真の御父母様の生涯路程 7
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解放後四十年と第二回第三次7年路程

第一節 一九八一年(二) 家庭教会は私の天国

一 真の御父母様の帰国と主要行事

第一回三次七年路程の勝利と祖国訪問(一九八一・四・八)

 アメリカにおいて、世界宣教活動の先頭に立ってこられた真の御父母様は、一九八一年四月八日、大韓航空機便で帰国された。真の御父母様は、一九八〇年十一月二十一日に渡米され、第九回「科学の統一に関する国際会議」(十一月二十六日から五日間、八十六力国、六百五十名以上参加)を主管され、一九八一年一月一日、八百四十三双の国際合同約婚式(ニューヨーカー・ホテル)を執り行われた。また、同年一月から六十万の在米同胞たちの祖国訪問を斡旋され、プロテスタントの発展と民族福音会のために十二億を支援するなどの活動をされたのち、百三十八日ぶりに帰国された。

 統一教会のすべきことは、大韓民国の南北統一です。南韓の地がすべてを備えて北韓の地を自然屈服させなければ、南北統一はできないようになっています。これを誰がするのでしょうか。この国の主権者は知りません。私たちだけが知っているので、彼らに教えてあげ、国の愛し方と、家庭が行くべき道と、国民がもつべき伝統的思想を植えつけてあげなければなりません。そうして復活圏が満ちあふれ、南北統一が自然になされなければなりません。

 南北統一をなそうとすれば、私たちの力だけではできません。アメリカもソ連の共産党に押されている状勢なので、アメリカを抱き込まなければならず、日本を抱き込まなければならず、中共を抱き込むことができる基盤まで築かなければ、南北統一は不可能だというのが摂理的観点です。

 なぜこのような運命の道が始まったのでしょうか。三十年前に韓国の教会と政府がレバレンド・ムーンを受け入れていれば、世界の共産党はなくなり、民主世界は没落しなかったはずです。この三十年、四十年の歴史を歩みながら、過ぎし日を嘆いたところで収拾する道はなく、嘆息したところでどうにもできないことを悟ったので、今まで仕方なく私たちが身代わりして背負い、蕩減する受難の道を歩んできたのです。これを集約させたものが第一回三次七年路程でした。

 第一回三次七年路程を勝利することにより、韓国から追われて世界へと出ていったレバレンド・ムーンは、世界を回って再び韓国に戻ってきたのです。その期間が今回の四月の訪問であることを知らなければなりません。


国際勝共連合(一九八一・四・二六、ソウル、新羅ホテル、全国の市・郡・邑・面の支部長招請午餐会)

 一九八一年四月二十五日、国際勝共連合(理事長・崔容碩)は、京畿道利川郡長潮院所在の国際勝共連合第二研修院で、三千三百名以上が集まる中、全国各級支部長の特別教育および文鮮明総裁帰国歓迎集会を開いた。翌四月二十六日、ソウルの新羅ホテルのグランド・ボールルームで開催された全国の市・郡・邑・面支部長招請午餐会では、真のお父様のみ言と日本の勝共活動の報告があった。

 きょう、勝共連合の会員は神様をはっきり知らなければなりません。それでは、神様が最も嫌われるものは何でしょうか。私が知っているところでは三つあります。第一に、共産党が神様にとって頭の痛い存在だということです。「統一教会は宗教団体なのに、なぜ勝共連合をつくって反共活動をするのか」と言う人もいることでしょう。私は統一教会の指導者ですが、神様をはっきり知っているのです。神様にとって最も頭の痛い存在が共産党です。

 人間を子女と思われる神様の前において、私たちは子女です。自分の父母がぴんぴんしているのに、ある人がそばに来て「お前には父母がいない」と言ってみてください。朝から晩まで一日中説明して、「父母がいない」と否定するのを聞いて黙っていられる子供がいますか。そのような息子は悪党です。そのような意味で、神様を父として守護するために勝共運動は避けられません。

 二番目は何でしょうか。宗教の腐敗です。三番目は何でしょうか。淪落です。倫理の破壊です。今日のアメリカを見れば、キリスト教国家なのに、どうしてあのようになったのでしょうか。多くの迫害と患難の中で二千年間血を流しながら発展してきたキリスト教が、なぜ数十年間で没落したのでしょうか。すべて共産党の戦略によるのです。「神様はいない」と言ったのも共産党であり、既成教会を破綻させたのも共産党です。青少年を淪落させたのも共産党であり、ヒッピーやイッピーなどという連中もすべて共産党がそのようにしたのです。十年前、二十年前からそのような工作をしてきたのです。

 このようにして、退廃的な思想を起こすことによって家庭を破綻させるのです。闘わずして民主世界を破綻させるのは簡単です。家庭を破綻させ、教会を破綻させ、思想界を破綻させれば済むのです。そうすれば自分のものになると考えたので、三大受難の道を神様の前に提示したのです。それがサタンの手による魔術です。ですから、統一教会はそれをたたき壊すのです。

 そのようなことをなすために、皆さんは新しい家庭倫理、新しい宗教倫理、新しい世界倫理観を立てなければなりません。霊界と共に、神様による完全理想世界へと前進すべき目的をもったので、統一教会と勝共連合の創始者として先生自身が先頭に立って、このような道を歩んでいるのです。それで日本の共産党をたたきのめし、アメリカの共産党を相手に激戦を繰り広げてきたのです。

 今、韓国が生きようとすれば日本を背負わなければなりません。誰が日本を背負うかによってアジアにおける覇権が決定します。今、中共やソ連は、韓国のような国のことは考えてもいません。「手をつければ韓国はいつでも処理できる」と思っています。「日本をどのようにして料理するか」と、互いに闘っているのです。

 それで、金日成もソ連と中共の間で行ったり来たりしながら利益を得ていますが、国際共産党を連結させた、そのような金日成の背後の基盤を破壊しなければなりません。ですから、ソ連と中共に対処できる韓国の基盤がなくては南北統一は不可能です。私はそのように思います。

 皆さんが地方に行って、これから面や里を中心として「共産党を十名、百名片づけて生き残る自信がある」と言える皆さんとなれば、大韓民国は昼も夜も心配ありません。皆さんは、息子、娘を死線に立たせるつもりですか。それとも守ろうと思いますか。守らなければならないでしょ

 このようなことを理解され、どうか神様がいらっしゃることを知り、神様に悲しみを与えた共産党を駆逐することに、神様と共に最善を尽くしてくださるようお願いします。そして、宗教の没落と倫理の没落から抜け出して、新しい風潮と新しい倫理体制を家庭から建設してくださることを願っています。


全国大学原理研究会(一九八一・五・五、ソウル、瑞麟ホテル、原理研究会指導者集会)

 一九八一年五月五日、真の御父母様は、ソウル国民大学の運動場で開催された原理研究会体育大会に予告なく訪問されて会員たちの士気を鼓舞され、ゲームを観覧されたのち、午後七時、瑞麟ホテルに原理研究会の公職識者五十名以上を呼ぱれて晩餐を催され、み言を下さった。

 共産党の活動基地とは何でしょうか。共産党は、労働者、農民、あるいは労働組合を中心として活動しています。また、大学街を中心として教授と学生をコントロールしようとしています。大学界と労働組合が双璧をなしているのです。これが今まで共産党が世界を浸食してきたやり方です。

 そのようにして大学街で教授と学生を団結させ、労働者、農民を扇動した大衆デモを中心として混乱させてきました。それを防御するには私たちが間違いなく必要となってくるのです。ここで「原理研究会」が何をすべきかというと、教授たちをどのようなことをしても収拾しなければなりません。そのような意味で、かなり前に「世界平和教授アカデミー」をつくっておいたのです。この教授アカデミーを背負いながら「原理研究会」がそれと一つになって進んでいかなければなりません。

 対社会において、私たちには共産党のような労働者や農民の基盤がないので、何を叫ばなければならないのでしょうか。校内のYMCA、YWCAと連絡し合い、社会にあるYMCA、YWCAを動かしてキリスト教を転換させて、それを活動舞台としなくては共産党を防ぐことができないと思うのです。

 これが今まで共産党が発展してきた公式になっているので、これを防御しなければならないのが大学街を中心とした原理研究会です。そして、教授を中心として対社会基盤を連結させなければなりません。

 ゆえに、問題を起こさなければなりません。善意の問題を起こさなければなりません。学校全体が原理研究会を打ち、文教部(注:日本の旧文部省に当たる)全体がいかなる反対をしようと始めなければなりません。国に代わって決定的な立場に立つことができる何かを提示しなければなりません。中途半端な立場に立って、適当に人の顔色をうかがっていてはいけません。

 韓国の統一教会と既成教会が一つになれば、国家が一つになるのです。完全に一つになります。では、誰がこれをしますか。大学街がしなければなりません。大学街が旗手とならなければなりません。共産党も、南韓において戦略的目的を達成するために大学街を旗手として進めています。それで、大学生を中心として宣伝をしているのです。

 今これと合わせて、産業宣教会が六百以上の会社を基地として混乱を起こしています。そこにおいてキリスト教自体が共産党の第二の基地になっているという事実を皆さんは知らなければなりません。ですから忙しいのです。

 ですから、日本に連れていく学生を早急に教育し、全体を構成して一つの最終着点に結束させなければなりません。今年の七月を越えてはなりません。五月末までに六万三千の里で団結大会(朴普煕宣教師招請の大講演会が、一九八一年四月二十二日の慶州市を皮切りに、六月一日まで、全国主要市において盛大に開催された。「神様と世界と韓国」という主題で開かれた同講演会は、劇場、市民会館等、一千名以上が集まることができる場所を講演会場に選び、合計二十七箇所で実施された)をしなければなりません。そのために膨大な資源を投資しています。

 皆さんはこれを統合しなければならない非常に重大な時点におかれていることを知り、きょうこの場において団結しなければなりません。大会をするのもいいですが、大会よりも国家と世界を生かすことができる爆発物となる責任を果たすことを決意してくれるよう願ってやみません。


全国成和青年会(一九八一・五・一〇、ソウル蚕室学生体育館、第三回成和青年全国総会、一万五千名)

 一九八一年五月十日から十一日までの二日間、全国各地から一万五千名以上の成和青年会の会員と一般食□が参加する中で、第三回成和青年全国総会がソウル蚕室学生体育館で開催された。真のお父様は、「全体の希望」という題目のみ言を下さった。

 全体の希望の核となり、神様の愛の基盤の上に立った核として、誰も動かし得ない原則的、公式的な愛の法度者として立ち、万民が共同して歩むべき道において理想的男女として出発できる立場は、天が願い、人類が願い、万物が願うものです。彼らが育ち、広がったその舞台は、全宇宙の希望の基地であり、希望が集約された中心点ではないでしょうか。

 「私はあなたを愛し、あなたは私を愛している」という夫婦が、神様の愛を連結させた一つの家庭を成して金城鉄壁のように一つになり、神様の前において、万人の前において、あるいは万物の前において、また四方から見ても、希望の中心として認められる家庭となるならば、それこそ正に幸福です。それがあってこそ民族的真の愛と連結し、世界的真の愛と連結し、天の国の真の愛と連結させることができるのです。それがなければ、すべてのものは無駄だというのです。

 愛の実践力とは、永遠を基準として動くのです。長久な歳月を必要とするのです。一年、二年でパスすることはできません。十年、二十年、三十年、四十年でも卒業証書をもらうことはできません。次元がどんどん高くなっていくので、それまでの最高の次元は常に下になるのです。何かの学問をすれば博士学位を取得することができますが、愛の哲学課程というものは無限です。だからといって嫌気がさしたり、疲れたりするものではありません。無条件に楽しく、この世の何よりも幸福で、感謝で、威厳があるのです。

 なぜこのような話をするのでしょうか。青年たち、さらには大韓民国はどこに行くのでしょうか。私たちは苦労と犠牲を惜しむことなく、北韓を消化しなければなりません。南北を消化した基盤の上で、民主世界を合わせて共産世界を消化しなければなりません。何で消化するのでしょうか。お金ですか。権力ですか。それではできません。真の愛で消化するのです。

 今日、青年たちはそのことを知りません。犠牲となる者は必ず中心者になるのです。家庭において孝子とは、より犠牲になる人のことです。それゆえに、その人は家庭の中心となるのです。国においても、愛国者とはより犠牲となる人なので、国の中心者となるのです。聖人の中でもより犠牲となる聖人は、聖人の中の聖人となるのです。これは天理なので、この天理の道に厳粛に従っていき、すべての分野で和することができる人を育て上げなければならないのです。ですから「成和」というのです。

 成和青年とは何か分かりましたか。天と和し、人間と和し、万物と和することができる青年です。このような青年が行くところには、新しい希望が芽を吹くのです。神様の新しい希望が宿り、神様の愛の力が加えられるのです。このような驚くべき事実を知って、ぜひそのような青年になることを願います。

 今日、迫害を受け、反対を受けてきたレバレンド・ムーンという一個人は、世界に問題を提示し、五色人種に橋を架けることができる基盤をすべて築きました。皆さんがこの思想をもって社会へと伸びていけば、大韓民国は栄光の国となります。そのようになることを世界が望んでいるという事実を知り、新しい決意と誓いをなして、全体の希望の愛の中心者となることを願っています。


五百十二組の約婚式と任地動員
(約婚式:一九八一・五・一〇、中央修練院、任地動員:一九八一・六・二一)


 一九八一年五月十日、五百十二双に対する合同約婚式が京畿道九里邑水深里所在の中央修練院で行われた。約婚した女性たちは任地を割り当てられ、六月二十一日から祝福式がある時まで伝道活動に臨むようになった。

 今、皆さんは約婚祝福を受けていますが、約婚祝福を受ければ、すぐに韓国の前線に出ていかなければなりません。韓国の前線は、世界に連なる前線だということを考えなければなりません。日本においても、アメリカにおいても、私たちの同志が共産党支配の地下で血のにじむ闘争をしています。共産圏で獄中生活をしている人もいます。先日、先生は報告を受けたのですが、死刑にされた人もいるというのです。先生はそれを細胞で感じています。

