真の御父母様の生涯路程 7
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解放後四十年と第二回第三次7年路程

第四節 一九八四年 祖国創建(一)

一 一九八四年の出発と摂理的意義(一九八四・一・一、アメリカ)

元旦の祝祷

 愛するお父様、たった今一九八三年を送り、一九八四年の新年を迎えました。この元旦に天の祝福がこの地上に臨むようにしてください。

 お父様、今この時間、民主世界と共産世界が最後の頂上に達し、互いに自己の位置をつかむことができずに混乱した状態におかれています。

 この時代に、世界のすべての碩学を中心として、アメリカのみ旨と日本のみ旨、そして韓国のみ旨を連結させて新しい反共という体制が強化されました。そのようにすることによって韓国が世界の新しい基点として、新たな世界へと飛躍することができる基盤を整えてくださった天の恩賜の前に感謝いたします。

 今まで、数多くの国家、数多くの民族、数多くの家庭と個人から追われてきましたが、今や斜陽の道は過ぎ去り、統一教会を中心として朝の光明が昇るようになりましたので、世界が今、統一教会の光を仰ぎ見ることによって新しい世界となり、光明の日の光を受ける一九八四年となるよう許諾してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 追われた者たちが、自ら襟を正して時に対する感謝を捧げ、お父様の前に感謝できる時代の訪れを迎えるように許諾してくださいますことを切にお願い申し上げます。

 このような時点で、一つの祭物の立場にいる息子がいますので、その息子を通して生畜の祭物とされ、勝利の天国を成すことができる一つの契機としてくださいますことを切にお願い申し上げます。

 今年のすべてのことを、お父様、新たに祝福してくださり、この年が勝利の年となるように許諾してください。法的問題を中心としたサタンとの闘いから、すべてが新しい起源を備え、お父様の前に祝賀を捧げる一九八四年となるように許諾してください。また、協会を創立してから三十年を迎える年になります。三十年を中心として勝利の国々が出発いたしますので、イエス様の時代の三年公生涯路程のような期間が成就されるよう祝福してくださいますことを、お父様、切にお願い申し上げます。

 今年は一つの画期的で決定的な線を引き、天の転換点となり、世界と宇宙の転換点となることができるよう、この年を勝利の年として、勝利の年として、勝利の年として導いてくださいますことを切にお願い申し上げます。

 万万事の恩賜と愛が、新しい光明の元旦の日の光とともに万国に広がっていくように切にお願い申し上げながら、すべてを真の御父母様の名によってお祈りいたしました。アーメン、アーメン、アーメン。


年頭標語:祖国創建(一)

 民主世界におけるアダム国家、エバ国家、アベル国家、カイン国家のことをいえば、韓国と日本とアメリカとドイツですが、これらが全く同じ状況にあります。現在、全く同じなのです。韓国がムーニーを嫌い、日本も好きでなく、アメリカも好きでなく、ドイツも好きではなかったというのです。しかし韓国でも、ムーニーは「すごい!」、日本でも「すごい!」、アメリカでも「すごい!」というようになり得る時代に入ってきたのです。その時が一九六四年であり、統一教会の創立三十周年になる年です。

 イエス様は個人を中心として三十歳で家庭出発をしましたが、私たちは家族ではありません。民族出発を中心として国家へと向かう、そのような三十歳の年なのです。団体基準を中心として三十歳になったのです。民族的基準を中心として国家へと向かうことができる世界的時代に入ってきたということを知らなければなりません。統一教会の人々は、五色人種がすべて一つになって民族を形成したのです。

 今は、民族はいますが国がありません。その国は、世界万民が共に理想とする国家であるがゆえに、国境を超越し、氏族を超越し、民族を超越し、すべての人種を超越して糾合される一つの国です。それが神様の願われる地上の天国です。ですから、今からはその国をつくることが私たちの目標です。

 国がなければ悲惨でしょう? 皆さん、あのベトナムの避難民たちがボート・ピープルだということを知っているでしょう? それはひどいものです。このムーニーはどこに定着するのですか。昨年の標語は「家庭教会は我々の定着地」でした。定着するのはどこですか。モスクワに行って定着すれば、世界のてっぺんに行くことになるので、モスクワを定着地にしようというのです。

 そのようにしようとすれば、世界的な問題をすべて消化しなければなりません。吸収してすべて消化しなければなりません。ゆえに、祖国を創建しなければなりません。創建とは「創って建てる」ということです。ですから、今からは横的な基台を強化しなければなりません。二つが集まって一つにならなければなりません。

 四大国家は怨讐国家です。アダム国家とエバ国家が怨讐であり、アベルとカインも怨讐であり、息子と父もすべてが怨讐です。ゆえに、怨讐が一つにならなければなりません。何をもってそれを一つにするのでしょうか。神様の愛で一つにするのです。

 皆さんは、興進がなすことができなかった生涯のことを代わりにしなければなりません。彼は、世界の祖国創建を見ることができませんでした。皆さんの世代が代わりに奉献しようという信念をもって一つになれば、統一教会のすべての運勢は世界的に拡張することでしょう。彼が主張するのは「祖国創建」です。

 ですから、この標語は、興進が命を捧げた代わりとして皆さんの前に伝授された使命的なものだということを知らなければなりません。イエス様が死ぬことによって万民の胸の中に生きているのと同じように、このようなことがあったとしても、興進様が皆さんの胸の中に生き、今後、天と世界を結ぶことができる国と世界を復帰するにおいて力強く躍動することができるならば、それ以上価値ある道はないと思うのです。

 「神様のもとに行った興進は犠牲の祭物として行ったので、奇跡を通じて統一教会には利益が来るはずだ」と、私はそのように思うのです。それで、皆さんの思う祖国の地に興進を埋葬しなければならないのです。そのようなことを理解して、私たちすべてがこのような思想的な概念のもとで総進軍することを決意しなければなりません。アーメン、アーメン。(アーメン)。


二 興進様の昇華と「愛勝日」宣布

興進様の昇華とその意義(一九八四・一・二、〇1:〇五、ニューヨーク、聖フランシス病院)

 交通事故に遭って重傷を負われた興進様は、ニューヨークの聖フランシス病院三〇五号室で入院加療中、一九八四年一月二日午前一時十五分、真の御父母様と真の御子女様たち、統一教会の中心食口たちが賛美し、見守る中で静かに息を引き取られた。興進様は、一九六六年十二月四日(陰暦十月二十三日)ソウル市龍山区青坡洞で出生された。

 一九八三年十二月を中心として韓国に行き、全国民を動員したのです。全国民を完全に一つにまとめる運動をしました。世界とキリスト教を代表する七十二ヵ国の「世界平和教授アカデミー」の代表を集めて一つにまとめる運動をしたのです。そのようにして全国を覆ったのです。そのようにしてサタンとの激戦を展開しました。ですから、韓国の国全体がレバレンド・ムーンの運動によって完全に心が高揚したのです。そうして、サタンを支配してしまおうというのです。

 その時、先生の家庭は混乱時代でした。先生の家庭が全世界を代表して家庭的な攻撃を受ける時であり、サタンは、先生を攻撃することができないので興進を攻撃したのです。最後の光州での講演時間にその事件が起きました。国が父であれば、教会は息子のような立場です。このような立場において、キリスト教が依然として反対しているので、そのような立場を蕩減しようとして興進が祭物となっていったのです。

 キリスト教が地上で反対するので、霊界のイエス様を中心としたキリスト教が地上に協助することができなくなったのです。霊界にいるキリスト教の霊たちがイエス様を中心として地上に降りてきて協助しようとしても、地上のキリスト教が反対している状態では協助することができないのです。ですから、必ず祭物の条件を捧げ、霊界と地上が連結されなければなりません。そのようにしてこそ祭物を捧げた団体やその主義を通して、地上世界を通して横的な運動として発展していくのです。

 もし、興進の犠牲がなかったとすれば、不幸な二つの大事件が発生したかもしれません。北韓が韓国を武力で侵犯したかもしれず、先生が地上での生涯を終えていたかもしれません。しかし、先生は、韓国で勝共決起大会を通して勝利したので、彼らは先生をそれ以上侵犯することができなかったのです。それで、韓国で勝利を収めた同一時刻に興連を犠牲の祭物として要求したのです。

 また、ユダヤ教の過ちにキリスト教が責任を負い、キリスト教の過ちは統一教会が責任を負い、統一教会の過ちは先生が責任を負わなければなりません。興進君がそのようになったことも、統一教会の教会員たちが過ったその代価なのです。

 み旨の観点から歴史的に見れば、アベル的な存在が祭物として逝く確率が高いのです。すなわち、摂理史的にアダムをカイン的な人類の先祖として見れば、イエス様はアベル的な存在でした。それで、イエス様は十字架の祭物として逝かれるようになったのです。同じように、真の御父母様の家庭でも、聖進をカインとするアベルの喜進が逝き、また譽進をカインとするアベルの惠進が逝き、また今回は、結局このように孝進をカインとするアベルの興進が逝くようになったのです。

 私たち統一教会においては、劉協会長が二番目です。金元弼氏が三位基台の一番目であり、二番目が劉協会長です。二番目が常に問題なのです。このような因縁を外的に蕩減することができなかったので、私の家庭に入ってきたのです。すべて二番目の息子が問題です。それを完全に蕩減することができなかったので、真の御父母様を迎えて、直系の息子として生まれた二番目の息子である興進が霊界に行ったのです。興進が行くことによって、それらの二番目のものがすべて連結されるようになったのです。喜進も連結され、劉協会長も連結され、イエス様も連結されるようになり、天上世界と地上世界が連結される橋が架けられるようになったのです。

 興進は、二番目の息子としてこの地上に生まれてきて、お父様の保安問題に対してはこの上なく心配した人なのです。もし悪党がお父様の前に現れて銃を撃つならば、自分がその銃弾で死ななければならないと思っていた人なのです。

 イースト・ガーデンでどのような事件が起きたかというと、興進が祝福家庭を動員して訓練したのです。ガード(警護員)たちを本当に信じられるかどうかというのです。夜、祝福家庭を四方に配置して、ひそかにイースト・ガーデンを襲撃させたのです。このようにして、ガードが本当にガードの役割をしているかどうか試験までしながら先生の保安問題に対して心配したのです。

 その上、シカゴの科学者大会(科学の統一に関する国際会議)のような所では、ガードと一緒に夜も寝ないのです。彼らを信じられないというのです。彼らの心情的基準は、子が父を思う心情的基準とはほど遠いというのです。その人たちを信じられないというのです。もし銃弾を受けなければならない立場におかれれば、その人たちは逃げていくだろうと思ったのです。しかし興進は「私は違う!」というのです。祝福家庭に自らそのような精神的訓練を行い、そのように行動できる訓練までさせたのです。お父様のために命を捧げようというのです。


事故当時の情況と犠牲的愛

 興進は、自分が生きようとして死んだのか、ほかの人のために死んだのかというのです。それで、私が行ってみて有り難かったことは、興進が死んだのは池生蓮女史の二人の息子を生かすためだったのです。そうでなければ、車を右側に切る必要がなかったのです。左側に切っていれば、興進はそのまま生きることができたのです。私がそこに行ってみて、そのことを本当に有り難く思いました。「私がお前のために統一式をしてあげ、天と、十字架に犠牲となった張本人であるイエス様の前に送るが、すべての面において私の良心に呵責はない」と言ったのです。

 私は、現場をくまなく鑑定しました。私が行ってみると、道が坂になっていました。そこにトラックが下ってくる途中でブレーキを踏んだのですが、どのようになったのかというと、車がくるっと回ったのです。

 ですから、これがまっすぐに止まったのではなく、道をこのように斜めにふさいだのです。そこで、興進がどのようにハンドルを切ったのかというと、反対に切って正面からぶつかっていったのです。ところで、車は右側を走っていて、興進は左側で運転していました。それを心理的に見れば、運転する人は、自律神経の自動的な反応で、ハンドルを左に切るのが原則です。ところが、車はそうなっていなかったのです。

 それは、なぜそのようにしたのでしょうか。興進が誰を愛したのかというと、珍福と珍吉です。夜も、勉強する時に食べるものがなければ、冷蔵庫から食べるものを探して「一緒に食べよう」と言って、彼らを愛したのです。「お父さんがいないので自分が愛してあげなければならない」と言っていたのです。本当の弟のように愛していたのです。

 結局は何かというと、彼らを守ろうと、意識してハンドルを反対に右に切ったのです。それは、珍福と珍吉が自ら言っていることです。「正面からぶつかってめちゃめちゃになるのは自分たちなのに、興進様が自分たちの身代わりにめちゃめちゃになった」と言っているのです。私はそれを見て、「よく逝った。息子よ、よく逝った」と本当に感謝しました。くまなく現場を調査して車を見れば、意識的にハンドルを右に切ったということを知ることができるのです。そのような意味で、これを摂理史的に見るとき、先生の家庭を中心として、サタンが鈎で引っ掛けて引き込もうとしたすべてのことを防いだのです。

 このように見るとき、民主世界と共産世界を代表することができる犠牲的祭物として行ったという理論的根拠をここから知ることができるのです。その二人の人(珍福と珍吉)は、民主世界と共産世界を代表する、イエス様の右側の強盗と左側の強盗のような立場なのです。その彼らの身代わりに逝ったのです。

 イエス様の時代には、みな死んでいきましたが、先生の時代には興進一人が祭物となったために、二人の人が助かり、民主世界と共産世界の道が開かれるのです。

 これによって自由世界と共産世界に蕩減条件を立てる道が開かれるのです。それでは、興進はどのようになったのでしょうか。彼は、国家基盤まで築いたのです。国家的蕩減基盤の上で、自由世界と共産世界のために犠牲となったのです。そこが違うのです。国家的基盤と民主世界という、この一石の世界を連結したのです。自由世界で事故に遭いましたが、埋められたのは、韓国に戻ってきて埋められたのです。体は祖国に戻ってきて埋められたのです。

 それによって、興進は、国家的基盤を築いた真の御父母様の勝利的基盤の上に立ったので、いつでも霊界にもいることができ、地上にも定着することができる霊的基盤が国家的次元で付与されるのです。それを知らなければなりません。

 それで、私たちは「家庭教会は我々の定着地」という標語を定めて出発したのですが、一つの国家的基盤の定着を真の御父母様によって成すことができたのです。これは、イエス様とは比較にもならないことです。


涙を忘れ、天道の開拓

 真の父母はどのようにしなければならないのでしょうか。天の愛を歓迎し、地上の愛を歓迎する意味から、自分の息子を祭物として捧げることを栄光と思うことができなければなりません。それを誇りと思うことができなければなりません。また、レバレンド・ムーンの一代でこのようになった立場において、神様が今まで青少年のアダムとエバを愛することができなかったことを、興進を愛することによって、今まで国家基準を復帰するために苦労してこられた神様が霊界においてだけでも慰労を受けることができるようにしてさしあげようと、一人の息子を送ってあげたと思わなければなりません。

 それで、先生は祈祷する時に「私の青春時代で韓国の基盤を築いて神様を栄光の中で愛することができず、慰労してさしあげることができなかったことを、私一代において世界的基盤を築いて蕩減した基盤の上で、この息子を通してそれを蕩減してください」と祈ったのです。「私自身がそのような立場において成すことができなかったことを、この息子を通して受けてください!」と祈ったのです。

