真の御父母様の生涯路程 7
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解放後四十年と第二回第三次7年路程

第五節 一九八五年 祖国創建(二)

一 一九八五年の出発と摂理的意義
(一九八五・一・一、ニューヨーク、世界宣教本部、ダンベリーの正月連休時)

元旦の祝祷

 アメリカ、コネティカット州のダンベリー連邦刑務所に服役中の真のお父様は、一九八四年十二月三十一日から一九八五年一月四日まで、五日間の正月特別休暇を通して、年末年始主要行事を主宰された。世界宣教本部で挙行された新年の元旦祈祷会と「神の日」記念礼拝および一般記念礼拝を通じて、年頭標語「祖国創建」のみ言を下さり、興進様昇華一周年記念式、牧会者会議、「愛勝日」宣布一周年記念式等、忙しい休暇日程を送られ、ダンペリー刑務所に戻られた。

 愛するお父様! 今正に一九八四年を送り、新しい一九八五年の新年の元旦を迎えました。このように流れる歴史過程において、昨年は重大事でつづられた年となり、そしてまた、あなたの摂理の新しい一時として私たちと共に必ず勝敗を決しなければならない新しい年が訪れてきました。

 数多くの歴史路程において、お父様は誰も知らない中で統一教会を準備され、悲しい歴史的事実を蕩減するための数多くの預言者、先烈たちが殉教した基盤の上で、長い間耐えながら役事をしてこられました。その背後では、悲しい事情、悲痛な事情、誰にも吐露することができなかった内面的な事情をただ独り抱かれ、時代が早く進むことを願われ、迫りくる歳月の中であなたのみ旨が成されることをどれほど焦る思いで待ってこられたのかということをこの息子は知っています。

 今日、統一教会は受難の教会、追い詰められる教会、追われる教会、迫害される教会として、人間として相手にしてはならない教会のように、四十年の間限りなく寂しい道をたどってきました。

 お父様! 一九八四年を中心として見るとき、一九八五年までは、第二次大戦後の四十年を中心として三年路程を残しています。この時に、新しい世界史的カナンの福地を宣布しなければなりません。そのような歴史的使命を前にして、全世界の統一教会の群れは、このアメリカという地を中心として東奔西走しながら孤独な道を駆けてきたという事実をよく知っています。

 その間、愛する興進君をお父様の前に送り、今は、あなたがダンベリーの受難の道を私に任せられることによって、アメリカの宗教界を新しいみ旨に向かうことができる立場へと転換させました。そのようにして、残されているイエス・キリストの二千年の恨を解くと同時に、行くべき道を失ってさまよっていたキリスト教を中心とした多くの群れが新しい光明の光を迎え、カインとアベルが世界史的路程で一つになることができる一つの因縁を開くようになりました。

 きょう、一九八四年のすべての恨を清算し、新しく迎える一九八五年を、喜びと栄光と勝利と称賛が全天地に訪れる勝利の一年としてお父様の前に奉献しますので、悲しい歴史を取り除き、勝利と栄光を褒めたたえることができる、お父様の驚くべき歓喜の年となるように許諾してくださることを切にお願い申し上げます。

 新年の年頭において、私たちが心で望む一切のことを御存じのお父様! 霊界にいる興進君とイエス様、億千万の聖徒、そして百二十ヵ国の国王と義人、忠臣を連合させ、実体地上世界において一つの祖国創建の目標に向かって活動しているすべての霊を一致させてください。

 残された日々がお父様の誇りと称賛と喜びの日々として続き、一九八五年のこの年が栄光の年として全世界に鳴り響くようにしてくださることを再度お願いしながら、すべてを真の御父母様のみ名によってあなたのみ前に奉献いたします。アーメン。アーメン。アーメン。


年頭標語:祖国創建(二)

 今年の標語は「祖国創建」です。私たちには国がありません。今までレバレンド・ムーンが迫害されたのは国がなかったからです。神様が迫害されるのも国がないからです。それゆえに、レバレンド・ムーンには「神様がもつことができなかったその祖国をいかにして取り戻してさしあげようか」という考えしかありません。

 それで、世の中の人がみな悪口を言う中で、五色人種をすべて結び合わせて合同結婚式をするのです。そのようにして、一つの氏族、民族を編成していくのです。それは、どれほど大変なことでしょうか。しかし、無形の神様が人間世界をこのようにされるほうが、どれほどより大変なことでしょうか。神様がされるよりは、私がするほうがそれでも簡単だと思うので「私が国を取り戻すのだ」と考えるのです。

 それで、四十年間歩んできたのです。今年は実を結ばなければなりません。(拍手)統一教会の伝統を見せてあげるために、私はサタン世界の地獄である監獄に入っていって闘っているのです。それでは、皆さんは何をするのでしょうか。アメリカのサタン世界、アメリカの地獄をつかんで闘わなければなりません。後退してはなりません。

 なぜ祖国が必要なのでしょうか。統一教会の教会員たちは、どこの国でもすべて行くことができますが、統一教会の文先生は、どの国にも思いどおりに行ったり来たりすることができないからです。思いどおりに行くことができません。どこも「来るな、来るな、来るな」と言うのです。しかし、もし祖国をもてば、国の門を開いて天下がレバレンド・ムーンを歓迎するはずです。そのようになれば、世界はすぐに一つになります。それゆえに、私たちはそのような祖国を取り戻さなければなりません。

 その国には愛があります。闘いによって世界を一つにするのではありません。愛によって一つにするのです。永遠の霊的真のお父様と肉的真のお父様が一つになって故郷になるのです。それが祖国です。霊的父と肉的父が一つになって愛の根本を立て、国を越えて世界を一つにして治めることができる時が、私たちの理想世界が完成する時です。


荒野四十年路程の最後の年

 統一教会自体においては、一九八五年までを荒野四十年路程として歩んでいます。韓国の解放の歴史を見れば、一九四五年から一九八五年までが四十年です。これは再蕩減期間です。歴史時代において、統一教会が荒野時代を経るのは一九八五年までです。アメリカも、一九八五年までは自由世界が反対する道を乗り越えていかなければなりません。それ以降は、勝利の権限をもって共産世界にも圧力を加えなければならない時だと考えるのです。それで、モスクワ大会を宣言するのです。それはすべて公式的なことです。

 皆さんは、今からはここで一つになり、荒野時代を越えてカナンの福地へと入っていくのです。先生が先頭に立ち、ドイツ人、日本人、アメリカ人、すべてカナンの福地に入っていかなければなりません。第二次大戦以後の一九八五年までが荒野四十年路程なので、統一教会は迫害を受けるのです。この民族もあの民族も、すべてが迫害します。しかし、もう自由世界の迫害も長くは続きません。

 第二次大戦後の四十年を見てください。アメリカとソ連を中心とした一九四五年から一九八五年までの四十年間は、歴史時代において最も変化する時代です。ほかに類を見ないほど世の中が変化するのです。歴史がそれらのことをすべて証しているでしょう? 宗主国と追従国が入れ替わり、植民地支配国家と植民地国家が入れ替わる時です。すべてが逆さまになる時なのです。

 歴史も変わりましたが、宗教も変わり、家庭もすべて変わります。また、若い世代と旧世代が闘い、世の中がばらばらになります。そのように完全に変わってしまうので、誰もこれを収拾できなくなります。完全にめちゃくちゃになってしまうのです。

 アメリカの歴史が二百年になる年が二九七六年ですが、それに十年を加えて二百十年になる年が一九八五年です。一九七六年からの十年間です。二百十年は二十一数ですが、二十一数は、三×七=二十一で成長期間を表しています。ところで、アメリカの大統領レーガンは第四十代の大統領です。四十代は四数で四位基台を表しています。四位基台を成し遂げることができなかったことが歴史的恨です。それで、一九八五年で摂理的四十年がちょうど終わるのです。


二 ダンベリー連邦刑務所の生活(一九八四・七・二〇〜一九八五・七・四)

ダンベリー刑務所の環境

 先生は刑務所生活に関しては専門家なので、「あの人はどのような罪を犯した」ということがすぐに分かります。良い人か悪い人かということがすべて分かります。そこは社会悪が集約された展示場のような所なので、あらゆる階層の人々に会うことができます。その世界にいる人々の心理状態というものは、「座れば不平」です。二人が座ろうが、三人が座ろうが、十人が座ろうが、座れば不平を言うのです。すべて「自分が正しくて偉い」と言うのです。自分たちには罪がないというのです。世の中が悪く、判事が悪く、検事が悪いというのです。その次には、国に対する不平を言うのです。

 先生がアメリカで最も悪い人だといううわさが立ちました。そのような時に、そこに入っていきました。そこに入っていった最初の気分がどうだっただろうか、考えてみてください。今電話をしたという人がビル・シェパード(Bill Shepard)ですが、この人の父親は将軍でした。将軍の息子として悲惨な歴史を経た家庭に生まれたので、この人はとても義憤心が強いのです。それで、「レバレンド・ムーンが本当に悪い人ならば、六ヵ月以内でレバレンド・ムーンを取り除いてしまおう」ということを徒党を組んで企んだのです。この人が(監獄の中で)そのようなクラブをつくりました。皆さんにはその環境を想像することはできません。

 ですから、そこに行けば作戦を十分に立てなければなりません。皆さんが社会に伝道に出掛けていって受ける困難は問題ではありません。そこでは、彼らの気が最高度に立っているので、どのようなまねをするか分かりません。包丁を入手しようとすればいくらでも入手することができるのです。

 そこでどのような事件があったのかというと、昨年までは、運動器具の備えられた運動室がありました。そこで鉄アレイを使って運動をしたりするのですが、誰かが隣の人とぐるになって一人の人をその鉄の塊でたたき殺したのです。ところが、誰が殺したのか今でもその犯人は見つかっていません。それで、すべて下級刑務所に追放された事件がありました。

 監獄には、ありとあらゆるならず者が集まっています。マフィアはいるし、ありとあらゆる者がいます。ある所に入ってみると、前科十八犯の者がいました。どうして前科十八犯になったのか聞いてみると、「ここを出たところで、ここで休みながら食べて暮らすよりは劣るので、避暑地のように出たり入ったりするのだ」と言うのです。そのような者たちと、肩を触れながら生活しました。彼らの中で生きていくには方法があるのです。

 そのようにして暮らす環境では、刑務所の経歴がなければ困ります。そうでなくても私が入っていく前に、囚人たちにはレバレンド・ムーンに対して、悪い人だという認識があるのです。それで、どのようなあだ名がつけられたのかというと、ムーン・マフィアです。(笑い)「ムーン・マフィア」と言えば分かってしまうので、自分たちの間では「Mマフィア」と呼ぶのです。Mは「文」の頭文字です。「Mマフィア」と言えば、私のことだと分かるのです。私はそのように恐ろしい人です。(笑われる)


真の愛の直行路

 ダンベリーは小さな社会ですが、その国の最も悪い者と最も良い者がすべています。悪い者もたくさんいますが、計略、謀略を受けて入ってきた者もたくさんいるのです。最も良い人と最も悪い人に出会うことができるのです。

 彼らを中心として私が心情的に一致させ、彼らをひざまずかせて訓示することができる位置に立ちました。それは、未来においてアメリカの国民を教育することができる心情圏蕩減条件の基盤となりました。彼らと接することによってアメリカを完全に学ぶことができるのです。そしてアメリカを完全に知ることができました。

 今まで神様がサタンを屈服させることができなかった原因はどこにあるのでしょうか。そして、今まで人類がサタンを屈服させることができなかった原因はどこにあるのでしょうか。唯一、サタンの主張することがあります。それは、「私は堕落しましたが、本然の原則的な基準から父母の心情を中心として見れば、神様は私を愛するようになっているし、神様の息子も私を愛して初めて天国に行くようになっているはずです。それが原理原則ではありませんか」と主張していることです。このような態度に出れば、神様としては身動きがとれません。ここに、すべて引っ掛かってくるのです。

「完成した人間の位置に上がって天国に入る資格者になろうとすれば、私を愛したという条件を立てなければなりません。そのようにしなくては、完成の位置に上がっていくことはできません」と主張するサタンの言葉に引っ掛かっているのです。それゆえに、イエス様も十字架上で「怨讐を愛しなさい」と言われ、先生も、ダンベリーで二億四千万のアメリカ人のために祈祷し、愛の基準を立てたのです。そのようにして、愛の軸に世界の数多くの民族が水平に連結されてくるのです。

 監獄に行っても九五パーセントは人のために生きようとするので、朝早く起きて清掃し、汚い所をきれいに片づけてから日課を始めるのです。休むことなく何でもすることが習慣になっているので、食堂に行っても、ほかの人は仕事がなければ食堂に座っていびきをかいて寝ていたり、おかしな話をしているのですが、先生はしゃんと立って待つのです。習慣がそのようになっています。そして、何かあれば、私が先に行って手伝うのです。ですから、その食堂で有名にならざるを得ません。

 私は、三百六十日町、朝食をきっちり抜きました。本を読むために朝食の時間を逃してしまったのです。それで一食を抜かしました。刑務所では、朝食は必ず食堂に行って食べるのです。食べられるだけたくさん食べるのです。満腹になるように食べるのです。炊事場にいると、盗みをする人がどれほど多いか知れません。卵をこっそり隠しておいて盗んでいく者もいます。私は、そのようなことを見ても、すべて見ていないふりをしました。そうすると、その人は良心の呵責を受け、卵を山積みにしておいても自分一人で持っていくことができないのです。時には、責任者があげても「いらない」と言って、できるだけ受け取らないのです。ですから、私にとても気兼ねしているのです。

 そこにいる責任者が、私が昼食時間にも仕事をしたりするので、いつも私の所に来て「もう昼食の時間だから早く昼食を取りなさい」と声をかけてくれます。昼食時間や朝食時間を逃してしまうのではないかと心配して、朝食の時も催促して朝食を食べるようにさせたり、自分のものを分けてくれたりするのです。人の良心というものは、監獄においてもみな同じです。

 工場で仕事をする時も、彼らは先生のすぐそばに来て仕事をしようとします。それでおもしろいことは、そのようにしていると、私と一緒にいるラリー(Larry Evda:ダンベリー服役中、真のお父様に侍った囚人の中の一人)に向かって「レバレンド・ムーンにこのような話をして、自分をちょっと紹介してもらえないか」と言う人が出てくるのです。それで、「何だ、こいつ!自分で行って話せ」と言うと、「いや、おそれ多くて自分からは話しかけることができない」と答えたというのです。

 それで、ラリーに「同じ部屋にいて何でも自由に話すことができるのか」と聞くのです。それで、「ああ、おもしろい話をするよ」と答えると「へえ、本当か」と言っていたというのです。彼らは、私の前ではみな口が開かないのです。ワイルドで、暴力を振るっていた人たちが「なぜそのようになるのか分からない」と言っているのです。ですから不思議です。そのような何かがあるのです。それでも私のことが良いというのです。

 先生は天の前に、「ああ! 私がダンベリーに入ってきたので、私を助けてください」という祈祷は一度もしませんでした。ダンベリーにおいて先生は、第一に黙って仕事をする人、第二に本を読む人、第三に瞑想をする人、第四に水泳をする人というイメージを残しました。プールが近いので、時間があれば水泳をしたのです。ですから、収容者はみな知っていました。私の歩んだ足跡は、誰が見ても回想の因縁が残ることでしょう。

 アメリカへ行った人がアメリカでの仕事をやり終えもしないで中断すれば、その人は偽善者です。ダンベリーの壁を通過し、生き残って再び復帰して完成しなければ、天のみ旨に連結されません。中途半端な人には永遠に完成の道はありません。いくら世界が統一され、先生の教える真理が世界の真理だとしても、中途半端では大きな傷を受けるだけです。

 しかし、先生は違います。たとえ死の道を選んだとしても、まっすぐに進むのです。そこに先生の偉大さがあります。ですから、先生の生涯において何度監獄に引かれていこうとも不平を言いません。先生はそれ以上のことを考えているので、どこに行こうと堂々としているのです。万民の苦しみを背負っても、獄中生活を天国の生活のごとくに思うのです。それゆえに『牢獄の救世主』という本も出るようになったのです。