 このような外的環境を防衛しようとすれば、莫大な経済力を早急に備えながら、統一教会の世界的な基盤を早急に築かなければなりません。もしそのようにすることができなければ、多くの犠牲者が出ます。

 ですから、自分の愛する妻や子供たちと別れて活動することは問題ではありません。問題は、すべての面において世界的な基盤を築くことによって、世界が私たちを歓迎し支持するようになれば、私たちに家庭の安息所、すなわち夫婦が愛し合うことができる家庭ができると同時に、そこに父母を迎えて共に住むことができる安息の基盤ができるということです。これを常に念頭におかなければなりません。

 ですから、今回の約婚祝福を受けたあとは、全国に出動です。里単位の団結大会をしている現在の雰囲気のもとで全力を投入し、活動してブームを起こす環境をいかにして持続していくか、そしてこの三千万民族が団結し、北韓を解放できる基盤を誰が築くのかというのです。

 金日成を除去するという責任を誰が果たすのですか。政府でもありません。統一教会自体でもありません。三千万(=韓国の国民)がしなければならないのです。各自が以北の国民一人一人を消化できる自主的な能力をもった人にならなければ不可能だと考えるのです。

 今回そのために先生が来て、そのような問題を中心にして、できれば早い時期に雰囲気を造成しようというのです。そのようにして造成された雰囲気を先導していかなければなりません。なぜでしょうか。世界的な前線を先導していかなければならないからです。

 統一教会の宗主国は韓国です。しかし今、経済問題において外国に負けています。伝道においても外国に負けています。しかし、共産党と対決するというただ一点においては、先頭に立たなければなりません。日本でも共産党が問題であり、アメリカでも共産党が問題であり、ヨーロッパや全世界においても共産党が問題です。したがって今、統一教会が共産党に対して全世界に伝統を立てるという事実は、誇るべきことなのです。今後、統一教会が伝統を立てるのに、やり甲斐のある仕事をしているのだと思うのです。

 ですから皆さんは、約婚祝福を受けたあとは全体動員です。今までは女性を動員しましたが、これからは男性まで動員するかもしれません。会社も何も後回しにするのです。「私たちは最後の決着をつけなければならない」と思うのです。


超教派キリスト教協会
(一九八一・五・一四、ソウル、ロッテ・ホテル、文鮮明先生招請晩餐会、二千名)


 一九八一年五月十四日、ソウルのロッテ・ホテルのクリスタル・ボールルームで、超教派キリスト教協会の主催する文鮮明先生招請晩餐会および講演会が、二千二百名以上のカトリックとプロテスタントの信徒と指導者が参加する中で開催された。韓国キリスト教の歴史上、初めて教派を超越して長老、執事、勧士が一箇所に集まり、真の御父母様を歓迎し、講演を聴いた。この日、真のお父様は「神様! み旨を成してください」という題目で講演された。

 今まで聖職者原理研究会を中心として、各道に四十二の支部をつくって内的収拾をしてきましたが、昨年十一月十八日に、全国牧師集会を成功裏に終えました。このような内的基盤を連結させ、今後国家や軍隊を連結するのですが、これを合併するという目標を成就していかなければなりません。

 それで十四日にも、長老を中心として糾合運動をしたのです。遅くとも今年の秋には、すべての長老が一つになるようにしなければなりません。皆さん、新教では長老が主人です。堂会(注一教会内の牧師と長老の会合)と称して会合を開いているのです。牧師は、みなお客さんです。牧師を中心としてできなかったので、長老をしっかりつかんで、彼らを中心にしなければなりません。現在この運動が全国に及ぶようにするための大会をしているのです。

 キリスト教、すなわち私たちの団体に対してありとあらゆる謀略中傷を加え、破壊するだけでなく、なくそうとしているこの怨讐を生かすために、超教派運動を中心として莫大な資金を投入しながら約十三年間活動をしてきました。そのような難しい過程を経てきたのです。

 一九七九年に南大門教会事件(一九七九年四月二十四日、ソウル中区陽洞二八九番地の南大門教会に一千二百名の信徒が参加する中、アジア改革主義牧会研究会主催による信仰特別講座が行われたが、この中で申四勲(前ソウル大教授)牧師が「統一教会の正体とその対策」という主題で講演中、「統一教会は邪教であり、混淫をさせた」などの全く根拠のない誹膀と虚偽の中傷に満ちた暴言を吐くや、到底こらえることができなかった統一教会の牧会者たちが壇上に出ていき、申牧師をひきずり下ろして警察署に引き渡した事件)が起きなければ、キリスト教を中心として基盤を築き、本来ならば、一九八〇年になる前に韓国のキリスト教の整地事業は終えていたはずです。一九七九年七月十二日を期して、三千名以上の牧師を集めて世界宣布大会をすることを計画していたのです。しかし、南大門教会事件によってそれが遅延しました。それで、統合側と合同側の老会(注:長老派教会の各教区の牧師と長老による集会)の長を世界一周させて再度風土を造成する運動をしたのですが、それが思いどおりにいかなかったので、結局長老を中心として活動を展開してきたのです。言い換えれば、牧師に対する一時代の責任はすべて果たしたということです。

 長老たちに対する活動を展開するためには、いずれにしろ既成教会の牧師に対して私が談判をしなければなりませんでした。会わなければならないということです。それが、この場における昨年十一月十八日の大会(一九八〇年十一月十八日、ソウル、ロッテ・ホテル、超教派キリスト教協会主催、十二の教団から一千二百名以上の指導者たちが参加、「文鮮明先生招請晩餐会」)です。それを中心として六ヵ月ぶりに長老たちを再び呼び集めたという事実は、この国において、あるいはキリスト教の歴史において非常に重大な契機となるのです。

 それをイエス様の時と比べるならば、イエス様がローマに行って勝利の基盤を築いたあとで、自分の国に帰ってきてユダヤ教の大祭司長を中心として一大宣布式をし、それから書記官を立てて宣布式をするのと同じだということです。そのように考えれば、これは歴史的事件の中の歴史的事件です。

 今までキリスト教とユダヤ教は、犬猿の仲でした。今でもユダヤ教は、キリスト教を異端だと言っています。二千年近い歴史が流れてきたにもかかわらず、今日でもユダヤ教は、「自分たちが異端者であるイエスを十字架につけたことは正しいこと」と思っているのです。このような実情から推し量ってみれば、今日、統一教会がキリスト教と関係を結んだという事実は歴史的な事件です。それは正に神様が生きていらっしゃるがゆえに可能なことです。


世界平和教授アカデミー
(一九八一・五・一六、ソウル、ロッテ・ホテル、著名人士招請講演会、八百五十名)


 一九八一年五月十六日、ソウルのロッテ・ホテルのクリスタル・ポールルームで、「世界平和教授アカデミー」主催による著名人士招請講演会が「今日の知性人と宗教」を主題として八百五十名以上の政界、学界、言論界等、各界指導級人士が集まる中で開催された。

 皆さんが自分の専門分野において、有名な学者や世界第一級の学者を標準として動いているのと同じように、この宇宙の中に私たちの目的であられ、主体であられる偉大な方がいらっしゃるとすれば、そのお方を標準としてすべてのことが動いていくはずです。ここから、人間世界における聖人という問題、さらには宗教的に見れば神様という問題が登場するのです。このように見るとき、私たちのすべての欲望は、神様というお方にその目的の終着点をおいていくのではないかというのです。

 神様の目的とは、天の愛です。すべてに愛の進路があります。一つの細胞から、微生物から、すべてが一つの支流のようになって骨髄へと流れていき、大河を成して大海へと連結される偉大な愛の流れがあるので、この流れの原則と内容を公認しなければなりません。このようなことを、ここに立っている人は早くに知ったので、「宇宙に新たな革命を起こさなければならない」と思ったのです。

 それでは、聖人と愛国者と偉人とでは呼び名が異なっていますが、何が異なるのでしょうか。聖人とは、天に侍り人類を愛した人のことをいいます。人類を愛するのに、天地の大道と一致する道に接近させることができる旗手の立場に立った人が聖人です。

 それでは、聖人で終わるのでしょうか。聖人の次には、天子にならなければなりません。天子の道とは何でしょうか。神様と人類の受難の道を収拾し、愛の目的を決着させることができる者こそ天子、すなわち神様の息子であると言うことができます。

 それでは、統一教会は何を主張しているのでしょうか。自分を中心として強制的にこれをするのではなく、宇宙の愛の本然の道に順応する道へと入っていき、父母のため、子女のため、民族、国家、世界のためと、より高い愛の段階へと発展していくのです。それで、最後にはどうなるのでしょうか。「最後には一つしかない神様の愛を占領することができる」と考えるのです。

 このような世界を考えたとき、ここにおいてのみ統一することができるのです。その位置に出ていけば一つになり、皆さんの心と体は爆発することができるはずです。しかし堕落したためにこの作用が働きません。故障しているからです。それゆえに実存哲学でいう極限状況(注一人間の直面する、変えることも回避することもできない絶対的な状況、すなわち死・苦・争い・責め)をどのようにして克服するのかということが問題です。それを何をもって克服するのでしょうか。愛でもって克服するのです。

 さて、「今日の知性人と宗教」という、きょうの主題を誰が選んだのかは知りませんが、よく選びました。現在の立場で皆さんが考えなければならないことは何でしょうか。いかなる優秀な学士や博士、世界の政治家、あるいは聖人であっても、愛を必要とする人は、神様を信じる宗教から抜け出すことはできないということです。そのような結論が出てくるのです。


二 譽進様の聖婚と第二回三次七年路程の本格的出発

譽進様の約婚と聖婚(約婚:一九八一・五・一五、ロッテ・ホテル、聖婚:五・一六、本部教会)

 一九八一年五月十五日、ソウルのロッテ・ホテルにおいて、真の御父母様の御家庭の長女である譽進様が洪性杓−柳吉子家庭の長男である珍輝氏を迎えて約婚式を挙げた。翌十六日、ソウルの青坡洞の本部教会で挙行された聖婚式には、六百名以上の祝貨客が参席し、新しい出発をするこの家庭の未来を祝賀した。

 韓国は今、混乱期です。五・一六軍事革命後(注:一九六一年五月十六日、朴正煕が主導して起こした軍事クーデター)二十年が近づくことにより、昔の解放直後の混乱期と同じ現象が朴大統領の亡くなったあとに起きるのです。主人がいません。ここで私たちが主人の役割を果たすのです。私たちの主導する時が来たということです。行くべき一つの希望を政界に与え、軍に希望を与え、国民に希望を与えなければなりません。今、すべてのものが停止状態に入っているので、ここで新しい希望ののろしを揚げ、天国に向かって国を愛し世界に通じる道へと導いていかなければなりません。これを昨年の一二・一二事態(注:全斗煥の主導した軍事クーデター事件)が起きる前に始めたのです。

 勝共連合を中心として団結大会をするのです。今その雰囲気をつくりあげて、郡の団結大会、面の団結大会、里の団結大会をしています。私は「十五日までに終えなさい」と言いました。十五日までに終えるのです! それは五・一六事態後、二十年が過ぎる日だからです。歴史的な転換の日が来るのです。

 そして、この日とともに先生の家庭において、譽進の祝福があると考えていたのです。家庭基準において先生が定着するためには、息子、娘と一つになる家庭的基盤がなければなりません。それなくしては定着できません。それで日本の責任者にも「来なさい」と言い、郭錠煥氏にも「来なさい」と言いました。幹部の誰も知りません。お母様も知らないのです。十五日に来ると同時に約婚をして、一日で結婚式をすべて済ませたのです。

 これは結婚式ではなくてプログラムです。言い換えれば、家庭的救援摂理の方向を決定づけることができる厳粛な時間です。今まで個人救援の目的を推進してきた天の歴史路程において、家庭救援が可能な時代圏へと移行したという事実はとてつもない飛躍と言いましょうか、言葉では言い表せない事件です。神様がメシヤを送ったのはアダムを再創造するためです。アダム一人を復帰するために歴史時代において受難の道を歩んできたのです。しかし、今は家庭救援を成就するのです。個人の救援時代は過ぎ去り、家庭の救援の時が来たのです。

 そして、私が米国で勝利して韓国に帰ってきたのちは、怨讐の首を切り、復讐線上に追い詰めて復讐すべきです。彼らは統一教会におけるカインです。統一教会の怨讐は統一教会から離れていった者たちです。この世であれば首を切ってしかるべき怨讐です。しかし、そのようにするのではありません。神様の救援摂理は怨讐を生かしてあげるためのものなので、彼らを許してあげるのです。統一家において祝福を受けて離れた家庭は怨讐なのですが、その怨讐を許しなさいというのです。これにより、統一教会に内的家庭と外的家庭が融合することができる基盤がつくられたので、譽進を祝福してあげることができるのです。

 これは、私たち自体内において、神様の天道の道を行くにおいて成さなければならないことです。カインを屈服できる環境的条件というものは、個人時代を越えた家庭時代にあるのです。それで、祝福を受けて破綻した家庭を許してあげ、カイン家庭とアベル家庭が一つとなることができる因縁を通じて、先生の子女の家庭基盤を築くことができるのです。


真の御父母様中心のカイン・アベル家庭の確立

 この日を中心として三十六家庭は何年目になりますか。二十一年です。二十一年になるその日を期して譽進を呼んだのです。その時、譽進は試験を受けていました。有り難いことにすべてを捨てて来たのです。それにより、先生の家庭において聖進と譽進が家庭的立場に立ち、橋を架けることができるようになりました。平面的に定着基盤が築かれたのです。これにより、第二回三次七年路程の出発が本格的に可能になったのです。