 興進が霊界に行く時、医師が来て「一時四十分になれば逝きます」と告知しました。その時、この父は、息子が死ぬという告知を受けて、ほかのことは考えません。行く道を築いてあげるのです。「お前がより分けていかなければならない道は、父が責任をもって整理してあげよう。このような道と、このような峠を越えていく時に、このようなことがあるだろうから、このような問題をもって行きなさい」としたのです。

 完全に愛を中心として、すべての道を築いてあげるのです。これは、私でなければ解くことができません。私以上の愛をもたなければ解くことができないのです。サタンはこれを破ることはできないし、神様も解くことはできません。私が地上で決定することは、天上世界の決定となるのです。

 それゆえに、死んだのちに涙を流してはいけません。宇宙の公道を整えなければならない責任者が、息子を祭物にしようとする時に涙を流せば、その祭物は無効になるのです。涙を流せば自分の所有になるのです。そうなれば、その祭物は自分の所有権の限界を抜け出ることができないので、世界共有のものとなることができないというのです。

 道を整えてあげなければなりません。行く道を準備してあげなければならないのです。ですから、「死んでしまった」などと考えていられますか。その行く道がどれほど難でい世界かというのです。私の霊が先に立って案内してあげ、入籍させて戻ってこなければならないのです。どれほど深刻な立場でしょうか。泣いている暇などありますか。

 少しも悲しく思わなかったのです。絶対愛のためです。それはどれほど深刻でしょうか。泣けばすべてが崩れるのです。千年の功労がすべて一度に崩れ去ってしまうのです。その時は、誰も先生を理解することができなかったことでしょう。

 ですから、霊界に行ったのちに興進君が、「父と自分との間に深い事情がある」と言うのです。「お父様の背負われた荷を解くすべがない」と言うのです。「このように来てみると、私万人のためにお父様がいかに御苦労されたのか、初めて分かった」と言うのです。それで、「それに報いるために自分が苦労をします」という思いをもっているのです。


「愛勝日」宣布(一九八四・一・三、〇四:〇〇、ニューヨーク、ベルベディア修練所)

 一九八四年一月三日午前四時、アメリカ、ニューヨークのベルベディア一階応接室で、真の御父母様は、米国内の韓国人の教区長と主要食□が参加する中で「愛勝日」を宣布された。「愛勝日」は、神様の勝利を記念する日であり、興進様がお父様の身代わりの祭物として行こうされ、また、それを実践された至高の愛の勝利を契機として制定された。

 興進は死にはしましたが、地上世界と霊界において死なずに愛の復活圏を成すだろうと思うのです。「お前は死ぬことによってそこに行ったが、お前の死を通して愛を復活させるのだ」というのです。霊界をつかみ、地上をつかんで愛の復活圏を宣布するのです。そのようにすることによって、死亡圏と決別するのです。

 すべての蕩減条件を越え、この愛の「愛勝日」という日を宣布するためには、「息子が死んだ」という思いをもってはならないのです。死体を横に置いて、神様の愛のためにこの闘いをしたということを知らなければなりません。それは何の話かというと、お父様とお母様が、死んだ息子のことを思うよりも神様の愛のことを思わなければならないということです。死亡圏に勝つ愛のことを思わなければならないのです。

 先生か全体の責任を負うのです。それで、先回の統一式(一九八三・一二・三一)のような特別な式を挙行したのです。それで、お母様に「この時間、あなたと私は、天が見る時に誇り得る父母とならなければならない。霊界にいるすべての先祖たちが誇ることができ、霊界、天上世界と数億万の聖徒、すべての聖賢賢哲が誇り、世界人類が『やはり死亡圏を支配することができる愛の権限をもっているお方に相違ない』と言って頭を下げることができる雰囲気をつくらなければならない」と言いました。

 そのようにして、すべての人類が私に「やはりあなたは神様の愛の中心者だ」と証すことができるようにしなければなりません。息子を霊界に送って死亡と引き換えにしたとしても、私は前進しながら愛の旗を掲げて新世界のために出動するという、このような起源の日が「愛勝日」であるということを知らなければなりません。

 そのようにすることによって、民族的で世界的な新しい愛の方向を立てていくことができる基準ができたので、「愛勝日」という言葉を使用するようになったのです。一月三日の午前四時、これを合計すれば七数です。すべて合わせれば八数です。全体で再出発です。

 公的な人は厳格であるということを知らなければなりません。それで、私はお母様に、「お母様は知らなければなりません! 木の一番上の芽は高いところにあるので、風が吹けば二重危険な峠を越えなければなりませんが、それでもその芽は伸びていかなければなりません。どれほど苦痛であっても、このような公的な『芽の時代』には台風が吹いて揺さぶられるような立場でも、根を深く張るためには、芽は伸びていかなければならないということを知らなければなりません」と言ったのです。

 ですから、このような死亡圏を越えて今から入っていく世界は、真の御父母様によって宣布された「愛勝日」の壁を中心として、サタンがそれ以上入ってくることができないという世界です。そのような条件を立てることができる時になったというのです。先生を愛する限り、自分の命よりも先生をもっと愛する限り、サタンはそれ以上侵犯することができないのです。

 なぜでしょうか。昇進が皆さんの身代わりとして行ったからです。その上で、興進以上に真の御父母様を愛する私となるならば、そこにいるサタンは何一つできません。今までは、サタンが愛を支配しましたが、今からは、神様が愛を支配するのです。これは、どれほど偉大な日でしょうか!

 「愛勝日」を設定してあげることによって、原理結果主管圏と直接主管圏内をふさいでいたサタンの愛を取り除いてしまったのです。取り除いて神様の愛をもつようになれば、地獄だろうと、どこだろうと境界線がなくなるのです。あの地獄の底まで思いどおりに降りていくことができるのです。そのようにして、そこから上がってこなければなりません。天の世界の人にサタン世界の人が屈服するようになっているのです。

 ですから「愛勝日」なのです。天の人が歴史を身代わりし、過去・現在・未来圏まで身代わりしてサタン世界の死亡圏を引き抜いて捨ててしまわなければなりません。そのようにしてこそ、勝利なのです。「愛勝日」だというのです。


興進様の世界昇華式
(帰歓式:一九八四・一・八、〇七:〇〇、ソウル、新門路公館、奉安所、
昇華式:一九八四・一・八、〇九:〇〇、ソウル、リトル・エンジェルス芸術会館、
元殿式:一九八四・一・八、一四:〇〇、京畿道披州元殿)


 文興進様世界昇華式が、一九八四年一月八日午前九時、ソウル、リトル・エンジェルス芸術会館で、世界七十ヵ国以上の代表と三千名以上の食□が集う中で挙行された。帰歓式は、この日午前七時、ソウルの新門路公館奉安所で行われ、元殿式は、午後二時、京畿道坡州郡積城面武建里元殿地で、一千名以上の食□が参与する中で挙行された。

 死亡圏に勝たなければなりません。愛をもって死亡に勝ったという立て札を立てなくては昇華式が成立しないのです。昇華式という言葉は興進君から出てきたものでしょう? 「愛勝日」という言葉の「愛勝」とは何でしょうか。死亡に勝つということです。三日以内にこの式をしなければなりません。「死亡に勝った」という宣布をしなければならないのです。

 それゆえに、統一教会では昇華式が行われるのです。死亡を越えて喜びに向かっていくのです。昇華式を経ていく人たちは、霊界のすべての谷間をさーっと越えていくのです。もちろん、そのようにできない者たちは、中間でとどまるのです。昇華式というのは、興進君から始まったのです。

 愛を中心とすれば、霊界と肉界の隔たりを打破してしまうので八死亡の恐怖心から抜け出るのです。死ぬことは恐ろしいことではありません。私がどこに行くのかがあらかじめ分かるのです。

 大概、健忘症の出る年寄りたちは、あの世に対する関心がだんだん高くなってくるのです。「ああ、自分はいついつに行かなければならないのだなあ。今は整理期間なのだなあ」ということがあらかじめ分かるのです。この世のすべてのものを忘れ、きれいに整理して行きなさいということです。ですから、健忘症が出たからといってぞんざいに扱ってはいけません。

 生まれてくる時、何も知らずに生まれてきて、大人になって生活したのちに今や霊界に行くという時も、また何も知らずに入っていくのです。自分がお父さん、お母さんになり、おじいさん、おばあさんになって死ぬ時には、生きてきたことをすべて忘れてしまわなければなりません。

 ですから、病気になって死ぬ時には昏睡状態になるのです。死ぬことが分からないのです。そこから、今や自分が行って生きるべき所のすべてのものを見るのです。自分が行って生活する所の同士たちが来て自分を歓迎してくれます、そして、そこで展開される膨大な天国がどれほど豪華絢爛でしょうか。「ああ、私も早く行かなければ」と思うようになるのです。それで、そこに行ってみたら死ぬのです。行くことが死ぬことなのです。どんどんと良い所を目指して一次、二次、三次と門を通過するようになればあの世へと入っていき、この世では息を引き取るのです。

 ですから、興進君が行くことによって、ふさがっていた死亡の塀、死の塀を壊してしまうのです。それで昇華式なのです。死は、失望や落胆ではありません。落ちることではなく跳躍することです。昇華することなのです。ですから、統一教会の教会員たちは、死に対する恐怖をもってはいけません。死は、このような自然の循環法度によって来るものなのです。より良い世界へと移してあげるための手続きです。


三 仁進様と興進様の聖婚(約婚:一九八四・二・一三、イースト・ガーデン、
聖婚:〇二・二〇、ニューヨーク、ベルベディア)


朴珍成様−文仁進様、文興進様―朴薫淑様約婚

 一九八四年二月二十日、アメリカ、ニューヨークのベルベディア・センターで、真の御父母様の主礼により、朴珍成様−文仁進様、文興進様−朴薫淑様の聖婚式が、約二百名の祝賀客が参与する中で挙行された。珍成様は、朴普煕−尹基淑家庭(三十六家庭)の長男であり、薫淑様は長女である。約婚は、一九八八四年二月十三日、イースト・ガーデンで行われた。

 女性が一人で一生を送るということは悲惨なことです。薫淑よ! よく聞きなさい。悲惨なことなのです。すべきことではありません。それは、父母の見るべきものではありません。あなた自身がそれをしようということは、この世から見れば、人間が行くべき道ではありません。そのことは分かっています。よく分かっているのです。

 女性がそのようにしようとすれば、生きた仏様にならなければならないという結論が出てくるのです。それで、私が一度尋ねてみますが、薫淑よ、あなたは興進のために生きた仏様になることができますか。そのようなことは考えたことがないでしょう? (考えてみました)。

 孤独の園を守りながら、いかにして神様のみ旨のために子供を生まずに修道女のように生きることができるでしょうか。現在、あなたは先生のみ旨を知り、理想を中心として夢に満ちあふれてこのようにしていますが、霊界の相対を中心として地上で完成しなければならないということは、どれほど大変なことでしょうか。

 それで、あなたは地上で夫に仕えることはできませんが、あなたが芸術を愛するならば、それだけは先生が後押ししてあげるつもりです。世界的に名声をとどろかすことができるように後押ししてあげるつもりです。

 また、仁進も友達だということですから、仁進も後押ししてあげることでしょうし、それから、あなたのお兄さんと一つになればよいのです。彼にとってあなたは自分の妹であり、あなたにとっては仁進が義理の姉なのです。ですから、難なく一つの家庭内で消化することができる環境になるはずです。霊界にいる興進君も喜ぶはずです。そのようになれば私が死んだとしても安心することでしょう。普煕氏が見ても……。

 それで、本人に尋ねてみるのです。私が興進君の相対として薫淑を結んであげたのですが、それに応じればどれほど興進様がうれしいでしょうか。それはよく考えなければならないことです。応じる信念がありますか、ありませんか。尋ねてみたいのです。そのようにすることができますか。二できます)。

 内外の世論対応問題や、霊界と肉界の矛盾や意見の衝突を調和させるのに、このように解決する方案が最も無難な方案であると、霊界もそのように思っているし、先生もそのように思っているのです。先生もどうすることもできません。個人の事情もあるでしょうが、統一家の安定のためにそのようなことを超越したのです。このように結論づけなければならない世界的、宇宙史的な意義があるのです。

 ですから、今、OKすることは、当事者たちがしなければならないことです。仁進よ、どうですか。お父様の言うとおりにしますか。そのような方向に推進させましょうか、やめましょうか。(御父母様のおっしやられるとおりにします)。

 それから朴珍成よ。うちの仁進は快活です。時にはあなたのネクタイをつかんで、「こいつ、私の言うことを聞かなければ駄目だ」と気合いを入れるような時もあるだろうと思っています。仁進は知恵深く、巧みです。外交に巧みで、話が上手です。あなたに負けません。(笑い)それが問題です。「名将よりも徳将になれ」という言葉があるでしょう? 有名な夫よりも、徳をもった夫になることができるのかということを問いたいのです。仁進は優しくはなく、強いです。そして、とても論理的です。あなたは夫として、これをいかに消化しますか。そうすることができるのか、それをあなたに尋ねるのです。(はい)。

 それでは、仁進よ! 珍成が「そのようにする」と言っていますが、そのように決定しますか。(お父様がよろしければします)。あなた方二人がOKするならば、私がOKするのでしょう?私が「しなさい」と言ってOKするのではいけません。では、珍成があのように言っていますが、あのような夫に対して、お互いに協力し、良くないことがあれば改善していきながら、発展のために協力して歩んでいく夫婦となることができるのかということを問うのです。どうですか。(そのようにします)。できるのですね。それでは、今決定しました。(拍手)

 そして、薫淑と興進とを結びましょう。(はい)。父親と母親は認めますか。(はい)。また、兄であるあなた(珍成氏)はそれを認めますか。(はい)。

 今後、あなたがあなたの妹の面倒を良く見なければなりません。また、仁進よ、あなたも愛する弟の興進のことを考えても、そのようにすれば良いでしょう。それでは、そのように決定することにしましょう。(拍手)


珍成様−仁進様約婚祝祷

 愛するお父様! 一九八四年二月十三日十二時四十五分を期して、ここに愛する娘、仁進嬢と愛する息子、朴珍成君、若いこの二人の息子、娘が真の御父母様と神様の前で、永遠な統一家の運命と摂理の運命をかけ、この時間、永遠なる理想家庭の出発をなす約婚式を挙行いたします。この日を記憶され、受けてくださいますようお願いいたします。

 この二人の夫婦が背負った非常に重い責任を果たすため、夜も昼も天と地と人類のために精誠を尽くし、また興進君夫妻を保護し、その垣根となるところから外れることなく、父母様たちが望むところから外れることのない孝行を尽くす夫婦となることができるように祝福してください。

 そのようにして霊界と地上を連結し、地上と霊界を愛の橋で連結し、世界史的な板の橋を架けるところで、なくてはならない歴史的な時点を越える息苦しいこの時間をお父様の前に申し上げます。ゆえに、喜びをもってこの若い夫婦が万福と祝福の起源の家庭となるようにしてくださり、人類の前に、あるいは霊界の前に誇ることができる道と、祝福の恩賜の道を彼らに許諾してくださいますことをお願いいたします。