囚人たちの感化と自発的護衛

 私が監獄に入る時は、命を覚悟しました。しかし私を殺したら神様が大変なことになるので、そこに行くや否や、天が配置した人々がいたのです。そのような不思議な内容がたくさんあります。夜になって私が寝る時には、私を守ってくれる人がいるのです。十二時から四時まで番をして寝ないのです。それは人がしていることではありません。

 二人の人が私に従いました。右側の強盗と左側の強盗がいたのです。そして、ある人が右側の強盗になりました。それはウェールズの人です。イングランドから迫害された民族の代表者です。その人が右側の強盗の立場で先生を守ってきました。

 それで、三ヵ月が過ぎると近くにいる人々がみな私を尊敬し始めました。半年が過ぎると環境はますます変わっていきました。一年が過ぎて刑務所から出てくる時は、寂しがる人がとてもたくさんいたのです。敬礼式には、二人しか参加できないようにしました。多くの人を切り捨てました。「敬礼式に参加させてください」と何度も頼んできた人がいたのですが、彼が出所する前の週に一度参加させてあげてから送り出しました。

 私が監獄に入っている時、アメリカの収容者は五十万人を超えていました。そして、そのすべての収容者が、「レバレンド・ムーンが自分と同じ所にいる」と自慢して自分の家に連絡したというのです。(笑われる)電話が道のわきにあるのですが、私がそこを通りかかるのを見ると、電話をしている人が「今、うちの妻に電話しているのですが、少しあいさつをしてくれませんか」と言ってきて、何度かあいさつもしました。(笑われる)

 なぜ彼らは、そのようなことをするのでしょうか。大概の妻たちは、男性が監獄に入っていくとみな逃げてしまいます。家庭を破綻させて逃げる人がたくさんいるのです。自分の夫が罪を犯して刑務所に入れば自分の体面が立たなくなる、ということでそうするのです。刑務所に入ることがそのように悪いことだとばかり思っていたのです。ところが、レバレンド・ムーン一人を中心として、家庭に慰労の雰囲気をつくることができるようになったのです。一つの宣伝材料として私を使っているのです。そこにいる人々の年齢の比率を見れば、三十歳前後の人がたくさんいます。その次の世代になると徐々に減っていきます。

 私は麻薬を禁止していますが、花柳界のこともよく知っています。おもしろいのは、そのようなところの代表者が監獄に入ってきたのですが、大麻を吸い、麻薬を飲む人々が私の前ではみな恐れを抱かないのです。そのような行動をしても報告しないので、私を誰よりも信じるのです。彼らは「出所すれば吸いません」と言ったり、「先生も知っているように、ここは自由のない世界ですから、これでも吸うことによって慰めを受けているのです。ですから、仕方がありません」と言ったりして吸うのです。

 そして、多くの若者が自分の問題を尋ねてくれば、私が話をしてあげます。「これこれの難しい問題をどのようにして解決すればいいか」と聞いてくれば「このように解決すれば良い」と答えてあげるのです。このようにしていたら、うわさが立って、難しいことがあればすべて私に尋ねてきました。

 そこに一番の問題の男がいました。麻薬をよく吸い、よくもめごとを起こす人だったのですが、私が食堂にいると暇さえあれば隣に座り、私に何か尋ねてくるのです。それで、ひと言ふた言答えてあげていたところ、この人がレバレンド・ムーンのファンになりました。それで、その人にハーフ(半分) ・ムーンではなくてクォーター(四分の一・ムーンという名前がつきました。それが彼のニックネームになりました。レバレンド・ムーン、ハーフ・ムーン、クォーター・ムーン。その世界も人間が暮らす世界なので、人間味をもって生きればおもしろいのです。

 また、刑務所なのに、私の姿が「見えない」と言って、そこを一周、二周回って訪ねてくる者たちがいるのです。「どうやってここまで訪ねてきたのか」と聞くと、そこ(刑務所)は一日置きに仕事をするようになっているのですが、「きょうは休みの日なので先生がどこにいらっしゃるのだろうかと思って探してみたのです。しかし、見つけられないので、何周か回って訪ねてきました」という話をするのです。

 私にはやってみなかったことがありません。韓国はもちろん、日本からアメリカにおいてまで監獄を経た人です。なぜでしょうか。涙の谷間で泣く人が涙を流さずに笑いながら悔い改めることができる道を探し、自然屈服させようとして「ため」に生きていたら、そのような生活を経るようになったのです。その監獄には二百八十名ほどの囚人がいました。入所して六ヵ月くらいになると、差し入れがあれば最も良いものを私の所に持ってくるのです。私の差し入れも積まれているというのに、その白人たちが持ってきて「私の心が落ち着きません。食べられません。のどを通りません。それで、最も良いものを差し上げたくて持ってきました」と言うのです。

 私が彼らと何の関係がありますか。それなのに、みな来て「私はあす出所することになりました。あなたの喜ぶ顔を見れば、私の心も楽になります」と言うのです。「私がここの門を出ていく時、あなたの笑う姿を見て、あなたの『祝福あれ』という言葉を聞けば、私の心が楽になるような気がしてこのように訪ねてきました」と言うのです。そのように、その監獄がすべて春の季節のようになりました。

 先生が監房にいたとしても、彼らは我知らず先生を尊敬し、先生の愛に絡まってくるのです。そうこうするうちに先生が出所する時になり、先生が出ていくということで問題になりそうになったので、カバーという者が先生を前もって六時に出監させました。先生の出監する時間は本来八時だったのです。しかし、八時になれば、門から頭を突き出すなり何なりして、とにかく出てきて先生を見送ることが分かりきっていたのです。それで、先生を前もってこっそり外に移したのです。

 私が出ていったあとに、それを知って騒ぎが起きました。抗議が起きたのです。「全く、どうしてそのようなひどいことをするのか」と言うのです。通りすがりのお客さんだと思っていたアジアの一人の人が、白人社会における残虐で凶悪な社会に入っていき、一年という期間で彼らと涙の交流をなしたのです。今でも彼らは私を訪ねてきますが、私は「来てはならない」と言います。刑務所を出てきてからは、私に会うことができないようになっているのです。


神山威氏の同苦(一九八四・七・二〇〜一二・四)

 六ヵ月刑を受けた神山賊氏は、一九八五年七月二十日、ダンベリー連邦刑務所に収監され、真のお父様に侍って受刑生活を送り、服役状態が良好であるということで、規則に従って刑期が四ヵ月十七日間に短縮され、十二月四日に出所した。

 ここにいる神山氏は、「原理」の本をすべて覚えたのです。私が驚いたのは、監獄に入っていた時、私が「何ページの上の部分を読んでください」と言って彼が読むと、そのあとからはすらすら暗唱するのです。『原理講論』五百五十六ページすべてを暗記しているのです。それで、神山氏に「何度読みましたか」と聞くと「大体四百回くらい読みました」と答えるのです。四十回でも読んだことがある人は手を挙げてみなさい。ですから、どこかに行って大きなことを言うなというのです。私が神山氏を用いるのもそのためです。

 ですから、監獄に入っている時、伝道しようとして訪ねてきた既成教会の有名な牧師たちが神山氏に参ってしまったのです。私が「行って、そいつをやっつけてしまいなさい!」と言うと、「はい! 分かりました」と答え、行って三十分、四十分、一時間もすれば、彼らの口を開けないようにしてしまうのです。そうすると、その牧師たちは「監獄にいる囚人に負けた」と思い、恥ずかしいので腹いせをするのです。そうすると、「お前! この罰当たりめ! 恥ずかしいとも思わずに何をつべこべ言っているのだ」と言うのです。

 五百五十六ページならば、二百二十八枚ですから、二年間ならば一月に一枚にもなりません。昔、儒教の学者たちも四書五経を逆さからも記憶してすべてを知り尽くしたというではありませんか。皆さんもみ言を話すことができなければいけません。


真の御父母様の御家庭の涙の生活

 今回、先生が有り難く思ったのはお母様です。ダンベリーを中心として、お母様は次元の深い心惰的な谷間を何度も経験したことだろうと思います。右も左も分からない時期に先生と出会い、その時から先生と共に上がってくる人生でした。そのようにして生きてきたので、だんだんと基準が上がってきているのです。

 以前は、心情の深い谷間を体験することはできなかったことでしょう。ダンベリーを間において離れ離れになってみると、先生の貴い価値を知るようになったのです。「夫に対する女性の孤独な事情がどのようなものだ」ということを知ることができたのです。

 先生の行く道に受難の道があったとしても行かなければなりません。それゆえに、家族をすべてアメリカに引っ張ってきて、子供たちは韓国語も知らない子供になりました。見てください。物心もつかない子供たちをアメリカに連れてきたのです。自分の父親なのでついてきたところ、その父親がアメリカ政府から追われてダンベリーの監獄生活をすれば、この世から見て、その父親ゆえに自らの体面が立つでしょうか。それゆえ、お母様が私のゆえに苦労したのです。

 監獄を信じることができますか。今、全世界の共産党が先生をねらっている時局なのです。それは、素っ裸になって野原に横たわっているようなものです。お母様は、涙を流しながら毎日のようにダンベリーを往復しました。お母様がみ旨を知らなければ、夫だろうと何だろうと投げ出して、いくらでも逃げていくことができるのです。イースト・ガーデンで生活しながら涙を流さなかったと思いますか。聖日の日、朝五時に敬礼式をして祈祷する時は涙を流したはずです。子供たちもみな涙を流したはずです。何ゆえにそのような涙を流すのかというのです。

 先生にはお金もあります。権威もあるし、知識もあります。人々の指導もできます。それなのに、なぜ私がアメリカに来たのでしょうか。なぜレバレンド・ムーンは、闘いを好む人になったのかというのです。なぜですか。それはただ、神様のみ旨だからです。私は、神様のみ旨を注視する眼鏡をもっているのです。

 今、アメリカの状況はどうですか。神様はアメリカの状況を喜んでいらっしゃいません。神様だけがその困難を克服することができます。私はそれをよく知っています。レバレンド・ムーンのみが知っているのです。なぜそのように多くの迫害を受けながらここに立っているのでしょうか。皆さんは、そのことを必ず記憶しておかなければなりません。


ダンベリー刑務所の余暇

 私がダンベリーにいる時のことです。勾配のある丘陵地をブルドーザで整地作業して運動場をつくろうということで、砂利のようなものをすべて拾い出す工事をしていました。ところが、雨期になって雨が降るので、そこをそのままにしておきました。その雨期にどのようなことがあったかというと、海の水鳥たちが来て、そこに卵を産んでひなを加えしたのです。ダンベリーの囚人たちがいつも散歩するコースがあります。その散策路とひなたちがわずか二メートルくらいしか離れていないのです。その時は、雨期で人が通らなかったので、水鳥たちは安全だと思ったのですが、雨期が過ぎると、そのコースを散歩する人がたくさん出てきました。しかし、そのひなたちを見ると実に不思議でした。

 人々がそれを知らずに通り過ぎる時はじっとしています。ところが、目でも合おうものなら大騒ぎをするのです。動きながら「わーわーわー」と鳴くのです。誰がそれを教えてあげたのでしょうか。一歩でも近づこうとすれば、翼を持ち上げようとするのです。また、それがこれくらいのやつなのにです。(笑い)このように図体のでかい人が行くと、自爆しようとするのです。それも立派に自爆しようとするのです。どこの教授がそれを教えてあげたのでしょうか。(笑い)それは、愛をもっているからです。ですから、愛は教育が必要のない世界を管掌しているという事実を知らなければなりません。愛を誰が教育するというのですか。

 先生のような人は、監獄に入っていってもそのようにしているのです。ダンベリーの監獄に大きな岩があります。このような大きな岩なのですが、今でも懐かしいのはそこに座って時間を過ごしたことです。土曜日と日曜日は休まなければなりません。しかし、ずっと寝ていることができますか。部屋にいれば、夏なので息が詰まるのです。それで、山の中腹にあるその岩の所にでんと寄りかかって座り、ぐうぐういびきをかきながら寝ていて、途中ではっと目が覚めるのです。そのようなことが何度かありました。そのことがどれほど懐かしいか分かりません。

 全く、休むこともできずにあれほど忙しかったのに、そこでは終日、二十四時間ぶらぶらしているしかありません。本を読むことができなかった者が、もう一日中本を読んでいても誰も恨んだりしません。ですから、「神様、ありがとうございます」と言ったのです。

 サタン世界は、先生のことを「最も悪い」と思っています。すべての人は眠るのに私は寝ませんでした。ところが、気がついてみれば、それはこちら側からあちら側に行くための天の作戦でした。私のすることをサタンがすることはできません。私は二つの面をすべてしました。しかし、サタンは二つの面をすることができません。一面専門家にしかなることができません。ですから、両面専門家には敗れるしかありません。


収監者の教化方案

 天がより素晴らしい修練をさせるために、私をそこに送ってくださったと思うのです。私は、そこに入っていってアメリカの監房制度について多くのことを考えました。それを私に任せれば、六ヵ月以内ですべて清掃作業をするのです。そこの人々は食事を終えると、することもなく年月を送るのが常です。ですから、四十日修練を何回でもすることができます。百二十日修練をすることもできます。四十日修練会をしっかりして、すべて精神を入れ換えるのです。私たちに任せれば、彼らを連れて出ていってファンダレイジングをするのです。そのようにすれば、彼らの家庭を生かしてあげることができます。それは可能だと思いました。

 五年の刑を受けて服役している人に「刑の三分の一を減らしてあげる」と言えばどのようなことでもします。それで、今後、法務省を通じて交渉し、可能なシステムを構築することを計画しています。政府では、様々な方法をやってみました。宗教団体にも任せてみたのですが、すべて失敗しました。それで「もうできない」と言っています。しかし、国家予算を使ってでもせざるを得ないので、それは続けるようになっています。一年に十二億ドルに相当する資金を投入しても教化することができなくて、放置しているのです。ですから、ますます国運が下がっていきます。

 そのお金を私に任せ、五十方名を私に任せれば、八〇パーセントは転換されるはずです。一〇〇パーセント近く転換されることでしょう。今回、彼らの立場を理解したので、地獄を天国化することができるということを発見して出てきました。前科一犯、二犯、三犯の囚人たちも、収監者という名前をもって、今後はすべて同僚になって、新しい分野を開拓できる基盤がそこに待っているということを発見したのです。


救出決死隊の謀議

 私がダンベリーにいる時も、アメリカ政府は秘密決死隊をつくって私を保護してくれました。ある日、私に「文総裁、どこどこのトイレで待機してください。そうすれば、私たちがあなたをヘリコプターで拉致して南米に移送します。その背後については聞かないでください。間違いなく脱獄させてあげます」と言うのです。私がどのように答えたと思いますか。そのようにアメリカにも私の味方がいます。ソ連にも私の味方がいます。

 ダンベリーの監獄にいる時、一時教会で活動していて途中で離れていった人々が十数名集まって「我々が先生を救出しよう」と言って会議をしたというのです。それで、先生に手紙を送ってきました。「私たちは、メキシコヘ行く準備をすべてしておきました。ヘリコプターも車もすべて準備しておきました。先生さえ良いとおっしゃれば、私たちが即刻行動します」という手紙を送ってきたのです。先生はその手紙を読んで「この者たち、まだ先生を忘れていなかったな」と思いながら心の中で笑いました。


弁護人たちと法務省の評価

 既に、アメリカ近代文化史において、レバレンド・ムーンに対する判決は、歴史的に取り除くことができない実証的な事実となってしまいました。ですからおもしろいのは、有名な大学の法学部の学生や、博士になろうと研究している人は、レバレンド・ムーン事件を知らなければ落第です。これが、どれほど膨大な事件であったことでしょう。

 私が弁護士をどれくらい使ったかというと、およそ三百八十名使いました。アメリカの最高の弁護士を一時間当たり五百ドル与えて使いました。彼らは許可された盗賊です。(笑い)彼らは「電話を受けるその時間から仕事をした」と言うのです。トイレに行き、顔を洗い、昼食を食べることまで、すべてその仕事の時間に入れたのです。ですから正規に働いた時間よりも二倍から二・五倍の報酬をもらっていきました。ですから、許可された盗賊でしょう? 「えいっ、いっぱい持って、どこへでも行ってしまえ」と言ってすべて支払いました。