 これにより、先生の二世のアベル圏家庭が形成され、確立するのです。先生が一世だとすれば、先生が縦的な基盤を築けば、そこに横的な二世の基盤が確立するのです。そして、皆さんの家庭を中心として見れば、皆さんの家庭と、先生の息子、娘の家庭と、先生の家庭がそれぞれ蘇生、長成、完成の横的基盤として完結するのです。

 カイン・アベルを中心として見るとき、祝福を受けた家庭はカイン格です。先生はこれらの家庭を横的基盤に連結させなければなりません。今まで縦的基盤には連結されたのですが、横的基盤には連結されませんでした。今は横的に展開しなければならない時に入ってきたのです。第二回二次七年路程を中心として、ここで皆さんが四方へと広がっていくためには、先生の息子、娘を中心としたアベル家庭が先生の前になければならないという話です。

 ですから、アベル家庭と皆さんの家庭が完全に一つにならなければなりません。先生と一つになる前に、アベル家庭と完全に一つにならなければなりません。一つになれば変わるのです。発展するのです。一つになれば神様が共にいらっしゃるのです。主体と対象が完全に一つになれば中心が生じます。原理が教えているように、そこに神様が必ず臨在され、これを侵犯しようとするすべてのもの、いかなる強力な敵も退治するのです。そのようにして第一回三次七年路程を終えて、第二回三次七年路程があすから始まるという事実を知らなければなりません。

 したがって、きょう譽進も「ああ、真の御父母様の前に刺激剤となるべき自分であったのだなあ」ということを知らなければなりません。これからは、一人の男性の女性として成人となり、天理の前に貴い時代的な使命を果たさなければなりません。一つの転換期に立っている譽進は、金城鉄壁の決意をもって新婦の路程を行かなければなりません。そして今後、あとから来る者の前に模範を見せてあげなければなりません。孝進もお父様のみ言が分かりましたか。

 珍輝もそのような観点から、今がどのような時代かを知らなければなりません。珍輝は結婚したのではありません。先生の家庭に入ってきたのです。先生の家庭に入ってきて先生の家庭の十二人の兄弟を中心として一つの家族にならなければなりません。今日この世を見れば、息子、娘が兄弟同士でけんかをしたり、婿が妻の実家が金持ちだといって財産を食いつぶしたりするのが常です。

 今日、先生の家庭は極めて堅固な城を築かなければなりません。婿も娘も息子も、みな家門のすべてのものを保護しなければなりません。そしてこれを、国を保護する基盤へと拡大し、世界を補強する基盤へと拡大しなければなりません。このようなことは、先生の家庭の代を継ぐ息子の責任であり、娘の責任であるということを知らなければなりません。

 そのようなことを理解して、家庭に入ってきて今後困難なことがあったとしても、それを克服していくことができなければなりません。自分を中心とした思想以上に公的な信念を備え、先生の家庭において堂々と息子の使命を身代わりできなければなりません。先生が責任を果たせなければ自分が身代わりし、また自分の妻が責任を果たせなければ自分が身代わりして果たすことができなければなりません。このような代表的な問題を消化し、神様の伝統的な思想をしっかりと確立しなければなりません。「誰にも侵犯されない基盤を自分が受け継ごう」という信念をもって進んでこそ、天の祝福が永遠に共にあるのです。


第二回三次七年路程の出発と子女時代(一九八一・五・一六)

 神様が復帰摂理をしてこられるにおいて、今日二つの国家を中心として、神様のみ旨に対する影響圏が各家庭にまで及び、そのような細胞基盤に錨を下ろすことができるようになったのは、歴史始まって以来の出来事です。摂理史的な立場で初めてのことなのです。今までは共産党だけがこのような組織活動をしていたのです。

 悪魔の宗教のような共産党のみがしていることを吸収し、消化するためには、私たちがそれ以上に強固な組織を通じて、末端の細胞である各家庭に生命を注入し、天意により国を愛し、天を愛する愛の爆発力をもって、すべての世界を不信と欺瞞で占領しようという野心をもったこの悪魔の勢力圏を破壊しなければなりません。このような意味で、今日私たちが韓国の基地に錨を下ろし、サタンが浸透しようとする末端細胞壁を防御する基盤を築いているという事実は、天の国のみ旨を中心として歴史上にないことを初めてなしているということです。

 それで、今回私がここに来るようになったのも、最重要視しているのが里単位の組織だからです。一つの里で平均二百五十名集まったということは大変なことです。今や、里単位まで組織し終わったので、一つの里で百名ずつ教育することは問題ありません。里単位の大会を満足にこなすためには、そこに献身的に活動する五名から七名の核心要員の基盤をもたなければなりません。五名ずつつかんだとしても、五・六・三十(五x六=三十)ですから、三十万名です。

 このようにして、南韓の地がアベルとなり、カインである北韓を消化して一つとなれば、その次には日本を消化することができ、日本と一つになれば、アメリカを消化することができ、アメリカを消化すれば、ヨーロッパとソ連を消化して一つの世界へと進んでいくというのが神様の見る摂理観です。

 このように見るとき、今日先生が韓国に帰ってきて里単位まで錨を下ろし、網を張って引っ張れば集めることができる基盤を築いたという事実は驚くべきことです。それは、どのようなことでしょうか。三次七年路程と緊密な内的意義が連結するのです。これにより、私は国に対する責任、統一教会に対する責任を完遂しました。キリスト教に対する責任を完遂しました。大韓民国を愛することにおいて、いかなる愛国者もなし得ないことを代表的な立場からすべて完遂することができたという結論が出てくるのです。

 第二回三次七年路程は、私たち祝福家庭が行わなければなりません。真の御父母様の時代が過ぎ、子女の時代へと入ってきたので、今日、世界的蕩減のあとは迫害がありません。今までは、私がすべて責任を負いました。それで、今回来た時も、過ちを犯した人々を私がすべて責任を負って許してあげました。なぜでしょうか。私が責任をすべて果たしたからです。今からは、皆さんが責任を果たす時です。

 今日、第二回三次七年路程を行くべき皆さんは、先生がこの道を連結させるために、二十二年間、血を流す闘争をしてきたという事実を知らなければなりません。ゆえに、個人に追われ、家庭から追われ、氏族から追われ、民族から追われ、国家から追われ、世界から追われ、打たれながら奪ってくる作戦をしてきました。そして死なずに見事に一代において、膨大な内縁の様々な事情を理論的に集約説明して、実践的な内容とともに万民の前に公認させることができる材料と、それだけでなく天が認め、サタンも公認することができるものを今日統一教会の息子、娘の前に相続させることができる権限をもちました。このような歴史的な事実を記念するために出発したのが第二回三次七年路程であったということをはっきりと知らなければなりません。

 ですから、第二回三次七年路程において皆さんは、師が歴史時代の受難の道において迫害の矢を受けながら築いてきた伝統を受け継がなければなりません。今から皆さんは、歓迎を受けながら伝統を強化して成長しなければなりません。ゆえに、柱を立てる時となりました。国の柱はこうでなければならず、家庭の柱はこうでなければならず、氏族、親戚の柱はこうでなければといって、それらの柱を立てなければなりません。そのような柱を立て、この国の新しい未来像を再現、再建する伝統を確立しなければなりません。

 今はすべてのものを整備しました。今からは完全出発です。信じて出発しなさい。強く雄々しくありなさい。家庭的に総進軍です。昔は先生の家庭が迫害を受けながら総進軍しましたが、今は皆さんが歓迎を受けながら総進軍するのです。それができませんか。そのような時が来ました。


第二回一次七年路程の第一線

 今から、第二回三次七年路程を家庭的に出動する皆さんにとって、第一線はどこですか。共産党です。共産党と闘って負けるのですか、滅びるのですか。ですから今、私がアメリカを中心として指示していることは、訓練です。

 なぜでしょうか。「ソビエトや中共やその他すべての共産党の前衛部隊が出動しているその基地の前に、私が出ていって堂々と闘い、堂々と規制し、それだけでなく制圧して絶対的勝利をもたらさなければならない」という信念をもって出発しなければならないのです。これが、この第二回三次七年路程において皆さんの家庭、すなわち先生を中心として見ればカイン的家庭が行くべき伝統にならなければならないということを頭に整理しておかなければなりません。

 これをするのは個人ではありません。家庭的に防がなければなりません。家庭的に防ごうとすれば、三千八百万の体制に私たちが責任を負い、浸透してくる共産党を探し出さなければなりません。探し出して、彼らのすべての悪辣な組織を撃破しなければなりません。北韓を家庭的に押し出さなければなりません。

 ところで、韓国政府と一つにならなければ北韓を消化することはできません。統一教会と政府が分裂していては、北韓を消化することはできないのです。また、南北が一つになって世界を消化しなければならないのですが、アメリカと一つにならなくては、そして日本とアメリカが一つにならなくては、世界を消化することはできません。このような漸進的、段階的過程を、私たちはあまりにもよく知っています。

 そのような段階的時代が世界的に来てから日本を教育して一つにし、アメリカを教育して一つにするのではありません。その時になってからでは既に遅いのです。それゆえに、先生は前もってその準備をするのです。それで、日本では全体を動員して強力な活動を展開し、アメリカでも強力な教会活動を展開しているのです。そのようにすることによって韓国が基地となりさえすれば、たちまち日本が連結され、アメリカが連結され、全世界が連結され、世界を急進的に救い導くことができる時代へと移っていくのです。

 それがうまくいけば、七年間で終わるのではないかと思っています。すべての精誠を尽くし、一心に団結し、すべての氏族あるいは人種を超越して一つとなれば、七年以内でこの基準を越えていきます。しかし、もしそれが不可能になった場合は、二十一年に延長するのです。また、その二十一年が再び延長された場合は、第二次二十一年路程が出てくるようになり、そうなれば、自動的に第三次二十一年路程が出てくるようになっているので、皆さんの息子、娘にまで及ぶのです。

 それゆえに、歴史時代においては、二番目が生死を決する重要な位置に立っているということを知らなければなりません。アベルも二番目であり、ノアも二番目であり、イサクも二番目です。アダムを神様の息子として見れば、イエス様も二番目です。二番目がすべての生死を決定したという事実を知らなければなりません。

 したがって、第二回三次七年路程のうちの第二次七年路程がいかに大変な立場におかれているのかということを、はっきりと知らなければなりません。私たちのすべての精力を投入しなければなりません。そうしなければ、皆さんは、二十二年間、別れ別れになって孤独な旅人にならなければならず、皆さんの息子、娘もそのようにならなければなりません。そうなれば二〇〇〇年代に移行するのです。そして二〇〇〇年代へ越えていけば、また難しい問題が生じるのです。


三 世界的経済基盤の構築

ドイツ歴訪とハノーバー機械博覧会(一九八一・五・一九出発〜一〇・一六帰国)

 一九八一年五月十九日、真の御父母様はドイツヘ出発され、ハノーバー機械博覧会の参観やヨーロッパ各国の工場現地踏査などの忙しい日程を終えられ、十月十六日に帰国された。

 今先生がなしていることは、経済基盤の構築です。世界的国家所有権を立てようというのです。個人所有権ではなく、国家所有権です。私を再創造することができる個人的所有権を中心として、再創造する人間としてサタンに勝利し、サタン世界に国家所有権を備えれば、すなわち外的基盤さえ備えれば、本然の世界に連結することができるのです。

 そのような時代に移行してきました。三次七年路程を中心とした勝利の基盤の上に、それができたのです。それは、皆さんが精神的な分野において勝利し、肉的基盤、物質的基盤の上で勝利することができるように道を築いたということです。しかし、これが世界に連結されていません。それで、今からは世界的連結時代へと入っていくのです。人を世界に連結する時代であり、経済的に世界を連結する時代です。

 先生の二十年路程は、キリスト教が反対し、大韓民国が反対することによって先生自身も引っ掛かっていった路程です。先生自身もそこから再び抜け出してこなければなりません。そのためには、三次七年路程を通じてキリスト教を延長した霊的基盤において、反対した教会と国家のすべての蕩減条件を立てて越えなければならないのです。そのようにすることによって、キリスト教も許し、国も許してあげるのです。

 キリスト教とは大韓民国のキリスト教のことであり、国とは大韓民国のことですが、それらは世界史的な内容をもっているので、世界史的な国々が新しい恵沢を受けることができる圏内へと入っていくのです。そのような条件を立てたので、今からなすべきことは何でしょうか。第二回三次七年路程とは、先生にとっては物質的基盤、すなわち世界史的な経済基盤を築かなければならない期間です。それで、譽進が結婚して三日目には、もう韓国を出発したのです。どこに行ったかというとアメリカではありません。ヨーロッパのドイツに行ったのです。

 これは、既に三十年も前から話してきたことです。橋を架けて連絡するために、二十五年前から統一産業を育ててきました。橋を架けることができる基盤まで引き上げて連結させるのです。それが今回のハノーバー展示会です。機械博覧会を中心として、そこで接点が生じるのです。「ハノーバー」というのは「ヘノバァ」でしょう? (笑い) 「ヘノバァ」というのは「ヘソ ナバラ」(注:しておけ)ということです。それで、統一教会の文なにがしは、機械工業の基盤を中心として「しておいた」のです。そこから出発です。

 そこからぶつかるのです。そこには、どのような会社が集まったと思いますか。そこに集まった会社は、その会社自体の利益のために集まったのです。そこには、国家の利益などというものはありません。しかし、私たちはそうではありません。世界の利益のための展示品として機械をもっていったのです。ですから、私たちはハノーバー展示場を席巻しなければなりません。それで、今回私たちは百五十名以上の要員を投入し、そこで完全に覇権を握ったのです。そのようにして統一産業がそこで有名になったのです。

 そこに行った統一の者たちは、みな若い夫婦です。この機械展示会には、高齢のおじいさんや五十代以上の専門家、製作経歴のある人や社長、専務といった老練な人たちが来ているのです。ところが、二十代のきらきらした目をもった若い娘たちが、それも西洋人ではなくて、言葉もできない日本の娘たちが、にこにこしながら老練なおじいさんやおじさんのような人たちを引っ張ってくるのです。どんなことをしてでも引っ張ってきなさいといったのです。