 知恵と聡明と愛の中で共にあられ、困難な問題を抱えて克服していく家庭の新しい道の前にも、お父様がすべてのことを導いてください。一生の開拓路程を喜んで通過し、伝統的な模範を立てる基盤となり得る新しい夫婦の道を出発することを、この時間約束し、誓いましたので、受けてくださいますようにお願いいたします。

 永遠なる祝福とあなたの愛で共にあってくださり、統一家に万福が宿るようにしてください。すべてを真の御父母様の名によってお祈り申し上げます。アーメン。


興進様−薫淑様約婚祝祷

 霊界にいる興進君、お前は幼い身でこの地上から行き、世界史的な歴史の前に希望の対象、追慕の対象となり、この父の息子として誇りをもって地上で過ごす間、善良で、素直で、すべての人の崇敬の対象となる家庭の起源を成したことを知っています。霊界と肉界が愛の因縁を中心として一つとなることができる「愛勝日」を宣布する歴史的な使命を残すにおいて貢献したお前の功績に感謝しながら、お前が霊界に行く前に、この地上で、この父が養子を策定してあげることを約束したので、その基盤となることができる相対基盤を地上でつくるために、今、お前の永遠な相対として薫淑嬢を選定し、お前とすべての霊人の前に夫婦の因縁を結ぶ約束の式を挙行するので、ここに神様が同参され、この式を自ら天の父の前に報告してくれることを望みます。

 ここに集まったすべての統一家の責任者たちも、お前たち夫婦を信仰の理想的な一つのモデルとして夜も昼も祈祷するでしょう。また、お前が命を捧げて真の御父母様に侍り、国と世界の運勢の身代わりとして祭物となったので、命を尽くす伝統を相続するために努力することでしょう。難しい環境を開拓してその上に範を立ててくれたことを感謝しながら、ここにいる薫淑嬢を相対として選定したので、霊的にも肉的にも常に慰労してあげ、一つとなって生活的基盤を備えていき、神様と共に祝福の橋を架ける役事をしてくれることを望みます。

 薫淑嬢が寂しい立場にいる時に、訪ねてきて活動することを真の御父母様も願い、神様も願うので、その環境全体を肉身生活と同じ生活圏へとお前が導いて開拓しながら、妻薫淑を誰よりも慰労し、指導し、どこに行っても保護する中で、地上で備えることができなかったすべての内容を備えて、父の栄光の位置に誇りをもって捧げることができるその日まで、耐えて努力してくれることを望みます。

 今、このようになることによって、今後、あるいはお兄さんの息子、あるいはお姉さんの息子を通して養子の設定があるでしょう。ですから、そのように理解してくれることを願い、一つの支派の主体となって重要な責任を地上と霊界に連絡させるようにすることを約束するので、そのとおり実践し、そのような基準で霊界と天の前に報告し、地上で実践することができる舞台も真の御父母様の名で許諾するので、自由奔放な活動を展開して共産世界から最後の勝利の権限が世界圏に及ぶ時まで、神様が喜ぶことができる日を迎えて、すべての世界を天の父の前に捧げるその日まで努力してくれることを望みます。

 お父様、このような祝福の日を迎えて、興進君を愛される心と共に、ここにいる薫淑嬢を愛され、父の娘として、父の嫁として受けてくださり、大切に保護し、指導してくださいますことをお願いいたします。天軍、億千万の聖徒と義人たち、すべての人々を動員して一つの霊魂を守ってくださり、一生を父の前にきれいに奉献、泰生することができる素直な嫁となり、娘となることができるようにしてくださいますことを切にお願い申し上げます。

 万事一切をお父様が見守ってくださり、統一教会の誇りとして、天国の誇りとして、神様の誇りとして受けてくださいますことをお願いします。万世の恩賜と恵沢をもって、このか細い薫淑の一生の前に永遠に共にあってください。厚徳な慈愛の心をもって常に共にいらっしゃり、神様の恩恵をもって共にいらっしゃることを願います。私の家庭全員がこれを中心として一つとなり、真の御父母様の生活を模範として、真を高めることができる一つの基準として立ててくださることを再度お願い申し上げます。

 この日を中心として、今や興進君が寂しい時間を忘れ、直接的に地上の幸福圏を受け継ぐことができ、父の前に感謝することができる時間となるようにしてくださいますことをお願いいたします。今、約束のこの日をお父様の前に奉献し、興進君の前に捧げますので、受け取ってくださいますことを願いながら、すべてを真の御父母様のみ名によってお祈りいたしました。アーメン、アーメン、アーメン。


興進様―薫淑様約婚の意義

 この時において、なぜ興進君が蕩減しなければならないのでしょうか。なぜ、興進君が蕩減条件に引っ掛かっていくのかということが問題なのです。真の御父母様が十字架を背負っている時であり、真の御父母様が引っ掛かっているので、興進君も自動的にその圏内にいるのです。神様とイエス様の立場を見れば、神様は父であり、イエス様は息子ですが、このような十字架を誰が負わなければならないのかといえば、神様、すなわち父母が背負うのではなく、息子が背負わなければならないのです。それゆえにこのような時代において、神様の代身の立場が真の御父母様であり、イエス様の立場が興進君であるので、息子となったイエス様が世界的な十字架を背負わなければならなかった蕩減的な内容とぴったり一致するのです。

 サタンがイエス様を打ったのち、神様がイエス様を復活させたのと同様に、サタンが興進君を打ったのち、世界史的な内容をもって真の御父母様が興進君を復活させたのです。それで、イエス様は死んで霊的な門を開きましたが、興進君は肉的門まで開き、二千年後に再臨することができる道を四十日以内にまで短縮させてしまったのです。これは驚くべきことです。

 イエス様は三十歳の時でしたが、興進君は十七歳の時です。それを時で見ればアダム時代なので、若い時代です。それは、世界史的な原理結果主管圏内と直接主管圏内に連結され得る条件となるのです。興進様は真の御父母様の愛を神様の愛の代わりに受けることができる立場にいるということです。ですから、サタンの干渉圏を乗り越えるのです。原理結果主管圏内にいるのですが、真の御父母様の保護のもとにあるのです。もちろん、天使長も保護するのです。

 ですから、興進様を地上で結婚させてあげることができるのです。イエス様は、地上の真の御父母様の基準に通じることができる道を望みます。しかし、興進様は地上において真の御父母様の基準の上でその蕩減条件を立て、復活するにも真の御父母様の愛の圏内で復活するのでサタンの干渉を受けません。そのような地上に連結し、四十日以内に祝福してあげたということは驚くべき事実です。


興進様−薫淑様聖婚の意義

 興進の昇華後五十日となるきょう(二・二〇)は、五旬節と同じです。百二十人がマルコの屋根裏部屋で聖霊の降臨とともに火を受け、世界的歴史が展開したのと同じように、きょうこの日、薫淑嬢が結婚することによってどのようなことが起きるのかというと、百二十ヵ国の王たちがこの地に来て復活し、世界的役事を展開することができる運動が展開していくのです。

 興進の新婦となる薫淑嬢が独りで暮らしながらも神様のために忠誠を尽くし、真の御父母様のために精誠を尽くす孝婦(注:孝行心の厚い嫁)となる立場に立つならば、祝福を受けた家庭や統一教会の教会員は、三年路程や七年路程に不平を言い得る条件がなくなるという事実を知らなければなりません。皆さんはサタンの讒訴条件を抜け出ることができる一つの伝統が地上に生まれたという事実を知らなければなりません。これが皆さんにとって最もうれしい知らせであるということを知らなければなりません。皆さんは、地上にその相対をもちながら不平を言うことができるのかというのです。

 ですから、祈祷の中で、薫淑を身代わりして生き、興進を身代わりして生きているという思想をもてばサタンを除去することができるという、とてつもないことが起きるのです。ここで重要なことは、第一に興進君に新婦がいなければ王国権が成立しないということであり、第二は、霊界は天使世界と同じ立場にあり、地上はアダム世界であって、天使世界はアダム世界を保護、育成すべき責任があるので、王権をもった霊界の王と民が地上に来て、地上のサタン組織を奪って天の国の王国権を地上に相続させなければならないのです。

 なぜそうなのかというと、天使世界に匹敵するその天使たちが、アダムとエバが堕落する以前に彼らを保護、育成していたのと同じ原理原則において、天使世界がこの地上世界を保護、育成しなければならないからです。それで、神様と神様に仕える天使たちが、神様に反対する天使たちを追放するのです。真の御父母様の愛を中心として、私たちが占領し、私たちがコントロールすることができる原理主管圏であると主張することができる時になったので、これが可能なのです。原理がそのようになっているのです。

 それから、第三は、皆さんに福をもたらす灯台ができたということを知らなければなりません。それで、真の愛の橋になるのです。薫淑と興進を中心として、橋が架けられたのです。愛の橋が架けられたのです。

 それゆえに、地上と天上の心情圏が連結されて心情圏の統一が成されることによって、霊界にどのようなことが起きたかというと、今までキリスト教を良く信仰して霊界に行ったすべてのキリスト教の善君、善王はそれぞれの国家に別れていたのですが、すべて連結できるようになったのです。神様の愛の心情圏を中心として、国家を超越し、一つの統一圏を成して跳躍するということは、今まで不可能だったのですが、これが可能になったのです。地上の心情圏と天上の心情圏を連結させ、統一圏を設定することによって相対圏を成すことができる恵沢時代に入っていくのです。なぜでしょうか。興進君と薫淑嬢を結婚させたからです。

 それで、霊界も相対理想の賦与時代に入ってくることによって、善君が、その善君を中心として忠誠を尽くした忠臣たちに顕現する相対理想が賦与され、彼らがすべて結合し、地上の自目の大統領を中心として、臣下をみな統一して一つになることができるように役事するのです。その役事の心情圏を地上の真の御父母様の心情圏と連結させることができる時代が訪れることによって、今や世界の王たちが統一教会に入ってくる時になったのです。

 それで、霊界に行った大統領は、地上の真の御父母様の前に来て拝礼しなければならないので、今回、十二名以上の前職大統領をここに連れてきて連結してから帰らせたのです。ですから、霊界にいる大統領はみな前大統領となるため、地上の前大統領たちとを連結することによって天上世界の大統領たちがすべて連結されるのです。


霊界の司令官、愛の全権大使

 統一教会を見れば、今まで霊界に行った協会長たちは教会基準であって、国家や世界を蕩減する基準にはなれませんでした。しかし、今回の興進の場合は違います。国家的次元なのです。ですから、天の国の名分を身代わりすることができる司令官、霊的世界の主体が生まれたのです。地上と霊界を連絡することができる主体が生まれたのです。結婚した人ではいけません。結婚しなかったから可能なのです。霊界はいまだ結婚していないのです。

 私はこのようなことを知っているので、今回、死ぬ前に「お前に養子を選んであげよう」と約束したのです。国家的基準で養子を選んであげることができるのです。養子を設定してあげるということは、理想相対を備えた父母と同じだということです。今、霊界は未婚の男女のように、結婚したいと思う人々が住んでいる所です。その結婚していない人が住んでいる霊界の司令官になるのです。中心になるのです。私たち統一家においては、世界のすべての運勢を集めて祭物的立場から興進を捧げるようになったのです。

 ですから、自由世界の人々は、この興進を愛さなければなりません。自分の命を身代わりにして全世界の人を愛したというタイトルを残したので、皆さんにも、命を身代わりにして愛することができる因縁が連結されたのです。誰の身代わりでしょうか。真のお父様の身代わりに霊界に行ったのです。それゆえに、興進を愛することは、真のお父様を愛することになるのです。

 今まで霊界には、霊界と地上を連結することができるセンターがなかったのです。しかし、興進が行くことによって、興進を愛するすべての霊界の霊人たちには、真のお父様を愛したという条件が連結されるのです。そして、統一教会と連結されるのです。統一教会から見れば、興進君は、地上においては命を捧げて闘うということの標準となり、霊界においては、今まで歴史始まって以来存在しなかった愛をもって地上と連結させる霊界の代表となったのです。

 神様は地上を救うためにメシヤを送られましたが、今日、真の父母は霊界を救うために、霊的世界を救うために、真の御父母様の身代わりとして全権大使、愛の王子を送ったということを知らなければなりません。

 イギリスから責任者が来て報告するには、ある婦人が、興進と共に活動する霊界の背景を教えてくれるとのことです。彼女が言うには、聖フランシスはイタリアで死んだのですが、そのあと一度もイタリアに行くことができなかったというのです。ところが、興進が霊界に行って配置することにより「今回初めてイタリアに行くようになったので、どれほどうれしいか分からない」と言っていたというのです。

 また、ドイツ南部にいた一人の司教が、ドイツで死にながらドイツに行くことができずにいたのですが、興進様が「お前はここで監督しなさい!」と言うことによってドイツに来て働くようになり、「どれほどうれしいか分からない、真の御父母様に協助することができる驚くべき恩賜を受けた」と言って喜んでいたという、そのような報告を受けました。それらはすべて先生が言ったことと一致するのです。それをイギリスの人たちは聞きましたか、どうですか。

 霊界にいる人々は、今まで興進のことを知らなかったというのです。「東洋の少年だが、あれは誰だ? イエス様が慌てふためいている」と言って不思議に思っていたところ、興進が「私が興進様だ」と言ったというのです。ですから、興進様はヤング、・キリストだということです。イエス様が、「自分はオールド・キリストであり、興進様はヤング・キリストである」と言ったというのです。

 それはなぜでしょうか。心情圏を中心として見るとき、誰がお兄さんかといえば、興進君がお兄さんなのです。先に霊界に行ったイエス様は長子の立場にいますが、その権限を次子に譲ってあげて自らは次子の立場に立つことにより、その心情圏基盤の上で、真の御父母様の愛を中心とした本然の基準に通じなければなりません。そのようにしなくては、天国に入っていくことができる門に連結させることができません。天国と通じる楽園門が生じないというのです。

 イエス様の時代においては、三十三歳以下の若者たちはイエス様の恵沢を受けることができないまま霊界にいるのです。しかし十代圏が長成期完成級にすべて連結されたので、原理結果主管圏がサタン圏の干渉から抜け出る時代に入ってきたのです。十代圏は長成期完成級で堕落した年齢ですが、それを連結させることによって十代はもちろん、それ以下もすべて堕落していない圏内へと越えてくるようになるのです。そのように蕩減してあげたのです。


四 「一つの世界創建宣布式」と主要行事

「一つの世界創建」宣布式
(一九八四・四・一 〔陰暦三・一、第二十五回「父母の日」、アメリカ、ベルベディア修練所)


 一九八四年四月一日(陰暦三月一日)、アメリカ、ニューヨークのペルベディア修練所で「一つの世界創建宣布式」がなされた。同宣布式は、一人の韓国人食口が一九八八四年三月二十五日晩に祈祷中、大天使ミカエルを通じて神様のみ言を受け、真のお父様がその内容の報告を受けられたのち、第二十五回「真の父母の日」を通じて宣布されたものだ。

 満二十四周年、回数として二十五回目の「父母の日」です。今年の五月一日になれば、統一教会が創設されてから三十年になるのです。東洋では、一年十二ヵ月の中に二十四節気があります。ひと月を二つの節気にして二十四節気があるということを西洋では知らないと思います。それを見れば、霊界も十二支派を中心として二十四長老となっているのです。十二数と二十四数が重要な数になっています。

