神様の摂理から見た
  南北統一

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第五節 脱イデオロギー時代

一.思想の流れ

 我々がイエス様以後の二千年歴史を回顧してみれば、数多くのキリスト教信者たちが神様を再び探すための運動をしてきたことを知ることができます。そのために非常に迫害していたローマがキリスト教を公認するようになり、ついにはローマに教皇庁を立てて教皇権を中心とした政治をするようになり、ひいては封建社会を形成するようになったのです。

 ところが、中世に入ってきて再び教皇庁が腐敗して人本主義思想がキリスト教に入ってくることによって、中世以後キリスト教徒たちが神様を失うようなことが起こってきました。すなわち、たくさんの人たちが人本主義思想に流れていってしまったのです。そうして啓蒙思想を経て、結局、唯物史観が現れました。

 これは、人間の理性を重視する合理主義と、経験主義哲学思想を根拠にしています。それで世界は、今、唯物史観と資本主義思潮によって物質の価値を重視する物質万能主義が流行する世界へと転落するようになりました。

 では、中世の封建社会型は誰が崩壊させたのでしょうか。天が崩壊させました。神様は、ローマ教皇庁を中心としてみ旨を成そうとされたのですが、その教皇庁が腐敗していくので、それを滅ぼされたのです。天を信じる人たちがかえって天倫のみ旨に背反するようになるので、人本主義思想を立てて彼らを打つようになったのです。

 そのような中でも神様は、摂理の基点を失わないために、天を心配する一人の人、ルターを中心として宗教改革を起こしました。このように神様は、一方は滅ぼし一方は立てる摂理をしてこられたのです。そして、キリスト教を通して第二のイスラエル型を経るようにして、文芸復興を経て一大混乱を経験するようにした後、人本主義的理性哲学を中心とした啓蒙思潮に敵対して立つことのできる摂理をしてこられたのです。

 啓蒙主義者であるルソー、モンテスキューのような人たちは、キリスト教が破滅することを知りました。そうして、ドイツでは清廉な人物たちが現れ、神秘性を鼓吹しながら神様の実体的な内的体験を主張するようになりました。それが、英国を経てウェスレイ兄弟が復興運動を起こすようになりました。のみならず、クェーカー派を起こして神秘的な内的な体験をするようになったのです。

 一方、人間は神様を愛することも忘れ、人間を愛する理性も忘れて、物質を愛するすべだけ分かる唯物思潮的な主義にまで到達しました。堕落した人間であるとしても必ず本然の立場に帰っていかなければならないために、いつの時か、その物質を中心とした思潮を打つ時が来るようになります。

 今日は神様を中心とした中世が過ぎて、理想哲学を中心として支配された時代も消え去り、十八世紀に成立した唯物思潮を中心とした唯物論的な理念も光を失っていっている状態です。将来の世界は人間が物質を愛しても満足を得られず、過去の歴史的な人の教えに従うとしても現実の問題を打開できない、そのような悲惨な世界です。ですから、物質的な生産力を通して社会の繁栄を指向する共産主義の理念をもっては、到底世界を支配できません。

 ですから、二十一世紀を契機として、我々の前には原子力時代を迎えて、物質文明の世界的な支配を破壊させる時代が来るのです。その次には、どのような時代が来るでしょうか。愛を探して楽しむ時代がやって来ます。互いのために与える時代が、我々の前に訪ねてくるのです。ですから、皆さんは近づく愛の時代に、宇宙万象の前にまともに胸を張って出ていくために、歴史的なすべての価値を総合して統合させることのできる中心的な存在として、使命を十分に成し終える賢明な人たちにならなければなりません。

 そして、皆さんは堕落したアダムとエバの路程を経なければならない立場なので、個々人が第二のアダムの時代的な使命を継承しなければなりません。しかし、そうすることのできる資格を備えられずにいることを知らなければなりません。さらには、今日の歴史は人間の堕落によって失ってしまった神様と、真の人と、真の物質を捜してきた歴史であることを知らなければなりません。(四―一七)




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