 弁護士の心をつかまなければなりません。なぜつかまなければならないのでしょうか。大きな闘いをしなければならないのに、弁護士たちとトラブルが生じてはいけないのです。有名な弁護士をすべてつかんで手厚くもてなしました。このようにすると、弁護士たちを中心として、ひもを一度ぐいっと引っ張れば、その国の高裁から州裁判所からつながっているのです。そしてまた、さーっと調べてみると、キリスト教団体の団体長の弁護士だったりするのです。民主党委員長の弁護士、共和党委員長の弁護士、レーガン大統領の弁護士などがすべて私の弁護士になりました。おもしろいのは、彼らとつきあってみると、レーガン大統領にも傷があり、共和党の委員長にも傷があり、民主党の委員長にも傷があるのです。知ってみると、みな内情があります。

 しかし、文総裁はいくらくまなく調べてみても傷がありません。「最も悪い」と考えていたのですが、細かく調べてみると、この人はアメリカ人が手も出せないことをすべてしているというのです。とにかく最初は、ぎらぎらした目つきで見ていたのですが、あとになると目を丸くして口をあんぐり開けているのです。弁護士たちが驚いたのです。すべてが分かってみると「この方こそ、世界のために闘っている、この国の歴史始まって以来初めての人だ」ということを知ったのです。

 今回、アメリカ法務省でどのようなことがあったのかというと、「今まで、多くの人が監獄生活をして出ていったが、その監獄歴史における代表的な人格者を選出してみよう」ということになったのです。それで調査したのですが、レバレンド・ムーンがその中の一人に選ばれました。

 その調査した結果がどのようなものだったのかというと、その責任者の話によれば「レバレンド・ムーンが入ってくる前は、けんかが一日に十回以上あったのに、レバレンド・ムーンが入って一ヵ月するとだんだん減ってきて、三ヵ月すると半分に減り、六ヵ月したら全くなくなった」というものでした。その上、「一年に何件かは殺人事件が起きていたのが、レバレンド・ムーンがいる間は殺人事件はもちろん、頭にけがをする人さえもいなかった」と言うのです。ところが、レバレンド・ムーンが出ていくと、三ヵ月もせずに前と同じようになってしまったというのです。

 彼らがそれを見て「ああ、万人の人がどれほど偉大な力をもてば、このような監獄世界でそのような影響を及ぼすことができるのか」と言って、それが話題になりました。それは、私の言った話ではありません。法務省の調査官たちが行って調べ、私に報告したのです。「さすが文総裁は違う」と言うのです。それで、「何が」と聞くと、「これこれこうです」と言うのです。そのようなことを見れば、先生は、よく生きてきたでしょうか、生きてこなかったでしょうか。

 監獄に行っても、原野に行っても、どこに行っても愛を中心として何かを残そうと身もだえし、くたくたの生活をし、悪口を言われ、睡眠をとらず、このように生きているのです。そのような、くたくたの人生を歩んでいます。そのような世界の歴史的な代表者がレバレンド・ムーンです。先生が愛を知らなかったとすれば、最もかわいそうな人でしょう。


三 ダンベリーの受難中の業績

「開天門の日」宣布
(一九八五・二・一、〇三:三五、ダンベリー刑務所とイースト・ガーデン)


 一九八五年二月一日午前三時三十五分(アメリカ時間)、アメリカ、ダンベリー連邦刑務所において、真のお父様は、イースト・ガーデンにいらっしゃる真のお母様との電話通話を通じて「愛勝日」と「愛天日」の基台の上で「開天門の日」を宣布された。

 先生がダンベリーでしたことは何ですか。偽りの父母が道をすべてふさいでしまったので、二月一日午前三時に、先生がダンベリーとイースト・ガーデンを連結し、地獄から霊界まで直通するハイウェイを築く式をしました。それによって地獄にいる人々がその道を通って上がってくることができるようになりました。道が開かれたので、自分の先祖が地獄に降りてきて蕩減してくれるようになるのです。後孫を教育をして、一段階一段階引き上げていくのです。

 偽りの父母によって閉ざされていた霊界と肉界の垣根を壊し、真の父母に出会うことができる門を開きました。ハイウェイを築きました。ですから、どのようなことが起きるのかというと、霊界から自分の先祖たちが、愛の本心と父母が子供を愛する道理をもって訪ねてきて、後孫たちを一段階ずつ引き上げるのです。ですから、霊界の統一運動も地獄解放運動も、この愛の道理によってのみ可能なのです。死亡圏まで消化することができる能力は、愛にのみあります。

 真の父母は、地獄の解放まで提示することができるすべての心情圏を展開させなければなりません。今回、先生はダンベリーで、お母様はイースト・ガーデンを中心として、二月一日早朝三時にその式を執り行いました。時がそのようになっています。世界は切迫しています。

 二月一日午前三時に、お母様と談判しながら地獄と天上に高速道路を築きました。高速道路はできましたが、準備をしなければなりません。車がなければなりませんし、運転を学ばなければなりません。また、ガソリンがなければなりません。それは白分にはありません。自分たちの先祖がもってくるのです。自分の先祖が車をもってきて、ガソリンを入れ、運転を教えて、霊界に引き上げる運動を始めたのです。このような話を信じますか。信じることができなければ信じないでください。これは、本当のことです。霊界に行ってみてください。

 先日、霊通する人々が「あっ! 天国の旗が一箇所に集まって方向を定めて動いている。今年二月からは地獄の門も開き、天国の門も開いた」と発表しました。しかし、誰がそのように発表させたのか、その動機の起源者を彼らは知りません。きょう、私がこのように「新時代の復活、現時代は過ぎ去って新時代、統一教会の迫害時代は過ぎ去って解放のラッパが鳴り響く時が来た」と宣布することによって、天下がそのようになったのです。

 それゆえに、統一教会を信じて霊界に行った劉協会長から季題錫氏、鄭漢采氏たちが祈祷してあげることによって、今から暴れ回ります。喜進君は金日成の首を絞めるでしょうし、興進君はゴルバチョフを動かすでしょう。


全米三十万の牧師たちに親書送付(一九八五・二・二八)

 一九八五年二月二十八日、真のお父様は、米国内の三十万人の牧師を糾合することにし、ダンペリーにいながら、その運動を強力に広げることを決定され、真のお父様の親書と原理講義のビデオおよび書籍を各牧師に送付するようにおっしゃった。

 ダンベリーから貴殿と貴殿の教会員の皆様に衷心から御挨拶を申し上げます。私は文鮮明と申します。ここ、獄中から貴殿にこのような書信を差し上げましたので、さぞ驚かれていることでしょう。貴殿におかれては、おそらく私について、また約三十年前に私が韓国で創設した宗教運動について聞かれたことがあるだろうと思います。

 貴殿がこの宗教運動について聞かれたことや読まれたものは、おそらく敵意に満ちて歪曲されたものであろうと推測されます。このような事実は、私の胸をとても痛めています。私はこのような誤解を解きたいと思います。しかし、貴殿が私と統一教会に関してどのような意見をもたれようと、それよりももっと重要で切なる願いは、世界的国家であると同時にキリスト教国家であるアメリカに対する私の衷心からの対アメリカ観を、貴殿と共に論議したいということです。

 私は、北韓のある地方のまじめな儒教の家庭で生まれました。十数歳の時、家族全員がキリスト教に改宗しました。私は、改宗と同時に深い感銘を受けました。私は、この新しい信仰に愛着をもち、それまで愛した誰よりももっとイエス様を愛しました。

 私は十六歳(数え)の時、不思議な経験をしました。復活節の朝、長い時間の涙の祈祷の末、イエス・キリストが私に現れて多くの啓示と教示を与えてくださいました。そして、私に「地上での神様の役事に対する特別な役割をなしてほしい」と要求されました。それは既に四十九年前の出来事です。

 今日、神様には最も頭の痛いことが三つあります。第一に無神論的全体主義、特に共産主義の拡大です。神様の頭痛の種の第二は道徳的紊乱です。特に全世界の青少年たちの退廃している姿です。最後に神様を最も悲しませているのは、キリスト教信仰の不協和および分裂です。

 一九七一年に神様は、それらの頭痛の種を解決されようと私をアメリカに呼ばれ、キリスト教の熱気を復興させる運動を指導されました。その後、私はキリスト教を団結させ、道徳性を回復し、無神論的共産主義を打ち砕く運動のために、神様のみ言を伝播し、正義のアメリカ人たちを鼓舞しました。

 多くの統一教会員がこの国に到着し始めた時、国際的教会事業のための特別基金がつくられました。長い名誉ある伝統に従って、教会員たちは、この基金を管理する人として教会を代理して私を選択するようになりました。私は、この基金を公開的に取り扱いました。隠匿しようと尽力したことはありません。事実について言えば、ニューヨークの主要銀行に預金しました。「この基金は、教会目的のために使用される教会基金ではない」と言うべき何らの証拠もありません。

 それにもかかわらず、IRS(国税庁)は私を起訴しようと、あらゆる力を注ぎ始めました。とてつもない公的、議会次元的圧力がIRSに、巨大な調査が始まりました。結局、数百万ドルという納税者の税金を使ったのち、IRSは、私名義の教会基金の銀行預金から得た利益に対する収益報告をしなかったということで私を起訴しました。この政府の理論に従うとすれば、いわゆる脱税の総額は、七千ドルから一万四千ドルでした。

 実際において、委任された教会基金を宗教指導者が扱う慣習は、古くからの誉れある慣習です。カトリックの司教から第一線の牧会者に至るまで、多くの宗教指導者たちは、今もこの慣習に従っています。そして、私が実際に私個人の経費のために引き出した基金については、所得税を納付したにもかかわらず、アメリカ政府は、この事実を黙殺してしまいました。すなわち、彼らは一人の見慣れない宗教指導者を告訴したのです。

 私が連邦最高裁に出した嘆願書には、四十数団体の「法廷助言者(amicus curiae)」の支持をもらいました。これら、有名な機構と個人は、政府の反宗教的な権力乱用に対する深刻な憂慮を表した十六の訴訟摘要書を出しました。互いに異なるこれら有名な機構は、異口同音に「今日、IRSが見慣れないある宗教を効果的に迫害することができるならば、あすは既成教会の自由が脅かされるだろう」と言っています。

 統一運動をしている私たちの信仰を、この手紙ですべて説明してさしあげることはできません。そこで私は、私たちの信仰の教義を詳しく説明しているビデオ・テープと印刷物を送ってさしあげるようにと、教会幹部たちに要請をしました。貴殿がこれらを評価され、また私が皆さんに差し上げようとする貴いみ言を考慮される時間があることを望みます。

 この手紙を読んでくださり、私の話に耳を傾けてくださって心から感謝いたします。貴殿が私のお話ししたことに賛同される、されないにかかわらず、私たちが互いに愛し、尊敬し、協力し、主に奉仕することができるようになることを衷心から祈願するものです。神様の祝福が貴く永遠に共にあられることを!

一九八五年二月
文鮮明牧師拝


アメリカの牧師七千名連合運動

 獄中にいながら七千名の牧師の連合運動をしました。これは旧約時代のエリヤに従った七千名の群れです。イエス様の時代にも、イエス様を中心として七千名が一つになっていれば、その国を動かしていました。それを現実的な自由世界の舞台で再現するのです。

 それで、莫大な金額を投入して三十数万の牧師と教役者の前に、大型トラック百台分の統一教会の原理講義のビデオを送ってあげるのです。その人々は頭が良いので、本の骨子を抜き出して見ます。ぱっと抜き出して見てみれば、自分たちのあまりのいい加減さが暴露されるのです。

 それゆえにダンベリーにいる時、ボルシュグラーヴ(Arnaud de Borchgrave)やロナルドのような人たちが、自分たちが雇っている、すべての法に造詣の深い高級弁護士に尋ねてみたところ、彼らは「アメリカ政府が誤っている」と言ったのです。それで、その闘いを起こし、「ダンベリーにいる私を訪ねてみよう」ということで来たのですが、さっと私に掛かってしまいました。

 ロナルド・ゴッドウィン (Ronald Godwin)といえば、ジェリ・フォルウェル(J.Falwell)の率いる保守教派のナンバー・ツーです。そこは、牧師だけでも十三万人いて、教会員が千三百万人になる教派です。トップのジェリ・フォルウェルがその教団の頭となって動かすことができるように、版図をつくって基盤を築いた人がその人です。その人を引き抜いたのです。彼は、私がダンベリーに入っていく前までは、私を捕まえて刑務所に入れなければならないと扇動していた輩です。ところが、今はほとんど私の部下になりました。そして今では、レバレンド・ムーンがどのような話をしようと、ジェリ・フォルウェルは大丈夫です。

 私がダンベリーの監獄にいる時にこの工作をしました。朴総裁に「すぐに行って、ジェリ・フォルウェルと会ってこの人を引き抜いてくる工作をしなさい」と命令しました。それに一年六ヵ月がかかりました。初めは、口角泡を飛ばしながら、怒ったライオンのようにして「ミスター朴とはいかなるやつだ」と言って大騒ぎしていました。ところが、六ヵ月くらいたつと「いやあ、あのように良いお方がほかにいるだろうか」と言っているのです。


御言選集『忠孝の源』と『御旨と世界』(一九八五・六・二五、出版指示)

 今回、私がダンベリーに行って十三ヵ月の間何をしたのでしょうか。アメリカに行って十三年の間に話したことをすべて再度鑑定してみためです。今後、学者たちがこれを深く究明してみて答えを得ることができず、私のところに尋ねて来るようになれば、これに対してはっきり解説をしてあげなければならない責任を感じるのです。ですから、責任者というものは歴史的な責任を負わなくてはなりません。神様が私に「何度か耽読してそれに対する盾をつくって完全に決算できるように」と許された一つの良い時期だったと思うのです。

 それゆえに、一般の人々は「レバレンド・ムーンは瞑想される方、昼夜休むことなく本を読み、勉強される方だ」と思っています。イメージがそのようになっています。それから「絶対に不平を言わない方、不平を言うような環境でも希望の言葉を話す方だ」といううわさが立ちました。刑務所内の全体においてです。

 アメリカに行ってから今まで説教したものを本にしたものが十巻になりました。『忠孝の源』といって十巻になっているのです。それで、今回先生がダンベリーに入っている時、日本人の神山氏と私がそれを(編纂)しました。文化部ではできないからです。先生が監獄に入っている時に、その本をすべて再検討したのです。

 学者たちがその本をもって、今後研究していけば、ひっきりなしに尋ねてくることでしょう。彼らは私がアメリカに渡っていって成したことをすべて聞いたでしょうか。誰が「時」について解説したすべてのみ言を聞いたかというと、皆さんではありません。世界舞台であるアメリカの人々が聞いたのです。アメリカ人がより広く深く知っているのです。そのことは何を物語っているのでしょうか。皆さんは関心がなかったということです。

 ここ韓国では、ダンベリーで先生が指示した『御旨と世界』という本を作ったでしょう? 全員が買いましたか。(はい)。すべて読まなければなりません。知らなければすべて読まなければなりません。最小単位であるこれを知らなければいけません。その内容を解析できなくては摂理に対する見方をとらえることができません。

 それで、アメリカにおいて、七千名以上の群れの基盤を中心として、三十二万人の牧師の前に原理を告知しました。私のなすべき責任はすべて果たしました。『御旨と世界』という本を作ってすべて配付したのです。そこには原理の秘密がすべて入っています。そのようにして、次子アベル圏を中心として長子圏を屈服させたのです。

 監獄に入っていって出てきてみると「文総裁でなければ、キリスト教に新しい方向を提示できない」ということが神学界の結論として出るようになりました。アメリカの朝野が「今は文総裁の思想でなければ収拾することができない」という結論を下したのです。


ニカラグア支援問題(一九八五・六・五、着手指示)

 「ワシントン・タイムズ」(会長一朴普煕氏)は、真のお父様の指示により「ニカラグア反政府軍支援募金運動」を展開した。これは、去る五月、レーガン大統領が議会に提出した自由二カラグア反政府軍支援(一千四百万ドル)案が否決されるや、民間次元でこれに対する基金を募金することにしたものだ。これにより、「自由基金委員会」が設置され、統一教会からの十万ドルの献金を手始めに、積極的なキャンペーンが繰り広げられ、五月十五日、米下院において、反政府軍のための二千七百万ドルの支援案を通過させるのに決定的な役割を果たした。これにより、レーガン大統領による感謝の手紙が「ワシントン・タイムズ」に送られてきたりもした。