 一年があり、十二ヵ月があり、それから二十四節気があり、三百六十日があると、このように見るのです。ですから、三十六数というのは三段階の完成数だということを知ることができます。原理から見れば、アダム家庭、ノア家庭、ヤコブ家庭です。三十六数もこのような意味の内容をもっているのです。また、二十四数は何でしょうか。サタン世界で言えば、四位基台が四数であり、それからサタン数六数で、四×六は二十四となり、これはサタン世界の数を清算し、全体を総合する理想数となるのです。

 ですから、このような観点から見るとき、この時は、私たちの摂理史とともに、すべてのサタン世界と天の世界が最後に交差する時期に移っていく時だと思っているのです。それでは、民主世界とは何かというとアベル世界であり、天側の天使長の世界を意味しています。それから、共産世界は堕落した天使世界を意味しています。そして統一教会は、父母の世界を意味しているのです。民主世界と共産世界が分立していますが、カインとアベルに分立したこの基準を一つにしなければ、全世界を一つにできる基盤ができません。

 このような伝統を立てようとするので、世界的カナンの福徳に向かうこの時代において、三年間を中心として、アダム国家である韓国人、エバ国家である日本人、それからアベル国家であるアメリカ人、カイン国家であるドイツ人がすべてを捨てて一つになりなさいというのです。

 エデンにおいてアダムとエバが怨讐であり、カインとアベルが怨讐であり、父母と兄弟が怨讐でした。これらすべてのものの根を抜き取って統合するための起源をつくっておかなければ、天心へ越えていくことができないということを知らなければなりません。サタンが「地上に敵対する国がある限り地上は自分の基盤だ」と主張してくるのです。自分を中心とした人がいれば「これは自分のものだ」と主張するのです。

 それでは、これらの国が一つにならなければなりませんが、誰によって一つになるのでしょうか。神様と堕落していない真の父母が設定されなければ、一つにする道がありません。国と国は何によって一つになるのでしょうか。神様の愛と真の御父母様の愛によって一つになるのです。ですから、皆さんが誇らなければならないものは、神様の愛であり、真の御父母様の愛なのです。これは、自分のもの、国のもの、世界の何ものよりも褒めたたえなければならないものだという結論が出てくるのです。

 それでは、皆さんはどのように思わなければならないのでしょうか。「ドイツだ」、「どこどこの国だ」、「何々主義だ」といった「私」という観念をすべて捨て、神様、真の御父母様、兄弟、一つの世界、それしかないと思わなければなりません。ですから、私たちの国、一つの国、一つの世界、天地の一つの世界のことを思わなければなりません。

 それで、きょう、祈祷の中で「神様の命令をもって、天上統一、地上統一を中心とした統一教会の運勢圏を中心として主流思想を立て、一つの世界創建に向かって前進させてください」と祈り、宣布式をしたのです。一つの世界に向かって前進しなければなりません。アーメン! そのような信念をもって、今から皆さんは、皆さんの家庭基盤を中心として国を探し立て、世界を探し立てなければなりません。国の基盤を促進させ、世界へと出ていかなければなりません。


真の御父母様の家庭と一つにならなければならない時

 今回、先生が息子にも祝福をしてあげることによって、四家庭(注一髪進様、孝進様、仁進様、興進様の家庭)が設定されるのです。この東西南北を中心として、全世界の祝福家庭が完全に一つにならなければなりません。興進とイエス様が一つになるのです。それは、カイン・アベルと同じです。先生の息子、娘の家庭と皆さんの家庭が完全に一つにならなければなりません。イエス様と興進の家庭が一つになるのと同じように、統一教会の皆さんの家庭と先生の息子の家庭が完全に一つにならなければなりません。

 それでは、イエス様の相対は誰でしょうか。既にイエス様も祝福してあげたのです。それを知らなければなりません。しかし、それは世界的版図の勝利圏ではありません。国家基準を越える時に祝福してあげたのだということを知らなければなりません。イエス様は国家基準を越えて世界へ行くことはできなかったのです。それを越えなければなりません。興進は世界基準を越えたのです。

 ですから、興進とイエス様が一つになり、その家庭が一つになったのと同じように、今日、先生の家庭と皆さんの家庭が一つにならなければなりません。イエス様が犠牲になってから今日までの二千年間、イエス様とキリスト教が、一つになることができるこの日をどれほど待ち望んできたかをあまりにもよく知っているのです。

 それで、この「父母の日」に統一教会の教会員たちは、真の御父母様の苦労がどれほど大きかったのか、真の御父母様の心がどれほど苦痛を受けたのかということを知らなければなりません。真の御父母様について知らなければならない時が来たのです。そうしなければ伝統が分かりません。伝統をもつことができないのです。

 このレバレンド・ムーンの息子、娘はなぜ苦労をするのでしょうか。学校に行けば、他の子供たちが「レバレンド・ムーンはどうだこうだ」と言って後ろ指をさしながら、ひそひそ話をするのです。そのような蕩減を受けて先生の息子、娘は家に帰ってくるのです。統一教会のレバレンド・ムーンに反対する者たちから、皆さんがいくら苦痛を受けたとしても、それに比べると皆さんの受ける苦痛は何でもありません。

 学校に行って、反対する子供たちから父に対するそのような言葉を聞く時、隠れて涙を流す場面がいくらでもあったという事実を知らなければなりません。先生の悪口を聞いて、皆さんにはそのような痛みを感じながら涙を流す時がどれくらいあったのかというのです。

 そのような先生の息子がいるとすれば、皆さんは、十字架を背負いながら受難と苦痛を受けたその事実に同情し、涙を流して祈祷しながら「代わりに祭物になったとしても感謝することができる」という心だけでももつことができなければなりません。

 今、皆さんは、孝進のためにどれくらい痛みを感じて身もだえしながら涙を流したことがあるかということを反省し、悔い改めなければなりません。そして、それに先立ち、真の父母として迫害を受けてきた先生の苦痛がどれほど激しいものだったかということが分かりますか。

 そのような意味で、きょうこの「父母の日」に先生のみ言を聞き、新しい次元で自分の過去、現在を収拾し、未来に祝福を受ける可能性のある存在として「闘いに出発しよう」という決意をなすならば、きょうこの日の祝賀式が意義あるものになるだろうと思うので、このような話をするのです。


御聖婚二十四周年と興進様昇華百日祭(一九八四・四・一六、〔陰暦三・一六〕)

 韓国・日本・アメリカ・ドイツが一つになるとはどういうことかというと、アダム・エバが一つになることであり、カイン・アベルが一つになることです。四大国家でこれを完成させなければ、天の国というものが出てきません。完成圏というものを成すことができないのです。

 それで、四十年荒野時代を勝利して越えていくことにより、カナンの福地が世界的に決定されるのです。原理がそのようになっています。サタン世界の世界的障壁を越えていくのです。それは何かというと、サタンの主管圏でもある世界的障壁を乗り越えることによって、間接主管圏から直接主管圏に連結されるということです。そして、それは四十年路程を経て、新しいカナンの福地、新しい祖国創建の時代へと入っていくということです。

 それでは、完成時代とは何でしょうか。神様と真の御父母様を中心として長子権の基準を復帰したアベルが設定され、堕落していない伝統的な本然の世界への道が生じることであり、個人から家庭、氏族、民族、国家、世界へと越えていくことができる道が生じるということです。今、四大国家が世界の国家の代表なので、この三年さえ越えて、すべての国家がこの国家の行く道に従ってにくならば、世界は瞬く間に、七年以内で回っていくのです。これが一九九〇年までだと思っているのです。今から一九九〇年までです。

 薫淑は何も知りませんが、現在、天の国では后の立場に立ちました。ですから、地上世界と天上世界において、神様と真の御父母様の愛を中心として、また原理的な完成基準を中心として初めてすべての体制が整頓され、新時代へと入ってきたのです。すべての霊界と肉界が理論的にぴったり一致してこそ新しい時代が来るのです。それで、四十年期間を中心として新しい出発が始まるのです。

 それで、今、アメリカの五十州で機動隊が活動しているのです。これは、五十ヵ国を巡り歩くのと同じです。そこには、ありとあらゆる人種が住んでいます。三年間で、五十州すべてを回るのです。アメリカの国民は世界の人々を縮小させた国民です。しかしこの国には伝統がありません゜伝統がないので、私たちが伝統を立てるのです。

 きょう十六日は、真の御父母様の聖婚二十四周年ですが、この二十四周年というのは、二十四散をすべて越えていくということです〇二十四散を越えると同時に、教会創立三十周年になるのです。それから、興進君の昇華式をしてから百日になったのです。それで、きのう韓国ではその記念式をしました。先生も祈祷をしてあげました。百日の記念式をして初めて霊界で完全に定着するのです。きょうで終わりました。それらがぴったり一致しているのです。これは実に不思議なことです。国と世界と統一教会全体を蕩減し、越えていく時がこの四十年なのです。

 それで、皆さんは、韓国語を知らなければなりません。子供が生まれれば、最初に習うのは英語ではありません。腹中から生まれた子供が言葉を習うときは、韓国語から習わなければなりません。ですから今、強調しているのです。それは、真の御父母様が韓国人であるがゆえに習わざるを得ないのです。英語というものはカインの言葉です。真の御父母様にとって英語がありますか。日本語がありますか。真の御父母様の世界には一つの言葉しかありません。

 一九八三年に「一九九〇年まで」と発表したので、七年間で蕩減しなければなりません。言語の蕩減をしなければならないのです。それ以降、韓国語の分からない人は難しくなります。重要な会議はほかの言葉ではしないつもりです。エデンの園に本然の息子、娘、家庭、氏族が集まったのに、どうして通訳が必要なのかというのです。そのような概念があれば、サタンが一遍に讒訴するのです。中心幹部は、お父様と常に一緒にいるではありませんか。それなのに通訳を使ってきたということは、サタンの影響圏であったと思っているのです。

 先生が「韓国語を習いなさい」と言うのは命令ではありません。これは原理観なのです。ですから、仕方なく韓国人が世界の中心的責任者にならざるを得ないという話が出てくるのです。ですから、今から皆さんは、韓国人を連れてきて教育を受けなければなりません。昨年機動隊を出発した時から七年です。一九九〇年までの七年路程を定めたのです。七年の間に蕩減しなさいというのです。

 そのようにして、サタン圏である間接主管圏と直接主管圏が、真の御父母様と、真の御父母様の子女と、真の御父母様の氏族を中心として、完全に一つになるのです。真の御父母様・子女・氏族で三代なのです。三段階を越えれば完全に一つになるのです。サタンの讒訴圏を過ぎていかなければなりません。


祝福家庭子女二十一日修練会と興進ろうそく伝授
(一九八四・六・二〇、ニューヨーク、ベルベディア修練所)


 一九八四年六月二十日、アメリカ、ニューヨークのベルベディア修練所に、真のお父様が祝福家庭の子女たちを直接招集(四十名以上参席)され、二十一日修練会を始められたが、修練会が始まるこの日の朝、興進様ろうそくをつくられて祝福家庭の子女たちに伝授してくださった。


 今回、何としても孝進が根を下ろし、今まで見てきた孝進とは違う、先生と天が喜ぶことができる孝進となり、皆さんが孝進の垣根となってよく従い、二十一日修練期間に有終の美を飾ってくれたらいいと思います。

 それで、今回「興進ろうそく」という、ろうそくをつくってあげようと思います。このようにすれば、興進がいつでもここに来て皆さんを協助することができるのです。自分の名前が付いたそのろうそくが常に皆さんと共にあるので、いつでも来て協助することができるようになるのです。それゆえに、皆さんにはサタンが侵犯することができません。興進君が保護してくれるからです。ここで、興進君は、直接愛圏内の真の御父母様の息子です。直接愛圏内の真の御父母様の息子が守ってくれるものはサタンが讒訴することができないのです。

 祈祷する時には、いつでも興進ろうそくをともして祈祷するのです。そのようにすれば興進の保護圏が生じ、真の御父母様がいらっしゃり、神様がいらっしゃり、また興進が保護し、安全な基盤を成すようになるのです。ですから、そのろうそくの火というものは、最も貴いものだということを知らなければなりません。これは、祝福家庭の子女たちに限って配布するものですが、特別に命を覚悟して模範となることができる人たちには、皆さんが分けてあげることもできるのです。

 興進は、真の御父母様に孝子の本分を果たすことができずに霊界に行ったのです。ですから、興進がそのことを悔しく思って、孝子の本分を代わりに果たしてくれることを願っているということを知らなければなりません。それは、孝進を通してです! ですから、孝進は今、二人の息子の責任を果たさなければなりません。そのようにすれば、今から前途が開かれて本当に良くなるだろうというのです。

 皆さんは、今から統一家に責任をもたなければならないということを知らなければなりません。そのようにしようとすれば準備をしなければなりません。徹底的な準備をしなければなりません。み旨を中心として準備するということは膨大な内容です。ですから、今まで先生が宗教指導者としての一分野だけをもって歩んできたとすれば、今日、世界にこのような影響を及ぼすことができる位置に出てくることはできなかったはずです。一つの教派の責任者として現れて去っていくような人になったかもしれませんが、多方面に手を付けたのです。それは空想ではありません。

 基盤が必要なので準備をしなければならず、実力をもたなければなりません。実力のある人は実績をもたなければなりません。実績が基盤です。準備と基盤、それから実力と実績をしっかりもつのです。いくら実績があっても実力がなければ駄目ですし、実力があっても実績がなければ駄目なのです。

 孝進! 準備しなければならないでしょう? (します)。あなたも基盤が必要です。お父様の基盤ではなく、あなたの基盤が必要です。あなたも実力が必要です。お父様の実力をもってではいけません。あなたの実力でしなければなりません。それから、あなたの実績が必要です。そのようにしてこそ世界があなたの前に頭を下げるのです。ここに集まった皆さんも、みな実績の前に頭を下げるのでしょう? 先生の実力の前に頭を下げるのではありません。「私たちの先生は人のできないことをした」と言って実績の前に頭を下げるのです。

 このことをはっきりと知り、今回の修練期間において皆さんが決意し、孝進君が今や新しい決意をもって、より次元高く先生の願われた理想に向かっていくならば、私は監獄に行くことがむしろ天の前に文氏門中の栄光になると思うのです。孝進はそれを知らなければなりません。

 孝進、あなたは弟たちの前に兄としての責任を果たさなければなりません。過去の自分を考えずに、今から神様の前に恥ずかしくない自分にならなければなりません。立ちなさい。そして、手を挙げて宣誓しなさい。皆さんも孝進君と一つになり、統一家のこのような新しいみ旨を知り、新しい基盤を拡大するための準備と基盤、あるいは実力と実績を果たすために、総進軍することを共に決意しますか。(はい)。手を挙げて約束しなさい。


五 アメリカ連邦最高裁判所脱税容疑裁判と「愛天日」宣布

アメリカ法廷闘争を前後した総力活動

 一九八四年は、摂理史において、確かにこの上なく重要な転換期です。私たちは年の初めに悲劇に遣いましたが、それによって勝利の街道を走っています。「禍転じて福となす」という言葉のように、連勝を収めているのです。昨年三月に国際伝道機動隊を編成し、全体動員をさせました。その事業は、福音伝道のための最も偉大な最初の事業でした。何のためかというと、父の国である祖国創建のためです。

