと思うでしょうか。それは、そのようにならざるを得ません。皆さんがここで結婚したいのと同じです。あの世ではすべて別々です。夫も妻もありません。すべてばらばらです。それはなぜでしょうか。真の父母が結婚式をしなかったからです。生まれてはいけないものが生まれているのです。堕落ゆえにそのようになっているのです。ゆえに、再臨主が地上に来られ、今までの教主たちをその相対と結んであげなくてはなりません。そのようにして初めて、その教主が国家代表や世界代表の基準圏内の霊界で相対を得ることができる門が開かれるのです。このような霊界の門を開く役事をしなければなりません。

 愛の代表であり、あの世を代表する群れが統一教会の群れです。ゆえに、統一教会の群れの背後には多くの霊人たちがついて回っているのだということを知らなければなりません。皆さんの後ろについて回っているのです。もし生活する中で統一教会と連結されれば、霊界と肉界が大騒ぎになるのです。あの世では支持しようとして、ついて回り、しきりに協助しようと大騒ぎしますが、地上では「協助できない」と言って大騒ぎするのです。そのような現象が起きるのです。

 これが今、境界線を越える時が来たのです。今回の逆洗脳問題や、サンフランシスコでの裁判事件によって統一教会が上がっていくのです。外的には悪く見えるのですが、内的にはどんどん上がっていくのです。そのような意味で、皆さんがイエス様を解放し、使徒を解放し、イエス様を篤く信じた人々を解放できる、本当の霊肉解放の復活基準が地上でなされる時が来たことを知らなければなりません。霊肉を中心として初めての出来事です。このような意味で「復活の聖日」という言葉は、一九七七年の今年をもって必要なくなるというのです。(歓呼、拍手)

 一九七七年四月十七日が本来、イエス様の復活節です。この世はこれを知らずにいます。私たちは、今まで四月十七日をずっと守ってきました。さあそれでは、イエス様の二重の願いとは何でしょうか。イエス様の復活の理想とは何ですか。「イエス様を中心として愛の理想を成さなければならない」ということです。レバレンド・ムーンが地上に来て、それを万民に教えたという事実は、イエス様にとって、今までの二千年歴史の中で一番の喜びだということを皆さんは知らなければなりません。

 皆さんの家庭で、男性はイエス様のように、女性はイエス様の新婦のように考えながら、イエス様の願われた真なる息子、娘を育てることができなかったことを、今日この地上で、「私たちの家庭が解怨成就してさしあげよう」と思わなければなりません。そしてイエス様が解放されなければなりません。先生が皆さんを育て上げてそのようにすれば、先生が解放されるのです。それによって神様が解放されます。神様の解放がここから起きるのです。国や世界から起きるのではなく、皆さんの家庭から起きなければなりません。


アメリカ全域の霊人解怨の祈祷

 私は公的生涯において大衆に対して、韓国全土を歩き回る以上にアメリカの山河をかけずり回りました。今回も一周しながら、車で三回も四回も行ったり来たりしました。私の気持ちとしては、お母様がいなければ二十四時間でも走り続けたいのです。

 最近も、毎日のように船で出掛けます。今後のアメリカにおいて海に関心をもつ人が無限な経済圏をもつことを知っているので、そのようにするのです。海で死んだ霊界の霊人たちを解怨してあげるためにそのようにするのです。ある時などは、台風が来るという警報を聞いても船で出掛けていきます。それは、そのようにして死んだ霊たちがたくさんいるのを知っているからそうするのです。一九七五年、ケープ・コッドに行って何をしたかというと、霊人を解怨してあげました。解放運動をしたのです。それは誰も知りません。船の船長も知りません。今、私の娘とお母様でその業をしています。

 また、年末から今年にかけて、ラスベガスに四回行きました。なぜそこに行ったのでしょうか。ばくち打ちを解放するために行ったのです。人がそれを見て、「レバレンド・ムーンがラスベガスに行ってスロットマシーンをしていた」などと言うでしょうが、それをしたのです。そして、お金をもうければすべて分けてあげるのです。お金を失う時のすべてのものをもって、霊界に祈祷してあげるのです。それは誰も理解できないことです。誰も理解できません。

 では、なぜそのようなことをするのですか。反対されるのに、なぜそのようなまねをするのかというのです。それは霊界の解怨のためです。今回もラスベガスに立ち寄りましたが、私は一銭もあげませんでした。一銭もあげないで、何もしないで帰ってきました。今後ラスベガスをどのようにすべきかを考えてきたのです。