 引っ張ってきて、私たちの機械が展示してある所に三時間は捕まえておくのです。一時間半から三時間は捕まえておいて放さないので、平均で千名が集まるのです。


ヨーロッパ工場の踏査とドイツの工業基盤

 一九八一年にドイツに行き、五ヵ月間、工場という工場をすべて訪ねて回りました。彼らは、労働者のように訪ね回る人が文総裁だとは夢にも思わなかったのです。私を連れていった者たちがヨーロッパについて、また今後の工業政策やアメリカに対する政策について話をすれば、彼らは言葉に詰まってしまうのです。ですから、仕方なく先生が話をしてあげざるを得ないのです。

 そうすると「昼食の接待は出さなくてもいいだろう」と考えていた人たちが、先生とずーっと話をするうちに「昼食を出させてください」と言うようになるのです。それでも、昼食は食べないで回りました。なぜでしょうか。腹を割って話せば文総裁だということが分かってしまうからです。

 そのようにして工場を買いました。六ヵ月ほどして妖しげなことが起こるのです。「ええっ、あの時、判を押して買った人は文総裁だったのか!」と言って騒ぐのです。後の祭りです。工場というものは、見てから買うものでしょう? イギリスからフランスの工場まですべて踏査しました。第一級のものだけを選んだのです。

 先生は、そのように「ドイツの工業園を完全に掌握しなければならない」と考えたのです。そのようにして大韓民国と連結するのです。昌原団地(注一統一策工業のこと)のことが国家で大きな問題になったでしょう。このようなすべての問題が四年間に起きるのです。一九七〇年から一九七五年までは、私がアメリカに行って基盤を築く時であり、十年後の一九八一年から一九八五年までの五年間は、ドイツの科学が入ってくる時です。原理は公式的です。

 それでそこに橋を架ければ、韓国に最高の技術が一〇〇パーセントそのまま入ってくるのです。今回もその会社に行ってきましたが、会社のすべての設計図をそのまま持ってきました。私たちの会社だからです。私が主人だからです。そのようにして統一産業に移してくるのです。それから、ドイツ人を連れてきて工場で造らせれば、人件費を安くすることができるのです。

 工場を一つもっただけで、それが五つの工場になります。機械といえば、ミリング(平削り)、ボーリング(穴あけ)、研磨機、旋盤、それからプレス(圧縮機)があります。これさえあれば、重工業建設における重要な役割を果たすことができます。これを完全につかまなければなりません。つかむときには、小さなつまらない工場ではなく、それらの面でドイツで第一級の工場をつかむのです。このことのために、既に六年前から計画してきました。アメリカやイギリスを基盤にして、イギリスの工場をすべて踏査しました。ドイツの工場をすべて教育し、ドクター金(金啓煥)を連れて歩きながらそれを遂行したのです。

 この背後の基盤を築くために、ヨーロッパのすべての学者を科学者大会(科学の統一に関する国際会議)に参加させたのです。これらの大物の学者を中心としてドイツの商工長官を動かし、局長を中心として調査させて、そのようなことをしたのです。そこで千個の中から三百個を選び、三百個の中から三十個を選び、三十個から三個を選ぶというように縮小していき、彼らが調査研究したことを発表するのです。そのためには、ドイツの研究部において統一産業が韓国の三大機械業者として入っていかなければなりません。それで押し込んだのです。ドイツの公文に掲載し、研究発表をして、冊子も作って宣伝するのです。そして「統一産業はこのような面において、韓国のこれこれの基盤をもった三大企業のうちの一つだ」となったのです。それはすべて夢のような話です。そのようにしながら準備をしてきたのです。

 今、私たちが買った工場は、東ドイツで一番の工場だったのです。それは西ドイツに移ってきて新たに出発した工場ですが、世界の優秀な品目をもっているのです。大きくはありませんが、そのような品目をもっているものをつかまなければなりません。ドイツやヨーロッパのどの工場に行っても、私たちが買ったワンダラという工場で造ったミリング系統の機械を二台もっているのです。今回フランスでの展示品の中で、機械を削って製作する過程を説明するときに、うちの工場の機械を使って説明していました。それくらい有名なのです。


ヨーロッパとアメリカを中心とした事業拡充

 現在先生は、パリの近くに大きな宝石工場をつくっています。全世界に宝石商をもっています。現在、アメリカだけでも大ざっぱに見積もってどれくらいになりますか。五十ほどの店舗をもっています。私は数年以内でアメリカの宝石商のチャンピオンになるでしょう。

 世界の宝石商の基盤を完全に制圧するのです。そのためにダイヤモンド鉱を集めなければなりません。今、セントラル・ビッグ・アーケードに、最も良い鉱山を三つ手続きしているところです。大統領のサインをもらおうとしているのです。それは誰にでもしてくれるものではありません。イギリス人がしていたダイヤモンド鉱山を掘り、アーケードを中心として横にルートをつくったのです。ここまでしました。来年には何個ですか。(三十五個です)。

 それだけでしょうか。コンビニエンス・ストアを造りました。アメリカは八時間労働で、五時になると店を閉めるので、とても不便です。それでコンビニエンス・ストアを造りました。これがあれば一日二十四時間で、千名の人が立ち寄っていくのです。これを五千店を目標にしています。現在は二十七店ですが、これが百店舗になれば、五年以内で五干店にすることは問題ではありません。これを造れば、アメリカで私たちのセンターに立ち寄る人は、一日に五百万人です。五百万もの人が立ち寄るのです。

 そしてまた、水産事業といえば私たちしかいません。私の造った「ワン・ホープ」という船がありますが、それは全く新しい型です。すべて私が構想し設計したものです。七年間船に乗ってきたので、船については第一人者です。釣りをするにも最高で、チャンピオンです。すべてにおいて一番です。世界一です。私がツナ釣りの親分になったからです。(笑い)本当に親分です。私が「ツナ釣りの講義をする」と言えば、指折りの有名な選手たちが来るようになっています。

 この船は初めて研究して造ったものですが、風が吹けばドンドンと音を立てながら進むのではなく、スッスッスッと進みます。この船は、見た目にも紳士のようです。それを見れば欲が出るだけでなく、嫉妬するほどに興奮するようになります。十分でない箇所を完全に補強しました。そのようにしてあるので、海岸警備艇にも使うことができます。それで、水上警察が警備艇に使おうとして「特別注文するので造ってくれないか」と言ってきましたが、「ノー」と答えました。「日本で契約した三百台を造るまでは駄目だ」と答えたのです。

 船を造るのも、ボルトだけあれば三十分でさっと機関銃が設置できるような船を造るのです。誰も知りませんが、現在、日本の潜水艦を造っている所にいる設計者は、うちの食口です。ドイツにもそのようにして入っていくのです。自動機械を造る有名な会社の設計部長がうちの食口です。私が配置したのです。

 また、現在私は鉱山を運営しています。アメリカで約一億五千万トンの石炭鉱を購入しました。そこに連れていって一ヵ月ほど石炭を掘らせるのです。「それをやりますか、やりませんか」と言えば、どう答えますか。そのようにすれば、戻ってきた時は間違いなくチャンピオンになるのです。


南米とアフリカでの事業の開拓

 文なにがしは、お金を稼いで金持ちになろうとしているのではありません。世界のためにするのです。これを完全に成就すれば世界が生きるのです。それで、三年ほど前から南米政策を準備しています。南米の高位層の人々の教育をCAUSAを通じてすべて終えました。二目で五百名ずつ教育すれば、その五百名の中に閣僚や州責任者などの要員がすべて入ってくるのです。既に私たちの版図圏に入ってきているのです。

 それで、現在ウルグアイという国を中心として、そこに大きなホテルを造っています。約六千万ドルの予算を立てました。モンテビデオという所ですが、そこは南米のスイスのような所です。その国の海岸線は貴重で、世界の富豪が争って購入しようとします。ですから土地を売ってしまうと、国の将来にとって貴重なものがすべて奪われることになるので、法的にすべて規制してしまったのです。誰が買っても「二十五年以上は駄目。二十五年後には返還しなければならない」となっています。しかし、よくよく考えてみると、それでは駄目なのです。それで、私はそれを百年に延長しました。

 法にないことを国会で通過させました。レバレンド・ムーンにホテルを造らせるために法を通過させ、すべて許可が出たのです。百年ぐらいあってこそ何かを成し遂げることができるのです。二十五年では短すぎます。いかなる犠牲があったとしてもレバレンド・ムーンと「統一思想」を受け入れることによって、国が復興するし、南米が生きると考えるのです。

 これからは、先生はアメリカにも行かないつもりです。子供たちがいるので行くには行きますが、何ヵ月か滞在すれば、そのあとは南米を開拓し、アフリカを開拓しなければなりません。私が死ぬ前に世界的な基盤を築かなければ、誰が統一教会の基盤を築くのですか。先生が生きている間に築かなければなりません。霊界に行く前に、統一の一族が世界でどのように歩むべきかというすべてのことを決定しなければなりません。経済問題などすべての基盤を築かなければなりません。それで、「水産事業だ」、「機械工業だ」と、すべて世界的な頂上に向かって駆けているのです。

 来年四月には南米に工場を建てる、という話を聞きましたか。「設計図をすべて作成しなさい」と私が指示してきました。宣教師が二人来たでしょう? ドイツ人が来ましたが、二人はアフリカから来ました。来年の初めには五百万ドルに相当する工場を建てようと思っています。アフリカには後半期に建てようと思っています。

 そして、教育する場所をつくり、部品も作るのです。そして付属品を作って組み立てるのです。ここで組み立てをして送り出します。全く同じドイツ製品を造り、日本製品を造って販売するのです。ですから、費用が安くつくのです。


四 李載錫協会長任命と先輩家庭のソウル総動員

韓国協会長に李載錫牧師を任命(一九八一・九・一)

 一九八一年九月一日、青坡洞の前本部教会で、世界基督教統一神霊協会の維持財団理事長兼協会長の離就任式が全国教区長、機関長、食□等が参席する中で行われた。この日、金榮輝前協会長の後任として李載錫牧師が第五代協会長兼財団理事長に就任した。

 過去の三次七年路程において、金榮輝協会長は家(本部教会)を建てることで十分でした。主人は私だからです。第二回三次七年路程からは、ここにいる協会長が主人とならなければなりません。食口たちを追い立てなければなりません。本部が協助する時代は過ぎ去りました。第一回三次七年路程で、誰が先生を協助しましたか。逆に先生が統一教会を協助したのです。統一教会が私を協助しましたか。(先生が統一教会を協助されました)。今や、統一教会が先生を協助しなければなりません。時代が違うのです。

 そのような立場になったので、今回人事措置もそのようにしたのです。協会長を替えたのも次元が異なるからです。今は、現実的な問題を扱わなければなりません。今まで統一教会自体は蕩減時代でしたが、今は霊的基盤実利時代に入ってきました。霊的基盤蕩減時代ではなく、霊的基盤実利時代、物理的蕩減時代に入ってきたということを知らなければなりません。時代が異なるのです。ゆえに、教会員の数においても、韓国の宗教の中で最高の数を短期間内で確保しなければならない実利時代へと入ってきたのです。

 皆さんは霊的実利の実体となり、物質的基盤は蕩減時代へと入っていくのです。ですから、皆さんが家庭をもてば、経済において苦難の時代へと入っていくのです。そして、霊的な世界においては、実利富強の時代へと入っていくのです。それがいわゆる第二回三次七年路程の出発を中心とした転換点であるということを、はっきり知らなければなりません。今から教会の数において、韓国で記録を破らなければなりません。それで、今後世界で築かれていく経済的分野を消化し、十分に動かし得る国家的非常要員を確保しなければなりません。


全祝福家庭不侵犯通帳作成(一九八一・一〇・一八、中央修練院、七百七十七家庭総会で指示)

 皆さんの夫がお金を稼いでくると、その月給袋はどこに行きますか。不侵犯口座を一つつくるのです。侵犯しない貯金通帳を一つつくって、妻と夫がはんこを押すのです。夫は上に押し、妻は下に押すのです。

 不侵犯貯金通帳です。これにお金をどんどん入れるのです。十年でも二十年でも、一生の間これにお金を貯金してみなさい。お金を入れるだけで、いくら入ったかを計算してもいけません。それは与えるものなので、入れるのみです。いくら入れたのかを計算してはいけないのです。利子がつこうが何がつこうが、そのようなことは考えてもいけません。月末に計算をしてもいけません。ただ入れるのみです。

 ここに車で通っている人がいれば、その人は車には乗らないで歩いて通ってでもガソリン代をその貯金通帳に預金しなさい。お金はそのようにして貯めるのです。使って余ったお金を貯めても貯まりません。使う予定のお金を残すのが、お金を貯める方法だということを知らなければなりません。

 このようにして貯金通帳をつくり、全統一教会の家庭を中心として基金集め運動を大々的に拡大するのです。今後、これがここに帰ってきてなすべきことの重要な方針の一つです。これを通過させる時間が、きょうこの七百七十七家庭総会の席上となったことを感謝します。アーメン。

 皆さんが代表となり、あすからすぐにこれを始めれば、三十六家庭がこれに従い、七十二家庭、百二十四家庭、四百三十家庭すべてが従っていくことでしょう。この運動を韓国で行えば、全世界のすべての家庭がこの運動に従うようになり、そのようになれば、統一家に経済問題で苦労し呻吟する家庭はなくなるだろうという結論を下しても、これは妥当な結論です。アーメン。

 このようにしておけば、今後生活根拠地がつくられ、ここから様々なことが起きるのです。さあ、帰ったらすぐに始めるのです。あしたは何日ですか。きょうは十九日なので二十日、十月二十日です。日が良いです。十月二十日から貯金通帳をいくつつくるのですか。二つつくりなさい。