 今から、州責任者も機動隊の責任者も、みな講義をすることができる実力を備えなければなりません。そして、CAUSA運動もして、国際勝共連合の運動もしなければなりません。いずれにしても講義ができなければいけません。皆さんができなければ落伍者になるのです。

 それから、NCCSA(教会と社会活動のための全国協議会)の今までの外国人指導者はみな立ちなさい。皆さんは十地域の総責任者ですが、今後、皆さんと同じ仕事ができる人にするために、ここにいる州責任者を必ず一人ずつ連れて歩きながら育てなければなりません。皆さんが講義するとき、州責任者にも一科目ずつ講義させながら訓練していかなければなりません。

 五月、六月を越え、七月からは五十名の責任者がすべて活動することができるように追い立てなければなりません。そのようにしなくては、十一月までを基準とした選挙期間において、様々に複雑な支障をもたらすのです。ですから、機動隊責任者たちは「そのような講義訓練を今からしよう」と考え、全員が「その訓練を個別的にしよう」という考えをもたなければなりません。

 この牧師公聴会を各州でできるように拡大しなければなりません。そのためには、復興会をすることができる基盤を拡大しなければなりません。ですから、この牧師公聴会をするためには、皆さんが人員を補充しなければなりません。五州の責任者と機動隊の隊長も、活動するときに必要な牧師たちと関係を結び、その後援組織、擁護組織を強化しなければなりません。

 ですから、NCCSAを早く拡大して、復興会をすることができる基盤を早く全国化しなければなりません。整備しなければなりません。これ以外には、アメリカの(既成)教会の行く道がありません。そしてミスター朴の話していたこと、すなわち教会員全体を動かして選挙運動をすることができるように教育をするのです。共産党を防ぐために教育をしなければならないのです。これは政治運動ではなく教育です。ゆえに、誰がこのことを知っても反対することはありません。

 機動隊をつくるというその原則に従って、先生は、二百五十台のモービル・ホーム(移動家屋)と二百五十台のトラックを準備しなければならないと思っています。短期間で準備し、このような国家的組織編成の闘いに出ていかなければなりません。それが先生の考えです。そのようにして、今からCAUSA運動を中心として、少なくとも約四千万人の会員を何としてでもかき集めなければなりません。韓国では、五十日間で七百万人を突破しました。日本でも、五十日間で四百五十万人を突破しました。ここにいる皆さんはどうですか。アメリカはどうなのですか。

 それでは今後、この数を中心として、世界的な群れが集まったとすれば、皆さんは何をするのですか。四千万人会員の募集をしなければなりません。そして七千万という、先生が宣布したものを成せばすべて終わるのです。今、ブラジルでは一千万の会員募集を始めています。

 五十州の組織責任者を選定しなければなりませんが、いかに強力な人を責任者として選定するかということが問題です。そのためには、統一神学校の卒業生から適当な人を選出したり、CARPや何々運動などの区別なく超部署的な立場から選出して、強力な体制をつくらなければなりません。

 CARPの責任者たちは、このようにCARPの仕事をしていますが、彼らを動員することもできるのです。世一路もそうですし、ファンダレイジング・チームもそうです。デモや大衆活動をするなどの全体活動をする時には、必要に応じて彼らを動員することができる特権を付与します。

 ファンダレイジング・チーム、オー・シャン・チャーチ、日本の会員もみなそのようになるのです。また、ジュエリー(宝石)メンバーなど事業関係の人々もそのようにするのです。特別な時には、私たちに所属するすべての要員に命令することができる特権を付与します。

 先生は、NCCSAや超教派運動、それからICUSやニュー・エラ(New ERA:新超教派研究協会)運動などを、このような時を中心として行ってきたのです。皆さんの知らない中で、今まで先生は、この一時を中心として総決算し、完全に統合するための運動をしてきたのです。今まで異邦の宗教と異邦を生かすための運動をしてきたし、今もしているのです。共産世界を助けるためにそこに入っています。中共を生かすために、今ありとあらゆる運動をしているのです。またイスラム教徒を生かすためにもありとあらゆることをしているのです。


最高裁への上告(一九八四・一・二六)と意見書提出(検察側:四・九、弁護人側:四・一六)

 脱税容疑裁判に対する控訴審で、アメリカ連邦高等裁判所が原審どおりの確定判決を下しだのに対して、これを不公正な裁判によるものだという理由で、一九八四年一月二十六日、弁護入団はアメリカ連邦最高裁判所に上訴した。四月九日には、最高裁に検察側の意見書が提出され、四月十六日には、弁護人側の意見書が提出された。

 この四十年期間で、国家を中心として、今までの間接主管圏から直接主管圏へと越えていかなければなりません。サタンからの個人的、世界的讒訴条件をすべて清算し、越えていかなければなりません。そのようにして、四大国を中心として、自由世界のアメリカで完全に統一する運動をして、カナン復帰の峠を越えていかなければなりません。その時が今であると思うのです。

 完成時代には、真の御父母様と長子を中心として、世界的に一つにするのです。そして、世界的に蕩減すればすべて終わります。エデンの園で堕落しなかった直接主管圏内に入っていくのです。神様の愛と人間が一つとなって、個人の立場から天国の家庭、氏族、民族、国家、世界をつくっていくのです。そのようになれば、サタンの讒訴する条件が完全になくなるのです。同じことです。

 ですから、先生は三年間どこにも行きません。この期間は、イエス様の三年路程に匹敵するので、十字架を中心としてどのようなことをしてでもそのことをするのです。イエス様の時代には弟子たちが逃げていきました。しかし、今は闘うのです。それで、今年の四月から八月まで法廷闘争をするのです。最高裁と闘うのです。

 それで、この三年間は、民主世界、自由世界においてイエス様が世界的舞台でローマと闘って勝利したという基盤を築く、メシヤの三年路程です。今の時は、勝利へと越えていく時なのです。

 その期間に、イエス様が十字架につけられたのと同じように、私がアメリカに来て十字架につけられるのです。法廷闘争は十字架につけられるということです。それで、一次から二次の高等裁判所まで行ったのは、イエス様が死んでから生き返ったのと同じです。半分は支持し、半分は反対したのです。

 主判事は私の側であり、副判事二人が反対したのです。それは長成時代に該当するのです。第三次の最高裁を中心として闘う時には世論が沸騰し、すべて「レバレンド・ムーンを解放しなければならない」となるのです。世界的基準で自由世界全体が完全に一つになり、キリスト教全体が一つになるのです。

 統一教会は今年で三十周年ですが、それは、イエス様が三十歳になったのと同じです。私個人は三十歳でキリスト教を相手にしなければなりませんでしたが、教会の三十歳の時には世界的キリスト教と世界を相手にすることができる段階に来たのです。

 そのようにすべて発展したのです。国家的時代なのです。統一教会の三十年を中心として、世界相対時代に来たのです。イエス様が世界的文化圏と向き合ったその年齢の時代に統一教会が入ってきたのです。統一教会の年齢が、世界的文化圏と向き合う段階に来たのです。

 今年は二番重要です。裁判も、四月と五月にすべて引っ掛かっています。ソ連とアメリカの問題、そして中共の問題も引っ掛かっています。レーガンが中共に行ったのは良いことでした。それは、天側の西欧の天使長と、サタン側のアジアの天使長とが出会うことです。そのようにしてアジアの天使長格である中共と、西欧の天使長格であるアメリカが出会ったということは良いことだったのです。

 先生は今、レーガン政権と完全にかみ合っていくのです。レーガンは私を証しなければなりません。そうすれば終わるのです。裁判が終わって私が勝利したのちには、レーガンが謝罪し、アメリカが私を表彰し、勲章をくれなければなりません。


連邦最高裁上告棄却(一九八四・五・一二)

 一九八四年五月十二日、アメリカ連邦最高裁判所は、「自分は、不公正な裁判を受け、宗教迫害の犠牲的祭物」であると主張し、異議を申し立てた真のお父様の上告を何の論評もないまま棄却した。今回の事件に対して、相当数の宗教団体がいわゆる宗教の自由と関連させ、判事たちに慎重に対処するよう迫ったが、同裁判所はこれらの勧告を無視したまま、結局原審(懲役十八ヵ月、罰金二万五千ドル)確定の判決を下した。

 私が一つ尋ねます。今回のこのような事件を中心として、各自が今までの自分自身の心と過去を批判し、このような摂理的な時点において「私自身が天の前に立って、何かをしなければならない」と決意しましたか。(はい)。してきたという人は手を挙げてみなさい。天の前にそのような誓いをしましたか。それならば、この時間、「もう一度真の御父母様の前に決意しなさい」と言えば、そのようにしますか。(はい)。

 先生が一生の間み旨の道を歩んでくる中において、そのような契機があったと思いますか、なかったと思いますか。その時は、今日のように数百名の世界各国の人々が集まった中で決意し、誓ったのではありません。たった万人、私だけだったという事実を皆さんは知らなければなりません。それは、世界的指導者の立場でしたのではありません。しかし、皆さんは、世界的な立場でそのような決意をしているのです。

 また、今皆さんが決意すれば、アメリカや全世界の人々、知性人と法曹界にいるすべての人々がアメリカの官庁に対して「間違っている」と言い、全世界の四十億の人類が私たちの側に立って歓呼し、擁護する背景をもつことになるのです。そのような驚くべき事実をもっているということを知らなければなりません。白人世界でもそうですが、有色人の世界には、より衝撃が大きいということを知らなければなりません。

 今回のレバレンド・ムーン事件を霊的、精神的に見るとき、世界の歴史路程でこのような連合的な形態が起きたのは初めてのことだと思います。霊的に見れば、心の世界で爆発が起きて新しい霊的統一圏が出発する起源ができるのだという事実を知らなければなりません。

 忘れないでください。この決意が、今日私たちのすべての鬱憤を爆発させることができる爆発的な原動力になるだろうと思っています。では、手をこのように合わせてください。そして、十本の指を見て「この手と、この足と、この体は裏切り者になることはない」と自分自身の前に誓ってください。誓いをなした人は「アーメン」と唱えてください。(アーメン)。ありがとうございます。そのようにすれば、すべて済みました。きょう、ここに集まったすべてのものが解決されるのです。

 この道を歩んできながら監獄生活もたくさんしたし、手錠もたくさんかけられましたが、私の命が断たれない限りは感謝していかなければならないという立場で歩んできたのです。感謝しなければなりません。喜びで迎え、結果は天の前に任せるのです。

 そのような決意をして、どのような生き方をするのでしょうか。私がただ生きていれば、死なざるを得ません。しかし「み旨を立てられた神様のかわいそうな立場があるので、私にこのような苦痛を与えて峠を越えさせ、かわいそうな神様の摂理を継承させるために神様が私を残しておくのだ」と考えるのです。

 今の時も同じです。精神世界が今、レバレンド・ムーンを中心として、すべて一つに統合されてくるこの時に、有終の美を飾るためには、犠牲を覚悟していかなければならない伝統の道が間違いなく残されていると思うのです。私は弱くはありません。一対一の対決です。レスラーが首を絞めるのと同じ瞬間です。ですから、「やってみろ! お前にとってはそれが最高の力を尽くしたものだが、私にとっては今から始まりだ。今からが始まりなのだ」と言って対決をするのです。

 皆さんが知っているように、この時は、ソ連共産主義のKGBを中心として、すべての怨讐が先生の命をねらっている時です。私の子供たちを拉致する計画があるという報告を私が受けているという事実を知らなければなりません。しかし、このような決定が出ることによって、KGBはすべての計画を中断せざるを得ないのです。

 外的な面から見れば、世界的な統合運動を開始し、悪魔たちの攻勢を防御することができる良いチャンスだと思うのです。怨讐たちは「レバレンド・ムーンにはお金もたくさんあるので、ただレバレンド・ムーンを処置するよりは、その息子、娘を拉致してお金をもらってから処置するほうが良い」と考えるのです。自分たちが利益を得たあとから、いくらでもレバレンド・ムーンを処置することができると考えているのです。しかし一年半という闘争期間において、そのような計画を実行すれば、愚かなことになるのです。また、内的に統一教会を見るときは、そのことによって団結できる良い機会となるのです。


「第二のレバレンド・ムーンになれ」

 ここで私が皆さんに一つ提議することは、皆さんの決心の上に先生の決心まで代理してほしいということです。今、皆さんは決心をしましたが、それは皆さんの立場から決心したことでしょう。ですから、先生の伝統的な思想を受け継ぎ、「新しい第二のレバレンド・ムーンになろう」という決心をしなければなりません。そのようになれば、レバレンド・ムーンがいなくなっても大丈夫です。きょう、そのような決意をすることができますか。手を挙げなさい。アーメン!(アーメン)。

 それでは、全世界にいる統一教会の二百五十名の責任者たちと、宣教部で生活しているすべての宣教国の代表たちが皆さんと同じ決意をする瞬間に、天地と霊的世界が連結されているという事実を宣布します。アーメン。(アーメン)。

 このような契機が設定されたという事実は世界史的なことです。これは目には見えませんが世界史的なことです。今から皆さんは第二のレバレンド・ムーンです。それゆえに、迫害を受け、難しいことがあったとしても、自分を中心として考えるのではなく、先生を中心として考えなければなりません。第二のレバレンド・ムーンとして「先生ならばこのような立場でどのようにしただろうか」ということを常に考えなければなりません。それが表題であり、生活方式です。

 先生は、今まで修養してくる中で三大目標を定めて歩んできました。み旨を立てて歩む時に三大目標を定めたのです。第一は何でしょうか。宇宙主管を願う前に自己主管を完成せよ! これは一番難しいことです。苦痛の道、十字架の道を行く時には、いつでもこの「私」という者が逃げ出そうとするのです。そのような時には、「こいつめ!」と言いながらコントロールするのです。

 第二は何でしょうか。皆さんと約束した時に「第二のレバレンド・ムーンになれ」と言った言葉と同じです。第二の神様、第二のイエス様の立場に立て! これは先生の人生観です。「私は第二の神様だ、第二のイエス様だ!」というのです。万事に対する時、自分が対するのではありません。ここにいるレバレンド・ムーンが対するのではありません。神様ならばどのように対されるか、イエス様ならばどのように対されるかということを考えるのです。

 第三は何でしょうか。祈祷することです。ソロモンの知恵を求めるのです。「イエス様の愛と、ソロモンの知恵と、ペテロの信仰を下さい」と祈祷するのです。それ以上に祈祷しなければなりません。

 このような原則的な第一、第二、第三の目標を中心としながら、祈祷したとおりにすべてが成し遂げられたという位置を経てきました。それゆえに、今日、世界的な頂上の位置から、レバレンド・ムーンを中心として霊界と肉界とサタンと神様の道を貫くことができるのです。そのような頂上の位置に来ているという事実を知らなければなりません。

 先生は、神様が見るように皆さんを見ることができます。いかに私が男性であっても、女性たちをみな妹のように思い、娘のように思い、お姉さんのように思うのです。そのような神様の見る心情圏に立っているので、男性も女性もすべて先生のことが好きなのです。