 アメリカの五十州を回りながら、すべて祈祷してあげました。陸地に対して、海に対してすべて祈祷してあげ、今回ハーバード大学事件が起きたあとも、私は警察署に行き、警察署のために祈祷しました。誰も知らない中でそのようにしたのです。


ハーバード大学事件

 ミスター郭(郭錠煥)が、「このような事件があることを六年前に既に夢の啓示で見た」と言いましたが、それが神様のある経綸の中で起きたものだという話は正しいのです。昨年から六月までの七ヵ月間、陰暦で昨年の十月から今年の四月までは、統一教会に多くの論難がありますが、見ていなさい。徐々に統一教会の有利なほうに動いていく期間だと考えるのです。そのようになっていきます。食口の法廷事件や、レバレンド・ムーンの法廷事件によって、統一教会は不利になるのではなく、有利になるのです。アメリカの知性人、アメリカの思慮深い人たちは、完全に私たちの側に傾いてくるのです。

 ニューヨークの人は、「世界の人々がニューヨークに来れば、コロンビア大学は誰もがみな行ってみるものだ」と思うのです。ボストンに行けばハーバード大学、フィラデルフィアに行けばフィラデルフィア州立大学、ワシントンD・Cに行けばジョージ・ワシントン大学へと、誰もがみな行ってみるものだと考えるのが一般的な考えです。ところで、私がハーバード大学に行ったからといって、それがどうして問題になるのですか。それならニューヨークにいる世界の人々はすべて引っ掛からなければならないということになります。

 彼らはみな、別のことを考えているのです。レバレンド・ムーンが東洋人だからです。もし白人であれば、絶対にそのようなことはありません。人種差別が、アメリカにとっていかに冒涜であり、被害となるかを知らなければなりません。二年間で、統一教会の学生たちが何度も行き来

 しましたし、教授の中にも、今まで会って、行き来した友人がたくさんいるのです。ところが、

 レバレンド・ムーンが行ったからといってなぜ問題になるのですか。ここが滑稽なところです。


サンフランシスコ裁判事件(一九七六・一〇〜一九七七・一〇)

 最近、ある国会議員を通じて、私が報告を受けたところによると、ウオーターゲート事件以後、国会と行政府に反対の手紙が最もたくさん来た事件が、レバレンド・ムーンの統一教会を中心としたサンフランシスコ法廷の決定だったそうです。全世界が統一教会を打つのです。「統一教会の謀略工作をして、統一教会のレバレンド・ムーンの顔に泥を塗ってひどい目に遭わせてやろう」と思いながら入ってきた共産党の者たちはもちろんのこと、そこにありとあらゆる統一教会の名を語る野良犬のような者たちが過ちを犯せば、「レバレンド・ムーンが悪い」と言うのです。ゆえに一番哀れなのがレバレンド・ムーンです。

 今回、サンフランシスコの法廷事件を契機として、統一教会に対して送られた人々の声がいかに素晴らしいものであるかを皆さんは知らなければなりません。彼らは「無実の人を罪に陥れているではないか」と言っているのです。今までレバレンド・ムーンに反対していたことも、事実は全くそうではないのに反対していたのです。そのように様々な考えを起こさせる良い機会です。そのようにしてくるっと回っていくのです。おもしろいことに、ユダヤ教を代表する雑誌が「統一教会のレバレンド・ムーンはアンチセミティスト(注:反ユダヤ主義者)ではない」という結論を出しました。また、旧教を代表する雑誌も「統一教会はそれほど異端ではない」とし、新教を代表する雑誌もそのように言っているのです。

 全米が「あー、レバレンド・ムーンといえば、ギャングのボスよりもひどいし、マフィアのボス以上の悪人だ」と反対するのです。国務省からも、ホワイトハウスからも、総攻撃を受けるのです。ムッソリーニだ、スターリンだと、ありとあらゆる名前がつきました。(笑い)そうだからといって、闘いますか。じっとしているのです。(笑い)しかし、結局は誰が勝ちましたか。レバレンド・ムーンが勝ちました。サンフランシスコでも「統一教会が正しい」という判決が高等法院で下されたでしょう。おととい十月五日に判決が出ました。(拍手)

 言論界でも「あのレバレンド・ムーンに私たちが負けた」と言っています。このようになれば、のちのち「レバレンド・ムーンを再び攻撃しろ」となったとき、攻撃するでしょうか。しないのです。今、チャンスが到来しました。ビデオテープと、それからソンターク博士の本が出たのです。間違えれば、謝らなければなりません。大統領でも間違えれば謝るのです。アメリカ国民がレバレンド・ムーンに完全に謝らなければなりません。私たちは勝利しなければなりません。