 ニカラグア問題が何を意味するかというと、ラテン文化圏とアングロ・サクソン文化圏が完全に分立し、キリスト教文化圏と怨讐になり得る局面が展開するということです。ですから、ニカラグア問題をめぐり、レバレンド・ムーンが監獄で命を懸けて闘ったという事実を知らなければなりません。アメリカと中南米のためにです。

 アメリカのレーガン大統領が、ニカラグア問題を中心として千四百万ドルを国会に通過させるための提出をしました。しかし、すべてボイコットされました。ところで、アメリカに住んでいる二億四千万という民がいくらでもいるというのに、ダンベリーで生活しているレバレンド・ムーンに何のとががあって、神様はレバレンド・ムーンを夜中に起こして出頭命令されるのでしょうか。「あなたがすぐにしなければいけない」とおっしゃったのです。

 それで、すぐにお母様に電話しました。そして「あすの朝は聖日ですが、朴普煕氏、郭錠煥氏、韓相國氏を呼び出し、『ワシントン・タイムズ』が生死を懸けてこの仕事を断行しなければならない」と言ったのです。これは、言論界ではあり得ないことです。

 その時は六月五日の土曜日です。レーガンはドイツに行っていてアメリカにいない時です。その時に全員を呼び出し、「『ワシントン・タイムズ』を通じてアメリカ国民から千四百万ドルを募金しよう」と言ったのです。「私たちが責任を取る」と言って立ち上がりました。これは、アメリカ国会の上院が顔に泥を塗られるということです。「監獄にいるレバレンド・ムーンが責任を取る」と言って立ち上がったのです。私は一ヵ月以内ですぐに現金で支払うつもりでした。

 それで「論説を書きなさい、宣布しなさい」と言いました。このような事柄に対して是非を論じていては駄目なのです。偉大な指導者は先頭で宣布して後ろに消えていくのです。「口で言うだけでなく直接編集局長に電話をかけなさい」と言いました。そうしてニカラグアを後援したいと思うすべての国民を動員して、「ワシントン・タイムズ」が募金運動をしたのです。その結果、神様が保護し助けられることによって、巨大なアメリカの世論が七週間で完全に、完全にひっくり返りました。このようにして、国会で二千七百万ドルを再度通過させたのです。

 カーターの時に弱小民族を後援することを禁止する法律をつくったのですが、CIAがそれをすべて取り除いてしまいました。それを誰が操縦したかというと、レバレンド・ムーンです。しかしアメリカの言論機関では、そのことを一字も書きませんでした。

 そうすると、言論人の中でそのことにあきれて憤慨した人がいました。ニュージャージー州のある雑誌がそのことについて風刺調に記事を書いたのです。それによれば、「アメリカの国会議員は五百三十六名で、その中の一人がレバレンド・ムーンだ」と言うのです。国会議員はもともと五百三十五名ですが、もう一人レバレンド・ムーンを加えて五百三十六名になったというのです。五百三十六名の中のその一人がこの国会全体の生命を生かしてあげたというので判゜

 もしそのようにしなければ、ニカラグアは共産党の手に渡っていたことでしょう。メキシコからグアテマラ、ホンジュラスなど、五ヵ国もすべて共産化され、本格的な戦闘態勢に入っていったはずです。

 その時、私が皆さんのように、皆さんが先生の命令を疑ったように「あー、それは神様の命令かどうか分からない、もうしばらく待ってみよう」と言ったとすれば、どのようになっていただろうかというのです。すぐに命令を下したので、それができたのです。一日か二日だけ遅くてもいけません。

 その時は土曜日です。土曜日の晩で次の日が日曜日なので、アメリカの政府機関がすべて休んでいる日です。仕事をしないということを神様がすべて知っているのです。もし月曜日の晩にそのようなことをすれば「ホワイトハウスと組んでやった」と言ってやかましくなるのです。また、その時レーガンはヨーロッパに行っていていない時です。神様はそのようにことをなされるのです。


国際郷土防衛連合軍創設の提唱(一九八五・六・七)

 皆さんは知りませんが、アメリカにおける陸・海・空軍はもちろん、すべての傷痍軍人、将単級以上の軍人は、既に私たちの教育を受けています。大将から、もう誰彼という区別なく、名のあるすべての有名な人は、すべてCAUSA(南・北米統一連合)教育を受けています。そこにアメリカ在郷軍人の全体組織の長まで連結させる運動を促進しているのです。

 AULA(中南米統一連合)という南米連合国を創設するに当たって、軍事顧問団をいかに連合させるかということが問題です。今までのアメリカの最高総帥の権威をもった将軍たちは、南米を利用してばかりいました。南米を指導するにおいて先頭には立っても、南米のことを考える将軍がいませんでした。今からは、南米のために尽くすことができる大将を三十万刀国に派遣するつもりです。私が月給を与えてでも派遣しようと思います。

 それで、何をしようというのでしょうか。共産ゲリラを撲滅するために三十一ヵ国を連合し、ゲリラ訓練とともに情報責任者を教育し、超南米的な軍隊編成をするのです。そのようにしなくては南米が生きることができないと思っています。これさえできれば、既にアウラの組織編成ができているので、経済問題は連合機構を通じて自動的に解決されます。今まで契約されたものはそのままにしておいても、今からは原資材を保護するために私たちが輸出入を自制できる規約をつくってこれを統率し、導いていくならば、南米連合国は自然にできあがります。

 そのような諸般の問題を準備するのは何のためでしょうか。私たちがよく食べてよく暮らすためではありません。共産主義を南・北米の基準で防御しなくては世界を赤化から救うことができないと思うからです。それと同時にヨーロッパ連合機構、アジア連合機構を編成しなければなりません。このように、共産党が存在している時が、世界的機構を編成できる絶好のチャンスだと思うのです。

 今まで、人々が夢にも思わないことをしてきました。人は、そのような私のことを「狂った人だ」と言って扱ってきました。「貴いお金を使いながら何のためにそのようなことをするのか」と言うのです。アメリカでは、百ドルの現金を持って出歩くことができません。市場で百ドル紙幣を取り出して見せただけで「おやっ」と言ってテロ団たちが近寄ってきます。そのようなありさまです。

 ところが、レバレンド・ムーンが今まで莫大な経済的投資をしたのを見たならばどうでしょう。彼らはそれを想像もできません。彼らは自らの生計のための個人的生活観を中心として生きています。しかし、私は、この世界を救うための摂理観をもって生きている人です。

 それで、六月七日に在郷軍人を中心として、国際郷土防衛連合軍の創設を宣布しました。なぜこのようなことをするのでしょうか。各国が連結されたここにおいて、今や義勇軍を選び出して七万名を韓国に投入するためです。その準備作戦です。


団体創設と雑誌出版

 私はダンベリーの監獄に入っていきながら、アメリカを生かすために、「ワシントン・タイムズ」、「インサイト」(Insight)、そして「ワールド・アンド・アイ」(The World & I)など、六つの団体をつくりました。それをつくっていなければ、今ごろアメリカはがらがらと地に落ちていたことでしょう。切れることのないそのような錨綱をつくっておいたので、今は落ちていきません。彼らは怨讐でしょう? この者たち、腹を突き剌して復讐してもすっきりしないのです。

 なぜそのようにしなければならないのでしょうか。神様の心情が分かるからです。怨讐の輩を育て、すべて王子にしなければなりません。神の国の王子にしなければならないのです。イエス様がローマ人のために祈祷したのは、そのような心情圏内に到達したからです。歴史にない出来事です。

 その時に「ワシントン・タイムズ」もつくり、「インサイト」や「ワールド・アンド・アイ」もつくりました。現在、保守世界の主流勢力である民主党と共和党を中心とした「アメリカン・リーダーズ・カンファレンス」(American Leaders Conference) や「アメリカン・フリーダム・コーリション」(American Freedom Coalition)などの団体をすべて監獄に入っている時につくりました。アメリカを生かしてあげるためにつくったのです。

 レーガン政権は、「ワシントン・タイムズ」がなければ今ごろは完全にめちゃくちゃになっているはずです。「ワシントン・タイムズ」が方向を提示してきたのです。CIAの局長ともけんかをしたり、ホワイトハウスの大統領秘書官を激しくつつき回しもし、国務長官も誤っていれば激しくつつき回すのです。背後では私がコントロールしています。それで、アメリカの保守界の代弁者のような位置に上がってきたのです。

 それゆえに、チャンスはこの時しかないのです。週刊誌をもっている「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」が、日刊紙と同じ内容をその週刊誌で公然と繰り返していることを許すことができません。それで、「インサイト」(Insight)という雑誌をつくって、今まで世界の政治界において秘密にされていたすべてのことを暴くのです。九月十五日に創刊して、十月、十一月、十二月、一月の四ヵ月間で三十五万部を突破しました。

 「ワシントン・タイムズ」を中心として七百ページの新しい月刊誌をつくりました。アメリカ人の思考方式では、七百ページの月刊雑誌というのは測り知ることができません。アメリカの言論界にはそのようなものがないからです。「月刊誌は七十ページ、百二十ページ、百五十ページあれば、それで十分なのに。七百ページのものがいったいどこにあるというのか」と言うのです。その人々の頭では測れないのです。

 何のためにそのようにするのか分かりますか。世界の教授たち、有名な学者たちが言論機関の研究員になっています。それを解放するためです。有名な学者が研究したその内容があるとすれば、それが学校ならば学校、大学ならば大学の図書室の隅で腐っているのです。誰かが自らの系列を訪ねてきて研究できる知識水準に達してこそ、そこで初めて参照することができる材料になるのです。今はそのまま腐っています。ですから、それは世界人類の前にどれほど大きな損害でしょうか。

 今までは、世界の学者、碩学たちが言論人の僕になっていました。そして、国を滅ぼし、共産世界を引き込むことに主導的な役割をなし、そのようなことをあおり立てる行為をしました。私がこれを知る限り、許すことはできません。ブレーキをかけるのです。それで、この雑誌には先端を走っている世界のすべての碩学たちが寄稿するのです。そして、ここから出てきたすべての資料は、有名な学者が教壇ですぐに直接教えなければなりません。


東西文明糾合のための背後活動

 皆さんが知らなければならないことは、私がダンベリーに入ってから四十日目には、ダンベリーが獄中の門を開き、社会に公開して観覧させる日になったことです。また、七十日目には、北韓が韓国に物資の供給をして南・北韓が協力する日となりました。そして、私がダンベリーに入って七ヵ月以内で中共が回ってしまいました。そのようにすべてが回ってしまったのです。一大宇宙の革命、変革が起きたという事実を知らなければなりません。そこに来た人々はすべてレバレンド・ムーンを見物するために来た人々です。(拍手)

 アメリカ政府は、このような基盤を恐れるのではなく歓迎しなければなりません。しかし、ソ連はこれを恐れなければなりません。ですから、ソ連は私のゆえに大変です。レバレンド・ムーンがダンベリーに入っていく時は統一教会の指導者として、アメリカの歴史における逆賊のような男として入っていっても、出てくる時は英雄として出てくるという事実をアメリカ政府と国民は知らなければなりません。

 神様はアジアの文明と西欧の文明を一つに連結しようとするのですが、サタンはそれを追って破壊しようとします。ですから、レバレンド・ムーンは、アジアの文明の核をアメリカにもってきて、アメリカに基盤を築き、接ぎ木する仕事をするのです。今、アジアで共産圏の影響を受けていないのは韓国と日本だけです。ただ韓国と日本だけが影響を受けていないので、韓国と日本とアメリカを連結するための闘いをしているのだという事実を知らなければなりません。

 それゆえに、先生が祈祷したことは何でしょうか。いかにして中共を引き込むかということです。中共は神様の前に戻ってこなければなりません。それで、ハイウェイ・プロジェクトを宣布し、このように祈祷してきたのですが、今になって中共が回り始めています。希望の歴史時代の扉が開かれつつあるということを皆さんは知らなければなりません。

 今日のこのSDI(Strategic Defense Initiative :戦略防衛構想)だけを挙げてみてもそうです。SDIを誰が開発させたのでしょうか。私がすべてそうさせたのです。今回、レーガン大統領がジュネーブに行く時に、うちの編集局長を送って面談させました。その面談の場でレーガン大統領から確約をもらいました。「SDIを捨てれば、アメリカが生きることはできません。SDIを捨てますか、捨てませんか」。このように迫り、中止しないという約束をもらいました。私はそのような仕事をしているのです。

 私がそのようにすることができる基盤がアメリカにあります。彼らが「お金でやる」とい怖ならば、私もお金で闘うだろうし、共和党や民主党が組織力で押してくれば、私も監獄に入っていって組織力で押すことができる基盤をすべて築きました。

 今回、レーガン大統領が当選できた主導的な勢力基盤は何だったのでしょうか。レバレンド・ムーンがその基盤を監獄でつくってあげ、大統領に当選させたのです。しかし、この大統領は特赦することも知らず、やたらに反対し、昼寝だけしているので落第です。

 選挙するためには選挙人団の登録をしなければなりません。私が選挙人団八百五十万名を登録させました。また、民主党のフェラーロという女性がマフィアの手先であることが分かったので、これを暴き、民主党をひっくり返したのです。モンデールという男も共産党の手先です。ですから、ひっくり返したのです。私は命を懸けて、堂々とそのような活動をしました。


共産主義の終焉宣言
(一九八五・八・一二〜一七、第二回「世界平和教授アカデミー国際会議」、スイス、ジュネーブ)


 一九八五年八月十三日から十七日まで、スイスのジュネーブで開催された第二回「世界平和教授アカデミー国際会議」で、真のお父様のみ言に従い「共産主義の終焉」が宣言された。

 今回、「ワシントン・ポスト」が私のために大々的に新聞記事を出しました。それは、彼ら自らの意志で出したものではありません。このような連勢が既に来ていたからです。レバレンド・ムーンは、アメリカという西洋社会の風土圏内においても、既に無視できない基盤を掌握した男として現れたのです。ゆえに、彼らはそのような新聞記事を出さざるを得なかったのです。

 すべてのものには契機がなければなりません。このようなことが起きる前に先生がこの西洋社会でしたこととは何でしょうか。ソ連が滅びることを宣布したのです。学者世界を通じて糾明し、すべて宣布してしまったのです。実際、八月十五日になる前、すなわち十三日からそれを始めました。すると、全世界、共産世界にまで問題になったのです。(拍手)

 一九八五年八月十五日になる前にソ連の滅亡を宣布しなさい」と言いました。そして、ジュネーブでの教授アカデミー会議を中心として、三百五十名の世界の学者とソ連研究の専門家を集め、「ソ連は滅亡せざるを得ない」ということを宣布してしまいました。そのような条件を立てなければ、ソ連は降りていくことができません。

 今回、ジュネーブでの会議が終わったあと、約二十名の世界最高の戦略家と対ソ連の大戦略家たちがイギリスに集まりました。私は、そこでレーガン政権の今後の行くべき道に対する宣布式もさせました。六大州を経ていきながら、国際安保会議を中心として共産党をたたきつぶす作業をするのです。

 私がダンベリーの刑務所にいる時、ジュネーブでの大会を推進するために郭錠煥氏が来ました。私が責任者なので、私のところに来て許可を受けなければならないのです。その時、シカゴ大学の政治学博士で、両極論理を主張する世界的に有名なモートン・カプラン博士も呼びました。そして、その人を会長にして「『ソ連帝国滅亡』と言いなさい」と言いました。

 ところが、その人はリベラルな立場から、自由色と共産色の入り交じった本を十七冊ほど書いていたのです。それで、「それらの本がすべて無効になるので、自分にはそのような話をすることができない」と言うのです。「こいつめ、そのままにしておけばソ連によって自由世界が滅亡するというのに。十七冊の本が問題ではない。何千、何十万冊をすべて焼き払ってでもそのようにすべきなのに何だ!」と言いました。私の考えが正しいのです。

 そのように言ったところ「ソ連帝国は滅亡するかもしれない」と、「メイビー(maybe)」にしてはどうかというのです。しかし「駄目だ」と言って追い払ったのです。それからまた二度目に訪ねてきた時、最後に「今に見ていなさい。五年以内に共産党がどのようになっているか。行ってそのように話しなさい!」と言ったのです。宣布をしてあげてこそ共産党が崩壊するのです。五年もしないでそのようになったでしょう?