 この三大原則を皆さんは知らなければなりません。皆さんは第二のレバレンド・ムーンなので、第一のレバレンド・ムーンがもった三大原則を伝授してあげなければならないと思い、このような話をするのです。


「愛天日」制定の宣布(制定:一九八四・五・一六、〇〇:四五、イースト・ガーデン、
宣布:○五:二〇、ベルベディア修練所)


 アメリカ連邦最高裁判所による脱税容疑裁判の原審確定の最終判決四日後である一九八四年五月十六日零時四十五分、アメリカ、イースト・ガーデンで、真のお父様は「愛天日」を制定され、五月二十日、ベルベディア修練所で聖日説教をされながら公式宣布された。「愛天日」は、真のお父様を十字架につけようとするアメリカを許し、真の愛で監獄まで消化されるという宣言とともに決定された。

 愛天日! これは何でしょうか。愛を中心として天が主管する日です。今まではそうではありませんでした。世の中を神様の愛を中心として主管することができなかったのです。その意義は、天の愛を中心としてすべてのものを主管することができるようになったということです。

 アダムとエバが堕落したので、堕落した愛によってすべてが反対を受けたのですが、真の父母の愛を中心として、サタンの主管圏から神様の主管圏へ宣布してしまわなければなりません。それが、法廷宣言に合わせてその出発の日を決定することができる良いチャンスです。

 イエス様が死んで、二二日間どこに行ったのでしょうか。三日間、地獄に行ったのです。サタンの地獄世界に入っていって愛の復活の日を立て、主管圏を立てる責任を果たさなければならないのです。主管圏を復帰しなければならないのです。ですから、イエス様は、霊界の父母たちと地上の父母の権限を中心として「神様の愛を中心とした統治時代へと越えていく」という宣言をしなければならないのです。ここで、宣布式をしなければなりません。皆さんは知りませんが、天は、一九八四年五月十六日午前零時四十五分に既に宣布式をしたという事実を知らなければなりません。

 今までは、皆さんが過ちを犯した場合は父母が責任を負いましたが、今からは、父母は責任を負いません。今からは、愛の主管圏をもって自分で責任を負わなければなりません。ですから、今からは、皆さんがいくら過ちを犯しても、天の国の父母様の前や全体の摂理の前には支障にならないというのです。今までは、愛の中心となる「愛天日」を定めることができなかったので、すべて父母が責任を負ったのです。しかし今、「愛天日」を定めたので、今からはそうではありません。

 それでは、ここに、世界の代表、百二十ヵ国の宣教国を代表して全体が集まりましたが、「先生のみ言を中心として完全に統一し、愛の主管圏を越えていきます」と誓いますか。(はい、お父様)。ありがとうございます。今からは解放です。先生は、今からは解放の位置に進むのです。新時代への転換の時代が来るのです。(拍手)

 それで、きょう、このような「愛天日」を通して死の恐怖もすべて愛で消化し、監獄の恐怖も愛で消化しなければならないという祈祷をしたという事実を知らなければなりません。統一教会を中心として、死を愛で消化し、今日の法廷、地上地獄を愛で消化するという式を、今先生がしたという事実を皆さんは知らなければなりません。

 「愛勝日」と「愛天日」をつくるということは、真の御父母様がいなくては不可能なことです。しかし、真の御父母様が現れて歴史時代にこのようなものをすべて成し、後代の人々の行くべき道を高速道路にしてあげたのです。ですから、歴史の中で永遠に「愛天日」を愛し、「愛勝日」を褒めたたえながら記念しなければなりません。そのような重要な日だということを知らなければならないので、この時間に宣布をするのです。

 興進は、霊界を中心として霊界の地獄撤廃運動をし、先生は、肉界の地獄撤廃運動をしました。私が監獄に行っても、監獄を監獄だとは思わないというのです。興進君が霊界に行くことによって、地上地獄の門が開放されました。今日、このような公判事件によって、サタンは統一教会の教会員をすべて引きずり下ろそうとしますが、先生はこれに何をもって対処したのでしょうか。先生が監獄に行っても、そこが監獄とは思わないということをもってです。これが問題なのです。監獄に行っても監獄を監獄と思うのではなく、それ自体も天国の延長であると思うのです。なぜでしょうか。地上地獄を撤廃したからです。地獄、監獄まで撤廃してしまったのです。地獄、監獄までも天国圏に押し込むのです。

 そのような条件のもとで、真の御父母様の愛を中心として杭を打ち込まなければなりません。その杭が打ち込まれた日とは何の日でしょうか。サタンと神様の前に間違いなく杭を打ち込んだ日とは何の日でしょうか。それが「愛天日」です。今や、神様の愛を中心として越えていくことができる時代へと移っていくのです。


愛天のろうそく伝授と一情祈祷会出発(一九八四・五・二〇、ベルベディア修練所)

 一九八四年五月二十日、アメリカ、ベルベディア修練所で、真のお父様は聖日説教をされながら、毎年この日五月二十日を「愛天日」として守り、記念されると宣布された。この日、愛天のろうそくが伝授され、一情祈祷会が結成された。

 このろうそくの火は、イースト・ガーデンに行ってつけてきました。十六日に「愛天日」を宣布した時に、その場でこのろうそくの火をつけたのです。ですから、ここに準備されたすべてのろうそくに火をつけますが、これは、家庭をもった人がもつことができるのです。今後、結婚すれば、このろうそくの火をもつことができます。これは何かというと、愛の真の御父母様を中心として天と一つとなることによって、愛の主管圏が生じるということです。その主管圏のための一つの象徴的なろうそくなので、結婚した家庭がもつのです。

 このろうそくはどのような時に使用するのかというと、国のためであるとか、世界に重要な問題があったり、自分の家庭に重要な問題があったり、また自分の一族に重要な問題がある時に、その家庭のおじいさんや、父母、あるいはすべての家族が集まって、このろうそくの火を中心として「愛の主管圏が成されるように」と祈祷するのです。そのようにすれば、そこにはサタンが侵犯することができません。このような分別されたろうそくであるということを皆さんは知らなければなりません。

 この光が届くところには、神様と真の御父母様が共にいると思い、愛の主管圏が成されると思わなければなりません。聖別されるのです。真の御父母様を中心としてこれを始めたのですが、皆さんがこれをもつことによって、皆さんの家庭にまで連結させるのです。この祈祷をする時に、皆さんが夫婦げんかをして一つとなることができないようではいけません。このろうそくをもとうとすれば、そのような恥ずかしいことがあってはいけません。そのようにすれば、このろうそくをもつ資格がありません。

 また、このろうそくには、芯を中心として自己犠牲をするという意味があります。天を中心として人類がすべて一つになり、一つの光を発するためには犠牲にならなければならないということの象徴になるのです。火がつくのは、ろうでもなく、灯心でもありません。ろうと灯心が合わさって火がつくのです。これは、皆さんの夫婦も一つの主体と対象として互いに犠牲になりながら光を発しなければならないということの象徴にもなるのです。

 それで、真の御父母様が定めた「愛天日」の基盤を中心として、これを全世界的に、すべての祝福家庭が連結するのです。これは愛天のろうそくです。これには「天が主管する」という意味があります。

 そして、ここにともしびをともす時には、できれば今後ライターのようなものをみな一つずつ保管して、そのライターでつけるようにするのですが、そのライターの泊をできるだけからさないようにしなければなりません。からしたとしても、ほかの人がもっていれば、そこから火をもらってからさないようにしなさい。火を消しても、今後ライターだけは保管しなければなりません。

 この愛天のろうそくをもてば、一つの道しか行くことができません。愛の道が一つの道ではありませんか。先生も、一つの愛をもって神様に従っていくようになっているし、皆さんも、一つの愛をもって真の御父母様と神様に従っていくようになっているのです。ですから、皆さんは、先生の言うことを絶対視していかなければなりません。そこには異議がありません。過去のすべてのものをきれいに整理しなければなりません。

 それで、きょうここで、「一情祈祷会」という名前を定めます。一つの情、統一された一つの情、心情的紐帯を結ぶ祈祷会という意味で「一情会」です。ここから、今回の事件は全世界を結ぶのです。

 それゆえに統一教会では、今後どこに行っても常に一人は祈祷する人がいるのです。今から地上に天国ができる時までは、そのようになるのです。それは礎石です。サタン世界を追い出す礎石なのです。

 四十日に二回ずつ回ってくるようにしてあげなさい。教会ごとにすべて行いなさい。教会員が二百名の場合は、毎日五名ずつ祈祷するのです。統一教会員であればそれをするのです。また、その日は必ず一食、断食をするのです。一日断食をしてもかまいません。この条件は、朝食断食だけは抜かしてはいけません。

 それで、それをすべてお金に換算して預金するのです。「一情会」維持費として、今後それを集めるのです。教会で集め、全世界的に集めます。全世界的に集めるのです。それを七年に一回ずつ、全世界的に集めなければなりません。


《祈祷》

 愛するお父様! 「愛天日」を定めたこの勝利の標的を消えないろうそくの火をもって象徴しましたので、ここに真の御父母様の愛、神様の愛が現れて、このろうそくの光が照らす所ごとに、その場の火とともに一つになったその家庭には平和が宿り、あなたの愛の主管圏が連結されて暗い勢力を防ぎ、すべての不義の条件を防ぎ、不和の根源を防止することができる勝利の神聖なろうそくとなるように許諾してください。

 これを愛して、特別に祈祷する所に、あなたがいつも共にいてくださり、真の御父母様が共にいてくださり、全霊界と肉界が愛の統治権をもって臨まれ、保護してくださることをお願いいたします。

 今から始まるこの愛天のろうそくの上に、あなたの栄光とともに歴史に永遠に連結されることができるように、そして天国が完成する時まで続けることができるように祝福をしますので受けてください。真の御父母様の名によって祈祷し宣布いたしました。アーメン。アーメン。アーメン。


六 宗教の自由守護大会とダンベリー刑務所への入監

世界各国の宗教の自由守護大会(一九八四・五・三〇〜)

 真のお父様への宗数的弾圧に抗議する集会が、世界の至る所で聞かれた。アメリカでは、米国内の六十宗派、三百名以上の聖職者たちが、一九八八四年五月三十日にアメリカ連邦最高裁判所の投獄決定に対して抗議するデモ集会(ワシントンD・C、ローズ会館)を開き、また六月十一日、「宗教の自由のための集会」(ニューヨーク、シェラトン・ホテル、一千名以上)で、真のお父様の無罪を主張した。日本は、六月十二日、「宗教の自由 の日」東京大会(三千名)、そして韓国は六月十四日、「宗教の自由のための大会」(ソウル、ヒルトン・ホテル、千三百五十名)を通してアメリカの覚醒を迫った。

 先生は、今皆さんが決意したので、どこに行っても心配しなくてよい立場に立ったということが有り難いと思うのです。また、今この場にキリスト教が一つになっているという事実が本当に有り難いと思うのです。イエス様が十字架で亡くなることによって失ってしまったものを復帰できる時が来たのです。ローマ帝国の時代を中心として見れば、キリスト教はその時のユダヤ教と同じであり、先生はその時のイエス様と同じなのです。

 イエス様が十字架を背負う時は、ユダヤ教とローマ全体が分かれていきましたが、今ここで、私が十字架を背負って越えていくこの時においては、統一教会の教会員は、全員逃げてはいきませんでした。十二弟子が逃げていかなかったのです。逃げずに固く団結し、キリスト教が先生に反対する立場ではなく、ユダヤ教がイエス様を歓迎する立場から四十の既成教会の教団が固く団結して宣誓したのです。それで、来たる二十九日から世界的な発表をします。

 したがって、レーガン政権が「私はレバレンド・ムーンを支持し、レバレンド・ムーンを助ける」と一言だけ言えば、すべて終わるのです。ローマ帝国とユダヤの国とユダヤ教が一つになって世界的な版図を越えていくことができる道がちょうどこの瞬間、息の詰まるようなこの期間を中心として連結されていくということを知らなければなりません。その時は、国も、教会も、弟子たちまでもが逃げていきましたが、今は弟子たちが完全に一つになったのです。それから現政府、共和党ならば共和党が統一教会に反対するようにはなっていないというのです。それを知らなければなりません。

 それで、統一教会と皆さんが一つになり、キリスト教が一つになり、国と自由世界が一つになることができる瞬間、そのような時点に置かれているということを知らなければなりません。また、韓国政府も一つになり、韓国のキリスト教会も一つになるのですが、もし韓国のキリスト教会が反対すれば政府が弾圧するようになっているのです。

 今や大韓民国が一つになるのです。それで、七百万の勝共連合の会員が一つになるのです。それからまた、日本と一つになるのです。レバレンド・ムーン救援運動が展開するはずだというのです。国家的次元を越えているのです。

 アメリカが反対すれば、南米はレバレンド・ムーンを「南米に連れていく」と言っているのです。アメリカが反対する立場に立てば、北側はサタン側となり、南側が天の側になるのです。韓国のようにです。韓国をそのままにしてより大きな南側の世界を掌握することができる基盤を築いてきたということを知らなければなりません。

 韓国のキリスト教が反対することによって韓国を失ってしまいましたが、今は、南北のアメリカを探し立てることができる時代に入り、今一つにつなぐことができる運動が展開しているのです。皆さんを北側の代表として立てて、南側とすべて連結できる運動が展開しているという事実を知らなければなりません。

 私は監獄に行かなければなりません。私を監獄に閉じ込めたとしても、本当に困るのはアメリカです。デモが起き、様々な騒ぎが起きるのです。米国務省が「どこへでも、頼むから、外国に出ていくことができるならば、出ていってほしい」と言っても、私は出ていきません。「出ていかなければ困る」と言うのです。そのようになれば、南米の人々が協助するのです。黒人の国が大騒ぎして大変なことになるのです。そのようになればアメリカが困るのです。


米上院司法委員会憲法小委員会聴聞会での証言(一九八四・六・二六)

 一九八八四年六月二十六日、アメリカ上院司法委員会憲法小委員会(委員長:オリン・ハッチ氏)は、米国内の宗教の自由に関する聴聞会を聞いた。三百名以上の人が傍聴する中で、真のお父様の脱税容疑の有罪判決に伴う宗教の自由の侵害いかんを調査するために聞かれた同聴聞会において、真のお父様は、あらかじめ準備された英語の演説文を通じて所見を明らかにされた。

 神様は、この地上で真の自由を探し出そうとされていらっしゃいます。自由に対する最大の脅威は共産党独裁です。共産党は、既に一億五千万もの無実の人の命を奪いました。その中の犠牲者の多くは宗散人です。私も北朝鮮の共産党の強制収容所からかろうじて生きて出てきました。共産主義は、今日の世界における最悪の非人道主義です。

 ところが、最近になって自由主義陣営は後退する一方です。一九七五年、自由主義陣営は東南アジアから後退しました。それによってまた、数百万の人命が犠牲を強いられました。アフリカやラテン・アメリカの様々な国々が続々と共産化されています。少なくとも十五億の人類が共産治下で奴隷になりました。

 今この時点では、アメリカの裏庭ともいうべき中米一帯が共産主義の第一線になっています。私たち自由主義陣営の敵は、彼らの最終目標であるこのアメリカを征服する日まで、その前進を止めないということを私は知っています。