 反対した人たちが「ああ、私たちが負けた、レバレンド・ムーンが正しい」とサインしてこそ、初めて完全な勝利です。そして反対していた人たちが「レバレンド・ムーンは本当に英雄だ」と考えるようになるのです。「立派な人だ」と考えるようになるのです。そのようになれば闘いはすべて終わるのです。

 ワシントン大会のビデオを中心として、皆さんは、み言と愛を宣布するのです。また、ソンターク博士の本は、何を証していますか。それは、誰が真なのか、愛をもっているかということを証しているのです。それを見れば、反対していた人たちも、気が抜けて涙を流す人たちがたくさん出てくるのです。


五 アメリカ国内の建物の購入と運営

建物購入とその目的

 私たちの所有している財産の種類について考えてみましょう。その中の一つは、ニューヨーク八番街三十四番路にある、かつてのニューヨーカー・ホテルの建物です。購入当時、二千室の客室があったこの巨大ホテルは、マンハッタンの中心部に廃墟のように立っていました。

 初めてその内部を見たとき、私は自分の目を疑いました。それは残骸のようでした。まるで爆撃を受けたようだったのです。韓国動乱直後のソウルのようでした。どうしてあのような廃墟がニューヨークの真ん中に位置しているのか、理解ができませんでした。私たちはその建物を購入し、生気にあふれた姿に変え、現在は世界宣教本部として使用しています。ニューヨーカー・ホテルは私たちが購入した不動産の中で代表的なものです。

 私たちは捨てられて生気がなくなった建物を購入し、神様と人間のために最大限利用できるようにつくり変えています。以前、捨てられて廃墟のようになっていたコロンビア大学の同窓会館を購入しましたが、その後、それをきれいに修復して、現在はアメリカ教会の本部として使っています。また、私たちはマンハッタン・センターを買いました。この建物はニューヨーク随一のオペラハウスでしたが、当時の美しい面影はなく、数十年の間荒廃していました。現在若い食口たちが数ヵ月にわたって修繕しているところです。そこもまた、私たち教会の主要な聖殿になることでしょう。

 最近では、旧ティファニー・ビルディングを購入して「ニューズ・ワールド」新聞社の本社として使っています。そこが一時、アメリカの繁栄と豊かさの象徴だったことは、周知の事実です。また、古いロフト・キャンディ工場を購入し、教会の出版部として使用しています。そして、ベリータウンに五年間も空いていたクリスチャン・ブラザーズ神学校と二百七十エイカーの敷地を購入し、統一神学校を設立しました。また、将来設立する大学の敷地として使うため、ニューヨーク市テリータウンにある数百エイカーの土地を購入しました。

 これらの購入のために私たちは、教会の多くの財政を投入しました。このようなことは誰のためにするのですか。究極的には一般大衆のためであり、もちろん私たち教会食口とその子孫のためです。

 私たちは、それらを神様と人類に奉仕をするために用意しました。私は、都市を美化し、周辺の環境を改善したという理由だけでも、ニューヨーク市が私たちのこの改良工事を歓迎するだろうと思っています。私たちがしていることは本当に斬新なことであり、アメリカ国民がこれを心から理解すれば、歓迎するようになるはずです。

 私たちの運動は、かつてのアメリカの開拓精神を蘇生させるだけの生命力と精力と決断力をもっています。私たちは、単に衰退していくキリスト精神と国家の設立精神を復旧させようとすることだけに尽力するのではなく、実際に生気を失った建物と、荒廃した土地を生産的につくり変え、楽園の姿へと改造しているのです。

 ニューヨークの八番街は、売春婦街と呼んでもよい街でした。私たちは、そこを生気と美しさが満ちあふれる街へ変貌させようと思っています。私たちの目標は、霊肉を共に復帰することです。私たちは、ヤンキー・スタジアム大会のキャンペーンを繰り広げる間、「アメリカの美化運動」を展開しました。数千人の若い信徒たちが、ニューヨーク市の汚い街を毎朝掃除しました。私たちは、これが全国的に拡大することを願っています。全国民がこの運動に参加すべきです。アメリカ国民は神様が祝福してくださった美しい領土と環境を誇りに思わなければなりません。