四百三十家庭以上総動員とソウル開拓(一九八一・一〇・二〇、前本部教会)

 一九八一年十月二十日、青坡洞の前本部教会で挙行されたソウル在住の四百三十家庭以上の祝福家庭集会において、真のお父様はソウル中心の新しい伝道計画を発表され、四百三十家庭以上の全祝福家庭は、再び伝道の一線に立つよう要請された。協会においては、一教会当たりに十名前後(本部教会は百名)ずつ割り当て、十一月一日から人事発令を下した。これにより、ソウルに百七十箇所以上の教会が増え、二百十の教会になった。

 さあ、きょうこの時間をもって、責任者は誰彼を問わずすべて辞表を出すのです。三十六家庭、七十二家庭、百二十四家庭、四百三十家庭は、すべて韓国を代表した核心要員です。彼らを中心として全幹部要員が結集し、強固な天の国の憲法を通過させなければなりません。それに異議のある人は手を挙げてみなさい。さあ、それでは第一幕は終わりましたね。(笑い)異議がないので、もう第一幕は終わったわけです。

 先生が三次七年路程を出発したときは、御飯をどこで食べたでしょうか。すべてのことが蕩減です。服も、ジャンパーを着て三年間講義したことを知っていますか。三年間は、御飯もお膳では食べませんでした。ではお盆で食べたでしょうか。お盆でもありません。ただの板の上に三つ以上のおかずを置かないで食べたことを知っていますか。三年間、誕生日に断食をしたことを知っていますか。意味もなく、したと思いますか。皆さんも、今しなければなりません。

 今日、私は洋服を着ています。今も背広を着ていますが、できるだけネクタイはつけないようにしています。なぜでしょうか。人は、私が多くの人を苦労させていると思っているのです。雨が降ったり風が吹いたりすれば、とめどなく涙を流しながら私は祈祷をするのです。「誤れば罰を受けなければならない。私をまず打て。罪人の中の罪人は私だ」と考えながら祈祷をするのです。

 それゆえに統一教会の教会員は、活動をしながら心から先生を欽慕しているのです。死の場においても、師に敬拝して死んでいく人がいるということを知らなければなりません。むちで打たれ、ののしられても、血を流す場においても、師の福を祈る心情の土台が残っているということを知らなければなりません。負債を負う者は、滅びなければ退いていくのです。間違いありません。皆さんも負債を負わない生活をしなければなりません。

 今から五年ないし七年間、皆さんを苦労させるのです。外国に出ていって活動することができる準備をするために、約三年間は国内で模範的な活動をしなさい。それ以後は、蕩減条件がすべて終わります。三年以内ですべて終わります。「そのようになった人を選び出して世界的な舞台に立てよう」と先生は思っているのです。

 ここにいる人たちは全員天のラッパを吹かせるために使わなければなりません。本格的に行かなければなりません。一九五七年七月二十日(全食口七日断食後、全国百二十箇所に二名ずつ、最初の夏季四十日伝道に派遣した日)に、断食をもって開拓時代を出発した時以上の心情をもって出発しなければなりません。アーメン。

 それから、統一産業に三十六家庭、七十二家庭、百二十四家庭、四百三十家庭が何人くらいいますか。(合計で百家庭を超えます)。その人たちを全員出しなさい。今回は仕方がありません。この人たちには、韓国を代表した摂理史的責任があるので仕方がありません。全員出しなさい。それによって不足した要員は一般社会から補充しなさい。

 それから、一信石材の社長はどこに行きましたか。すべてこの原則どおりにしますね? まずソウルに配置しなさい。ソウルに集まり、部屋を借りるなり何なりしなさい。そして、商売なり何なりしてソウルで基盤を築くのです。四百三十家庭までは、ソウルでしなければなりません。

 協会部署に勤務している人はどれくらいですか。(本部教会に勤務している人は四百三十家庭以上です)。全員七百七十七家庭に替えなさい。すべての機関の要員を七百七十七家庭に入れ替える方法を講じなさい(その後、人事改編をされる)。そして、機関の要員はすべて千八百家庭から補強しなさい。


本格的な家庭教会活動とソウルの教会拡大

 それでは今から宣言します。今まで皆さんが開拓してきた開拓地、あるいは伝道地があります。七〇年代に皆さんが出向いた開拓地がありますが、その開拓地はすべて過ぎ去るのです。今からは、ホーム・チャーチのための開拓地が必要です。七ヵ月間のうち、三ヵ月が残っているので、帰ってから全員本格的にホーム・チャーチを始めるのです。

 民族を連結させるためにこれを行うのです。「ドイツも七ヵ月間活動しなさい」と指示してきました。これを国家的な基盤に連結させ、先生が許したすべての恵沢を世界的な基盤へと連結させ、皆さんがホーム・チャーチ圏内に入ってこなければなりません。そのようにして、各自がこのような原則に該当する蕩減条件を立て、各自が行くことができる特権的資格を付与されることを願ってやみません。それが真の御父母様が韓国に戻ってきて皆さんに許した、最大の贈り物です。

 ホーム・チャーチ思想は、すべての面において世界文化創建の核です。地球星の編成が完成するために必要な思想です。そうすれば、私たちの組織圏内では共産党だろうと強盗の輩だろうとすべて分かるのです。一生涯精誠を込め、全力を注いで努力してきたのですから、どうして分からないことがあるでしょうか。自分のホーム・チャーチ圏内で問題が起きれば、ホーム・チャーチの責任者にとって、それ以上の恥はありません。そこで先祖にならなければなりません。

 早く七ヵ月を終えて戻ってきて、その次にはこの本部教会を拡大しなければなりません。ソウルにおいてホーム・チャーチの編成をして、今後教会を拡大していかなければなりません。それで、ソウルに全部で七十の教会をつくって開拓しなければなりません。今はどれくらいですか。(現在、二十七の教会があります)

 七十二個は、教会の七十二家庭と同じです。七十二個の教会をつくり、七十二家庭のホーム・チャーチの上で三十六家庭が一つにならなければなりません。ですから三十六家庭は、七十二家庭の頂からその所属圏内に入っていくのです。三十六家庭は、一人が二つの教会の責任をもつのです。(指で指して)こちらの教会に行けば、それも管理しなければなりません。そして、兄弟圏のようなものをつくらなければなりません。三十六家庭と七十二家庭はカイン・アベルと同じです。一つにする運動をしなければなりません。

 三十六家庭、七十二家庭、百二十四家庭、四百三十四家庭、合計するといくつですか。(六百六十六です)。六百六十六ですか。これはサタン数ですね。(笑い)ぴったり一致していますね。サタン数の王になりました。私がそれをなしてきたのに、そうなったのをきょう初めて発見しました。(笑い)ここに蘇生が一つ、長成が一つ、完成が一つ、そして先生だけいればすべてできあがります。そのようにして、六百六十六の教会を母体として、相対的に地方にも六百六十六の教会をつくるのです。

 ですから、三十六家庭の指揮下にあり、七十二家庭の指揮下にあって、まず七十二教会を中心として出発するのです。そして、その指揮下に配置された百二十家庭、四百三十家庭は早急に分割して開拓しなければなりません。そのようにすれば、十名ずつになるので、十名ずつに分けなさい。そのようにして、十名ずつの単位を中心としてなせばよいのです。イエス様に十二弟子がいたように、私たちにも使徒がいなければなりません。十名いれば、自立的な教会形態を整えることができます。

 第一発令は、ホーム・チャーチ要員です! (アーメン!)。これは任令状です。ここに参加した人は任令状を受けたと思いなさい。今何時ですか。一時四十分ですね。書き留めなさい。ホーム・チャーチを今から本格的に出発するのです。今までは準備でした。今までホーム・チャーチのために三年かかりました。一九七八年から一九七九年、一九八〇年、一九八一年の三年かかったのです。三年かかって、今はホーム・チャーチが養育段階に入ってきました。これは、それほど簡単ではありません。

 原則は一ヵ月に一名ずつ伝道することです。この原則を先生が発表したので、世界の統一教会員は誰でもそれをしなければなりません。しなければ、霊界にさせてでもするようになっています。それを条件にして連結されてくるのです。皆さんもしなければなりません。

 講義が上手な人は、こみ上げてくる思いで、のどが詰まるほどに講義しなさい。父の国を思って、のどが詰まらなければなりません。胸がいっぱいにならなければなりません。事情の多い復帰の恨を中心として勝利の一日を迎え、勝利の立て札を立てることができなければなりません。この瞬間を迎えて神聖に消化することができる私自身とならなければなりません。

 建物を買ってあげればいいのでしょうが、買ってあげては駄目なのです。骨肉を削り、自分がもっているものをすべて売り払って神様の前に捧げるのです。そのようにすれば、十倍、千倍にして返してくれるのです。神様は絶対に負債を負いません。自分は天に負債を負ってきた人です。負債を山のように負ってきている、ということを知らなければなりません。


地方教会の拡大と家庭教会活動

 地方の組織はどのようにするのかというと、本部でこのような作戦を展開するので、地方もできる限り教会の数を確定して準備しなさい。百二十を編成することができるので、まず十人ずつに分けるのです。教区内に空いている教会がありますね。地方の郡、邑以上はすべて教会を建てたでしょう? それを最初に分けてあげればいいのです。今後は邑単位の作戦よりも市単位の作戦に集中しなければなりません。

 そして、各教区長は道を中心として教育することができる場所を確保しなければなりません。それをしようとすれば、教区本部の横に家を一軒買えばいいのです。家一軒を買うには、いくらあればいいですか。その代金の半分は本部で負担しなさい。教区本部の横にある家を一軒買い、そこを教育場所として活用するのです。

 それで教区本部の修練所も解決です。皆さんが力を入れるべきことは、ホーム・チャーチをしながら二日修練会をすることです。これは公式です。修練方法は、二日修練会、七日修練会、二十一日修練会、四十目修練会があります。統一教会の食口になるためには、七ヵ月以内に四十日修練を完了しなければなりません。

 地方の有力者を糾合するのです。もし、三百六十軒のホーム・チャーチ地域にその地方の有力者がいれば、「教会本部から有名な人がこの地方の有力者に会いに来ます」と言って、有力者たちを集めてごちそうするのです。

 ごちそうするのは協会長がするのではありません。祭祀は誰が準備しなければなりませんか。本部で祭祀の膳を準備するのですか。それとも、その地方で準備するのですか。その地方で祭祀の膳を準備しなければなりません。ここから出向いていく協会長は大祭司長であって、地方の祭司長が準備するのです。

 そのように準備して全体を集めて祝宴を開き、食べたあとは何をするのですか。ホーム・チャーチ後後会をつくって組織編成をするのです。「これは良いことなので、この部落全体を生かすことができる復興運動をしましょう。世界文化創造の先頭、先鋒として、あるいは先進民族として恥ずかしくない訓練をしましょう」と言って、後後会をつくり、ホーム・チャーチの責任者が車に乗ってラッパを吹きならしながら、訪ね歩くのです。有名な人を前に立て、「誰それという有名な方がこの家を訪問します」と言って歩くのです。そのように有名な人を一人、二人、三人、四人連れて歩きなさい。

 その次にはラッパを吹きならし、太鼓をたたきながら大祝宴を開くのです。「十個のホーム・チャーチ区域の三千六百家庭を中心として、牛をほふって祝宴を開こう」と言うのです。このように三百六十家庭でラッパを吹き、太鼓をたたいて楽しんで、「やあ、この運動はいいですよ」と言えば、「ええ、本当にいいですね」と言うようになっているのです。そして「統一教会でしている運動をやりますか、やりませんか」と聞けば、「やります」と言うようになっているのです。このように加入させ、その次には復興会をするのです。そのようにして地方から築いてくるのです。

 アメリカやドイツでも同じです。すべてこのような決定的な活動をするのです。ほかの方法はありません。そのようにして連結するのです。そのようにすれば版図が生じます。

 その次には面の集会です。面の人がどれくらい集まるでしょうか。一〇〇パーセント集まることが可能です。

 そのようにすれば、共産党も残ることができません。そして北進統一しようというのです。


各大陸の巡回師任命

 さあそれで、郭錠煥氏(世界宣教本部長)、巡回師が必要でしょう? (はい)。年の多い人から好きなように選びなさい。何度かやって実情をすべて知れば、今後は二回ずつ変えようと思っています。

 金賛均氏はどこに行きますか。いっそのこと苦労する所に行きなさい。南米にしますか。北米は全域でしているので必要ないでしょう。南米といえば、米国以外のすべてが入ります。中米であれすべて入ります。北米というと、カナダまでが入ります。南米に行って少し苦労するのも良いことです。

 ヨーロッパには誰を行かせますか。ヨーロッパに行くなら英語が上手でなければなりません。柳鍾泳氏、英語が上手ですか。意志表示ができますか。(簡単な説教ならできます)。ヨーロッパをしっかりやらなければいけません。

 それからどこですか。中東とアフリカです。アフリカはフランス語です。英語ができ、日本語もできる人がアフリカに行けば本当にいいのです。これから私は、アフリカに力を注ごうと思っています。金鎮文氏はどこにいますか。アフリカでマラリアにかかったらいいのです。(名誉に思います)。アフリカで一度経験すればいいのです。

 それからどこですか。金官楷氏は中東です。中東は少し難しいですよ。金官楷氏は中東人みたいな顔をしています。(笑い)イスラム教圏内の中東を巡回したときの様々な逸話がたくさんあるでしょう。金秉浩氏に聞いてみたら、おもしろい逸話がたくさんありました。今後、韓国の会社がたくさん進出しますが、友達になったらいいでしょう。一度経験して、今後しっかりやらなければなりません。

 任導淳氏は、金協会長についてドイツに行くのです。ドイツに行って巡回師をさせるか、そうでなければ船を造る所の監督をさせるか考えています。水産会社を一つ買うつもりです。そこに行って何かをしなさい。そうでなければ、「世□に会社を三つつくるので三人が必要です。それで、それを全部監督するか、いずれにしろ協会長についていきなさい。協会長は韓国と行ったり来たりしなければなりません。ですから協会長を補佐しながらやりなさい。金啓煥氏と協力してやるのです。