 私は、悪口を言われるのが好きでそのようなことをするのですか。世界の学者がぺっぺっとしたのですが、それを宣布したのちに、このような天地が展開するとは、彼らには思いもよらないことでした。最近になって「おお、尊敬して余りある、偉大な師よ。私たちの知り得ない究極の事実を現実において実践するための基盤を築いた驚くべき歴史的な方よ」と言っているのです。


四つの名誉博士学位(一九八四・一一・一五、アルゼンチン、ラプラタ大学、法学
 一九八五・五・一一、アメリカ、ショー神学大学、神学
 一九八五・五・二八、アメリカ、聖書神学大学院、神学
 一九八五・八・一五、アメリカ、バナディアン大学、法学)


 私が監獄にいる時、南米アルゼンチンの最も有名なカトリックの大学が博士学位をくれたでしょう? 私は監獄に入っていって四つの博士学位をもらいました。ラテン民族は神聖な民族なので、アメリカの者たちよりも良いのです! 彼らはカトリックの人々です。そして、自分たちの最も良い博士学位をくれました。お母様が行ってそれを受けてきました。

 世界の大学教授を最も多く集めて運動したのは、世界的に見て私しかいないでしょう? 国においても、世界のすべての国を動員するのです。そのような記録をすべてもっているのです。私の記録がどれほど多いか知っていますか。結婚させてあげることの記録ももっているし、悪口を言われることの記録ももっているし、けんかをすることの記録ももっています。そして、偉そうにしている者をたたきのめす記録ももっているのです。大きなことを言っているマフィアまでも、私が行きさえすれば逃げていくようになるのです。どのような記録でも、ないものがありません。今後、私の倉庫にはメダルが山ほどになることでしょう。今もひっきりなしに博士や名誉博士の学位を「あげる」と言ってくるのです。

 ダンベリーの監獄に入っている時に、有名な大学の博士学位を四つもらったのです。私が「受け取らない」と言うと、博士の冠をつくり、お母様にかぶせてくれたのです。有名な州立大学の総長が来て「あれっ、現れない。文総裁が現れない」と言って「現れなくても良い。文総裁が我が校の博士学位を受けたということだけでも喜ばしい」と言いながら、その博士学位の帽子を持ってきたのです。(笑い)


四 ハーフウェイ・ハウスの生活と完全出監(一九八五・七・四〜八・二〇)

ハーフウェイ・ハウス(Halfway House)に移られる(一九八五・七・四 〇八:〇〇、
ニューヨーク、ブルックリン所在、別名フェニックス・ハウス(Phoenix House)


 アメリカ、コネティカット州のダンベリー刑務所に服役中であった真のお父様は、一九八五年七月四日午前八時、出所されてハーフウェイ・ハウス(Halfway House)に移られた。今回の真のお父様の出所は、その間ダンベリー刑務所で毎月模範囚としての判定を受け、六ヵ月の刑期短縮の恵沢によるものだった。ニューヨーク、ブルックリンに位置するこのハーフウェイ・ハウスは、別名フェニックス・ハウス(Phoenix House)とも呼ばれ、出所者が社会適応のために一定期間起居する場所だ。

 アメリカの歴史から見れば、今年一九八五年はアメリカ独立から二百十回目の年です。二百十回目の独立の日に解放されたということは、新しい歴史的、国家的次元へと飛躍できる時代に越えていくことを表示するものです。これはまた、ヤコブが二十一数を越えて還故郷した数と同じです。アメリカ独立の日に解放されたということは、新しい出発を表示しています。ヤコブの新しい出発、イスラエル民族の二十一ヵ月の新しい出発、教皇庁の帰還、すべて大きな摂理史的な意義をもっています。バビロンから二百十年かけて帰ってきたという事実などもすべてそうです。新しい聖殿を建て、新しい国家理念をもって出発し、新時代に越えていくということを意味しているのです。

 それで、今年の七月四日の独立記念日は、レバレンド・ムーンの日だというのです。そのような意義をもっています。すべての年代の期間から見ても、このような意義があり、このような摂理歴史が伴っているということを皆さんは考えなければなりません。そして、来年の七月四日になれば、きょう七月四日のレバレンド・ムーンのことを思い出す人がアメリカにますます多くなるのです。そして、「原理」を知り、「統一思想」を知っている人にとっては、先生がアメリカに来て監獄に入っていったのちに解放された日を忘れようとしても、一生の間忘れることができない日になるのです。

 今は、ブルックリンのハーフウェイ・ハウスを中心として、五十マイル以内はどこに行っても自由です。直径では百マイルです。百マイルの円を描いた中では自由に行動できます。ハーフウェイ・ハウスというのは何でしょうか。それはなぜ必要なのでしょうか。刑期をたくさん受ければ監獄で生活した習慣性ができるので、そのまま直接社会に出ると適応できないのです。社会に出ていっても適応できないので、再び事件を起こして戻ってくる人がたくさんいるのです。そのために、中間に社会環境に適応することができるような折衝地帯を特別につくったのです。それがハーフウェイ・ハウスです。

 そして、このハーフウェイ・ハウスにいる間に必ず職場を探さなければなりません。それを社会訓練の期間とみなすのです。ハーフウェイ・ハウスにいる期間は六ヵ月を最長として、三ヵ月、四ヵ月、五ヵ月です。大概このような期間をハーフウェイ・ハウスで過ごします。もし職場を見つけることができなければ、そのような人はそこにいることができません。八時になると出掛けていき、四時になれば帰ってくるのです。その時間はすべて外に出ていなければなりません。中に入っているのではなく、出ていなければならないのです。

 ですから、電話帳を抱えて歩きながら、毎日のように電話をして訪問するのです。訪問する時にどのような悲劇が起きるのでしょうか。職場を探すために訪問した所で、自分がハーフウェイ・ハウスにいるということは到底話すことができません。ただそのまま面接をするのです。そして、あとから調べられてハーフウェイ・ハウスにいるということが判明すると、すべて切られるのです。このようなあぜんとするような事情がその環境に連結しているということを皆さんは知りません。


ハーフウェイ・ハウスにあらかじめ備えられた番人

 私がダンベリーから出てきて、社会に出ていくための中間訓練所であるハーフウェイ・ハウスに行く時もそうでした。私を保護することができるようにと、霊界の通信網を通じて準備し、行く一週間前から既に人が待っていたのです。それを信じることができますか。そのような万人の黒人と一人の中国人がいたのです。私が十二時から五時まで寝るといえば、その人たちが交代でテレビを見ながらドアの所でしっかり守っているのです。見張りをするのです。それは誰が保護したのでしょうか。神様が保護されたのです。

 一人はアジア人です。その人は世界的なアジア人です。キューバで生まれた中国人二世で、母親はスペイン人です。ラテン文明を背景にして東洋人として生まれたのです。その人が右側の強盗となりました。

 それからもう一人は黒人です。今、この黒人がハーフウェイ・ハウスで先生を保護する役割をしています。私が寝る時間に、その人は寝ないで番をする仕事をします。右側の強盗と左側の強盗の立場に立った人たちが、その世界から反対を受けても先生を保護しました。イエス様の十字架を代わりに背負ったクレネのシモンも黒人です。黒人が十字架を協力して持っていったように、蕩減復帰原則によって黒人が身代わりとなって保護する仕事をしたのです。

 また、その中国人の夫人はスペイン系ですが、彼女は、霊界に通じることができました。それで、おもしろいことに、その夫人が「あなたがハーフウェイ・ハウスに一週間だけいれば、良いことが起きる。あなたは聖人に出会うはずだ。見ていなさい」と言ったのです。しかし、彼は信じなかったというのです。ところで、七月四日は、その人がそこに来て七日目になる日だったのです。それはおもしろい出来事でしょう?

 このように天はすべて準備して待っているのですが、ダンベリーにいる時、お母様やそこの所長までも「あなたは危険なので、ハーフウェイ・ハウスに行く期間は特別休暇をあげるからここ(ダンベリー)にいてください」と言うのです。お母様もそのようにするのが良いということで、すべてその約束をしました。そのようにして、部屋に入っていると、もう既に心が落ち着かないのです。「これではいけない」と、心が変わったのです。先生は皆さんと違うのです。

 それで、すぐにその場ですべてのものを取り消してハーフウェイ・ハウスヘ行くことを決定しました。そのようにすると、心が落ち着きました。「さあ、この期間を通して復活圏をなそう。アメリカの言論機関を通じて世論を動かし、新しい雰囲気をつくり、私がこのアメリカの地で戦勝将軍となって解放しなければならない」という考えをもちました。

 このように見るとき、神様は私たちの行くべき道を準備されていたのです。キューバ人が先生と因縁を結ぶようになることを誰が知っていたでしょうか。既に神様は、数多くの歴史的背景を通して出会うことができるようにされているという事実を知らなければなりません。ですから、今アメリカには、このように準備された人々がどれほど多いだろうかというのです。


十三ヵ月ぶりの完全出監(一九八五・八・二〇、〇〇:〇〇、ハーフウェイ・ハウス)

 銀行預金の利子十六万二千ドルに対する所得税七千ドルを申告しなかったという容疑をかけて事件をつくりあげ、十八ヵ月の実刑を言い渡し、一九八四年七月二十日、真のお父様をダンベリー刑務所に投獄させた世紀の大事件は、真のお父様が十三ヵ月の受刑を終え、一九八五年八月二十日零時、ハーフウェイ・ハウスを出られることによって一段落がついた。

 アメリカでキリスト数が反対した事実を再び蕩減するための祭物として興進が逝きました。それからダンベリー事件は何かというと、国家が反対したことを蕩減するものです。ゆえに、先生がそれを蕩減しなければならないのです。

 それで、一九八三年、一九八四年、一九八五年の三年間は、家庭が患難を受けるのです。家庭的十字架です。一九八四年に興進が亡くなりました。一九八三年の十二月に事故が起き、一九八四年の正月二日に霊界に行きました。すべて患難時代です。そののち先生が監獄に入っていったので、一九八五年までは、家庭的患難時代です。第二次大戦直後の一九四五年八月十五日は光復(注:韓国解放)の日ですが、一九八五年八月二十日にダンベリーから出てきたのです。光復節が八月十五日でしょう? ですから、これが過ぎたのちに出てきたのです。四十年圏内のすべてのものが清算されるのです。

 イエス様が十字架で死んだのちの三日と四十日、この四十三日間は、イエス様が死の中から復活する役事の期間だということを皆さんは知らなければなりません。先生は、七月四日に出てきましたが、本来は七月八日に出てくることになっていました。ですから、八月二十日までが正にその四十三日間に相当するのです。

 イエス様が復活したのと同じように、イエス様が取り戻さなければならない復活圏とキリスト数文化圏を実体的に取り戻すためには、この期間に統一教会の数会員として完全に立たなければなりません。アメリカ国民もこの期間にすべて転換していかなければなりません。そして、この期間にレバレンド・ムーンが復活するのです。昔、イエス様の時代に復活する時には、イエス様の弟子たちだけが復活の栄光を受けましたが、今は復活すると同時に、アメリカ国民までも合わせて、すべて実体的にその栄光に参与できる基盤を築かなければなりません。

 十三ヵ月とは何でしょうか。イエス様をセンターにして十二弟子を合わせれば十三数です。十三数は蕩減復帰数です。西洋社会では十三という数が最も悪い数になっています。しかし、今は完全に蕩減復帰したのです。

 蕩減復帰することによって、長子権と次子権の基盤の上に、初めて父母が世界的によみがえることができます。原理がそのようになっています。ゆえに、この位置がなくては世界を主導できる父母の世界圏が出てきません。そのことをはっきりと知らなければなりません。サタンと闘わなければなりません。そのようにして長子権を奪ってくるのです。先生が長子権を奪ってくるので、長子と次子の間がうまくいくのです。

 裁判をした日が八月二十日です。ジェリ・フォルウェル ( Jerry Falwell)は、先生にとって右側の強盗です。そして、ドクター・ジョセフ・ロウリー(Joseph Lowery)は左側の強盗に相当します。彼らはお互いに怨讐でした。しかし、彼らは、今一つになりました。この黒人の代表と白人の代表が先生を中心として一つになったのです。イエス様が十字架を背負う時は、イエス様を中心として二人の強盗が争いました。しかし、今は彼らが一つになったのです。これは、白人世界と黒人世界が連結される最上の架け橋がかけられたということを意味しています。

 先生がダンベリーから出ることによって、西欧のキリスト教文明と東洋文明を代表した統一教会文明がその位置を交替し、今は長子が次子となり、次子が長子となっていくのです。そのように時代の流れが変わる時点になりました。それを四十年の峠を越えながら変えなければ、天の摂理が壊れるのです。ゆえに、先生は監獄に行ってでもこのことをしなければなりませんでしな)゜

 イエス様は、七千以上の群れを迎えることができずに死にました。同様に、統一教会のレバレンド・ムーンも、七千以上のアメリカ宗教界の群れをもつことができなければ大変なことになります。先生がダンベリーから出てきた二十日に晩餐会をした時に、約二千名が集まりました。そこでは、先生がただ立っているだけで、みなが握手しようと、互いに先生に一度触ろうと、彼らの目がこのようになって大変だったのです。

 それは何の運動でしょうか。生きる運動、爆発運動です。地上から人工衛星を打ち上げる時のような爆発をする運動です。地から天へと跳ね上がっていくのです。アメリカには、先生のために死ぬことができる牧師たちがたくさんいます。


文鮮明先生出監歓迎晩餐会
(一九八五・八・二〇、ワシントンD・C、オムニ・ショアハム・ホテル、千七百名以上)


 一九八五年八月二十日、アメリカ、ワシントンD・Cのオムニ・ショアハム・ホテルのボールルームで、宗教自由連盟の主催により「文鮮明先生出監歓迎晩餐会」が開かれた。この晩餐会は、アメリカの超宗派宗教指導者たちの祝宴といってもいいほどで、ユダヤ教のラピから急進的な主張を展開するプロテスタントの牧師まで、千七百名が集い、真のお父様のダンペリーの苦しみを慰労し、その勝利を祝賀する大祝宴であった。

 尊敬する宗教自由委員会委員長、および委員の皆さん、全国から集まられた聖職者の皆さん、そして紳士淑女の皆さん! このように挙国的、超教派的に意義深い場を準備し、私の出監を歓迎してくださったことに対して心より感謝申し上げます。

 さらに、私が法廷闘争を繰り広げた時から法廷嘆願書を提出され、宗教の自由に関する集会、特別祈祷会、同苦の会、そしてCAUSA聖職者連合に参加されるなど、積極的な支援をしてくださった聖職者の皆さんにもう一度感謝を申し上げます。また、多くの方々が私に激励の書簡を送ってくださり、祈祷で声援してくださったことに対しても、私は忘れることができない感謝の気持ちをもっています。

 今回私は、私の生涯を通じて六度目の監獄生活を経験しました。その困難な場においても、私は神様との感動的な交流をもつことができました。以前の場合もそうであったように、今回も、私の個人的な事情や失敗によって監獄に入ったのではありませんでした。獄中においては、迫害者を恨んだり、自らの無念さを訴えるよりも、神様のみ旨を立てるために、神様のみ旨を信奉すべきアメリカと世界を心配する深い瞑想と祈祷をする有益な時間をもつことができました。

 私は生涯を通じて神様の深い心情と愛を確認し、これを証してきました。したがって、私における神様は、想像の中の漠然とした神様ではなく、生きていらっしゃる神様であり、私の心情と私の細胞一つ一つで体恤される神様です。

 神様のみ旨のために尽くす道において、共に働く者となられる牧師の皆さん。きょう、皆さんがこのように私の出獄を歓迎されるのは、レバレンド・ムーン個人に対する歓迎ではなく、神様のみ旨のために生きてきたレバレンド・ムーンに対する歓迎だと思っています。