 新聞では、私がお金持ちになろうとしていると誤った報道をしています。直接的にそのような言葉を使ったわけではありませんが、私がスイスのある銀行にたくさんのお金を預けているようだと報道し、そのような暗示を与えているのです。しかし、私と共にいる統一教会の食口たちはもっとよく知っています。私個人としては、何ももっているものがありません。すべてのものは私たち教会の所管であり、地球上に神の国を建設するために適切に管理され使われています。

 多くの人々が、私たちの財政の出所に対して疑問をもっています。ある人々は、このお金が韓国の中央情報部や韓国政府、またはその他の某所から送ってくるものだと思っています。しかし、この資金は統一教会の食口の努力の結果として得られるものです。これは私たち食口の血と汗の結果であり、犠牲的な仕事から得られるものです。

 ここアメリカに何かを残さなければならないというのが私の希望であり目的です。私はここに永久に住むつもりはありません。この世の多くの人々は何かを得るためにアメリカに来ます。私は、自分かもっているものすべてを与えようとしてアメリカに来た唯一の人間です。


アメリカと世界の中心ニューヨークでの活動

 ニューヨークを救わなければなりません。私がなぜ五千人も収容できるこの部屋(ニューヨーカー・ホテル)を買ったのかというのです。お金がたくさんあるからではありません。ニューヨークが滅びれば、アメリカが滅びるのです。一般人はニューヨークを「悪魔の都市だ」と言っています。ですから、天の人は、このデヴィル(悪魔)と闘わなければなりません。それで私が修理をさせるのです。

 マンハッタンもうまくやってください。あとで使うので、直しておかなければなりません。皆さんは「いやあ、ニューヨーカーの寝床は本当に良い」と思うかもしれません。マンハッタン・センターを見て「いやあ、良い!」と言いますが、良いのは確かに良いでしょう。しかし、これを買うために先生がどれだけのものを犠牲にしたのか知っていますか。皆さんは「ティファニー・ビルディングを買って良かった、良かった」と言いますが、そのお金を払うことを、誰が先生と同じくらい考えていますか。哀れなレバレンド・ムーンしかいないのです。このために韓国の人たちが苦労し、日本の人たちがどれだけ苦労しているのか知っていますか。

 今、カーター政権が韓国を捨てようとしている情勢であり、韓国と日本の怨讐になっているにもかかわらず、この国に対して、私に何の未練が残っているでしょうか。皆さんが好きだからですか。違います。皆さんが、アメリカを救い、世界を救うために助けとなることができなければ怨讐です。皆さんを動員して、どんなことをしてでもアメリカを救い、世界を救うことができる道を私が犠牲になってでも行こうというのです。これが天のみ旨であることを知らなければなりません。

 この家は先生が血と汗を流して買った家です。天はこの家に対して、世界のどの宮殿よりも期待をかけているし、皆さんは、暗い夜の唯一の灯台のごとくに思っているし、私もそのように思っているのです。私は疲れていたとしても、ここに来て昼寝をすることができません。そのような家なのに皆さんは昼寝をすることができますか。私にはそれは許せません。なぜそうでしょうか。世界のため、天のみ旨のため、私たちの後孫の永遠な発展のためにです。

 先生は、「アメリカのニューヨークが第一線である」と言いました。ここが第一線であることを知らなければなりません。ですから、皆さん一人一人に三百六十軒ずつを任せ、責任をもたせて責任者として立てたのです。そして、この闘いで、皆さんは「心情的な勝利をもたらしなさい」という命令を受けた兵士であることを知らなければなりません。先生独りで、この身一つで行くことはできないので、皆さんが代わりに行ってほしいのです。

 さあ、彼らに会えば、言うべきことがいかにたくさんあるでしょうか。レバレンド・ムーンが今までニューヨーク・タイムズ、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ワシントン・ポストを問わず、彼らからたたかれ、ありとあらゆる悪口を言われ、様々な謀略、中傷を受けました。それに対して話すべきことがどれだけたくさんあるだろうかというのです。皆さん個人を三百六十軒に配置するのではありません。「先生の代身者となり、神様の代身者となりなさい」ということです。


文化芸術団体結成と運営

 今回も時間があれば、ラスベガスの芸能人たちに会おうと思います。その次にはニューヨークに立ち寄って、すべて調査し、世界的に有名な人たちを先生の手で主管しようと思っています。それで今回、マンハッタン・センターに有名なオペラハウスをつくるのです。ニューヨークに一つ、ロンドンに一つ、それから東京に一つつくります。そして素質のある人は、先生が世界的に有名な人に育て上げてあげるつもりです。新聞社もできたでしょう。このような宣伝組織までできているので、彼らは私たちについてくることはできません。