 そして、オセアニアまでが六大州でしょう? (そこは完全に英語だけ使います)。そこでは英語だけを使えばいいでしょう。それなら安昌成氏が良いでしょう。では、拍手しましょう。(拍手)


三大綱領−伝統・教育・実践

 皆さんが今なすべきことは、皆さん自身が誰よりも伝統を立て、伝統の伝授を受けなければなりません。そして伝統を伝授しなければならない日があるということを知らなければなりません。その次には、教育をするのです。皆さんの時代に実践ができなかったとしても、血気、義憤に燃える青春時代に天の前に忠臣の道理を果たすことができなかった恨を、今日皆さんが祝福を受けたのちに生んだ後孫を通じて解かなければなりません。そのようにして青春時代に成し遂げることができなかったみ旨を、三代をかけて蕩減し解怨しようと考えているので、それに向かってきのうもきょうも、夜も昼も黙々と前進している先生であるということを忘れてはなりません。

 伝統です。それから何ですか。(教育です)。それから何ですか。(実践です)。皆さんは、正しい伝統を受け継いで教育をしなければなりません。ですからリトル・エンジェルス学校も造り、八○年代の科学者大会(科学の統一に関する国際会議)も開催しなさいというのです。外国の人たちと手を結ぶことができる基盤を築きました。それを考えなければなりません。

 その伝統は血の涙の出る伝統ですが、将来は栄光の伝統時代が来るのです。父母が備えておいたその位置に立つことによって、後孫たちは栄光の伝統をもって千代、万代褒めたたえる子供として現れることができます。白分が死ぬ前に、この目に土がかぶせられる前に、迫り来る驚くべき時代を前にして生きている私たちは、価値ある生涯を喪失する悲痛な歴史を残す群れになってはいけません。この時を知り、天の国と後世に、万国が頭を下げて賛美することができる伝統を残す皆さんとなることを天も望み、先生も願うのです。これをはっきりと知らなければなりません。

 統一教会は世界主義です。世界主義というと民族主義、国粋主義、偏向主義的なものを破壊し、否定するものですが、統一教会はそれらを吸収しようというのです。ある学者は、「いやあ、統一教会の主義は世界主義だ。素晴らしい。家庭にも通じ、社会にも通じる。社会発展論理、国家発展論理に通じる内容をもち、愛の道理を主唱しているのを見ると、実に素晴らしい」と言っています。統一教会の教会員は、そのような意味で私を尊敬しています。世の中がいくら邪悪で不浄であっても、師の教えを行うどころには道があります。

 そのような原則から、私は、今回来るや否や統一教会の数千家庭に会社も何もすべてストップさせて、「国に危機が追っている時なので、君たちの家庭を犠牲にして国を救うことができる求道の道を訪ね求めていかなければならない」と言いました。ここに異議はありません。国権は世界の運勢圏内で支配されるべき立場にあるため、世界に滅びの運命が宿るようになるときには、世界の統一教会の教会員たちがこれを防御し、全体の未来の天宙的運勢が通じる道を築くために、犠牲を覚悟してでもこの道を自ら進んでいかなければなりません。これが統一教会の骨髄です。


五 ニューヨーク地方裁判所脱税容疑裁判と国際少数民族協会の結成

脱税容疑の虚構と真実

 今、アメリカの国務省では、脱税だの何だのと言っていますが、これは盗賊のような者たちのすることです。これは間違いなく、どこにもっていって引っ掛けようとしてもできないものです。それなのに、狂った奇怪な行動をとっているのです。外国から入ってきたお金は、領収証がすべてそろっているのに、それを「私のものだ」と言って自分のポケットに入れることができますか。また、私が使ったのならばいざ知らず、すべて教会のために使っているのです。教会のものがないので、私の名前で預けておくしかなかったのです。そうかといって、預金しておいたお金から出た利子を私が使ったりしますか。すべて公的に使ったのでしょう。それを無理やりに個人の資産だといって攻撃してきたのです。

 私は五年間、国税庁の調査を受けました。「お金をすべてこっそりほかへ移した」と言っていますが、私は一銭も使いませんでした。彼らは、外部に数千万ドルのお金を使ったと思ってびっくりしたのですが、調査してみればその事実はありません。新聞社、言論機関などでは、いまだに誰もそのような話はしていません。皆さん、私がどれくらい悔しく、無念な目に遭っているかという事実を知らなければなりません。

 米国務省は私のことを知っているのです。そして「あの化け物のようなやつ、このままにしておくと、何年もしないでアメリカを食い尽くしてしまう。何とかして追放しなければならない。しかし、いくら探しても引っ掛けるものがないので、新聞紙上で名誉を汚してやろう」と考えたのです。そのように、「レバレンド・ムーンには罪はないが、記事にすれば、韓国に行ったら間違いなく戻ってこないだろう」と考えていたところに、なんと「韓国に行った」といううわさを聞いたのです。ですから、「よし、もう自分たちの計画どおりになった」と考えたのです。そのようなことを考えていることを私が知らないとでも思いますか。それで、その前日に登場して、「この者たち!」と激しく攻撃するのです。

 今まで私は、外国から入ってきた八千万ドル以上のお金をアメリカのために投入しました。そのお金を世界の百ヵ国以上の国に思いのままに預金できる権限があるにもかかわらず、そのようにしてアメリカに投資してきた人が、十二万ドルをどうしたというのですか。私の財布につっこんでくれても、ほうり投げてしまいます。アメリカのお金は汚いのです。話にもならないことを言うなというのです。それを反駁してしまうのです。その闘いをするために行かなければなりません。

 監獄に入っても私は闘ってきましたが、アメリカの監獄は紳士が行って休養する保養所のようなものです。(笑い)私は監獄に入っていっても仕事を続けるのです。私を捕まえて入れてみなさい。捕まえて入れれば、私は発表するのです。アメリカ行政府の非行に関する資料をすべてもっています。


裁判前の無罪デモ集会(一九八一・一〇・二二、フォーリー・スクエア広場、五千名)

 一九八一年十月二十二日、真のお父様は、ニューヨーク連邦裁判所マンハッタン支所に出頭、いわゆる脱税容疑に対する裁判で無罪を主張された。裁判が終わったのち、五千名以上の大衆がフォーリー・スクエア広場に集まる中で、真のお父様は、脱税容疑は冤罪であり、このような起訴は宗教的、人種的偏見から引き起こされたものだということを宣言された。

 私はソウルでこの知らせを聞くや否や、すべてのことをほうり投げてすぐにニューヨークに戻り、きょうこの歴史的な裁判に臨みました。皆さん、私は無罪です。私は何の過ちも犯していません。私は何も隠すものがありません! 私の生涯は公的生涯の路程でした。私は裁判を恐れていないだけでなく、むしろこれを歓迎しています。なぜならば、この司法手続きを通じて、正義は勝ち、真実がはっきりし、さらには米国政府の不当な迫害のために苦労している世界の数百万の信徒たちに、最後には勝利の日をもたらしてくれるはずだからです。

 私は、米国の司法制度に対して深い尊敬と信頼をもっています。私はまた、この事件を扱う判事と陪審員たちに対して信頼しています。アメリカはそれでも全世界の正義を具現するのに最も良い国です。私は、私を裁判にかけた者たちと正面から対決します。私には良心の呵責がありません。神様が私の盾であられ、私の証言者であられます。しかし、もし罪を犯したのが私ではなく、反対に私を糾弾している怨讐だということを神様が発見されるとき、私は彼らを許すつもりです。

 私はアメリカの言論の自由に対して尊敬と信頼をもっています。アメリカの言論は、公正な真実を世界の前に伝達するはずです。アメリカの言論を欺く者は誰もいません。アメリカの言論は、今日のこの起訴がどれくらい根拠のないものであるかを発見することでしょう。

 数年前、私がアメリカに初めて訪れたとき、私はにぎやかで華やかなニューヨークの五番街に立ち、熱い涙を流したことがあります。私は、かつてこの国の開国の先祖たちが死地をさまよいながら大西洋を渡ってこの国に上陸し、最初にこの地を神様に捧げたアメリカの建国精神に思いを巡らしてみました。私は、その偉大な建国精神を忘れ、退廃的風潮に巻き込まれていくアメリカを見て涙を流したのです。

 正にその日、私は、この堕落していくアメリカを何としてでも立ち直らせることを心の奥深くで堅く決意しました。神様はあまりにもよく御存じです。それから幾星霜、私は寝ても覚めても私の血と汗と霊魂をこの偉大なアメリカ精神の復活のために注いできました。

 しかし、今日、私はアメリカの告訴を受け、法廷に出頭しました。私は私のすべてをアメリカに捧げた人です。私はアメリカから何も持ち出してはいません。私は、ただの一銭も間違って使ったことがありません。キリストの伝統を受け継いで私は、他人のために生きる犠牲的人生の道を教えました。今日私は、政府の迫害と人種差別と宗教的偏見という恐るべき敵を前にして闘争することを宣布するために来ました。私は、宗教の自由と、少数民族の権利と、抑圧を受けている民衆の権利を取り戻すために、最後の一瞬まで闘うことを宣言します。そして、私たちは団結しましょう。団結して勝利しなければなりません。

 きょうは、弱小民族の新しい日であり、新しい闘争の出発日です。私は、この日から少数民族の連合会を創設するつもりです。神様! 感動、感化され、私の闘志と私たちの信念が新しい世界の灯台となるようにしてください!


国際少数民族協会結成(一九八一・一二・一八)

 アメリカで指示したものは、弱小民族協会を結成しなさいということです。それは既に編成されています。弱小民族は、先生についてくるようになっています。黒人世界においては、私が一言発すれば、英雄の言葉として受け入れるようになっています。しがない文なにがしですが、私の言葉であれば、黒人たちも動こうとするのです。

 この弱小民族協会にはドイツ人も入ることができるし、すべて入ることができます。ヨーロッパも入れることができます。また、アメリカを中心として上下両院議員たちを新たに育てなくてはならず、そして、将来は大統領までも神様が望まれる人に替えなければ、アメリカは滅びます。アメリカが滅びれば自由世界も滅びます。今からこれをしようと思います。それをしたのちには何をするのでしょうか。前首相協会、前首相だけでなく現首相もすべて集めるのです。その協会をつくって何をするのでしょうか。弱小民族協会で顧問として仕事をさせるのです。アメリカに行って講演をするのです。

 アメリカの人種問題、アメリカがそのもめごとの中心本部です。エイブラハム・リンカーンが奴隷解放を中心に南北戦争を起こし、百年の歴史が過ぎましたが、人種問題は現在も手が付けられないのです。そのような時局に私が出ていき、近ごろは黒人の親方になったのです。

 マーティン・ルーサー・キングの後継者たちが私の話を間いて「黒人はすべて一つになろう」と言って先頭に立ちました。黒人が私の仲間になりました。それは、そうならざるを得ないのです。白人たちが反対するので、黒人たちが擁護しなければならないでしょう。それからスペイン系、その次にはアジア系です。アジア系の人々も異国の地に来て、弱小民族だといって白人から僕扱いをされ、蔑視されて憤っているのです。


六 協会の歴史編纂委員会の創立(一九八一・一一・一)

心情の歴史観

 一九八一年十月二十日、真のお父様は、協会(注:主に韓国統一教会)内の教会歴史編纂および統一教会に関連するすべての資料の収集、保管、編纂の責任を担う歴史編纂委員会の設置を指示され、協会では、同年十一月一日。に歴史編纂委員会を発足させた。委員長に李載錫協会長を推戴し、柳光烈前協会文化部長を編纂室長に任命した。

 歴史は何をもって形成されていくのでしょうか。伝統によって形成されていくということを、はっきりと知らなければなりません。ですから、生活と伝統が絶対に必要です。ほかの何よりも、どのような伝統を受け継ぐかということが問題です。生活文化と伝統歴史、それは何千年前のアダムであっても、何万年後の後孫であっても同じです。

 それでは、その伝統的中心思想とは何でしょうか。それは神様の心情をもった天の国の愛です。それがこの伝統歴史の骨髄です。それゆえに、摂理歴史をつかんで引っ張れば何が引き出されるかというと、伝統が引き出され、生活文化の背景が引き出されるのです。

 ところで、その中心が何かというと心情問題です。心情の中心である骨髄に向かって地上から永遠の霊界まで連結されるのです。このような形態が霊界にも連結されるのです。

 今まで統一教会がしてきたことは、神様が御覧になる時にすべて功績とならざるを得ません。このような伝統と功績を積み上げてくるまで、先生は生涯を捧げて闘争してきました。先生の過去を調べてみれば、恨多き歴史の峠道を経るために、いかに感情のない人でも痛哭せざるを得ない悲しい事情がたくさんあります。このような悲しい歴史をもったまま勝利を誓って歩んできたのです。

 したがって、統一教会の歴史やレバレンド・ムーンを知ろうとすれば、涙なくしては知ることができません。涙を流した人だけが知ることができるのです。なぜ、このような道を私が選んだのでしょうか。これは、天が喜ぶものだからです。これは天に行く二重の近道なのです。

 それで、統一教会は心情の歴史観を示しています。心情とは何の心情でしょうか。天情を起源とした心情のことをいうのです。目に見えない天倫の心情を基盤として歴史が流れているということを知らなければ、世界的な歴史家にはなれません。歴史は、目に見えない心情的な何か、すなわち大天宙を創造した心情的な理念のもとで流れてきています。はっきりした目的のもとに動いてきているという事実を否定することはできません。