 神様の愛は、主体である神様と対象である人間が縦的な愛の関係を完成することだけを目標とするものではありません。そのような縦的な愛を完成して、アダムとエバ自体が横的な愛の結実をもたらさなければなりません。その瞬間こそ、正に内的父母であられる神様が外的父母であるアダム・エバと完全に一体を成すために彼らに臨在される愛の理想成就の瞬間です。無形の父母であられる神様がアダムとエバの姿をまとわれ、有形世界で永存する父母となられるのです。この時にアダムとエバは、真の父母、真の先祖になるのです。

 時間の関係上、この場で詳しく説明はできませんが、私が糾明した原罪と堕落の原因は、人間の最初の家庭で起きた天使長との不倫事件にありました。「統一原理」におけるサタンは、観念的、仮想的存在ではなく、霊的実体です。サタンは、神様の愛の理想を破壊し、神様の血統をサタン中心の血統に変えた元凶です。

 神側では、このサタンによる偽りの愛の圏内にいる人間を、より大きな神様の愛でもって奪ってきて重生させようとします。人間は、偽りの愛の父母、偽りの愛の先祖、偽りの愛の血統を通じて生まれてきたので、真の愛の父母、真の愛の先祖、真の愛の血統を通じて再び生まれなければならないのです。それによって初めて人間は、神様の子女、神様の民となるのです。

 私が知っている神様は、宗派や教派にとらわれる神様ではありません。枝葉的な教理理論にとらわれる神様ではありません。神様の父母の心情と、その大きな愛の心のもとでは、民族や人種の区別もなく、国家や文化、伝統の壁もありません。神様は、きょうも万民を同じ子女として抱くために心を痛めていらっしゃるのです。

 今アメリカは、人種問題、価値観の混乱と社会倫理道徳の退廃問題、霊的枯渇とキリスト教信仰の没落問題、無神論に立脚した共産主義問題など、深刻な問題を抱えています。私が神様の召命を受けてこの国を訪ねてきた理由はここにあります。

 今日のキリスト教は、大きく覚醒し、団結しなければなりません。私たち牧師も今まで成してきた役割を再点検し、悔い改めなければなりません。イエス様が来られて「悔い改めよ」と叫ばれた時と同じ情景が、今ちょうど二千年を過ぎたこの地上において繰り返されているのです。そのように思わなければなりません。私たちは、神様がアメリカに命じられた重大な使命を果たさなければなりません。今のままでは絶対にいけません。新しい宗教改革が起きなければなりません。


五 「一勝日」宣布とカナン定着のための総動員

祝福家庭の悔い改め運動と二世糾合

 レバレンド・ムーンは、二十世紀の十字架を背負った立場で、あらゆるものを復帰します。私が監獄に入っていくことにより、複雑だった韓国の統一教会も、すべてを悔い改めて一つになる運動をしました。二世たちも、そのままにしておけばすべてサタン世界に染まってしまうのです。それゆえに、八月十五日になる前に孝進に−八月十四日に終わったと言いましたか−そのこと(第一回祝福家庭子女四十日修練会、七・八〜八・一六、清平修練所、二百十一名参加)をさせ、すべて取り戻したのです。

 今まで世界基準へ上がっていく時は、カイン・アベルが出てきて闘いましたが、今は先生がすべて蕩減しました。ゆえに、カイン・アベルの役事はどのようになっていくのでしょうか。先生の直系の子女は何でしょうか。アベルの立場ではありません。本然の長子、本然のカインの立場です。本然の長男として生まれた立場だということを皆さんは知らなければなりません。

 先生の家庭を中心としてここまで上がってきましたが、既にアダムとエバが生んでいたので、堕落した世界のカインとアベルをすべて接ぎ木してあげなければなりません。それでは、どのようになるのでしょうか。先生の家庭、先生の息子、娘を長子として見れば、祝福家庭の息子、娘は次子の立場に入っていくのです。このような立場に立っているので、孝進君を世界CARP(原理研究会)運動の代表、二世の代表として先頭に立てたのです。(拍手)

 この一九八五年は、韓国が解放されてから四十年になる年ですが、四十年になる前に二世を統合し、日本と韓国のすべての一世を統合しなければなりません。彼らを連結させ、世界中のすべての二世と祝福家庭が完全に一つにならなければなりません。若い人々、二世を走らせるために孝進を日本に送り、この期間で五十二ヵ国のCARPの結束運動をさせました。今、アメリカでは、アメリカなりの結束運動をしています。

 一九八五年八月十五日、この日は四十年になる日です。この日を越えながら、韓国において、二世を中心とした四十日修練を通して孝進君が四十数を蕩減復帰し、統一圏を成しました。息子、娘たちを一つにしただけでなく、祝福家庭までもすべて一つにしたのです。

 これにより、今からは韓国統一教会が新たな復興を起こすことができる圏内に入るのです。そして、日本まで連結するのです。そして、CARPと連結された世界のすべての国家は、このような因縁を通じて一つになった基盤の上で、新たな世界史的な出発をすることができる起源をつくりました。それゆえに、一九八五年八月十六日の四十一年目となるこの日、出発するこの日に連結させる式をしなければなりません。

 これを連結させるものは何でしょうか。今までは、個人復帰、家庭復帰をして上がってきました。今は、これを世界史的な平面基準で発展させることができる位置に立っています。それは、サタンが讒訴できる条件を完全に乗り越えるということです。長子や次子など、すべて乗り越えるのです。別の言い方をすれば、世界的な次元で父母の定着が始まるのです。


「一勝日」と聖水式
(一九八五・八・一六、〇七:〇〇、イースト・ガーデン、八・二〇、全世界祝福家庭)


 一九八五年八月十六日、韓国解放後満四十年を越えたこの日、真の御父母様は、韓国の清平修練所で開催された祝福家庭子女四十日修練会を無事に終えて帰ってこられた孝進様を歓迎する席で、「一勝日」を宣布され、「聖水式」を挙行された。そして、それから四日後の八月二十日、牢獄の身から完全に解放された真のお父様は、ベルベディア修練所において、全世界の祝福家庭を対象に聖水式を挙行された。

 今、統一教会を中心として、右側の強盗の立場は誰かというと、アメリカの国民です。アメリカの国民がそのような立場に立っています。右側の強盗と左側の強盗がいるのです。今回、キリスト教が統一教会と一つになり、アメリカの国民が反対することなく、一つになって私たちを支持しました。そのような雰囲気が生まれたのです。

 このようなことが世界的舞台において外的に展開するのです。そして、統一教会内においても、先生の息子、娘と祝福家庭の息子、娘が一つになりました。ゆえに、内外で一つになったのです。外的な世界舞台で、カイン・アベルが一つになることができる立場に立ち、また、内的な立場においても、ヤコブがエサウと闘って勝利したのと同じようなことが世界史的な現世を中心として成し遂げられていくのです。このような現象が、先生が出獄したこの期間を中心として成し遂げられていくのです。

 今、統一教会時代においては、先生の息子、娘を中心として、内外ですべて一つになっていくのです。したがって、十字架を下ろす時には、すべての反対が完全になくなります。(拍手)それで先日、十六日に何の式を行ったかというと「一勝式」という式です。「一勝日」を宣布したのです。

 イスラエル民族はエジプトを慕ったがゆえに荒野で滅びました。また、カナンの福地に入ってきても、エジプトとエジプトの地を慕ったがゆえに滅びました。エジプトに対する観念のゆえに滅びたのです。

 したがって、皆さんは、地上における今までの観念をすべて一掃してしまわなければなりません。今から皆さんが行うべき新しい式は、聖水式です。人の体の四分の三は水です。この聖水式を通して皆さんにあるすべてのものを清算しなければなりません。この聖水式は、真の御父母様が勝利した基盤を皆さんに伝授する式であり、またカイン・アベルの闘争をすべて解消する式になるのです。

 この式をするのは、四十年の間先生自身が父母の立場でカイン・アベルを率い、家庭基盤を正常に築き、サタンの讒訴圏を抜け出たからです。先生は、歴史時代になかった真の父母の位置でカイン・アベルの蕩減条件を初めて完成することによって、サタンが讒訴する基準を越えたのです。この式は、先生がそのようにして築いた世界的な基盤を皆さんに伝授する式にもなるということを知らなければなりません。ですから、祝福を受けた皆さんの家庭は、今から天国の伝統をその息子、娘にすべて教えてあげなければなりません。

 皆さんも真の父母の家庭と同様の家庭になることができます。もし皆さんがそのような四位基台をもつならば、どこにおいてもサタンに打ち勝つことができます。それが原理的な観点です。何の問題もありません。それゆえに、レバレンド・ムーンは、家庭メシヤ団を世界に派遣することができるという結論が出てくるのです。(拍手)


《祈祷》

 愛するお父様! 一九八五年八月十六日の朝に、あなたが立てられた「一勝日」のその式をここに延長し、神様を迎え、真の御父母様を迎え、真の子女を迎えて、全世界に散らばっている統一の群れと共に、一九八五年八月二十日のこの日を期して挙行することになりました。解放の日とともに、世界基盤の上ですべてのものを蕩減し、四位基台の原則的勝利の統一圏と解放圏を授ける特別な日を賦与してくださったことを心より感謝いたします。

 今までサタン世界と因縁があったものを、この新しい聖水を通してすべて清算し、天の家庭から天国の伝統を受け継ぎ、地上に自らの本郷の地を中心として、お父様が臨在できる氏族的教会をつくり、直接お父様と共に暮らすことができる環境の基盤を引き継ぐ時間を賦与してくださったことを感謝いたします。

 ホーム・チャーチを中心として、一九七七年から今まで教えてあげたすべてのものが、今からは地上に定着できる一つの起源を備え、世界史的蕩減路程をすべて経る時まで、真の御父母様の受難と真の御父母様の家庭の蕩減路程を経て、これを清算し、解放とともに復活の恩賜をこの天地間に立てることができることを感謝申し上げます。

 今ここに、真の御父母様と、真の息子、娘と、祝福を受けた真の子女が完全に一つになり、真の御父母様の家庭と真の祝福を受けた家庭が一つになり、それだけでなく教会が一つになり、この一つになった教会を中心として既成教会が一つになり、そしてアメリカと一つになって、全世界を抱くことができる時代の運勢が私たちの目の前に迫ってきました。ゆえに、私たちはこの時代、きょうのこの契機を中心として、格別に決意を新たにし、勝利の盾をもち、天の家庭的すべての統合圏をもち、復活の恩賜圏をもって、強く雄々しい定着の勇士となるようにしてくださることを切にお願い申し上げます。

 今や、四位基台圏を中心とした家庭的出動をあなたが命じられましたので、これを中心として完全に家庭的責任を果たすにおいて、恥ずかしくないメシヤ的基盤を残すことができるように祝福してくださることを切にお願い申し上げます。このような内容を伝授するこの式典をお父様のみ名とともに伝授しますので、ここに親しく臨在され、栄光の中でこのすべてのものを天地の上に定着の基準として定めてくださいますことを切に、切にお願いしながら、すべてを真の御父母様のみ名によって祝願いたしました。アーメン。アーメン。アーメン。


カナン定着のための三年総動員(一九八五〜一九八八)

 四十年の間先生が闘って勝利したものを、三年半で皆さんに譲ってあげようというのです。この期間は、カナンの福地に定着するための期間と同じです。ゆえに、この期間でエジプトの観念やすべてのものを忘れてしまわなければなりません。そして、先生の話、モーセの話を絶対視し、その命令を絶対視し、行動を絶対視しなければなりません。そのようにすれば、一九八八年には、私たちの定めた所期の目的を達成することができると思うのです。

 統一教会の歴史は一九五四年からです。ですから、今年で何年目ですか。三十一年目でしょう? 三十一年目です。この期間は、イエス様から見れば、三十歳を過ぎて出発した三年路程のような時代を越えていく時です。ですから、一九八八年までの三十四年を定めるのです。三十四数は、数字的に見れば三歎にもなり、四数にもなり、また七数にもなるのです。

 摂理的に見るとき、アメリカ大統領選挙も一九八八年で、韓国大統領選挙も八八年です。そして日本の首相選挙も八八年で、ドイツの首相選挙も八八年です。このように摂理の重要な責任国家は、すべて八八年を期して選挙をするようになっています。すべてこの一年に集中しているということを皆さんは知らなければなりません。なぜこれらの国家が一度にすべてこのようになるのでしょうか。それは世界的摂理の転換期だからです。それは偶然ではありません。そのような時を中心として、神様が、天の時といかに交替させるかを考えたということを私たちは摂理の上から考えなければなりません。

 そのような観点で、神様が統一教会を中心として主流的な摂理をされるならば、私たちは、このような時を中心として世界的頂上と対峙することができる実力基盤をもたなければなりません。それが摂理史的な理論から見る観点です。先生は、一九八八年のこの時を逃してしまえば、この地球星に世界史的な悲運が残るかもしれないと思っています。ですから、深刻です。

 これは、出エジプトから四十年目にカナンの福地への入城を命令し、出動したのと同じです。荒野四十年ののちにカナンに入っていったのと同じです。ですから、今夕既成教会の牧師の二世と統一教会の二世が先頭に立たなければなりません。カナンの地に入っていく時なので二世が先頭に立たなければなりません。イスラエル民族がカナンに復帰する時には一世が責任を果たすことができませんでした。同様に、キリスト教が責任を果たすことができませんでした。ゆえに、再臨時代には二世を通じてカナンに入っていくのです。


出監後の百二十日教会一致総力活動(一九八五・八・二〇〜一二・二〇)

 先生は、八五年の八月二十日にダンベリーから出てきたのでしょう? それからの百二十日間、全米でしたこととは何でしょうか。既成教会と一つになる運動をしました。その期間は、統一教会の運動を完全に停止したのです。統一教会が何をしたのかというと、既成教会の連合運動をしたのです。何を中心としてしたのでしょうか。CAUSAを中心としてしてきたのです。

 統一教会の人たちは「アジアヘ行こう」「日本を通じて韓国へ行こう」という決意をしています。同じように、いかにして既成教会の牧師たちが韓国に行くことができる運動をするのかということが問題です。このような問題を中心として皆さんが一つに団結し、今回八月十五日に既成教会の牧師たちが二次にわたって韓国に行ってきました。もうすぐ第三次が行きます。今先生は、このような韓国を往来する方法を通じて韓国の伝統と連結させ、日本と連結させる運動をしているのです。これは世界史的なことです。キリスト教にはなかった世界史的な事件が起きているということを知らなければなりません。

 すべてのキリスト教徒に私たちがCAUSA教育をするのです。そして、「イスラエルのエルサレムを訪ねていきますか、統一教会のある韓国のソウルを訪ねていきますか」と問えば、全員が「イスラエルに行かずに韓国に行きます」と答えることができるように方向が設定されなければなりません。そのようにして、初めてアメリカの西洋文明圏が天のもとに帰る道を新しく提示することができるのです。

 今は何をしなければならないのでしょうか。四ヵ月という短い期間で全国を早く組織しなければなりません。それをしなければ失ってしまいます。失ってしまうのです。ですから、私たちは早急に体制をつくり、既成教会の牧師を中心としてカイン・アベルを早くつくらなければなりません。既成教会の牧師の中で私たちの話を聞かない人はカインの立場であり、聞く人はアベルの立場です。アベルは長子権についていくことができる立場に立っているので、迫害を受けようと何をされようと、常に統一教会の影響を受けるのです。ゆえに、彼らを神様の運勢で役事し、駆り立てていくことができるのです。

 ですから、この四ヵ月間は、統一教会のすべての機関の活動を停止します。今まで統一教会がしてきた活動で、特別なもの以外はすべていったん中止し、四ヵ月間は全体動員です。そして、四人伝道すれば戻ってくるようにするのです。重要な責任者は戻ってきてもかまいません。今回動員されればどこに行くのでしょうか。自分の故郷の州を訪ねていくのです。

 現在七千名になっているので、この四ヵ月間で七万名以上のCAUSAの中心要員を教育しなければなりません。それさえなせば、来年には、三十万人も問題ありません。それからは本格的に組織するのです。来年になればもう、選挙の時に国会議員たちが来て首にすがりつくのです。そのようになっています。