 そのようにして芸能人たちを、清潔で、人格的に万民に推戴される立派な芸能人に育てるのです。東京でも、ロンドンでもそのようにするのです。そのようにして芸能人をすべて韓国に呼び、新しい流行をつくるのです。(拍手)今までの芸能人は、離婚したり、ほとんど半放蕩者でした。しかし、これからは絶対にそうであってはなりません。人格的に尊敬される芸能人がいません。彼らが若い世代に与える影響は大きいのです。これに手を付ける人は私しかいません。これは夢ではありません。今、実践しているのです。それで先生がリトル・エンジェルスをつくり、サン・バーストをつくり、ニューヨーク・シティ・シンフォニーをつくって世界的な水準に上げようと考えているのです。

 それで世界的に有名な芸能人を集めて、彼らの思想を正してあげなければなりません。それから淪落に陥っていくのを正してあげなければなりません。新聞社を通して宣伝し、興行したお金を集めながら、世界的流行の先端にいる人々を交換して、正しい世界に導いていくのです。

 世界は、言論界と大学街と芸術界と経済界さえつかめば、完全に動くのです。そのような問題を今準備しています。科学者大会(科学の統一に関する国際会議)を通じ、世界の有名な学者は、みなレバレンド・ムーンと連絡が取り合えるのです。そのようなことをすべて準備しましたから、皆さんは希望をもって自信ある皆さんとなり、このような仕事に責任をもって活動する先鋒者となってください。


六 アメリカでの幹部人事措置と主要行事

ニューズ・ワールド社長更迭と新聞販売の強化(一九七七・五・二一)

 「新聞社をつくらなければならない」と言いましたが、私は、好きで新聞社をつくるのではありません。お金はないのです。お金があっても人が必要ですし、組織力が必要です。莫大な責任をもたなければなりません。それなのに、なぜそのようなことをするのですか。共産主義を解放し、阻むことができる道なので、そのことをするのです。必ずしなければなりません。今から準備しなければ、時に合わせることができません。準備できなければ滅びるのです。

 新聞社が成功するかしないかによって、アメリカを動かす能力があるかないかが左右されます。アメリカの人々はすべて言論を通してこのようにしているのです。ですから、職責遂行がいくらうまくても、また何かをよくしても、新聞販売に実績をもてなかった人は人事措置をします。その次は伝道です。この二つの問題です。これをしなければアメリカが滅びます。世界が滅びるのです。

 それで私は、全世界の宣教師に「前もって新聞記者の訓練をしておきなさい」と特別に私のサインをして指示しました。各宣教師にすべて特別措置をしました。今回、ヨーロッパ宣教師会議のとき、そのような措置をしたのです。

 それで今晩、デニスをロンドンに追いやるのです。何日かあとには荷物をまとめて行くのです。おとといのことですが、新聞社に立ち寄り、「誰が社長になってほしいか」と百人ほど残っているメンバーたちに聞いてみました。「さあ、一度推薦してみなさい」と言って、社長候補を推薦させてみました。その結果、三分の二を越える人が一人の人に投票したのです。それが誰かというと、あのマイク・ウォーダーです。(拍手)

 さあ、新聞社の要員たち、立ちなさい。皆さんは、新聞社に直接携わっているのですから、新聞販売においては、統一教会の誰にも負けてはなりません。「私たちは二十四時同会社に出勤している」という観念をもちなさい。

 では、マイク・ウォーダー氏! この人たちをつかんで、どの責任者よりも強力に組織化し、販売でも何でもするように訓練しなさい。それに応じない人は、すぐに人事措置をしなさい。私に報告して人事措置をしなさい。人事措置する方向性まですべて教えてあげました。間違いなくするのです。

 私は、そのような人を連れては仕事をしません。皆さんができなければ、日本から世界日報の人たちを連れてきてするのです。強力に措置をしなければなりません。なおかつ責任者たちは、朝早く起きて、メンバーたちを連れて歩きながら教育しなさい。そのようにして彼らを動員しなさい。


郭錠煥牧師世界宣教本部長に任命(一九七七・七・五)

「高い地位で心情基準を築こう」というのは、既にサタンと同じです。また私は、自分の宣伝をすることを一番嫌います。今ここにミスター郭が来ていますが、皆さんはミスター郭を本当に尊敬しなければなりません。そのような面においては、祝福家庭として代表的な人物だということを知らなければなりません。