 統一教会員であれば、統一教会の歴史を知らなければなりません。そのためには先生の過去を知らなければなりません。先生の過去と掛け離れた人は、いくら自らが統一信徒だと自負しても統一信徒ではありません。統一信徒は、統一教会を中心としなければ過去がないのと同じです。その過去を受け継いでこそ現在が成立するのです。現在というものは、過去の継承であると見ることができます。現在は過去から来て、未来は現在から出ていくものです。過去と現在と未来は一直線で出合わなければなりません。

 ですから「原理」に添付されるべきものは、先生の歴史の入った統一教会の歴史です。

 このような観点で、私たちの教会には、後孫のために残してあげる様々な歴史的な文献を整理すべき問題が残っています。このような視点から考えるとき、今まで私たちが築き、鍛錬してきたすべてのものが過去の成果として終わるのではなく、未来の動機となり、出発の起源とならなければなりませ柳゜


歴史編纂委員会のすべきこと

 協会長が今まで歴史編纂委員会をつくってきましたが、先生のみ言集を作るのも、自分たちがしなければなりません。後孫のために作るのです。自分たちの国をつくらなければなりません。そのようなところに関心をもって急いでするのです。

 私がそれをして輝かしいことがありますか。子供が子供としての本分を果たせないので、それをしているということを知らなければなりません。火事になってすべて燃えてしまっていたら、どうなっていたでしょう。後代において、統一教会を研究する学者、博士がどれほど苦労するでしょうか。ありとあらゆる妖しいものが出てくるのです。歴史を考えなければなりません。

 監督しながら、先生が講演したすべてのものをシリーズで早く編成しておかなければなりません。み言もそうであり、歴史編纂もそうです。一九五七年度に伝道に出掛けていった時の所感文のようなものはすべて書籍にして記録しておかなければなりません。特定事項のようなものもそうです。資料が多いものはすべて整理しなければなりません。一次整備、二次整備、三次整備をして、博物館に積んでおかなければなりません。

 早ければ早いほど良いのです。アメリカで話したものまで、すべて連結させ、合同して編纂できるように計画しなさい。後代の学者たちが研究するにしても、誰々が編纂したというその編纂集に権威がなければなりません。私がこの世を去る前に、「歴史的な資料として信憑性がある」と、それにサインしておけば、後代のすべての学者たちの争いはありません。それを整理しておいてから行かなければなりません。

 今後、先生についての研究がすべて終われば、その次には三十六家庭の活動記が出てきます。七十二家庭の活動記が出てきます。それをすべて掘り下げていくのです。そこに自分の後孫がいれば、後孫を中心として、それを大書特筆して先生よりももっと重要視して宣伝するのです。そのような問題が起きます。そのような時には、思いも寄らない所から、ありとあらゆる事件が起きます。そのようなことをすべて防止することができるように、本部として、各自のすべての個体の歴史記録を残さなければなりません。そこまで考えなければなりません。七十二家庭、百二十四家庭までは、完全にしておかなければなりません。

 そして、事業もすべて入れなければなりません。なぜこのようなことをするのかということがすべて事業編として入らなければなりません。これは、あとですべて入らなければならないのです。今までに私は、既に何巻の本にもなるくらい話をしました。既に英文で翻訳してヨーロッパでも配られています。何としてでも調べ回って資料を糾合したりしなければならないのです。

 このようにして作ったものを私がすべて見てチェックしなければならないのです。大衆に語るときは、原稿を書かないで話すので、甲という人に対してこのように語り、乙という人に対してこのように語り、行ったり来たりしながら話すので、一度見ただけでは複雑で理解することが難しいのです。それを整理しなければなりません。最近は、翻訳をするたびに組織を組んでするので簡単でしょう。

 昔、心霊復興会というものをしたとき、話が行ったり来たりするのです。一人、二人の人をぱっと見て、心理状態を見ながら集中攻撃の役事をするのです。ですから、話が行ったり来たりするのです。文学系の人が見れば、文章が行ったり来たりしているのです。それは仕方がありません。それは詩的な感情をもって読まなければなりません。霊的な現象世界は、文学表現をもってしてはついていくことができません。

 そして、お母様がなしたことを特別に記録しておかなければなりません。お母様がなしたことについての資料がありません。先生については、今までなしてきたことに対する世界的な資料が山のようにあり、多すぎて心配ですが、お母様は資料がないので、それをよく編纂しておかなければなりません。今後一つの伝統理想を立てるためには、必ず家庭を中心として、氏族、民族、国家まで行き、国家を代表した男性と女性を中心として歴史を編纂しなければならないのですが、今までは女性の伝統に関する内容がないのです。

 今は、統一教会だけが行く時代は過ぎ去りました。民族を代表し、思想界を代表し、知性人を代表し、すべてを代表して行かなければなりません。そのような関係をまとめ、今後の新しい文化世界創建のための伝統的資料をどのように設定するかということは、先生に侍って生きる側近者たちが重要視しなければならない中心問題です。

 ですから、今後歴史編纂委員会においてもそれを知らなければなりません。私たちの行事において、重要なものを一級、二級、三級、四緑とはっきり定め、これを全面的に歴史の伝統的資料として残さなければなりません。そうしなければ私たちの歴史的伝統がなくなるのです。み旨は、統一教会だけで動かすことができるものではありません。統一教会を中心として、国家とアジアと全世界に影響を及ぼす伝統内容を編纂していかなければなりません。

 そのようにすれば、将来統一教会を調べる人がいれば、すぐにここに当たるのです。すぐにこの文献に対して歴史的伝統を追求するのです。また、その追求する内容は膨大なものです。自分たちのある二国家、二団体ではなく、世界的団体が、世界的国家が入っているのであり、自分たち一宗教団体ではなく、数多くの宗教団体が総合して入っているという事実を見るとき、このようなものを見て、若者たちは興奮しないではいられません。それで資料が必要なのです。

 先生の生涯については言いません。世界的真理については教えてあげるのですが、先生については話をしないのです。もともと、私の子供たちに教えてあげるものです。その歴史は、ほかの人が解くのではなく、私の息子、娘が解かなければなりません。

 私が歴史を書くのではなく、私の息子、娘が書かなければなりません。私が霊界に行けば、数多くの後代の人々は誰に聞くのですか。私の息子、娘に尋ねてみるはずです。その時は、神聖な質問の前に神聖に答えなければならないのです。すべての歴史は傷があってはなりません。


史料伝承の責任

 国を愛するためにおなかがすくのを我慢し、国を愛するために困難に耐えなければなりません。このような愛国思想をいくらでも記録しておけば、皆さんの後世の息子、娘の教材としてつくってあげることができるのです。それを考えてみましたか。そのような内容がありますか。そのようなことをしておかなければなりません。それは、将来千万金をあげても買えない材料、財産になるのです。

 先生が一生涯においてこのようなことをしていくのは、すべて歴史的材料になるためです。私が日記を書かなくても、皆さんがしたことは、先生がしたことであると同時に、それは皆さんが身代わりしたものであり、世界が身代わりしたものなので、歴史に記録しなければならないようになっています。先生がそうであるとしても、皆さんは、皆さんの血族を中心として記録を残すことができる何かをもたなければならないのではないかというのです。

 皆さんは、先生が過去にこれこれこのようにしたと言えば、骨が溶け、涙がすっと出たりするでしょう? そのような因縁があるので、関係もない他人同士が集まっても感動を受け、新しい理想をこのように広げてみようとするのです。自分の血縁、父母兄弟になった立場で感動を受けて決意すれば、どれほど強いでしょうか。

 統一教会はこのままでは終わりません。統一教会が世界を席巻するようになる時には、皆さんが歴史について語らなければなりません。材料が必要です。ですから、日記帳一つでも残しておかなければなりません。皆さんが天の国を愛していながら疲れて落ちたとしても、後孫たちがその本(日記帳)をつかんで涙を流すことができるようにしようというのです。「おい、誰それや! 私はこのような心をもって歩んできたが、その途中で何ヵ月か活動することができずに、人生において汚点を残した。ゆえに、所期の目的をお前の代で成し遂げるためにこの日記を残す。だから、この日記を読んで、父の精神を受け継ぎ、国を救うことができる天国の精兵になってくれ」という訓辞として、形見でも残してあげるためにこれをするのです。

 寝ても覚めても材料を収集しなければなりません。統一教会は、そこから特殊なものを抜き出して、今後、世界的な役事の教育材料としなければなりません。


七 ソウルでの「科学の統一に関する国際会議」と国際平和高速道路の建設提唱

第十回「科学の統一に関する国際会議」(一九八一・二・九〜一三、ソウル、ロッテ・
ホテル、世宗文化会館、百九力国、八百五十七名、主題:絶対価値と新しい世界の創造)


 第十回「科学の統一に関する国際会議」が、百九力国から八百五十七名の学者たちが参加する中で、十一月九日から十三日まで、ソウルのロッテ・ホテル、プレジデント・ホテル、朝鮮ホテル、世宗文化会館等で開催された。この大会の開会式で、真のお父様は「絶対価値の探究と新しい世界の創造」という主題の基調演説をされた。

 尊敬する議長、議長団、著名教授の皆さんと紳士淑女の皆さん。第十回「科学の統一に関する国際会議」に参加されるために、韓国まで来られたことに対して深甚なる謝意を表する次第です。

 世界文明の方向は、世界を一周しながら発展していきます。すなわちエジプトの大陸文明、ローマとギリシャの半島文明、イギリスの島嶼文明、アメリカの大陸文明へと進み、再び文明は西進して太平洋を越えて日本の島嶼文明に、そしてついには韓半島文明に集結しようとアジアヘと連結しているのです。ここで結束した文化は、高次元的文化として新世界を創造していくことでしょう。

 韓国人は、正義感が強く、宗教的でありながら、極めて有能であり、多方面に能力を発揮しています。一つのことに詰まると、大胆に勇気をもってすぐにほかの所に方向を転じることができる適応能力があります。これらは正に韓国人の優れた特徴であると見ることができます。

 私はこのような韓国民族の中で生まれ、統一教会はこのような背景から発展してきました。私たちはこのような歴史的な結実として、黄色人種を中心として上下階層の人々を融合一体化させる世界的な使命を果たさなければならないと信じています。統一教会は、このような目的を十分に満足させる十分な宗教的内容を具備しています。

 今日の世界情勢を本当に理解しようとすれば、神様の摂理のある韓国の事情を理解しなければなりません。なぜならば、韓国にはそれ自体の内に、世界のすべてのものが縮小して存在しているからです。

 例を挙げれば、現世界の主要思潮である民主主義と共産主義をはじめとして、キリスト教、仏教、儒教、子スラム教など、四大宗教がすべて存在し、高い水準をなしています。東西文化の接点であると同時に、四大強国の政治勢力がここを中心としてぶつかり合っています。すべてのものが韓国の中に象徴的に存在しています。韓国は、必然的にこれらすべてを融合するという神様の摂理的運命を担っています。

 結論的に、韓国は統一運動を中心とした四つの大きな課題を克服しなければなりません。まず第一に、超教派運動による宗教の統一です。第二に、勝共運動を通じた唯物共産主義の克服による思想的統一です。第三に、東西文化を融合した新しい生活様式による文化の統一であり、第四に、新しい理念による経済の統一です。

 統一運動は、絶対価値である神様の愛で、万民を父母兄弟以上に愛することによって、統一世界を形成して地上天国を実現することでしょう。ここに神様と人類が願う新しい世界の創造が完成することでしょう。神様の愛によってのみ真の勝利があり、真の平和と幸福が永遠にあるのです。

 もし韓国が統一教会と共に一つの役割を担当するならば、日本とドイツ、そしてアメリカの技術を中国に連結して対ソ防衛を強化し、第三世界圏に最高の技術を連結させ、平和世界へと向かっていくことでしょう。

 これら多くの国が韓国を仲介として、相互に連結することが様々な面で有益だということを理解することでしょう。このようにしてアジアの三国の経済的連合が形成できると同時に、アメリカとドイツも同時に連結されるので、ソ連の共産主義の脅威を防止するだけでなく、勝利の道が築かれると考えるのです。

 以上の結論として、最後に私が提示したい一つの提案があります。それは、中国から韓国を通って日本に至るアジア圏の大ハイウェイを建設し、全世界に通じる自由圏大ハイウェイを建設することです。

 私たちは、ここアジアを起点として、絶対価値である神様の愛を中心として現実的統一経済圏を実現し、東西の新文明を結合して新しい世界の平和を具現しようと思うのです。

 このように西洋文明が東洋文明と結合して新しい太平洋文明を迎えようとする文明の移動期において、記念すべき韓国における「科学の統一に関する国際会議」に参加された百数ヵ国の著名人士の皆さんの洞察と理解と具体的協助があることを願ってやみません。


国際平和ハイウェイの建設提唱(一九八一・二・一〇、ソウル、世宗文化会館)

 一九八一年十一月十日、ソウルの世宗文化会館で、百九力国、八百五十七名の学者たちが参加する中で開催された第十回「科学の統一に関する国際会議」(十三日閉会)の開会式で、真のお父様は、日本と韓国と中国大陸を経て南アジア、中東、ヨーロッパを経由、ソ連まで連結することを一次案として始める「インターナショナル・ハイウェイ」の建設を提案された。

 私はこの場で「人類は一つの家族、一つの兄弟」という大命題のもと、このような理想を実践に移す一環として、東西諸国を連結するインターナショナル・ハイウェイの建設を提案する次第です。

 日本と韓国と中国大陸を経て南アジア、中東、ヨーロッパを経由し、ソ連まで連結することを一次案として始め、全世界の国家と、国家間の陸地と海底を一直線に貫通させるのです。そして、ハイウェイの中央部には、ニューマティック・チューブ・システム(pneumatic tube system)、六百キロ(Km/h)を設置して貨物輸送を担当させ、大都市ではエア・ポートも兼ねる一方、インター・チェンジの一端には出入国管理事務所をおいて、ノービザ(no visa)で簡単で迅速な出入国制度を実施するのです。