 このようなアメリカにおいて、レバレンド・ムーンが既成教会と一つになれば、政治的基盤における王の座に上がっていくのです。小さな子供でも、そのような結論を下すことができます。それから、言論界においても、今まで偽っていたすべてのことが表面化することによって、すべて後退するようになります。そして、「ワシントン・タイムズ」を中心とした私たちの新聞が言論界の王座の位置に上がっていくのです。それは、はっきりしていることです。そして、経済界を見るとき、科学技術を代表した機械販売市場においては、アメリカがトップです。ですから、ここで覇権を握り、また水産業においても世界の宝庫がアメリカなので、ここの主人になればすべて終わりです。

 この朴普煕氏に、四十日間毎日のように悪口を言ったところ、目が三倍くらい落ち込みました。(笑い)ベルベディアからイースト・ガーデンに来ても、家の中に入ることもできずに、門の所で「先生いるかな」と、このようにしているのです。(笑い)四十日の間、めちゃくちゃにたたいたのです。

 今や、世界が統一教会を歓迎する時が来ました。ローマが滅びたのは外部勢力によって滅びたのではありません。「世界を救う使命を果たしなさい」と祝福してくださったその祝福を自分たちだけの祝福だと思い、食べて遊んでいたので滅びたのです。

 統一教会が迫害を受ける時は滅びません。今、世界が歓迎する時になっても、なぜ私が皆さんを楽にさせないで苦難の中に追いやり、世界のためにアフリカヘと追い出すのでしょうか。そのようにすれば、統一教会が滅びないということを知っているからです。ですから、そのようなことをするのです。


六 「世界宗教議会」の創立と「科学の統一に関する国際会議」

「世界宗教議会」創立総会(一九八五・二・一五〜二一、ニュージャージー州マカフィ
市、アメリカーナ・グレート・ジョージ・リゾート)


 一九八五年十一月十五日から二十一日まで、アメリカ、ニュージャージー州のマカフィ市にあるアメリカーナ・ゲレート・ジョージ・リゾートで、国際宗教財団主催により、世界八十五力国から七百五十名が集った中で、「世界宗教議会」(Assembly of the world's Religions)創立総会が開催された。真のお父様は、創始者として「対話と連合」という題目の式辞を述べられた。

 世界は変わらなければなりません。新しい宗教改革の炎が燃え上がり、生活信仰、実践信仰の旗印が、各地において高く高く翻らなければなりません。そして、生きていらっしゃる神様を、無神論者たちの前に証する生きた信仰の炎が燃え上がらなければなりません。真の平和世界は、宗教を通じた精神革命と愛と慈悲による大きな和合によってのみ成就されるのです。

 私たちは、神様の崇高な召命の前で、反目、誤解、無知が氾濫する世俗の沼から抜け出し、相互尊重と親善をもって、世界の宗教団体の強力な協同体制を構築しなければなりません。そして、行動する宗教人の意志と実践を地球星の隅々に証しなければなりません。

 宗教が現実的規範原理や所在を超越しているからといって、その現実的作用までも無視してはなりません。宗教は、現実問題に大きな関心をもち、神様のみ旨に適っているかどうかを調べなければなりません。また、政治、経済、社会、教育などの各分野の現実問題を解決する人々の心の中に神様を中心とした新しい変化を起こすことによって、彼らが新しい人間となって問題を解くようにさせなければなりません。

 今まで私は、神様の願われる摂理の方向に合わせて世界を改革し、地上に神様の理想を実現するために力を尽くしてきました。また私は、宗教間の和合を通じた世界平和の目標のために、統一教会の総力を動員し、それを捧げてきました。皆さんの属している各宗教団体もこの道に積極的に協力し、共に歩むことができることを心から願っています。

 この集まり自体が意義のあることですが、今後、回を重ねるごとに驚くべき成果をあげることを期待します。第一段階は、互いに世界の宗教の伝統を尊重しながら相互授受の関係の中で和合し、一つになることです。そのようにして、少なくとも宗教間の葛藤と戦争を防止することに寄与しなければなりません。第二段階は、宗教会議の共同決議等を通じた宗教人の実践生活と、すべての宗教団体間の協力体制をもって世界に奉仕することです。そのようにすることによって、人々の心霊の啓発を促進させ、万民が神様を中心とした価値観をもって生きていくことができるようにしなければなりません。そして第三段階は、宗教団体の代表が参加する実質的な議会にまで発展しなければならないと思っています。そのようにして、その宗教議会において、神様の神意に立脚した高次元の価値観と生活規範が定立され、それが全宗教人、団体、国家に波及するようにしなければなりません。このような個人、団体、国家であってこそ、神様のみ旨を地上で実現するための基盤となり、単位となるのです。

 今回の会議期間中、すべての代表の方々は、全体会議あるいは分科会議での発表や討議、各宗教芸術の発表、そして瞑想と祈祷などのプログラムを通して、今日の世界を指導し、宗教界を改革しながら明るい未来を創出する霊的基盤を造成し、互いの和合に大きく寄与してくださることを願います。今、私たちすべては、和合した力をもって、「神意の地上実現」という世界史的宗教の使命を完遂するために総進軍しなければなりません。


霊的な証の役事

 私がハーフウェイ・ハウスから出てくる時のミスター郭の話です。ザンビアにいる一人の教授が交通事故に遭い、病院に入院したのですが、骨を取ってから付けるほどの事故だったそうです。ところでその人は、意識がぼーっとしている状態の中で、あるアジア人が来てすべて治してくれるのを見たというのです。それで彼は、病院の医者がアジア人だと思っていたのです。ところが、目を覚まして実際に見ると黒人だったというのです。

 彼は、そのことを誰にも話すことができずにいたのですが、しばらくのちに統一教会の「原理」のみ言を聞くようになったのです。それで、統一教会に来てみると、そこには先生の写真があるのです。その写真を見て、彼が「正にこの人だ」と言ったのです。それで、今彼は、先生が刑務所から出てきたという知らせを聞き「先生に会ってみたい」と言って待っているのです。

 また、アフリカの北方にセネガルという国があります。その国はイスラム教の国です。国民のすべてがイスラム教徒です。そこのイスラム教のある指導者が二年前から「世界を生かすことができる新しい光が東方を経てアメリカから出てくる」という啓示を受けたのです。その人は、三百万人を率いるイスラム教の代表者です。

 また、彼は「一九八三年一月六日から祈祷しなさい」という啓示を受けたのです。祈祷すればすべて教えてくれるのです。ある方を通してすべて教えてくれるというのです。ところで、その教えてくれる人が誰かというとアジア人だというのです。

 それで、私が一年半の間ダンベリーに入っていて、出てくる時が八月ごろだったのですが、その二週間前から「アメリカに行きなさい!」という啓示を受け、彼はアメリカに来たのです。アメリカに来たのはいいのですが、見知らぬアメリカです。彼は、霊界で教えてくれた啓示を自分の知っている数字解きで解いて、その人の名前が「ムーン」だということは知っていたのです。しかし、「この人には怨讐がたくさんいるので、通りでも絶対にその人のことを口にしてはいけない」ということだったのです。

 そうこうするうちにどのようなことがあったかというと、自分の教団のある青年がアメリカに留学に来ていて、その彼と道でばったり出会ったのです。

「あれっ、先生、どうされたのですか」と聞く青年に「ちょっとちょっと、黙ってこちらに来なさい」と言って、耳元に口を寄せ「おい、君、ムーンという人を知っているか。このアメリカの宗教界で話題になって、問題になっているムーンなにがしという人がいるはずだが、知っているか」と聞いたのです。それで、その青年が「あー、知っていますよ。その人の名前はレバレンド・サン・ミョン・ムーンですよ」と答えたというのです。

 それで「どこにいるのか」と聞くので「ニューヨークにいるのを誰もがみな知っていますよ」と答えたのです。そのようにして、その青年がニューヨークにいるということを教えてくれ、すぐに私たちの本部に来たのです。

 その時、私はニュージャージー州で宗教議会を主導していたのですが、その人がしつこく「会おう」と言うので、「来なさい」と答え、宗教議会をしている所で会うことになりました。そのようにして、その人もその議会に参加するようになったのですが、そこには世界の宗教の代表者がすべて来ていました。

 イスラム教の世界の代表から事務総長たちなど、すべてが来ている中で、彼はそれらの長と会おうという考えももたないのです。それらの長はみなどうでもいいというのです。文先生に会わなければならないというのです。それを信じることができますか。ですから、神様の命令により、宗教統一は可能なのです。

 ところで、宗教議会が終わるまでの五日間、私はその人に会ってあげませんでした。それで彼は、明かりをつけたまま寝ないで、御飯も食べずに座り、五日間徹夜しながら断食祈祷をしたというのです。私という人に会うためにです。夢のような話ですが本当にあったことです。先生が歩んできた生きた歴史を本にして出せば、このような話は数十巻になることでしょう。そのようなことを知らないで、レバレンド・ムーンを批判することはできないということを皆さんは知らなければなりません。


第十四回「科学の統一に関する国際会議」(一九八五・二・二八〜一二・一、アメリカ、
ヒューストン、インターコンチネンタル・ホテル、四十一力国 二百五十名以上、主題:
絶対価値と新文化革命)


 一九八五年十一月二十八日から十二月一日まで、アメリカ、ヒューストンのインターコンチネンタル・ホテルにおいて、四十一カ国、二百五十名の学者たちが参加する中で、第十四回「科学の統一に関する国際会議」が「絶対価値と新文化革命」を主題に開催された。

 昨年、ワシントンD・Cで開かれた第十三回「科学の統一に関する国際会議」(ICUS)に、私は参加することができませんでした。きょうの朝、このように皆さんの前に立った私の心にはより深い感慨があります。よく御存じのように、私はアメリカの監獄で十三ヵ月を過ごし、去る八月二十日に出監しました。その間、私の身辺と無念な事情を心配して監獄まで訪問してくださり、手紙で慰労してくださり、また多くの努力と精誠を尽くして要路に嘆願をされた皆さんに、この場を借りてもう一度感謝申し上げます。

 監獄の中において私は、世界が深刻な危機に直面していることがはっきり分かりました。そして、全人類的な大覚醒と跳躍の必要性を痛感しました。結果的に私は、「世界平和と人類の繁栄のためには、私自身と統一運動がより大きな犠牲を甘受してでも先頭に立って走っていかなければならない」という決心と緊迫感をもって出監しました。

 ICUSは今回で第十四回を迎えました。統一教会において、七数は三数とともに完成を意味する重要な数です。そして、十四数は、二度目に迎える七数です。変遷する混乱時代において、その間、ICUSは、絶対価値の発見、およびその実現に学問(科学)研究を関連させる仕事に没頭してきました。またICUSは、知識の統合、すなわち諸分野の学問間の協同および統合的接近のためにも力を注いできました。

 今からICUSは、どこに向かっていくのでしょうか。例年の行事として集まって討議するだけで満足することができますか。私が近年になって強調してきた新しい文化革命の内容をもって、これに答えようと思います。私は、今日の人類が、悪から最も本質的で深刻な挑戦を受けており、その本然の理想と幸福を実現する潜在力と基台が根こそぎ破壊される危機に直面していると思っています。

 私たちICUSファミリーは、新文化世界の創造を必ず成就するという大業に積極的に乗り出さなければなりません。絶対価値の探求は、探求だけで終わってはいけません。真理は永遠の方向性を内包しており、絶対価値を中心とした理想世界は必ず実現されなければなりません。このために私たちには、信念的決行と現実の困難を跳び越える跳躍がなければなりません。

 過去数年間、私は多くの犠牲を甘受しながら「ワシントン・タイムズ」を育成してきました。そして最近では、週刊紙「インサイト」(Insight)を創刊し、来月には、月刊誌「ワールド・アンド・アイ」(The World & I)を創刊する予定です。これらのプロジェクトはすべて、真理と共同善の価値に貢献する教育とニュース、および公的情報を伝達する代案的媒体となることを目標としたものです。

 皆さんは、特に「ワールド・アンド・アイ」に積極的に寄稿されることを勧めます。そのようにして、真実の継続的追求とその発展に参加され、新しい文化革命の旗手となってください。また、PWPA(世界平和教授アカデミー)の基盤とパラゴン・ハウス(Paragon House)の出版活動を連結し、絶対価値に立脚した学問各分野の専門辞書を編纂する予定です。これはすべて、絶対価値のもとでの人間本性に対する正しい洞察と、正しい教育資料となる「人間事大百科事典」を編纂する準備作業の一環です。

 私たちは、絶対価値の実践勇士となり、世界を積極的に指導しなければなりません。自由討論の広場として、今回の集いが、有益な結論の導き出される会議になるだけでなく、私たちの決意をもって、陣痛の中で身もだえする世界から新しい文化世界を一日も早く産み落とすことができるように促進する歴史的な行事になることを願っています。


七 真の御父母様の勝利帰国と韓国大会

文鮮明先生勝利帰国歓迎晩餐会
(一九八五・一二・二・一八:〇〇、ソウル、ヒルトン・ホテル、二千三百名)


 一九八五年十二月十一日午後六時から、ソウル、ヒルトン・ホテルのコンベンションセンターで、八名の世界の前職大統領をはじめ、政界、学界、財界、宗教界の人士、国際勝共連合の支部長団、教域長級以上の幹部二千三百名以上が参席する中で、「文鮮明先生勝利帰国歓迎晩餐会」が盛況裏に開催された。

 考えてみれば、きょうの集まりは重大な歴史的事件です。私一人の動向に世界の関心が集まっています。世界の最高指導者たちが万里をいとわずに駆けつけて私の帰国を祝うということが、どうして簡単なことでしょうか。それは、神のみ旨を中心として一生を尽くしてきた私の理想と実践を見て、感化され感動を受けたからではないかと思うのです。

 宇宙の存在秩序は、「ため」に生きるということをその根本にしています。真の理想、真の愛、真の平和の世界は、神様の創造理想であると同時に人間の希望です。したがって、理想の起源、愛と幸福の起源は、相手のために生きることにあります。

 理想世界は、永遠不変絶対的な神様を父母として侍り、全人類が兄弟姉妹となって、「ため」に生きながら仲むつまじく暮らす人類大家族の世界です。この世界を成し遂げるための神様の摂理を全体的に指導する方を救世主、あるいはメシヤと呼びます。真の愛の回路が遮断された世界で、「ため」に生きる生活をもって手本を示されるこの方は、人類理想の動機であり、目標です。

 私は天命により、孤独な道を開拓してきました。神様の願いは、人々が漠然と信じることで終わるのではなく、神様のみ旨を自己の責任分担として実践し、成就することです。それをはっきり知っている私は、そのことのために生涯を捧げてきました。

 皆さんが知っているように、去る八月に私はアメリカでの獄中生活を経て出監しました。彼らは、私に科をつくって投獄しましたが、私は、獄中にいる十三ヵ月間、一日でもアメリカと世界の運命のために心配をしない日がありませんでした。そして、骨にしみるような祈祷をしました。「アメリカの罪を赦してください。私の使命を果たすようにさせてください」と祈祷し、霊的、信仰的基盤を再覚醒させるための数多くの行事を陣頭指揮してきました。

 逆風が吹きつけようと、迫害の波がいかに激しかろうと、敗者とならず、「ため」に生きるという天道に従って勝利の祭物をもってこのように帰ってきました。この勝利は私個人のものではありません。神様と共に成した勝利です。

 神のみ旨を中心として見るとき、韓民族は神様が選んだ民族であり、韓国は神様の願われる「ため」に生きる生活の模範を見せるべき摂理の中心国家です。歴史の多くの事情と曲折がもつれ合っている韓国は、ここに結集している無数の摂理史の霊的条件と歴史の功罪を受け祷って整理し、清算すべき摂理的使命があります。優秀な天真と文化をもった民族でありながらも、世界にその類例を見ることができない苦難の道を歩んできたということは、このような点から理解しなければなりません。

 韓民族と韓国が、私の世界的勝利基盤の上で世界のために尽くす生活をするならば、神様は、アメリカに与えられた祝福以上の福を韓国に与えられるだろうと思います。(拍手)そのようになれば、韓国は苦難を克服するだけでなく、世界の前において、真実と愛と平和の中心になるはずです。

 私がアメリカで法廷闘争を続けている時、私の無罪と潔白を裁判所に嘆願し、声援してくださった各界指導者の皆さんに、この場を借りて格別な感謝の意を捧げたいと思います。


国際勝共連合支部長総会
(一九八五・一二・一二、〇九:三〇、リトル・エンジェルス芸術会館、千名以上)