 私は、一九八〇年、レーガン大統領の選挙を支援しました。私はこの大統領が共産主義を防ぎ、この国を神様と建国精神へと立ち戻らせてくれることを願いました。ところが、残念なことに、最も多くの宗教界の支持を受けて当選したこの大統領の政権下で、政府がそのいかなる時よりも教会活動を侵害しており、歴史上初めて牧師たちが投獄され、宗教の自由が致命的な傷を受けています。いったいこれはどういうことでしょうか。

 これまでの十二年間、私は、アメリカのために人間のなし得る最善を尽くしてきました。私には、ただひとえに一つの目標があっただけです。それは、アメリカを道徳的に強くし、神様が賦与された使命を果たすことができるアメリカの力量を何が何でも育てようということです。

 既に数億ドルがアメリカに投入されており、この莫大な資金は主に海外から送られてくる現金です。統一運動においてはほかのこととは違い、アメリカは恵みを受ける立場にあって援助をする立場にはありません。

 皆さんが私のこのような膨大な公益事業の範囲を知っていらっしゃったならば、私がアメリカに来て二万五千ドルの脱税を謀っただろうとは誰も思わなかったはずです。私の裁判事件は最初から脱税事件ではありませんでした。これは、アメリカ政府が主導した宗教裁判です。

 私の有罪判決は、宗教自体を実践することが罪になるという意味です。宗教指導者という正にその本質のゆえに、私は処罰を強要されています。このようなあきれた事実は、アメリカの良心を揺さぶって目覚めさせました。宗教指導者と信仰者がついに立ち上がったのです。彼らは憤りに震え、抗争の前進を始めました。最も重要な事実は、広範な宗教界が一つの目的のもとに団結したという事実です。この宗教界の団結は、最終的にはアメリカの生存を保障するはずです。

 むしろ私は、アメリカのために祈祷します。今この瞬間、私は、神様に対する感謝の心情で満ちあふれています。それは、神様がこの重大な時期に私を選ばれ、この国の宗教の自由を勝ち取る闘いの急先鋒に立たせられ、アメリカの大覚醒を促すための導火線となるようにしてくださったからです。

 議長! この機会を下さったことを最後にもう一度感謝いたします。私は、次のような言葉で私の証言を結論づけようと思います。神様! このアメリカを祝福してください。ありがとうございました。


上院聴聞会とNCCSA(教会と社会活動のための全国協議会)活動の強化

 皆さんが知らなければならないことは、今、キリスト教と統一教会がこのように短期間で一つになるとは誰も考えることができなかったということです。先生もそこまでは考えることができませんでしたし、多分神様も、そこまでは考えることができなかったのではないでしょうか。(笑われる)

 このようなことを考えるとき、これは偶然に生じたことではないということです。責任を負った者は、既にこのような問題を中心として、将来この一つの焦点に合わせるために構想し、計画を立てていたという事実を皆さんは知らなければなりません。

 私たちは、ここで牧師大会を行いましたが、今回の聴聞会によって、今はもう完全に国家的次元で一つに結ばれたのです。今は、このような宗教大会を中心として、期待する道は二つしかありません。一つは強力な力を中心として全キリスト教が一つになり、大々的に闘って勝利する道であり、もう一つは、国会を通じて、調査団を立てて闘う道です。

 聴聞会を中心として調査し、根源を明らかにして是正することと、法を通過させて是正する道しかありませんが、この二つの道の中で、調査聴聞会を開くということは、すべての宗教において希望峰として登場することでしょう。今回、憲法小委員会の委員長オリン・ハッチ氏も、この聴聞会を行うという事実ゆえにどれほど多くの圧力を受けたことでしょうか。きっとそうです。この問題をめぐって共産党や、アメリカを将来滅ぼそうとしているKGBの地下運動家たちは、命を懸けて反対するはずです。

 このようなことを考えるとき、私たちのNCCSA運動は絶対必要な運動だと思うのです。このような裁判事件が進行しているこの時期に、お金がいくらでも必要なこの時期に、「この運動のためにトラック二百五十台、良いものを買いなさい」と言ったのです。レバレンド・ムーンが買うものであれば、最も良いもの、最高のものを買おうというのです。

 私が死んで霊界に行ったのち、私がアメリカの緊急時にアメリカのことを心配し、緊急対策としてそのトラックを買ったという歴史的事件を後孫たちが知れば、その古びたトラックは、その家、その町、その郡、その州の宝物になると思うのです。

 今、私たち二百数名の統一教会の責任者たちが犠牲になったとしても、三十万名近い牧師たちが生きることができるならば、皆さんは「自分が犠牲になろう」という決意をしなければなりません。そのようにすれば、きょうの記念日が一つの新しい契機となり、一つの新しい出発をすることができる爆発口となるはずです。

 そのように決意する人は手を挙げてみましよう。両手を挙げてみましよう。三十万名を二百名で分ければ何人になりますか。千五百名ならばそれほど多くはありませんね。一日に五名の牧師を訪ねていけばいいのです。そして教会に行く時は、真っ赤な染料を積んでいってその教会に塗るのです。イスラエル民族も、昔カナンの地へ行く時に血を塗ったでしょう?

 牧師に会って何をするのですか。ビデオを見せてあげ、ドキュメンタリーを見せてあげるのです。すべての資料をあげるのです。そして、「新しい天国、新しいアメリカヘと前進しなければなりません」と言って、宣伝をするのです。


ダンベリー(Danbury)入監前、声明発表(一九八四・七・一九、ニューヨーク)

 一九八八四年七月十八日、ジェラルド・ゴーテル・アメリカ連邦地方裁判所判事は、刑執行免除ための真のお父様の最終再審要求も棄却、二十日からコネティカット州のダンベリー連邦刑務所で十八ヵ月間の服役を始めるよう命令した。真のお父様が参加しない中で開かれたこの日の審理で、ゴーテル判事は、弁護人が要求した減刑等の要請を受け入れず、服役することを命令し、六ヵ月刑の宣告を受けた神山氏も同様であった。

 収監日前日の七月十九日、真のお父様は声明文を発表し、自らの潔白を明らかにするとともに、事件の発端は税金問題ではなく、教会内問題に対する政府からの侵害であったということを指摘した。それと同時に、真のお父様は、統一教会の世界本部を、この国のために継続して祈祷するダンベリー刑務所に移すと語られた。


 私は潔白です。私はどのような過ちも犯しませんでした。ただ単に、政府の権力乱用と迫害の犠牲者であるだけです。アメリカ全域の数千の聖職者たちが私に対する政府の迫害を抗議し、宗教の自由の守護という名のもとで一週間ずつ私と共に入監することを決意しました。

 神様は、一九七一年、私に「アメリカに来てキリスト教信仰の復活運動を展開し、この国の霊的基盤を回復させなさい」と命令されました。無信仰生活の暗い霊的雰囲気と宗教的な偏狭がアメリカに現れた時に、霊的覚醒を起こすようにと私を送られたのです。

 私自身は、共産治下の監獄で、ほどんど死の直前までを耐え抜きました。私は、アメリカを霊的な死から覚醒させる神のみ旨のためであれば、むしろ監獄に行くことを希望します。

 今日、アメリカは、歴史上のいかなる宗教事件よりも大きく宗教圏を侵害しています。現在ある数千の裁判事件は、教会と政府の衝突事件です。アメリカで多くの牧師たちが投獄されている現実において、どうしてアメリカがソ連のサハロフ博士の投獄を批判することができますか。

 私には、この国にただ一つの希望があるだけです。それは、アメリカの道徳性の強化と神様のみ旨完成のための基盤を広げることです。このような目的のために、今までアメリカで数値ドルを投入しました。

 そのような事業のために、次のような財団を立ててきました。国際宗教財団、国際文化財団、全国の教会と社会運動協議会、国際救護財団、各種支援プロジェクト、「ワシントン・タイムズ」とそのほかの活動がそれです。

 私の活動を理解すれば、皆さんは本当に私が約二万五千ドルの税金をだまし取ろうとしてアメリカに来たということを信じますか。事件の発端は税金問題ではありませんでした。政府からの教会内の問題に対する侵害でした。私が有罪判決を受けるようになったのは、私の宗教的な信仰と活動以外に何らの理由もありません。

 今から私は、この国のために、継続して祈祷するダンベリー刑務所に教会の世界本部を移そうと思います。私が神様に感謝申し上げることは、人類歴史上最も難しい時期に、宗教の自由守護のための指導者として私をアメリカの霊的覚醒運動の点火の道具に使われているということです。

 神様の祝福がアメリカに臨むことを祈願します。


ダンベリーに出発する前の祈祷(一九八四・七・二〇、一八:四四、イースト・ガーデン)

 愛するお父様! きょう一九八四年七月二十日午後六時四十四分、今この時間を期してイースト・ガーデンを離れる時に、子女たちと共に全体を身代わりして一つの式典をお父様の前に奉献しようと思いますので、お父様、受けてください。

 この民主世界は、キリスト教を中心とした文化圏として、全世界が一つになることができる立場をもち、来られる真の御父母様に仕えることにより、アベル的なキリスト教文化圏が完全に一つになってカイン的長子権を統治して余りある基盤とならなければなりませんでした。ところが、第二次大戦終結後にこのみ旨を果たすことができず、世界をサタン側に譲り渡すようになりました。そして、統一教会は受難の道を行くようになり、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界的舞台まで、四十年という峠の道を歩んできました。

 今、最後の絶頂に臨み、アメリカ全体の前にキリスト教を身代わりする立場に立つことによって天の時を合わせ、長子権を備えて次子的立場にいる既成教会を吸収できる時代圏を備えることができなければなりません。今回、天を失うことによって反対していたアメリカが、天の側へと抱かれ得る息詰まる転換期に向かっていくようになります。

 行く道は険しくとも、あなたが生きていらっしゃることを知り、あなたの導かれる道に従って有終の美を飾ることができる最後の峠に向かって前進する道で、耐えて悲しみを抑えながらいくべき立場を容認してくださることを切にお願い申し上げます。

 今、お母様を中心として幼い子女たち、十二名の息子、娘をここに集め、また孫たちをここに集め、お父様の前にお願い申し上げます。

 今、お母様を中心として、特に孝進君と譽進君が一つになってお父様の苦労の道を身代わりした立場で十字架を背負い、お父様がすべてのものを晴らして出てくる時まで受難の責任と重要な責任を負い、お父様の仕事を代役する立場に彼らを立てますので、お父様、協助してください。またそれ以外に祝福家庭、三十六家庭を代表して朴普煕氏、郭錠煥氏、韓相吉氏、韓相国氏、この四人を中心として、この四人の息子が祝福家庭全体と十二人を身代わりし、難しい時に相談しながら、祈祷しながら協助するようにしてください。

 私がこの地域を離れても、私の家族を中心として祝福家庭が完全に一つになり、祝福家庭の子女たちが完全に一つにならなければなりません。なおかつ興進君が悲しみながら残したこの家庭を保護するでしょうし、イエス様と官界のすべてがこの恨を解くための総攻撃的な進軍をなし、ここに全面的に協助するだろうということを知っております。

 私は心の重荷を背負ってもいませんし、心の苦痛を感じてもいません。その場に行ってもお父様に侍り、堂々と、私に任せられた所業を果たすにおいて聡ずかしくないように責任を全うしなければならないことを知っておりますので、お父様も心配なさらずに、より一層家庭を守ってくださり、教会を守ってくださり、外部のキリスト教を守ってくださり、このアメリカと自由世界を守ってくださり、あの共産世界まで救いの道を開くことができるようにしてください。

 今、ダンベリーという刑務所に収容されている百五十名のすべての人々の心を感化させてください。興南の監獄で共にあられたお父様がこの場所でも共にあられることを知っています。興南監獄は怨讐の国でしたが、この監獄は天の側の国にある監獄なので、安心していられることを感謝申し上げ、そこにあなたの選んだ者がいるとすれば因縁を結んでくださり、この国とこの世界に助けとなり得る一つの門を開く道ができるように許諾してください。

 そこは、あなたが手を付けていない残された領土であるがゆえに、私は、そこを管理し、そこを調べ、そこを視察するという立場で行こうと思いますので、祝福してくださることを切にお願い申し上げます。そこを管理する所長から職員全体が心を合わせるようにしてくださり、新しい霊的雰囲気がそこに現れるようにしてください。

 今、背後で、政府を代表してオリン・ハッチ上院議員が憲法小委員会の委員長という重大な責任を負い、ここにおいて闘いをしなければなりません。このようにして、宗教の自由の権限の門を開くため闘いの旗を掲げるべき責任がありますので、この孤独な群れをお父様が守ってくださり、激励してください。

 静かな夜明け、その冷たい風の触れる所に神様の恩賜を賜り、朝の日の光に輝く朝露のように、お父様の誇りの栄光が芽生えるように祝福してくださることを願いながら、再びこの場で出会う時まで祈祷することができるようお願いいたします。私が彼らと共に祈祷するがごとくにその祈祷を受けてくださり、毎週の敬拝時間を祝福で満たしてくださり、心配してくださることを再度お願いいたします。

 さらに願うことは、ここに真の御父母様とその息子、娘が一つになり、祝福家庭が一つになり、統一教会が一つになり、既成教会が一つになり、自由世界が一つになって、あなたの本然のみ旨をなすことができる真の御父母様の位置を探し求め、栄光であがめることができるその日を心で深く大切に保管しながら力強い歩みを踏み出しますので、お父様、記憶してください。

 万万世の恩賜と愛が共にあることを信じ、すべてを真の御父母様のみ名によって祝願いたしました。アーメン。


コネティカット州ダンベリー連邦刑務所入監
(一九八四・七・二〇、二三:〇〇、韓国時間七・二一、二一:○〇)


 一九八八四年七月二十日、夜十一時(韓国時間二十一日正午)、真のお父様は、コネティカット州ダンベリーにある連邦刑務所に到着、十八ヵ月間の服役生活に入られた。真のお父様は、入所締め切り時間一時間前に刑務所に到着され、簡単な入所手続きを経てすぐに入監された。

 私は露骨にものを言う人です。アメリカに行ってアメリカの大統領を真っ向から激しく締め上げて、結局は監獄に入っていきましたが、(笑い)結果的には、良くやったことなのです。今まで、弱小民族がアメリカの大統領を張り飛ばしたことがありますか。おもしろいのは、原告が誰かというとアメリカ合衆国で、被告が誰かというと文鮮明なのです! アメリカ政府二百年の歴史の中で、そのような被告を一度でも迎えたことがありますか。

 激しくたたかれたのでアメリカは悔しいのです。ですから、ある罪、ない罪、すべてかき集めて裁判にかけ、ダンベリーヘとほうり込んだのです。そのようにすれば、すべて死んでしまい、統一教会がなくなると思ったのです。とんでもないことです。私が監獄に行って出てくるたびごとに飛翔するチャンピオンの歴史をもっているのに、このことを知らずにいるのです。

 私の顔はどこに行っても変わりません。顔が変わらないということは、心が変わらないということです。したがって、私が見る世界、私が考える世界も変わらないのです。私たちの生活は、高いところに行っても低いところに行っても、どこに行っても同じ生活だということを皆さんは知らなければなりません。