 ハイウェイの左右両側には、各々一キロ以上の中立緩衝地帯を設置して国境を超越した地帯として設定し、超高速乗用車(二百五十キロ(Km/h)、および観光バス利用者のための休養地を造成して、「超高速化」による一つの世界をつくる地上天国案を提唱する次第です。

 このような試案は、将来の理想世界を一日でも早く、短縮して実現しようとする具体的な法案の一部であり、科学者たちもまた、これを通じて全人類の幸福と世界の平和のために貢献することにより、世界を一日生活圏に束ね、新しい文化世界を創建するところにその意義と目的があります。

 これにより、将来の世界は、新しい国際経済機構および秩序の誕生で、飛躍的な経済発展が可能となり、人類は豊かな経済生活による時間的余裕をレジャーに利用することができます。これを通して人類は、大自然を利用し、学び、その中で神様に感謝し、人種と国籍を超越してお互いに愛し、「ため」に生き、真の生を楽しむ理想世界が必ず来るだろうと私は確信しています。

 このような世界こそ、神様が願われている世界であり、「統一原理」の理念と一致した世界であり、人類が念願する理想世界なのです。


参加国に提案書発送と建設準備委員会の発足(一九八一二・一〇、日本・東京、帝国ホテル)

 「インターナショナル・ハイウェイ建設準備委員会」が一九八一年十二月十日、日本の東京にある帝国ホテルの四〇五号室で、日本の国際勝共連合の梶栗玄太郎理事長、厳徳紋社長、小山田秀生日本教会副会長、松山貢三幸世建設社長など、合わせて十人が集まる中、祈りを捧げ、ハイウェイ建設の趣旨を吟味し、発足式をもった。

 今回先生が提案したことを世界科学者大会(科学の統一に関する国際会議)で決議文として採択しました。それはうそではありません。彼らが決議文を採択することは簡単だと思いますか。大韓民国において、名もない野党の一議員が提案したことを国会で満場一致で通過させたようなものです。これは、それよりももっととてつもない問題です。そのようなとてつもないことが事実として、全世界に広がっています。

 また、百八十名の学者が連結して、先生と統一教会に関する本を五冊も出版しました。これはうそではなく事実です。世界の碩学はもちろんのこと、大韓民国の碩学がみな、文先生を支持し、ラッパを吹き鳴らして踊りを踊っているのです。

 今回先生がした基調演説を、夫人たちまで含めて千百名もの人々がみな、決議文として採択したという事実を考えてみてください。それは、一朝一夕でなされたものではありません。十年の歳月がかかりました。もしこれを三年ほどしてやめたり、五年ほどしてやめたりしていれば、どのようなことになっていたでしょうか。統一教会の教会員に聞いてみれば、最近になって初めて「あー、それは途中でやめてはいけません」と誰もが答えるでしょうが、昔であれば半数以上が「やめたほうがいいでしょう」と答えたのです。

 真の愛というものは、時間を超越しなければなりません。歴史を超越しなければなりません。それで、何をするのでしょうか。神様を知り、神様に帰っていくのです。

 発表するとき、私は郭錠煥氏に「発表文を全世界の首相に、また多くの有名な大学総長に発送しなさい」と言いました。これに対して悪口を言い、勝手にけなしたりひやかしてもかまいません。私はそれでもやるのです。そうしてすべて送ったのです。

 その時、各国から約八百名の教授がここに集まってきていたのですが、彼らは帰るや否や悪口を浴びせられるようになっているのです。帰るや否や反対を受けるようになっているのです。首相官邸で、大学の総長から、あるいは教職員会議で問題となり「今回、アカデミー会議だか何の会議だか知らないが、そこに行ってきたあなた方、そのようなことをして。報告書を見たが何ということだ。げんこつでも食らえ」と言われるようになっているのです。しかし歴史的な事情を忘れてはなりません。「アカデミーの会員は気をしっかりもって、その時悔しく無念に思ったことを忘れてはならない」と、いちいち話して聞かせたのです。

 責任を担った人は、空言を言うことはできません。出発するや否や、日本で指示をして、その時からお金を集めるための準備をしました。日本のお金で六十億円を要するのです。すなわち、その時から五年間、ひと月に一位円ずつ着手するのです。これを始めないで何年もほったらかしておけば、それはすべてほら吹きの狂った者がしたものとして流れていってしまうのです。

 しかし、私が計画したとおりに、お金を投資しました。経済大国だという日本の国民でも、この事実を現実ではないと言っているのです。今に見ていなさい! 初めはあざ笑ったでしょう?しかし二年、三年前から、毎年大会をするたびにどんどん人でいっぱいになっているのです。今すれば、何千名集まるか分かりません。今は、どうでもいい人は集めないで、賢い人だけ何百名か集めなさいというのです。

 レバレンド・ムーンがその背後に対して実質的な投資をし、経費を使いながら日韓トンネル・プロジェクトを終える段階に入ってきたので、これを事実ではないと否定することはできません。ですから、十大財閥があとから入ってくるのです。


八 キリスト教の教授と学生を中心とした活動開始

「国際クリスチャン教授協会」(ICPA)創立(一九八一・三・二八)

 一九八一年三月二十八日、ロッテ・ホテルのエメラルド・ルームにおいて、国内外のクリスチャン教授の親交、対話、協力と学術交流のための「国際クリスチャン教授協会」の創立総会が開催された。この日、会長には張秉琳ソウル大教授が選出された。

 教授が集まれば、共産主義理論を批判し、代案を提示して教育しなければなりません。それで、私は一九八一年三月にクリスチャン教授協会を創立しました。アメリカで科学者大会(科学の統一に関する国際会議)を終えたのち、「クリスチャン教授協会をつくりなさい」と言いました。

 昨年から計画したことは何かというと、国際クリスチャン教授協会です。昨年の十一月からでしょう? それは尹博士に命じたのですが、とても長くかかりました。

 ハワイに行くとハナオネですか。(ハナオネです)。そこに行って服を脱いでぱっと入っていけば、海に住んでいる様々な種類の魚がぞろぞろ寄ってきて突っつくのです。餌をくれということです。尹博士は、それがとてもおもしろいのか、息が出ていくパイプのついたもの(シュノーケル)をかぶり、昼食も食べないで一日中海に顔をつけているのです。(笑い)

 その時、私が指令を下したのです。「尹博士、そのようなことも良いのですが、今は私たちが大韓民国を生かさなければならない時です。そのためにクリスチャン学生連合会をつくり、クリスチャン教授連合会をつくって太鼓をたたくのです。既成教会は私に反対しますが、その怨讐たちをすべて救ってあげなければなりません。自信がありますか」と聞きました。すると、「はい、やってみましょう」と答えたのです。

「やりなさい」と言って来てみると、ぼーっ、としていて何の音さたもないのです。(笑い)キリスト教を生かそうと言っているのに……。もし私であれば、夜も寝ないで行ったり来たりしながら尋ねたり報告したりして動いているでしょうに。それで、仕方なく私がすべてつくってあげました。

 私たちの出発の動機は何ですか。韓国を救おうということです。そこには、おじいさんも加担し、二十年になる統一教会の長老も加担し、また若い人もすべて連合しなければなりません。批判しようとはしないで、囲いをつくって引っ張っていくことができる協力者をたくさんつくらなければなりません。それが韓国のためになると思うので、今まで私がそのようにしてきたのです。


「国際クリスチャン学生協会」(ICSA)創立と
全国組織活動(一九八一・二・一四、韓国日報十二階講堂、二百数名)


 一九八一年十一月十四日、韓国日報の十二階講堂において、二百名以上の学生たちが参加する中で、「国際キリスト教学生協会」が創立された。同協会は、キリスト教学生会の一致、社会奉仕、国際キリスト教学生との交流等を目的として設立された。

 先日、「国際クリスチャン学生協会」の発起大会をしたでしょう? 二百五十名で四十六の大学に組織編成することができる基盤を築いたのです。現在の雰囲気を絶対に失ってしまってはなりません。そうでなくてもキリスト教がいろいろと反対しようとしているのです。

 現在、総合大学はいくつありますか。四十大学とすれば、一大学に平均五名ずつ配置しなさい。クリスチャンの教授がいれば、そのクリスチャンの教授を中心として、その四名なら四名、五名なら五名の教授を担当するのです。科なら科、学部なら学部には、責任担当教授がいるのです。

 一年生、二年生、三年生、四年生の担当というようになっているのです。ですから、自分の直属下にいる半分だけでも何十名にもなるのです。ですから、一人の教授が五名、十名抱き込むことは、問題ではありません。

 クリスチャンの教授と集会をもちましたが、賛美歌を歌って祈祷すれば、彼らは「アーメン」と言って共に泣くのです。血が通じるのです。教授アカデミーの会員がいくら集まって泣いたり叫んだりしても、血が通じないのですが、クリスチャンの教授と共に賛美歌を歌い、祈祷すれば、血が通じるのです。このような人が五名いればいつでも組織編成できるのです。責任教授が一人いれば、クリスチャン学生会は一遍に組織できるのです。五名がクリスチャン学生会を組織すれば、この教授に「CARP(原理研究会)の責任も兼ねてください」と言えば、「分かった」と言うようになっているのです。問題ありません。

 それから何をするかというと、クリスチャンの教授を走らせるのです。例えば、昼も夜もその教授が学校で講義をするようになれば、アカ号ミー教授たちが困るようになっているのです。「自分たちが最初にこれを始め、風土をつくったのに、あちらが先に駆け回っている」となるのです。そのようになれば、火がつくようになっているのです。ですから自動的に、後援しなかったり反対することができないようになるのです。反対することはできません。間違いなく一〇〇パーセント後援せざるを得ないようになっています。

 そうでなくてもアカデミー教授は反対を受け、追われ、不自由な思いをしているのですから、同志の教授が学校に看板を掲げ、学生会の責任教授として駆け回って問題を起こせば、気分が良くなり後援するようになっているのです。ですから、教授世界に歓迎される環境になるのです。今からは、アカデミーの教授を増やしていきなさい。二千名ぐらいに増やさなければなりません。増やしてみれば、その中にもクリスチャンの教授がたくさんいるのです。

 そして、終日走るのです。走るときは、独りで走るのではありません。自分のクラスの学生たちを前にして、原理講義など教理の講義をする必要もありません。時期を見て「みんな! きょう私が五名の教授を呼ぶから、クリスチャンの学生たちは集まりなさい」と言うのです。


クリスチャンの教授、学生を中心とした活動

 今回、統一教会をある程度知っている人たちは、完全にみな乗り越えました。既成教会の話を聞き、官の話を聞き、誰かの話を聞いてきたのを、今は理論的に完全に乗り越えました。今回の科学者大会(科学の統一に関する国際会議)によってこのような転換の風土ができたと先生は判断しています。学者たちを通じて反対を退け、それから勝共連合を通じて退け、既成教会の牧師、長老を中心としてすべて退け、知性人を集めて大会をして退けました。

 今、一つ残されているものとは、クリスチャンの教授や学生たちを中心として反対を退ける準備をすることです。今は、既成教会を転換させ、既成教会の知性人を固め、それから大学のクリスチャンの学生を動かして団結させ、社会と連結することができる基盤さえ築けば終わりです。宿題がそこにあるのです。

 これがアカデミー要員と一つになるのです。あちらはカインで、こちらはアベルです。カインが先に生まれ、アベルがあとから生まれました。ですから、引っ張っていくのは誰がすべきかというと、アベルがするのです。アベルがカインを救って兄のように侍り、戻ってくるときはアベルが兄になって戻ってくれば原理とそのままぴったり一致するのです。CARPも兄の立場です。カインの立場に立っているのです。

 クリスチャンの学生が「原理」を一度聞けば、先発隊になるのです。一般の人が「原理」を聞いてそのようになろうとすれば、六ヵ月から一年半かかります。ところがクリスチャンの学生は、一週間「原理」を聞けば、そのまま先発隊になるのです。ですから、いくらでも照準を合わせて教育できるので、とても簡単な時になりました。

 今、大学を動かすということよりも、大学にいるクリスチャンを誰が動かすのかという問題について考えてみるとき、CARPと現在の「世界平和教授アカデミー」の教授では動かすことができません。しかし大学にいるクリスチャンを中心としてクリスチャン教授とクリスチャン学生が一つになるときは、一般のアカデミーの教授までも、CARPのメンバーまでも動かすことができるのです。

 それで、今の時がそのような時です。摂理史を見てもそうでしょう? 一世の時代は終わり、二世時代だというのです。摂理的に見るときに、第一回三次七年路程が終わったので、その次は、第二回三次七年路程ですが、それは先生の時代というより、皆さんの時代です。一段階発展して進むのです。


韓国保険社会部に身体障害者への寄付金寄託(一九八一・一一・二一)

 今回、身体障害者のために寄付金を少し出したところ、「あの文牧師がするなら十億ぐらいはすべきだろう」などと言ったそうですね。十億どころか百億でも出してあげましょう。しかし、現政府には十億を受けるだけの資格がないと私は思うのです。これは血と汗を流した血の代価であり、汗の代価であるということを知らなければなりません。「これはお前たちが集めたお金とは違う」と、そのように先生は思うのです。そこにはレバレンド・ムーンの涙の跡がついているし、統一教会の信徒たちの汗と血の跡がついているのです。大きいお金を受けるだけの資格がないのです。私はそのように思います。それを受けることのできるそれ以上の主体者であれば、私はすべての財産を売り払ってでも協助します。

 今日、統一教会の教会員が先生に対して「先生はお金をいっぱい使ってドイツに何かの工場を、アフリカに何かの計画を立てながら、統一教会の私たちに苦労をさせて、私たちは飢えて干上がってしまっているのに、どうしてそのようにされるのですか」と言いますが、ほかの理由はありません。このお金は世界のための、万民の解放のための材料として使うお金です。皆さんには、解放は必要ありません。救援は必要ないのです。「救援が必要な人のために使おう」というのが先生の考えです。それは天が見るとき正しい考えであり、統一教会の歴史を見るときに正しい考えなのです。













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