 一九八五年十二月十二日午前九時三十分から、ソウル、リトル・エンジェルス芸術会館で、一千名以上の会員が参加する中で、国際勝共連合の支部長団総会が開催された。この総会で、真のお父様は「我々はとこに行くべきか」という題目のみ言を下さった。

 ここには勝共連合の市と郡の責任者、女性責任者、そして中央委員が集まりました。皆さんが行くべき道はどこですか。どこへ行かなければなりませんか。それは、現在アジアにおいて韓国と日本と中共を中心として、全世界が見つめている道です。

 それゆえに、統一教会運動の国内的な基盤を築き、それから勝共連合の国内的な基盤を築いてきたのです。それと同時に、日本とアメリカを中心とした世界的拡張運動をしてきたのです。宗教を中心としては、統一教会の宣教事業を拡大してきました。勝共思想を中心としては、世界的な勝共連合の組織を急いで編成してきたのです。

 アメリカが共産主義を防御できなくて、どうして韓国や日本が共産主義を防御することができるでしょうか。問題は、いかにしてアメリカで共産主義を防御できる確固たる体制を整えるかということです。その最も早い道はキリスト教を一つにすることです。それゆえに、ギリスト教を一つにするために、現在のCAUSAという勝共思想を中心として、アメリカの全キリスト教基盤の上に教育運動をしたのです。多くの事情を抱えながらこのことをしました。これが既に一つの方向を決定する段階に至りました。

 八月二十日に私がダンベリーから出てきたあと、再度このような基盤を中心として連合戦線を開くために、今全米では、新しい運動を展開しています。八月二十日から十二月二十日までの百二十日間で、内外でこの整地作業を終えなければなりません。そのような天意から見て緊迫した使命を私は感じています。そして、これが内外で一段落ついた基盤の上で神様の前に宣言をしなければなりません。そして、この宣言したことを再び韓国と韓国の国民の前に連結させなければなりません。それを日本を通じて韓国まで連結させなくては、今後韓国が生き残る道はありません。

 私が帰ってきたのは、このようなすべての勝利的条件を立て、これを韓国と統一教会と勝共連合に連結させるためです。それを連結しなくては、韓国を天運に通じる道に連結させることができないと思うのです。

 今は、韓国と日本とアメリカを中心として、いかにして自由世界を連結させるかということが課題として残っています。これを連結させるために、皆さんが知っているように、既に日本の勝共連合と韓国の勝共連合の姉妹結縁運動が展開しています。

 私、レバレンド・ムーンは韓国人ではありますが、世界人をリードできる人です。そのような人として開拓してきました。韓国人として生きていてはいけません。「世界人をリードできる韓国となっているのか。信仰の祖国である韓国が勝共連合の基地になっているのか」。これが、今回私が韓国に来て、皆さんに問いかけたい言葉です。(拍手)

 既に数年前から強調してきたことは「里の支部長の教育を急ぎなさい。七万名近い里の支部長を教育しなければならない」ということです。里の支部長は何かというと、一つの枝です。葉っぱの出てくる枝になるのです。そこから葉が出てこなければなりません。葉は里の洞民です。その里に住んでいる人々です。その人々が生きなければなりません。

 協助を願ってするような愛国はありません。血肉をえぐり、生命を削るような生死の岐路に立って誓い、その響き渡る悲鳴や受難の声が、洞内を越え、国を越え、世界に及ぶようになる時、神様が助けるのです。それをはっきり知らなければなりません。


前国家元首および首相歓迎午餐会
(一九八五・一二・二一、一二:〇〇、リトル・エンジェルス芸術会館)


 一九八五年十二月十二日午前九時三十分、ソウル、リトル・エンジェルス芸術会館で、文鮮明先生勝利帰国祝賀大饗宴が、一部、開会式、二部、前国家元首および首相歓迎午餐会、三部、公演に分けられて開催された。芸術会館の地下一階で催された午餐会では、八名の世界の前職大統領をはじめ、前職首相、前国務総理、大学総長、大司教等、七十名以上の貴賓が参席した。

 今後、アメリカが生き残るためにはレバレンド・ムーンの思想、すなわち「神主義」(Godism)を受け入れなければなりません。これを受け入れなければアメリカの生きる道はないと思っています。ゆえに、皆さんはそのことを心に深く刻みつけ、帰ってからは、この運動に関心をもってくだされば良いと思います。

 また、南米から来られた社会的に威信の高い皆さん。今後、一つの世界が訪れるその時代において南米が生き残るためには、中南米連合機構を編成しなければなりません。これが成功するためには、レバレンド・ムーンがこの地上にいる間にしなければならないと思っています。そのような意味で組織したのがAULA(中南米統一連合)です。私がこの地上にいる間はAULAを協助します。ゆえに、ここに来られた皆さんは、南米三十一ヵ国をいかにして結ぶかという問題に、皆さんの生死を懸けてください。そして、現在の南米の豊富な資源を活用して未来世界に貢献できる国に創建してくださるようにお願いします。

 次に、日本についてお話しいたします。皆さんがよく知っているように、日本は、今アジアにおける中心国家となっています。しかし、過去に侵略国家という洛印が押されているので、今後アジアと連結するにおいては難しい点があります。世界と連結するにおいても同様です。

 このような立場から見れば、今後日本がアジアに進出し、世界に進出していくにおいては様々な難しい点があるのです。ですから今後アジア自体が共存するためにはブロック体系をつくらなければなりません。今はもう、一つの国を中心とする政治時代は過ぎ去らなければなりません。

 そのような意味で、日本と韓国と中国を結ぶにおいては、統一教会がその中継の役割をしなければならないと思っています。また、アジアが日本を中心として世界へと進出していくにおいても、統一教会がその中間の役割をしなければ、アジアにおいて日本を中心とした連結体が成されないと思っています。ゆえに、今までこのような運動を展開してきたのです。

 皆さんは、南米と日本、すなわち低開発国と先進国が連結できる道ができているかということを考えなければなりません。アメリカの立場では、南米が発展して原資材を自体管理するようになることを嫌っています。それゆえに、これをいかにして平準化させるかということが問題です。

 アジアは、アジアの単一文化をもっているので、日本などの先進国を中心として南米と連結するのです。そして、今後二十年ならば二十年の契約のもとで、南米はアジアに原資材を供給し、アジアは、アジアの工業技術を南米にそのまま移してあげるような道を模索しなければなりません。

「自らの国を越えて世界を救おう」という思想は、人間世界だけでは出てきません。永遠なる神様の絶対的価値基準を発見できなければ、それは不可能なことです。

 結論はこうです。怨讐の国に行き、自分の国以上にそこを愛するのです。また怨讐の国の国民が自分の国を愛する以上にその国を愛することができるかというのです。そうすれば、世界は一つの世界を成すことができるのです。今、私自身も、アメリカでそのような活動をしています。


国際勝共安保決起大会
(一九八五・一二・一六、一四:〇〇、ソウル、蚕室室内体育館、三万名以上)


 一九八五年十二月十六日、ソウル、蚕室室内体育館で、勝共連合総裁文鮮明先生と各国の前職大統領をはじめ、内外貴賓および会員三万名以上が参加する中で、国際勝共安保決起大会が盛況裏に開催された。

 今日、世界の状況を様々な面から眺めるとき、誰もが失望を感じざるを得ません。人類の切実な願いが自由と平和と安定なのにもかかわらず、世界的混乱が日ごとに悪化し、今人類の将来は絶望状態に至っています。世界の指導者たちの絶え間ない努力にもかかわらず、世界問題はより一層複雑になっており、より一層難しくなってきています。

 既に二千年前の十字架を中心として、神様は、今日の善側の自由主義陣営と悪側の共産主義陣営が出現することを見せてくださいました。また、左右の強盗の対立は、その後の数多くの対立と闘争の原型にもなっています。今日の左翼と右翼という名称の歴史的起源は、実に十字架の左右の強盗にあったのです。

 十字架上の善側と悪側の対立として象徴される現実のすべての対立と闘争の状況は、それをそのまま韓半島の休戦ラインが集約的に表現しています。したがって、南北を分断したこの休戦ラインは、分断された世界の摂理的堕罪のための民族的十字架です。ここおいて韓国は、十字架上のイエス様に該当し、再臨の基地でもあるのです。

 神様はなぜこのような摂理をされるのでしょうか。神様がこの民族に十字架を背負わされたのは、この民族を召命されるためでした。この民族は、長い間天を敬い、道義精神と平和精神をもって長い試練に打ち勝った受難の民族であり、善の民族です。それゆえに召命されるに至ったのです。(拍手)そして、終わりの日に人類を救援するための摂理史的祭物となったのです。

 全宇宙のすべての個体は、すべて「ため」に生きながら存在し、運動しています。したがって、「ため」に生きる愛の道理は天道であり、天理です。いかなる困難の中でも愛の道理を実践すれば、宇宙的な力がその人を助け、その人は決して滅びることはありません。しかし、いくら安楽な生活をしたとしても、「ため」に生きる道理を守らなければ、遅かれ早かれその人は衰退するようになっています。天に逆らう者は滅び、天に従う者は生きるという言葉は、その天理について言っている言葉です。

 民族的十字架を背負った韓民族は、統一の達成が難しくても、真理の中心と一つになった中で、天道に外れることがなく、「ため」に生きる生活を、個人から家庭、社会、国家において行い、それを国際的にまで拡大していかなければなりません。そのようにすれば、韓半島の統一はもちろん、全世界の救援の道も間違いなく早まることでしょう。(拍手)

 それは、韓国に焦点をおかれた神様の摂理の願いに一致するためです。この方式は、南北統一を早めるだけではありません。これは一つの公式となり、やがて全世界も同じ公式に従うはずです。そして、この愛と真理の運動の前に世界のすべての難問題が解決され、人類は長い不幸と混乱の悪夢から解放され、初めて永遠の幸福と平和が訪れてくることでしょう。(拍手)

 私と統一教会と勝共の同志たちは、今まで外国の地で世界的な勝利基盤の造成に全力を注いできました。そして、そこで造成された勝利の基盤を韓国に連結させ、それを契機として韓国が世界に跳躍できることを願って今回帰国しました。(拍手)特に韓国の勝共指導者の皆さんは、世界の勝共運動の先頭に立ってくださることを願います。どうか連結された世界的基盤を強固にし、大韓民国とともに世界の見本となってくださることを願ってやみません。


ダンベリー勝利百二十日記念礼拝
(一九八五・一二・二〇、漢南洞公館、三十六家庭、七十二家庭、百二十四家庭が集まる)


 一九八五年十二月二十日、漢南洞公館において、三十六家庭、七十二家庭、百二十四家庭と各家庭代表二百五十名以上が参席する中で、ダンベリー勝利百二十日記念礼拝が行われた。真のお父様は、五時間を超えるみ言を通して、二十世紀の十字架であるダンベリー獄中勝利の意義と、その後の摂理の重要性および家庭の責任に対してみ言を下さった。


《祈祷》

 きょう一九八五年十二月二十日は、ダンベリーを出てから百二十日目の日です。その間、アメリカですべての蕩減条件を立て、アメリカの世論を転換させ、全世界の世論と環境を転換させ、一つの方向を提示できる時代的恩賜を許諾してくださったことに感謝申し上げます。

 そのような世界的な戦場で、アダムが誤り、イエス様が成し遂げることができなかった三大役事を世界的分岐点で総蕩減することによって、個人から世界まで頂上圏を取り戻し、真の父母と心情的一体圏を備えることができる時代を迎えることによって、直接主管圏と間接主管圏の心情に統一圏を備えることができる世界史的恩賜を許諾してくださったことを心より感謝申し上げます。

 そのような基準をもって韓国に来て、霊肉を中心として韓国の実体基準を世界的実体基準に連結させることで平面的立場から個人、家庭、氏族、民族、国家、世界に連結することができる基盤が造成され、初めて間接主管圏と直接主管圏が個人から世界まで平行線上で横的な基準を身代わりできる時代を迎えるようになりました。そのようにすることによって縦的な天の軸を中心として、一つの中心の核を決定できる世界史的時代を迎えさせてくださったことを感謝申し上げます。

 この時間を期して一つの終着点を通過し、新しく勝利を褒めたたえながら出発できる世界史的な転換式をお父様の前に奉献しますので、この式を受けてください。

 今回、真の御父母様が韓国に来てこのような式を成すことによって、ここから新しい民族の希望が出発し、新しい世界に向かって前進できる民族の精神を正してくださるよう切にお願い申し上げます。今、暗い勢力を退けるための行動を開始することによって不義を防ぎ、正義のこの国、この民族を導くことができるよう許諾してくださることを切にお願い申し上げます。

 全体をお父様が主導してください。さらに興進君がこの期間において、直接主管圏と間接主管圏に通じることができる父母様の心情圏と連結させ、霊界のすべての動き全体を平準化させて、どうか解放圏をなすようにしてください。それと同時に、興進様が地上に百二十ヵ国の善主権を中心とした国王たちと、その国にいるすべての忠臣烈女を糾合し、真の御父母様を中心として一つの統一圏を連結させて平行的な心情圏が垂直的な心情圏と交流できる一体化時代へと転換させることができるこの時間となるように命令してくださることを切にお願い申し上げます。

 真の御父母様のみ名によって宣布するこの命令に天と地が順応するようにしてください。宣布されたすべての内容と全天宙を包括して余りある摂理的行軍がこの時間から進行し、前進するように許諾してくださるよう切にお願い申し上げます。

 今後現れる一切のものが勝利と栄光で称賛できるものだけであることを切に願いながら、すべてを真の御父母様のみ名によって祝願いたしました。アーメン。

 歴史時代における宗教人の路程の中で、世界的に最も迫害を受けて代表的な路程を歩んだ人、そのような一つのアベル的な存在がいなければなりません。その人は誰でしょうか。その人こそ、二十世紀後半期に現れた統一教会のレバレンド・ムーンです。このような路程を歩んだのです。

 「滅びろ」と言ってダンベリーにほうり込み、殺してなくしてしまおうとしたのです。しかし、神様が加護され、滅びずに死ななかったのです。気がついてみれば、レバレンド・ムーンは、人類全体を救うための義人だったというのです。ですから、すべての人が頭を下げるのです。

 そのような勝利の基台を築き、世界的な基準を立てて韓国に訪ねてきました。韓国の国家的次元が高くなったのです。今回、私が韓国に来て騒動を起こし、うわさを立てることによって、先生に対する韓国の人々の心が高揚したのです。そのようにするための運動です。世界の有名な人々が韓国に来て、統一教会と先生について「ドーン、ドーン!」と打ち上げることによって、先生に対する韓国の人々の認識がこの国の誰よりも高くなるのです。そのようにすることによって、世界の蕩減圏を接ぎ木する業をしているのです。

 きょうのこの式がどのような意味をもっているのかというと、結果主管圏における長子の行くべき道を先生がすべて踏破したということです。個人から迫害を受け、世界の迫害まで受けていきながら蕩減してきたのです。このように世界的にすべて蕩減した真の御父母様がいるので、誰もがその子女になれば、その心情圏に連結されるのです。父母様の心情圏が間接主管圏内に連結しているのです。このようにして世界的なすべての長子権をすべて乗り越えてきたので、今は、直接主管圏と平衡的に連結することができる時代に入っていくのです。

 きょうこの転換式とともに皆さんが決意をしなければ、峠を越える道を開くことはできません。今まで皆さんが誤ったものをそのままにしておけば、この道が開きません。サタン世界の心情圏を克服するためには、多く、高く、深く、広い天の心情圏で消化することができなければなりません。そのようにしなくては、天国を建設する基盤ができません。

 それゆえに、今後は家庭全体が動かなければなりません。皆さんだけが先頭に立つのではなく、皆さんの息子、娘まで、二世たちすべてが動かなければなりません。今までの思考方式ではいけません。

 国家が成し得ないこの時において、今は、私たちが出ていって国家の頂上に立つことができるたった一度の機会です。自体内の訓練過程とともにすぐに活動できる基盤をもち、全国に向かって生きて活動できる出発の気運が起きているということを知らなければなりません。そのように考えて、過ぎ去っていくみ言とは思わないで、すべてを投入していかなければなりません。




2004.7.25













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