 私がダンベリーを訪ねていきながら「ダンベリーの向こう側には神様の愛の壁があるが、その愛の壁がどれほど高いか知っているか、どれほど大きいか知っているか」という話をしたところ、その時集まった統一教会の群れはみな涙を流しましたが、先生は鼻唄を歌いながら希望の行脚として「あす再び訪ねてくる太陽の光は、より輝いているだろう」と言いながら入っていきました。

 その生活環境が一八〇度変わることが研究対象です。すべて愛で刺繍することができる研究材料とするのです。そこにはありとあらゆる者がいます。レバレンド・ムーンもそこに入っていって、一つの監房で四十名と共に過ごすのです。


七 ダンベリー入監中の大会メッセージ

第四回「神様会議」および「世界宗教青年セミナー」基調演説

 一九八四年八月十日から十六日まで、第四回「神様会議」(ソウル、ロッテ・ホテル、三十五カ国、三百五十名以上)および第三回「世界宗教青年セミナー」(ソウル、プラザ・ホテル、三十九力国、百六十名)が各々開催された。世界宗教一致会議では、真のお父様の「世界平和のために宗散開で和睦しよう」という主題の基調演説を、郭錠煥会長が代読された。

 私は、「神様会議」の第四回会議場所でもあり、第三回「世界宗教青年セミナー」の終着駅でもあるここ韓国まで来られた皆さんを心より歓迎いたします。

 きょう、このようにこの二つの行事が韓国で合流したことは本当に偶然なことではありません。歴史的に、韓国は世界宗教の唯一の集結地でした。早くから仏教と儒教がここで根を深く下ろし、互いに調和しながら在来の檀君神話と土俗信仰の流れの中で融合していきました。また一九八四年は、カトリックの韓国伝来二百周年、そしてプロテスタントの韓国伝来百周年に当たる年です。

 単一文化圏の中で、主要宗教の相互共存と相互発展過程が歴史的に進行してきたこの土地には、多様な宗教の教訓がこの「隠遁者の国」の民の胸深くにしみ込んでいます。正にこのような土壌で、私たちの統一運動が胎動し、現れたのです。

 この運動は、汎世界的次元から「多様性の中での今回を模索しており、「神様のもとで全人類は一つの家族」であることを悟った基盤の上で愛と共感と調和の世界を成し遂げようとする運動です。

 歴史的に見るとき、宗教指導者と学者たちは、古代インド、中国、中近東およびギリシャにおいて、文化創建の先駆者でした。このことは、初期キリスト教とイスラム文化圏でも例外ではありませんでした。また文芸復興、宗教改革、そして啓蒙思潮においても同様でした。

 しかし、今日、科学技術の急速な成功とともに、宗教は、現実世界の諸問題を解決することに失敗しており、宗教のこのような姿に幻滅を感じた数多くの人々は、共産主義の反宗数的な価値のもとに集まっています。しかし、共産主義は、暴力を手段に定めており、究極的に神様を拒否し、もろもろの宗教の目標を挫折させ、人類の見識を物質的次元に限定させようとしています。

 共産主義に傾倒した数多くの人々が、自ら高い夢をもち、人種と国家の垣根を越えて活動しようとしているという事実を私が知らないわけではありません。しかし、彼らの情熱と理想主義は、神様中心の思想と活動によってのみ補完され、完成へと行く道を見つけることができるのです。
 まさしくここに、宗教指導者と学者の皆さんが献身的に先頭に立たなければならない時代的な要請があるのです。「神様会議」((God Conference)と「世界宗教青年セミナー」(Youth Seminar on World Religions)、また「国際宗教財団」(International Religions Foundation)の諸般の活動は、このような理想を実現するための機構であり、実験台であり、広場です。

 「国際宗教財団」は、一九九三年に世界宗教議会を開催しようと計画しています。これは、一八九三年にシカゴで聞かれた世界宗教議会の百周年を記念するための行事です。この一九九三年の行事を準備するために、二度にわたる準備の集いが催されますが、一度は、一九八五年末にニューヨーク市近郊で行い、もう一度は、一九八九年に行う予定です。

 その目的は、政治的、または教理的な立法をなそうというところにあるのではなく、世界の宗教間における相互の尊歌心を高め、宗教間の協力を奨励するところにあります。そして、その議会の主題は「霊的刷新と神様中心の世界平和実現」であり、これに関連するその他の多様な問題も討議されることでしょう。

 この場に来てくださったことに対して、重ねて感謝申し上げます。私は、今回の大会が、人間的な考えを基準にして神様を考える集いではなく、神様の本来の理想を探索する集いになることを望みます。


第十三回「科学の統一に関する国際会議」(ICUS)基調演説(一九八四・九・三、ワ
シントンD・C、マリオット・ホテル、四十三力国、二百四十一名、孝進様代読、主題:
絶対価値と新文化革命)


 一九八四年九月三日、ワシントンD・Cのマリオット・ホテルに、四十三力国、二百四十一名の科学者、教授等が参席する中で開催された第十三回「科学の統一に開する国際会議」において、真のお父様は「絶対価値と新文化革命」という主題のみ言を下さった。本演説文は、孝進様が代読された。

 十三年間、私は、この著名な学者の集いで演説をする中で、汎世界的な状況と問題を解決すべき科学と学界の責任に関する問いを提起してきました。

 私の演説で扱った内容は、毎年様々に変わっていきながらも、その基調となる主題の焦点は変わらないものでした。この焦点の核心は二重的なものであり、その一つは、一般的に科学と知識の統一の必要性を強調するものであり、もう一つは、科学は絶対価値と人類の福祉を保障する目標によってリードしていかなければならないということを強調するものです。

 しかし、私がお話しした科学と学問の統一に関する見解とは、すべての知識をただ一つの学問分野へと単純に縮小させようということを意味するものではありません。それは、究極的目標に基礎をおいた統一です。

 価値的に中立であろうとする試みによって、科学は、その発展過程で人間性と道徳的価値に関する問題を除外させてきました。科学は次第に分化され、各分野はより専門化され、分析的になり、物質的なものとなり、道徳的価値に関する問題は振り返ることもしなくなりました。そして、人間の科学に対する支配は、この地球上において、人間が存在し続けるか否かの運命を誰も確信することができない境地にまで弱化させてしまいました。

 価値と道徳を喪失するようになったもう一つの理由は、過去の価値と道徳の基準では現代の知性人をこれ以上満足させることができないというところにあります。新しく妥当な道徳と倫理は、現代人にとって明確であり、また適応し得る新しい価値基準から由来しなければなりません。この価値基準は、もっぱら過去や現在の世俗的な思想や宗教的な思想を統合できる超越的、統一的な思想体系から由来し得るものです。

 私の見解では、神学から科学に至るまでのすべての範囲の知識は、これらを正しく導くものとして認識された目標や価値の基準なくしては無意味だということです。私は、このような価値の方向と基準は、ただひとえに神様を中心とした宗教から由来し得ると信じています。

 私は、ICUSで行った演説を通じて、統一神学と統一理念こそ、神様を中心とした新しい統一された思想体系の基礎になり得るものだと宣言してきました。

 絶対的な真、美、善というものは、間違いなく真の愛の基盤の上で形成されるものです。私は、すべての科学者と学者が道徳的価値に対する確固たる見解の基盤の上で各自の分野を発展させ、物質的で分析的な方法だけでなく、精神的で統一的な方法も採択することをもって人間の尊厳性を高めてくださることを切に願っています。

 皆さんの努力が真の愛と善と平和と幸福の世界を成し遂げる新しい文化革命の実現に向けて、決定的に寄与されることを祈願します。


第一回「原理研究会世界大学生総会」激励の辞(一九八四・二・三、ソウル、リト
ル・エンジェルス芸術会館、郭錠煥牧師代読、主題:平和世界の主役になろう)


 一九八四年十一月二日から八日まで、世界四十力国、三千名以上の大学生が参加する中で、第一回「原理研究会世界大学生総会」が、ソウル、オリンピア・ホテルおよびリトル・エンジェルス芸術会館等で開催された。真のお父様は、郭錠煥世界宣教本部長の代読する激励の辞を通して「平和世界の主役になろう」という主題のみ言を下さった。同総会(十一月三日)で、文孝進様が世界原理研究会の初代会長に推戴された。

 今回の第一回「世界大学生総会」を韓国で開催したことは非常に貴重な意味をもっています。韓国は私の出生地であり、原理運動の発祥地であるだけでなく、早くから私が深い祈祷生活をもって霊界の秘境と深層をたどった場所であり、また血のにじむ闘争を通して神様の教えを「原理」で定立し、未来を設計しながら青春を捧げた場所です。

 私がCARPを創設した動機の一つは、大学生の若さと情熱にあります。皆さんは、過去に依存して生きているのではなく、未来に対する果てしない希望の中で生きています。皆さんは義を尊重し、真と美を憧憬しています。清純な若者の心は天のみ旨が臨むのに最も適した土台をもっています。

 私は、神のみ旨を信奉して選民完成の目標を立て、若い知性を心情教育と天才教育による愛天、愛人、愛国の人格に育成して、新しい歴史の主役にしようと思っています。神様の究極的摂理は、特定の民族や文化や地域、そして教団的、または宗教団体的範囲に限定され得ることはありません。このためには進取的で、開放的で、未来指向的な若い世代がその牽引車とならなければなりません。これが、CARPに対して期待をかける私のもう一つの重要な側面です。

 特に、神様に敵対する赤化運動が大学街を重要対象としているのは、国際共産主義者たちの策略であることをよく知っている私は、世界の若者たちが偽りのものにこれ以上もてあそばれることがないことを切に願うようになり、ついに共産主義を克服する新しい理念と実践運動としてのCARPを出発させました。

 今日、世界の問題は共産主義問題だけではありません。産業革命と二次の大戦を経て、人類は既存の宇宙観の没落を目の当たりにしてきましたが、現代の科学技術の躍進を消化できる新しい宇宙観が提示されないまま、人類は、手のほどこしようがない価値観の混乱の中で漂っています。ここで、このような渦に巻きこまれて傷つきやすい世界の若者たちに、神様は既に代案を立てられ、語りたい多くのみ言をもっていらっしゃいます。

 新しい価値観は、現代の問題を消化させて現代人を説得できる新しい宗教にその根源をおかなければなりません。神様が人類の父母であられることを教育し、宇宙の根源が物質ではないことを究明し、人間に霊性と人格があって神様の相続者として宇宙を治める権限があることを明らかにしなければなりません。また、創造本然の愛の理想を確認させ、森羅万象が二重目的の連体になっており、宇宙の大秩序の中には調和だけがあった太初の理想を明らかにするなど、新しい価値観はそのようなことを明らかにしなければなりません。

 原理運動は天理の伝播運動であり、神様を証する大学人の実践運動です。理論の前提がないところに社会的意志が結集するはずはなく、これを具体化させる運動なくしては世界にその結実はあり得ません。私たちの推進している原理運動は、古く病んだ既存の文明を部分的に治癒しようとするものではなく、その根源から新しい出発をしようという運動です。

 私たちは、神様の理想による平和世界を成し遂げる主役です。私の伝統を受け継いで、より一層前進しなければなりませんが、これは、世界的基盤を築いていく外的な面だけではなく、神様の心情世界と信仰の伝統を受け継ぐ内的なものまで含まれなければなりません。

 皆さんは、四十億人類が乗った船の舵を取る航海士です。私たちの正しい姿勢と、奉仕と犠牲の実践で全人類に希望を与え、西暦二〇〇〇年代に向かう新時代の夜明けを開く新文化創建の旗手になりましょう。


第七回「世界言論人会議」基調演説(一九八四・一一・一九、
日本、東京、ホテル・ニューオータニ、主題:言論の信頼性と社会的責任)


 一九八四年十一月二十日から三日間、日本、東京のホテル・ニューオータニで、世界八十七ヵ国から現役言論人、評論家、学者等、七百名以上が参加する中で、第七回「世界言論人会議」が開催された。真のお父様のメッセージは「言論の信頼性と社会的責任」という主題で、ニューズ・ワールド・コミュニケーション社の朴普煕社長により代読された。

 自由の中で暮らすことができる恵沢を受けた人々は、自由な報道が専制主義を防ぐことができる最も強い力をもっていると思っています。

 政治的、経済的、あるいは学術的な手段よりも、メディアが社会に与える影響のほうが早いのです。これが、正に世界言論人協会の信念です。しかし、外部からの規制がない場合、それによって威力の乱用という問題が提起されることもあり得ます。

 自由は、実に創造主から受けた最も貴重な贈り物の中の一つです。人間は、自由な精神的存在として創造されました。しかし、人間は、自由な存在として創造されると同時に、神様から責任も賦与されています。自由は、自己の規律と自己の抑制を必要とするからです。

 神様は創造主として、自ら創造目的を定め、精神的法則を定めました。すべての価値は神様から始まります。人生の目的や、人間がいかにしてその目的を成就しなければならないかは、既に神様によって定められています。これが、絶対的価値の基盤です。この絶対的価値の基盤の上で道徳的源泉が立てられます。これら道徳的源泉が精神的法則を構成するのです。

 ジャーナリストにおいて、報道の自由は、すべての自由人の共通した道徳基準によって行使されなければなりません。ここで、メディアにおける責任の重要性が問題となるのです。このような理由から、私は「世界言論人会議」の創始者として、報道の自由と併せてメディアの道徳的責任を強調し、またそのために闘っています。

 皆さんはメディアの創設者として、主人として、また報道に従事する者として、世論や歴史の判断、そして、神様の審判台の前に堂々と立たなければなりません。「世界言論人会議」および「世界言論人協会」の役割は、低下しているメディアの信用と信頼性を回復し、メディアの質を健全な水準にまで引き上げることです。

 私はこの第七回「世界言論人会議」で、メディアが自らの監視者となる必要性をより良く認識するために助けとなる一つの方法として、メディア倫理委員会を構成することを提案します。

 このような委員会は、いかなる政府の影響も受けてはなりません。それは、世界の言論界の著名な代表者で構成され、次のような目的に奉仕しなければなりません。


 一、ジャーナリズムにおいて、特定の事件、問題と支配的な傾向を監視すること。

 二、共通倫理として採択するために、探求可能で現実的な実施基準をメディアの代表に要求すること。

 三、メディアによる乱用の例を一つ一つ強力に指摘し、大衆の前に立ってメディア自身の行動を問題化し、ジャーナリストの責任のために個人や団体が寄与した貢献を評価すること。

 四、「メディア倫理賞」を制定して毎年の「世界言論人会議」で、ジャーナリズムの最高の理想を最もよく具現し、また言論界に対する一般大衆の信頼性を高めることに最も貢献した団体や個人にその賞を授与すること。

 自由で責任あるメディアを促進することほど、全体主義体制と闘うのに良い方法はありません。私は今、「ペンは剣よりも強し」という格言をもう一度繰り返したいと思います。現代においては、ペンは、マイクやカメラを含んでいます。

 そのように見れば、この「世界言論人会議」は地上で最も強い勢力の集会です。この強力な勢力がその力を正しく行使するならば、全人類の自由と全世界の平和を確保することができるはずだと私は確信しています。

 私のこのメッセージをコネティカット州のダンベリーにあるアメリカ合衆国連邦刑務所から送ります。













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