 ここに来ても、目立たないように、ひたすらいるのかいないのか分からないようにしていますが、なすべきことはしっかりとやっているのです。先生の命令であれば、どんなことでもすべてするのです。ですから、原理研究会から、教授アカデミーから、何でも責任を負って基盤をすべて築いてきました。それで、この原理の骨子を書くのも、すべてミスター郭にさせたのです。原理講義をしても、自分を中心とした原理講義はしません。原則的な講義をしようとするのです。

 そして先生は、今後責任者たちに対して、右の方に命令したかと思ったら、一瞬で左の方へ覆すという極端なことをたくさんします。そのときはどのようにすべきですか。北極に住んでいる人が赤道に行けば、すぐに夏服に着替えなければならないはずです。今は冬服を着ていても、赤道に行って住まなければならないとなれば、ためらわずに脱ぐのです。未練なく脱がなければなりません。

 数日前にも、韓国の協会長が「自分は神学校をつくろうと思いますが、校長には自分がなって、すべてこのようにします」と言いました。私は気分が良くありませんでした。すぐにはねつけてしまいました。そうしたら、今度は「これは必ずしなければなりません。白費を使ってでもしますから、やりましょう」と懇請をしてきたのです。「それならば、校長は誰々がして、何々は誰々がしなさい」と再び指示しました。先生は原理を教える人ですから、原理のとおりにするのです。


主要責任者の人事措置(一九七七・一一・六)

 私が数日前、人事借景をしました。神山氏がニューヨークの責任者として来てからいくらもたっていませんが、少し英語の勉強をしなければならないのです。ですから、今からそれを準備させるために人事措置をしたのです。神山氏がMFT(モービル・ファンダレイジング・チーム)全体の責任をもつのです。(拍手)

 今までニューヨーク州の責任を神山氏がもっていましたが、これからは周藤氏がニューヨーク州の責任者になるのです。(拍手)この人は立っているのに座っている人よりも小さいのです。しかし皆さんが座った高さより小さいからといって、見下してはいけません。(笑い)神山氏の時よりも、新しい責任者とより完全に一つになりなさい。そこで不平を言う人は、先生に対して不平を言い、神様に対して不平を言うのです。ニューヨークの状況を見て、これが良いだろうと思ってしたことですから、そこに喜ばしい心で一つとなり、より高い次元の発展があることを祈ります。

 ここに新しい責任者が立ったので強力な指示をするつもりです。そのときに「やれやれ、神山氏の時は楽だったのに、これではやりきれないな」と言ってはいけません。大変なら大変なほど発展し、楽なら楽なほど後退するのです。強力な体制をもってコーチする指導者がいなければなりません。

 また、ニューヨーカーの責任を神山氏がもっていましたが、今回は朴ジュヨンに責任を任せました。(拍手) ニューヨーカーや、四十三街の本部に住む人たちには、今後先生が特別指示をします。同じ活動舞台、すなわち新聞社なら新聞社を同じ階にし、それからファンダレイジング・チームならファンダレイジング・チームを同じ階にして、伝道するのもそのようにして、同じ階を使うようにしなさい。

 それで朝起きて、必ず十五分ないし二十分の礼拝を行うのです。フロアにみんな出てきて礼拝をしなさい。ミスター朴はこのようにして秩序を立てなければなりません。朝と夕に、きれいに掃除をしなければなりません。時々私が行って部屋を調査するつもりです。


第六回「科学の統一に関する国際会議」
(一九七七・一一・二四〜二七、サンフランシスコ、フェアモント・ホテル、五十二ヵ国、四百六十名)


 第六回「科学の統一に関する国際会議」が七七年十一月二十四日から二十七日まで、アメリカ、サンフランシスコのフェアモント ホテルで、世界五十二ヵ国、四百六十名の碩学が参加する中で盛況裏に開催された。真のお父様は「変動する世界における絶対価値の探求」という主題で基調演説をされた。

 皆さんは知りませんが、科学者大会(科学の統一に関する国際会議)が原子爆弾の爆発よりももっと恐ろしいのです。ある人たちは「なぜロサンゼルスでしないで、サンフランシスコでしたのか」と言っています。バークレー大学があり、スタンフォード大学があるからしたのです。それを知らなければなりません。今回、一発「ドカンー」とやって、そこで頭をかき回すことによって、「統一教会が何だって」と言っていた人たちが衝撃を受けたのです。この人たちが有名な人や友人に電話をして、また、ヨーロッパから来た学者たちが「おい! 君はなぜ来なかったのか」と言って見えない論駁を加えたのです。わき腹に突き刺し、足に突き刺し、腰に突き刺しても、彼らの言葉が一致しているのです。そのようにして抱き込むのです。(笑い)ですからやむを得ず場所をサンフランシスコにせざるを得なかったのです。

 アメリカの大学街を見れば、「大学」といえば、ニューヨークを除けば、ボストンとサンフランシスコであって、ロサンゼルスではありません。ここはバークレー大学が主導しているのです。バークレー大学にはノーベル賞受賞者がたくさんいるでしょう? 一番多いのではないですか。そのバークレーとスタンフォードの教授たちがどのようにしたかというと、自分の友人にすべて話をしたのです。会って、科学者大会について話せば、どこに通じていくのでしょうか。ボストン大学とハーバード大学とMIT(マサチューセッツ工科大学)に連絡するようになっているのです。そしてMITとハーバード大学にさえ通じれば、そのほかの大学はすべて引っ張られていってしまうのです。

 今年の科学者大会には、ハーバード大学やMITから来たのですが、聞き耳を立て、目を大きく開けて、「どうだったのだろうか」という声がたくさんあったのです。それで行ってきて「成果があった」と喜んで言うので、ほかのハーバード大学の教授やMITの教授も「今度一度行ってみようか」というようになっているのです。

 ここニューヨークは商業都市であり、世界の人が集中する都市ですから、ここで「ドーン!」とやり、ワシントンD・Cは政治都市ですから、そこで「ドーンー!」とやり、それからロサンゼルスは西部の学生都市ですから、そこで「ドーン!」とやって、ボストンは東部の意地っ張りな学生都市ですから、そこで「ドーン!」とやるのです。それらをすべて揺さぶるのです。

 学者の影響がどれだけ大きいかということを皆さんは知りません。彼らの一言で世界情勢が行ったり来たりするのです。今回、五百名近い人たちが来ましたが、彼らがどれほど莫大な影響力をもっているかということについては、皆さんは想像もできないことでしょう。

 そこに来た学者の中には、その国の政治家、大統領、あるいは王が、その人の言葉を絶対的に信じるというような人がいるのです。何人いるでしょうか。彼らが行って「大統領が統一教会を受け入れれば、我が国は中東やアジアにおける一等国になります」と言えば、喜んで顔がほころぶようになっているのです。(笑い)


《基調演説:変遷する世界における絶対価値の探求》

 私は宗教指導者として、そして科学者として、長い間科学の問題や宗教や哲学の問題に対して関心をもってきました。そのような関心が、今までの何回かにわたる「科学の統一に関する国際会議」を開かせたのだろうと思っています。ある人が永遠性に関する内容を追求している一方で、また別のある人がある事実を観察するとき、その互いに異なる学術分野間には一つの関係があると信じています。

 実際、現実との関係なくして、超越的に時間と空間の中で起こっているある事実を認知するということは不可能なことです。宗教と哲学は、長い間人間の良心を占領している抽象的で道徳的な問題を扱ってきました。「私たちはいったいどこから来たのか」、「なぜ苦痛が生じたのか」、「善悪とは何か」、「死後の世界は果たしてあるのか」というような問題です。それらは私たちの学術問題とは関係なく、すべての人々に与られているものです。

 科学というものは、宇宙の規則性と、時間と空間における事物に対する理解に局限されています。私たちがよく知っているように、科学は過去数百年間で目覚ましい発展を遂げてきました。しかし、価値観の確立されていない科学は、破壊的でしかありません。核戦争の可能性がこれを物語っています。それで、今回の会議は、過去の会議と同様、科学と価値基準の関係を主題として取り扱います。

 私の意見では、神学から物理学に至るまで、すべての知識というものは、その知識の目的と方向性を知らなければ無意味なものです。そして、価値基準の追求というものは、正にこの目的のための追求となるのです。

 このように、様々な研究分野における知識というものは、互いに関連性をもっているのですが、しかし、ややもすれば学者たちには、自分の研究分野にだけ固執する傾向があります。極端な専門化は、それを追求する個人以外には、ごくわずかな意味の知識しか与えません。

 不幸にも無政府主義者や暴力主義者たちが恐ろしい暴力をもって民主主義を破壊しようとしています。私たちがこの会議場で価値の基準を設定しようとしている今この時にも、正義や自由、そして人間の尊厳という価値、および人類の創造的な発展を脅かす政治的、そして社会的な現実があるということを私たちは覚えておく必要があります。

 学者であられる皆さんのアイデアと発見は、皆さんが直接教えている学生はもちろんのこと、政府やマスメディア、そして社会的な傾向に大きな影響を与えます。ゆえに皆さんは、人々が生きている世界の条件を改善すべき重大な責任を担っているのです。

 この会議に参加された皆さん。皆さんの様々な研究がもたらしてくれた発見と発展に対する真価を認識することは非常に重要なことです。それで私たちは、より良い未来を理解できなければなりません。今年のこの会議の主題は、「変遷する世界における絶対的価値の探求」です。私は、皆さんの研究と学問が、今回の会議の主題のために素晴らしい成果をもたらしてくれることを願います。


ワシントン教会献堂式(一九七七・九・一三、モルモン教会の建物を購入、一二・四、献堂式)

 皆さんがここを修理するとき、自分たちの教会を修理していると考えましたか。天地の教会を修理していると考えましたか。神様とすべてを愛することのできる教会を修理していると考えましたか。そこには差があります。自分を中心としたものと世界を中心としたものと、その差に比例して立体的に変わるのです。「霊界にいるすべての霊人がここに来て踊って歌える場所を、そして、神様までもここに来て休まれる場所を私が準備するのだ」。そのような思いで修理したのかというのです。さあ、どのようにしましたか。六十日の期間で、何千年かけても込められない心情的な因縁を込めることができるのは、愛によってのみ可能です。

 ここにいるワシントンの食口たちが「私は、モルモン教会の食口がこの教会を建てる時に愛した以上に愛さなければならない」と思ってこそ、面目を立てることができるということを知らなければなりません。そのようにすれば、そこには神様が共にいらっしゃることでしょう。モルモン教会を協助した以上に神様は協助することでしょう。

 これから皆さんが知らなければならないことは「統一教会の面目をどのように立てるか」ということです。一九七六年のワシントン・モニュメント大会を中心として、すべての誠意を傾けたその時の記録的な事件以上の基準でこの教会をもつ決意をしなければ、ワシントンD・Cと神様の前に面目を立てる条件がありません。ワシントンには、私たち全体が精誠を尽くした基盤があるので、私はお金を出してこの家を買うことを考えたのです。

 このワシントンD・Cはアメリカの首都です。アメリカ全体を代表した中心地です。なぜ今ここに、統一教会のシンボルをもってきて、屋根の頂に掲げるのか分かりますか。これは初めてのことです。では、思い出してみてください。私たちが神学大学を買ったときに、初めてそのシンボルを掲げたのを私が降ろしなさいと言いました。ところがここはアメリカの首都です。この首都の中で私たち統一教会は、すべてのアメリカ人が愛の精誠を込めた以上の立場でこの教会を献堂し、神様の勝利を象徴するために、彼ら以上の愛をもって私たちのシンボルを掲げたとみなしたのです。(歓呼、拍手)

 そして、一九六五年に先生がこの地に足を踏み入れると同時に、神様の前に約束して誓ったことを、一九七六年のワシントン大会によって終結させました。ですから皆さんは、ワシントンD・Cの中心、ワシントン・シティに、再度私たちの精神を受け継ぐ一つの殿堂としてこの教会を建てたのだと考えなければなりません。その場所に、その基盤の上に立てたので、それ以上の精誠を込めなければなりません。「今年一九七七年は、統一教会における新しい起源の年だ」と言いました。ですから、ワシントンを中心とするこのような教会を建ててシンボルを掲げることは、私たちの世界における新しい出発を象徴しています。それゆえに「シンボルをそのままにしておきなさい」と言ったのです。(拍手)

 このシンボルは、どこにまで掲げられなければならないでしょうか。世界が一つの世界となって神様が臨在する最高の至聖所をつくるときまで掲げられるように発展させなければなりません。ここからしっかりと出発するのです。皆さんがそのシンボルを仰ぎ見るとき、それが一つの国を指導し、天の国の宮殿に掲げられなければならないと考えなければなりません。そこまで行くためには、たとえ多くの受難の道があろうと上昇しながら前進しなければなりません。

 きょう、十二月四日という日は実におもしろい日です。今から十二年前、一九六五年の四月十二日にここに来たと言いましたが、これを逆さにすれば、十二月四日とぴったり一致します。このようなことを思うと、私がワシントンD・Cを訪れたその時の気持ち、その時の決意以上に、これからこの基盤を中心として世界に向かっていくのです。これから十二年後には、統一教会がどのようになっているだろうかという問題を深く深く考えなければなりません。

















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送